2014年03月15日 (土)
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。
これを糖新生といいます。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、GFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。
従いまして、糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期B以降(GFRが60ml/分未満)の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「食品交換表」の
男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、
すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら
男性:2200~2650キロカロリー
女性:1700~1950キロカロリー
身体活動レベルが低い人は
男性:1850~2250キロカロリー
女性:1450~1700キロカロリー
くらいが目安です。
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編」2014年(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」 2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。
これを糖新生といいます。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、GFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。
従いまして、糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期B以降(GFRが60ml/分未満)の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「食品交換表」の
男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、
すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら
男性:2200~2650キロカロリー
女性:1700~1950キロカロリー
身体活動レベルが低い人は
男性:1850~2250キロカロリー
女性:1450~1700キロカロリー
くらいが目安です。
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編」2014年(東洋経済新報社)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」 2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
あるサイトで糖質を採らなくてもタンパク質やアミノ酸を採っていると
ケトン体の回路は働かないという記述を見たのですが本当ですか?
ケトン体の回路は働かないという記述を見たのですが本当ですか?
2014/03/16(Sun) 04:05 | URL | | 【編集】
必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、微量元素は食材から摂取する必要があります。
必須糖質はありません。
インスリン作用が保たれている限り
スーパー糖質制限食、ケトン食、断食において、
「ケトン体-脂肪酸エネルギーシステム」は、
しっかり働いています。
必須糖質はありません。
インスリン作用が保たれている限り
スーパー糖質制限食、ケトン食、断食において、
「ケトン体-脂肪酸エネルギーシステム」は、
しっかり働いています。
2014/03/16(Sun) 19:10 | URL | ドクター江部 | 【編集】
いろいろ、質問が増えて大変かと思います。
ぜひ読者の皆さんができるだけ江部先生の負担軽減にご協力お願いします。
江部先生ファンより(^-^)v
ぜひ読者の皆さんができるだけ江部先生の負担軽減にご協力お願いします。
江部先生ファンより(^-^)v
2014/03/16(Sun) 20:39 | URL | つばさ | 【編集】
回答ありがとうございます。
2014/03/16(Sun) 20:53 | URL | | 【編集】
アトピーでお世話になって4年になります。
先日は、診察の際、乳がん治療の件で貴重なご意見頂戴し有難うございました。抗がん剤の治療はしたくないですが、再発リスクが中間と言われている事もあり、とりあえず臨床試験にエントリーしようかと思っています。強く拒否する勇気がなくて…(^_^;)
診察の際に戴いた「糖質制限ががんに有効」という資料有難うございました。糖質ががんのエネルギーと知り驚きました。
乳がんはホルモンとの関係が大きいがんですが、やはり糖質制限も有効なのでしょうか?乳がんには脂質の取りすぎも良くないと聞きますが、糖質制限とは正反対のようで…
実は、昨年からプチプチ糖質制限をしていて、そのせいかアトピーの症状は落ち着いてる感じです!(^^)! 旦那の花粉症もマシとの事で、がんにも効けば最高なんですが…
糖質制限とがんとの有効性はまだ研究段階かもしれませんが、お返事戴けると有難いです。
宜しくお願いします。
先日は、診察の際、乳がん治療の件で貴重なご意見頂戴し有難うございました。抗がん剤の治療はしたくないですが、再発リスクが中間と言われている事もあり、とりあえず臨床試験にエントリーしようかと思っています。強く拒否する勇気がなくて…(^_^;)
診察の際に戴いた「糖質制限ががんに有効」という資料有難うございました。糖質ががんのエネルギーと知り驚きました。
乳がんはホルモンとの関係が大きいがんですが、やはり糖質制限も有効なのでしょうか?乳がんには脂質の取りすぎも良くないと聞きますが、糖質制限とは正反対のようで…
実は、昨年からプチプチ糖質制限をしていて、そのせいかアトピーの症状は落ち着いてる感じです!(^^)! 旦那の花粉症もマシとの事で、がんにも効けば最高なんですが…
糖質制限とがんとの有効性はまだ研究段階かもしれませんが、お返事戴けると有難いです。
宜しくお願いします。
2014/03/17(Mon) 19:30 | URL | あとぴっこ | 【編集】
あとぴっこ さん
高インスリン血症と高血糖には発がんのリスクがあり、エビデンスもあります。
糖質制限食やケトン食では、高インスリン血症や高血糖がなくなります。
2013年03月31日 (日)の本ブログ記事
「ケトン食でガンが消失。米CBNニュース。」
2013年11月25日 (月)の本ブログ記事
「がんが増えている。 がんとスーパー糖質制限食-仮説。」
2013年12月26日 (木)の本ブログ記事
『「アイオワ大学+NIH」共同研究、ケトン食、肺ガン、膵臓ガン』
などをご参照ください。
高インスリン血症と高血糖には発がんのリスクがあり、エビデンスもあります。
糖質制限食やケトン食では、高インスリン血症や高血糖がなくなります。
2013年03月31日 (日)の本ブログ記事
「ケトン食でガンが消失。米CBNニュース。」
2013年11月25日 (月)の本ブログ記事
「がんが増えている。 がんとスーパー糖質制限食-仮説。」
2013年12月26日 (木)の本ブログ記事
『「アイオワ大学+NIH」共同研究、ケトン食、肺ガン、膵臓ガン』
などをご参照ください。
2014/03/17(Mon) 21:36 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、お忙しい中早々にお返事頂戴し有難うございました。
過去のブログ、拝見しました。
自分や家族の為にも、プチプチ糖質制限でなく、もう少し頑張ってみようと思います。食生活や生活習慣を見直してがんに負けない体を作ろうと思います。
ごはんを食べなくてもお菓子を食べてたらダメですね(^^ゞ 反省…
過去のブログ、拝見しました。
自分や家族の為にも、プチプチ糖質制限でなく、もう少し頑張ってみようと思います。食生活や生活習慣を見直してがんに負けない体を作ろうと思います。
ごはんを食べなくてもお菓子を食べてたらダメですね(^^ゞ 反省…
2014/03/19(Wed) 16:32 | URL | あとぴっこ | 【編集】
江部先生、はじめまして。
千葉県在住のS.Sと申します。
先月とある事情でMクリニックを受診した際に
糖質制限を勧められて現在まで3週間程糖質制限をしております。
私は、1型糖尿病を18歳で発症し、まもなく病歴29年。
糖尿病網膜症,糖尿病腎症,糖尿病神経障害,高血圧症,慢性膵炎,パニック障害
を併発しております。
網膜症による黄斑浮腫では、
両眼網膜光凝固術(レーザー治療)、右眼アバスチン硝子体注射、両眼ステロイドテノン嚢下注射を経て、
最終的に入院で、
右眼白内障手術(水晶体再建術,眼内レンズ挿入)と
右眼硝子体手術(硝子体茎顕微鏡下離断術1、網膜付着組織を含むもの)をしました。
腎症では浮腫みや腎性貧血、高血圧症による降下剤や塩分制限、
直近の検査結果は、
{GFR36.5mL/min}{クレアチニン1.28mg/dL}で、病期は【第3期(3期B)】です。
神経障害は壊疽等はありませんが、
定期的な下痢や嘔吐は神経障害からの胃腸障害や慢性膵炎による消化酵素が出ていない為の膵性下痢といわれ、
胃カメラや大腸カメラをした消化器内科では逆流性食道炎や慢性胃炎とも言われました。
慢性膵炎のアミラーゼはここ数年基準値内ですが、毎年の画像検査(超音波エコー)では
石灰化が進んでおり膵臓の縮小があると言われ、脂っこいものも制限されています。
また慢性膵炎急性増悪の時と同じような激痛や吐き気で今までに何度か救急車搬送され、
ちょうど1年程前にも同様の症状で搬送された時は肝臓と胆道の数値が高く、
緊急入院・手術の結果、総胆管結石と診断されました。
HbA1cはこの1年8%台~9%台、スライディング等で一生懸命治療していますが
全くコントロールがつかずむしろ悪くなる一方で日々体の衰えを感じていたので
快方とM先生のお言葉を信じ糖質制限をはじめましたが、
先日長期に渡りお世話になっている(日本糖尿病学会の従来的方針)の主治医へ報告したところ、
『1型は無理!ましてや慢性膵炎もあって腎臓も悪いんだから絶対に駄目!!』
『一気に透析になったり眼も悪くなるよ!』
と豪語されてしまいました。
私も実際に糖質制限をはじめる前に色々調べ、江部先生のブログやコメント、そしてこちらの記事や江部先生が出演された番組YouTubeなどを観て
不適応
●腎機能障害
●すい炎
●肝硬変
私には時既に不適応なのでは?と思いM先生にも申しましたが、
今回主治医から大反対を受けたり、IDDM仲間や家族にも相談したところ
やはり私と同様に“そこが一番心配”とのことで、私も一層不安が高まってしまい現在非常に悩んでおります。
そこで改めて、江部先生にお伺いしたいのですが、
1型は1型でも病歴が長く、上記のように脂質や塩分を制限される程進行してしまっている合併症がある私でも
糖質制限は“確実に”大丈夫なのでしょうか?
お忙しい中、大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
千葉県在住のS.Sと申します。
先月とある事情でMクリニックを受診した際に
糖質制限を勧められて現在まで3週間程糖質制限をしております。
私は、1型糖尿病を18歳で発症し、まもなく病歴29年。
糖尿病網膜症,糖尿病腎症,糖尿病神経障害,高血圧症,慢性膵炎,パニック障害
を併発しております。
網膜症による黄斑浮腫では、
両眼網膜光凝固術(レーザー治療)、右眼アバスチン硝子体注射、両眼ステロイドテノン嚢下注射を経て、
最終的に入院で、
右眼白内障手術(水晶体再建術,眼内レンズ挿入)と
右眼硝子体手術(硝子体茎顕微鏡下離断術1、網膜付着組織を含むもの)をしました。
腎症では浮腫みや腎性貧血、高血圧症による降下剤や塩分制限、
直近の検査結果は、
{GFR36.5mL/min}{クレアチニン1.28mg/dL}で、病期は【第3期(3期B)】です。
神経障害は壊疽等はありませんが、
定期的な下痢や嘔吐は神経障害からの胃腸障害や慢性膵炎による消化酵素が出ていない為の膵性下痢といわれ、
胃カメラや大腸カメラをした消化器内科では逆流性食道炎や慢性胃炎とも言われました。
慢性膵炎のアミラーゼはここ数年基準値内ですが、毎年の画像検査(超音波エコー)では
石灰化が進んでおり膵臓の縮小があると言われ、脂っこいものも制限されています。
また慢性膵炎急性増悪の時と同じような激痛や吐き気で今までに何度か救急車搬送され、
ちょうど1年程前にも同様の症状で搬送された時は肝臓と胆道の数値が高く、
緊急入院・手術の結果、総胆管結石と診断されました。
HbA1cはこの1年8%台~9%台、スライディング等で一生懸命治療していますが
全くコントロールがつかずむしろ悪くなる一方で日々体の衰えを感じていたので
快方とM先生のお言葉を信じ糖質制限をはじめましたが、
先日長期に渡りお世話になっている(日本糖尿病学会の従来的方針)の主治医へ報告したところ、
『1型は無理!ましてや慢性膵炎もあって腎臓も悪いんだから絶対に駄目!!』
『一気に透析になったり眼も悪くなるよ!』
と豪語されてしまいました。
私も実際に糖質制限をはじめる前に色々調べ、江部先生のブログやコメント、そしてこちらの記事や江部先生が出演された番組YouTubeなどを観て
不適応
●腎機能障害
●すい炎
●肝硬変
私には時既に不適応なのでは?と思いM先生にも申しましたが、
今回主治医から大反対を受けたり、IDDM仲間や家族にも相談したところ
やはり私と同様に“そこが一番心配”とのことで、私も一層不安が高まってしまい現在非常に悩んでおります。
そこで改めて、江部先生にお伺いしたいのですが、
1型は1型でも病歴が長く、上記のように脂質や塩分を制限される程進行してしまっている合併症がある私でも
糖質制限は“確実に”大丈夫なのでしょうか?
お忙しい中、大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
S.S さん
今までの、標準的な1型糖尿病治療により、
糖尿病網膜症,糖尿病腎症,糖尿病神経障害,高血圧症,慢性膵炎,
を発症しておられます。
つまり標準治療では、これらの合併症を全く防げなかったという現実があります。
従って、同じ標準治療だと、経年的に合併症は進行する可能性が極めて高いです。
従って、適応か否かギリギリのところですが、
このまま何もしないで合併症の進行を待つよりは、糖質制限食を試す価値があると思います。
糖質制限食実践で、インスリンの量と、血糖値の乱高下が減るだけでも、酸化ストレスが減少します。
毎月検査して、もし有害な症状や所見が出現すれば、残念ながら撤退でやむを得ません。
有害な事象が出現しないなら、
糖質制限食実践で、インスリンの単位と、血糖値の乱高下を減らし、
酸化ストレスを減らすという利点を継続すれば良いと思います。
今までの、標準的な1型糖尿病治療により、
糖尿病網膜症,糖尿病腎症,糖尿病神経障害,高血圧症,慢性膵炎,
を発症しておられます。
つまり標準治療では、これらの合併症を全く防げなかったという現実があります。
従って、同じ標準治療だと、経年的に合併症は進行する可能性が極めて高いです。
従って、適応か否かギリギリのところですが、
このまま何もしないで合併症の進行を待つよりは、糖質制限食を試す価値があると思います。
糖質制限食実践で、インスリンの量と、血糖値の乱高下が減るだけでも、酸化ストレスが減少します。
毎月検査して、もし有害な症状や所見が出現すれば、残念ながら撤退でやむを得ません。
有害な事象が出現しないなら、
糖質制限食実践で、インスリンの単位と、血糖値の乱高下を減らし、
酸化ストレスを減らすという利点を継続すれば良いと思います。
2017/02/17(Fri) 07:40 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生
とても分かりやすいご説明にて早速のご回答をいただきまして誠にありがとうございました。
膵炎に関しては少し不安がありますが、先生の仰るとおり「このまま何もしないで合併症の進行を待つよりは、糖質制限食を試す価値がある」と私も思いますので、体調や検査結果を留意しながら今後も糖質制限食を継続したいと思います。
本当にありがとうございました。
とても分かりやすいご説明にて早速のご回答をいただきまして誠にありがとうございました。
膵炎に関しては少し不安がありますが、先生の仰るとおり「このまま何もしないで合併症の進行を待つよりは、糖質制限食を試す価値がある」と私も思いますので、体調や検査結果を留意しながら今後も糖質制限食を継続したいと思います。
本当にありがとうございました。
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