2014年01月20日 (月)
【14/01/20 名古屋・h
昨夜のNHKスペシャル
江部先生こんにちわ。
昨夜のNHK、アルツハイマ-に関する放送の中の、九州大学久山町の研究で血糖値とアルツハイマ-の関係グラフが示されました。
その原因の説明で九州大学のいつもの先生、これは食事の欧米化の起因するもの、脂肪などの過剰摂取によるものです、との従来の自説を述べられました。
糖質の摂取増加が原因と判っているのに、従来の考えを変えないのは研究者としては失格です。
素人目には、失礼ながら一度脳検査が必要かもとも思われます。
町民のためにも久山町で適切な指導が行われることを望む次第です。
名古屋・h】
こんばんは
2014年1月19日(日)午後9時00分~9時49分
NHKスペシャル「アルツハイマー病をくい止めろ!」が放送されました。
私は見ていなかったのですが、いけのめ さん、joshさん、名古屋・h さんからコメントをいただいたので、NHKの健康ホームページのサイトを見てみました。
http://www.nhk.or.jp/kenko/n_special/
いけのめ さん、joshさん、名古屋・h さん、ありがとうございます。
残念ながら、このサイトには清原先生(久山町研究のリーダー)のお話しは掲載されていませんでした。
ともあれ、清原先生が登場されて、
『九州大学久山町の研究で血糖値とアルツハイマ-の関係グラフが示された。
その原因の説明で九州大学の清原先生、これは食事の欧米化に起因するもの、脂肪などの過剰摂取によるものです、との従来の自説を述べられた。』
ということですね。
実は清原先生のグループの、九州大学の小澤 未央 先生が、
『米の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させる』
ということを、
第22回日本疫学会学術総会2012年1月26〜28日
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2012.html#5th
で発表されました。
清原先生は久山町研究の責任者ですから、勿論このことはご存知です。
『1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く、「米」の摂取量が少ない食事パターンは、認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。』
上記は日本疫学会での九州大学清原グループの小澤 未央 先生のご発言です。
つまり、牛乳・乳製品(動物性脂肪と動物性蛋白質)を増やして、米の摂取を減らすということですが、これのどこが日本型食生活なのでしょうか? (∵)?
清原先生、いくんらなんでも『食事の欧米化に起因する』はないでしょう。
折角の久山町研究という世界レベルの研究の成果を、その責任者がねじ曲げて伝えるというのはフェアではないし、残念です。 (*`Д´)ノ
「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く、「米」の摂取量が少ない食事パターンって、結局糖質制限食に近いメニューです。
久山町研究の示した結論は
『米の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させる』
ということです。
これを言い換えれば
『米の摂取量が多い食事パターンは、認知症のリスクを有意に増加させる』
ということであり、
清原発現の『食生活の欧米化に起因するもの』とは
似ても似つかぬものです。
久山町研究そのものは、信頼度の高い素晴らしい研究であり、高血圧治療と脳卒中予防においては、素晴らしい成果を上げておられます。
一方、糖尿病の予防とアルツハイマーの予防には失敗しておられらます。
虚心坦懐に、この現実を受け入れて、研究の再検討をすれば、米や芋を始めとする糖質の頻回・過剰摂取による糖尿病やアルツハイマー病発症のリスクは、ご自分達で発見できたと思うのですが・・・。
研究に献身的に協力されてきた久山町住民の方々のためにも、「久山町の悲劇」をくい止めて欲しいものです。
江部康二
☆☆☆
詳しくは、以下
2012年10月10日 (水)の本ブログ記事
<久山町研究 「米」の摂取量が少ないと、認知症リスク低下>
をご参照いただけば幸いです。
こんにちは。
精神科医Aさんから、非常に興味深いコメント・情報を頂きました。
【12/10/09 精神科医師A
久山研究(認知症)
第22回日本疫学会学術総会2012年1月26〜28日
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2012.html#5th
…1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました】
精神科医師Aさん、
ありがとうございます。
1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。
これは、九州大学としては、衝撃のデータでしょうね。
お米を減らして、乳製品(動物蛋白・動物脂肪)と大豆製品と豆腐、あと野菜と海藻です。
これって、ほとんど糖質制限食ではないですか!?
小澤 未央 先生
「よくぞ発表してくださいました。」
とエールを送りたいですね。
魚介類と肉の摂取量は、認知症とどう関連していたのかも知りたいですが、今回の発表には、何故か含まれていませんでした。
それにしても1988年以来、九州大学と中村学園大学の協力で、糖尿病発症予防を目的に、 少なくとも14年間、従来の糖尿病食(米飯を中心に糖質50~60%)を 徹底して指導された事実は、どのように受けとめておられるのでしょうか。
久山町研究責任者の清原教授にも是非、見解をお聞きしたいです。
そして糖尿病予防に関しても、大失敗に終わったことへの見解もお聞きしたいですね。
現実に久山町では、九州大学の予防努力にも関わらず糖尿病は激増し、アルツハイマー型痴呆も2005年の有病率は、1992年の約3倍です。
江部康二
第22回日本疫学会学術総会
2012年1月26日(木)〜28日(土)
東京で開催
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
発表者: 九州大学・小澤 未央 氏 (1月27日(金),ポスター)
目的: 食事パターンと認知症発症リスクとの関連を検討。
コホート・手法:久山町研究の1988年健診に参加した60歳以上の1006人を17年間追跡。(久山町研究へ)
結果: これまでに認知症発症との関連が指摘されている7つの栄養素(飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸,ビタミンC,カリウム,カルシウム,マグネシウム)を応答変数として縮小ランク回帰分析を行ったところ,「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の相対的な摂取量が多く,「米」の相対的な摂取量が少ないことに特徴づけられる食事パターンが導き出された。この食事パターンと認知症発症との関連を検討した結果,導き出された食事パターンのスコアが高い人ほど,全認知症,アルツハイマー病,および脳血管性認知症の発症リスクが有意に低くなった。
小澤未央氏のコメント
今回の検討では,1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。本研究結果から,1回の食事において米の摂取量を減らした分,大豆,野菜,および乳製品で作られた食品を多く摂取する食事,つまり野菜類の摂取を心がけた食生活は,認知症の発症を予防する可能性があると考えられます。
一人糖質制限 さん
コメント欄が禁止ワードで書き込めないので、ここに記載します。
一度糖尿病と診断された場合、ブドウ糖負荷試験を実施すれば、1時間値や2時間値が高血糖で糖尿病パターンとなります。
しかし糖質制限食なら、食後高血糖は生じません。
私自身も、糖質制限食なら正常人、糖質を食べたら食後高血糖で糖尿人です。
一人糖質制限 さんは、現在は血糖コントロール良好ですが、右網膜動脈閉塞症に関して、過去の高血糖時代に、一定の動脈硬化が合った可能性があります。
高血糖の期間の年数だけ高血糖の記憶として動脈硬化などの借金が残りこれは消えません。
血糖コントロール良好となれば新たな借金はできませんが、過去の借金は記憶のように残るのです。
このまま血糖コントロール良好を保ち、眼科通院で経過をみるのがいいと思います。
糖尿病そのものの、精密検査は要らないと思います。
心臓の検査と頸動脈エコーは、検査してチェックしたほうがいいと思います。
昨夜のNHKスペシャル
江部先生こんにちわ。
昨夜のNHK、アルツハイマ-に関する放送の中の、九州大学久山町の研究で血糖値とアルツハイマ-の関係グラフが示されました。
その原因の説明で九州大学のいつもの先生、これは食事の欧米化の起因するもの、脂肪などの過剰摂取によるものです、との従来の自説を述べられました。
糖質の摂取増加が原因と判っているのに、従来の考えを変えないのは研究者としては失格です。
素人目には、失礼ながら一度脳検査が必要かもとも思われます。
町民のためにも久山町で適切な指導が行われることを望む次第です。
名古屋・h】
こんばんは
2014年1月19日(日)午後9時00分~9時49分
NHKスペシャル「アルツハイマー病をくい止めろ!」が放送されました。
私は見ていなかったのですが、いけのめ さん、joshさん、名古屋・h さんからコメントをいただいたので、NHKの健康ホームページのサイトを見てみました。
http://www.nhk.or.jp/kenko/n_special/
いけのめ さん、joshさん、名古屋・h さん、ありがとうございます。
残念ながら、このサイトには清原先生(久山町研究のリーダー)のお話しは掲載されていませんでした。
ともあれ、清原先生が登場されて、
『九州大学久山町の研究で血糖値とアルツハイマ-の関係グラフが示された。
その原因の説明で九州大学の清原先生、これは食事の欧米化に起因するもの、脂肪などの過剰摂取によるものです、との従来の自説を述べられた。』
ということですね。
実は清原先生のグループの、九州大学の小澤 未央 先生が、
『米の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させる』
ということを、
第22回日本疫学会学術総会2012年1月26〜28日
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2012.html#5th
で発表されました。
清原先生は久山町研究の責任者ですから、勿論このことはご存知です。
『1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く、「米」の摂取量が少ない食事パターンは、認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。』
上記は日本疫学会での九州大学清原グループの小澤 未央 先生のご発言です。
つまり、牛乳・乳製品(動物性脂肪と動物性蛋白質)を増やして、米の摂取を減らすということですが、これのどこが日本型食生活なのでしょうか? (∵)?
清原先生、いくんらなんでも『食事の欧米化に起因する』はないでしょう。
折角の久山町研究という世界レベルの研究の成果を、その責任者がねじ曲げて伝えるというのはフェアではないし、残念です。 (*`Д´)ノ
「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く、「米」の摂取量が少ない食事パターンって、結局糖質制限食に近いメニューです。
久山町研究の示した結論は
『米の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させる』
ということです。
これを言い換えれば
『米の摂取量が多い食事パターンは、認知症のリスクを有意に増加させる』
ということであり、
清原発現の『食生活の欧米化に起因するもの』とは
似ても似つかぬものです。
久山町研究そのものは、信頼度の高い素晴らしい研究であり、高血圧治療と脳卒中予防においては、素晴らしい成果を上げておられます。
一方、糖尿病の予防とアルツハイマーの予防には失敗しておられらます。
虚心坦懐に、この現実を受け入れて、研究の再検討をすれば、米や芋を始めとする糖質の頻回・過剰摂取による糖尿病やアルツハイマー病発症のリスクは、ご自分達で発見できたと思うのですが・・・。
研究に献身的に協力されてきた久山町住民の方々のためにも、「久山町の悲劇」をくい止めて欲しいものです。
江部康二
☆☆☆
詳しくは、以下
2012年10月10日 (水)の本ブログ記事
<久山町研究 「米」の摂取量が少ないと、認知症リスク低下>
をご参照いただけば幸いです。
こんにちは。
精神科医Aさんから、非常に興味深いコメント・情報を頂きました。
【12/10/09 精神科医師A
久山研究(認知症)
第22回日本疫学会学術総会2012年1月26〜28日
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2012.html#5th
…1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました】
精神科医師Aさん、
ありがとうございます。
1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。
これは、九州大学としては、衝撃のデータでしょうね。
お米を減らして、乳製品(動物蛋白・動物脂肪)と大豆製品と豆腐、あと野菜と海藻です。
これって、ほとんど糖質制限食ではないですか!?
小澤 未央 先生
「よくぞ発表してくださいました。」
とエールを送りたいですね。
魚介類と肉の摂取量は、認知症とどう関連していたのかも知りたいですが、今回の発表には、何故か含まれていませんでした。
それにしても1988年以来、九州大学と中村学園大学の協力で、糖尿病発症予防を目的に、 少なくとも14年間、従来の糖尿病食(米飯を中心に糖質50~60%)を 徹底して指導された事実は、どのように受けとめておられるのでしょうか。
久山町研究責任者の清原教授にも是非、見解をお聞きしたいです。
そして糖尿病予防に関しても、大失敗に終わったことへの見解もお聞きしたいですね。
現実に久山町では、九州大学の予防努力にも関わらず糖尿病は激増し、アルツハイマー型痴呆も2005年の有病率は、1992年の約3倍です。
江部康二
第22回日本疫学会学術総会
2012年1月26日(木)〜28日(土)
東京で開催
[久山町研究] 認知症リスクの低い食事パターン
発表者: 九州大学・小澤 未央 氏 (1月27日(金),ポスター)
目的: 食事パターンと認知症発症リスクとの関連を検討。
コホート・手法:久山町研究の1988年健診に参加した60歳以上の1006人を17年間追跡。(久山町研究へ)
結果: これまでに認知症発症との関連が指摘されている7つの栄養素(飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸,ビタミンC,カリウム,カルシウム,マグネシウム)を応答変数として縮小ランク回帰分析を行ったところ,「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の相対的な摂取量が多く,「米」の相対的な摂取量が少ないことに特徴づけられる食事パターンが導き出された。この食事パターンと認知症発症との関連を検討した結果,導き出された食事パターンのスコアが高い人ほど,全認知症,アルツハイマー病,および脳血管性認知症の発症リスクが有意に低くなった。
小澤未央氏のコメント
今回の検討では,1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示されました。本研究結果から,1回の食事において米の摂取量を減らした分,大豆,野菜,および乳製品で作られた食品を多く摂取する食事,つまり野菜類の摂取を心がけた食生活は,認知症の発症を予防する可能性があると考えられます。
一人糖質制限 さん
コメント欄が禁止ワードで書き込めないので、ここに記載します。
一度糖尿病と診断された場合、ブドウ糖負荷試験を実施すれば、1時間値や2時間値が高血糖で糖尿病パターンとなります。
しかし糖質制限食なら、食後高血糖は生じません。
私自身も、糖質制限食なら正常人、糖質を食べたら食後高血糖で糖尿人です。
一人糖質制限 さんは、現在は血糖コントロール良好ですが、右網膜動脈閉塞症に関して、過去の高血糖時代に、一定の動脈硬化が合った可能性があります。
高血糖の期間の年数だけ高血糖の記憶として動脈硬化などの借金が残りこれは消えません。
血糖コントロール良好となれば新たな借金はできませんが、過去の借金は記憶のように残るのです。
このまま血糖コントロール良好を保ち、眼科通院で経過をみるのがいいと思います。
糖尿病そのものの、精密検査は要らないと思います。
心臓の検査と頸動脈エコーは、検査してチェックしたほうがいいと思います。
<九州大学大学院医学研究院環境医学分野>
www.med.kyushu-u.ac.jp/envmed/index.html
九州大学医学部の環境医学分野では清原裕主任教授を筆頭に、久山町研究で成果をあげ、数多くの医学論文を発表している。私はどうして久山町で糖尿病患者が増えたのか、文献を調べてみることにした。
【1】日本語医学論文
1988年から2002年の間に糖尿病患者が増えたが、その原因に言及している論文はあまり多くない
*学会誌『糖尿病』51(6):477-479, 2008年6月
◇食生活の時代的変化
肥満や耐糖能異常は食事と密接な関連がある.そこで,久山町で1965 年,1985 年,1994年,2004年に行われた栄養調査と同じ時期の国民栄養調査から,日本人の栄養摂取状況の時代的変化を検討した.久山町住民の総エネルギー摂取量は時代とともに減少傾向にあるが,年齢,性,生活活動度を調整したエネルギー摂取量の成人換算値はそれぞれ2,329 kcal,2,369 kcal,2,263 kcal,2,392 kcal とほとんど変わらない.つまり,総エネルギー摂取量には時代的な変化がないといえる.
そのなかに占める炭水化物のエネルギー比率は,1965 年から1994年までの30 年間に68.6%から54.2%へ着実に低下したが,その後2004 年では57.2% と上昇に転じている.逆に,総脂質エネルギー比率は1965 年の15.6%から1994 年の26.2%に上昇し,2004年になると24.5% とやや減少傾向に変わっている.しかし,総脂肪摂取量に占める動物性脂質の割合を示す動物性脂質比は最近でも一貫して増加している.同じ現象は国民栄養調査の成績でも認められる.
動物性脂質の主成分である飽和脂肪酸の過剰摂取は,総エネルギー摂取量やBMI とは独立して,インスリン抵抗性を増大させると報告されている.一方,総脂質摂取量や飽和脂肪酸摂取量の増加は,総エネルギー摂取量とは独立して,肥満の原因になりうる.このように,食事性因子のなかで特に動物性脂質の過剰摂取は,直接的にあるいは肥満を介して,最近の日本人において耐糖能異常の大幅な増加をもたらした可能性が高い.
(解説)
この論文では、中村学園論文(http://ci.nii.ac.jp/naid/110006405565)を引用して、「動物性脂質の過剰摂取」がDM増加の原因としている。実際は、1994→2004年の間に炭水化物量と動物性脂質が増え、総脂質・総蛋白が減ったわけである。
【2】英語医学論文
Secular Trends in the Incidence of and Risk Factors for Ischemic Stroke and Its Subtypes in Japanese Population.
Circulation. 118(25) 2672-2678, 2008Dec
http://circ.ahajournals.org/content/118/25/2672.full
In subjects in the present study, the age-adjusted prevalence of metabolic disorders, such as obesity, hypercholesterolemia, and glucose intolerance, increased greatly during the past 40 years, probably owing to the westernization of the Japanese lifestyle.
この研究の内容では、年齢調整した代謝性疾患(肥満・高脂血症・耐糖能障害)の頻度は、過去40年間の間に著しく上昇した。これはおそらく日本人の生活様式の欧風化によるとみられる
(解説) 久山町で糖尿病が増えた原因について、言及している英語論文は、いくら探してもこれしかみつからなかった。「おそらく日本人の生活様式の欧風化によるとみられる」と一言あるだけで、その根拠には全く触れていない。つまり日本語論文では「動物性脂質の過剰摂取」としているが、それは諸外国の研究者に対して主張するほどの確実性を持たないということだ。これが国際的に有名な久山研究の実態である。
www.med.kyushu-u.ac.jp/envmed/index.html
九州大学医学部の環境医学分野では清原裕主任教授を筆頭に、久山町研究で成果をあげ、数多くの医学論文を発表している。私はどうして久山町で糖尿病患者が増えたのか、文献を調べてみることにした。
【1】日本語医学論文
1988年から2002年の間に糖尿病患者が増えたが、その原因に言及している論文はあまり多くない
*学会誌『糖尿病』51(6):477-479, 2008年6月
◇食生活の時代的変化
肥満や耐糖能異常は食事と密接な関連がある.そこで,久山町で1965 年,1985 年,1994年,2004年に行われた栄養調査と同じ時期の国民栄養調査から,日本人の栄養摂取状況の時代的変化を検討した.久山町住民の総エネルギー摂取量は時代とともに減少傾向にあるが,年齢,性,生活活動度を調整したエネルギー摂取量の成人換算値はそれぞれ2,329 kcal,2,369 kcal,2,263 kcal,2,392 kcal とほとんど変わらない.つまり,総エネルギー摂取量には時代的な変化がないといえる.
そのなかに占める炭水化物のエネルギー比率は,1965 年から1994年までの30 年間に68.6%から54.2%へ着実に低下したが,その後2004 年では57.2% と上昇に転じている.逆に,総脂質エネルギー比率は1965 年の15.6%から1994 年の26.2%に上昇し,2004年になると24.5% とやや減少傾向に変わっている.しかし,総脂肪摂取量に占める動物性脂質の割合を示す動物性脂質比は最近でも一貫して増加している.同じ現象は国民栄養調査の成績でも認められる.
動物性脂質の主成分である飽和脂肪酸の過剰摂取は,総エネルギー摂取量やBMI とは独立して,インスリン抵抗性を増大させると報告されている.一方,総脂質摂取量や飽和脂肪酸摂取量の増加は,総エネルギー摂取量とは独立して,肥満の原因になりうる.このように,食事性因子のなかで特に動物性脂質の過剰摂取は,直接的にあるいは肥満を介して,最近の日本人において耐糖能異常の大幅な増加をもたらした可能性が高い.
(解説)
この論文では、中村学園論文(http://ci.nii.ac.jp/naid/110006405565)を引用して、「動物性脂質の過剰摂取」がDM増加の原因としている。実際は、1994→2004年の間に炭水化物量と動物性脂質が増え、総脂質・総蛋白が減ったわけである。
【2】英語医学論文
Secular Trends in the Incidence of and Risk Factors for Ischemic Stroke and Its Subtypes in Japanese Population.
Circulation. 118(25) 2672-2678, 2008Dec
http://circ.ahajournals.org/content/118/25/2672.full
In subjects in the present study, the age-adjusted prevalence of metabolic disorders, such as obesity, hypercholesterolemia, and glucose intolerance, increased greatly during the past 40 years, probably owing to the westernization of the Japanese lifestyle.
この研究の内容では、年齢調整した代謝性疾患(肥満・高脂血症・耐糖能障害)の頻度は、過去40年間の間に著しく上昇した。これはおそらく日本人の生活様式の欧風化によるとみられる
(解説) 久山町で糖尿病が増えた原因について、言及している英語論文は、いくら探してもこれしかみつからなかった。「おそらく日本人の生活様式の欧風化によるとみられる」と一言あるだけで、その根拠には全く触れていない。つまり日本語論文では「動物性脂質の過剰摂取」としているが、それは諸外国の研究者に対して主張するほどの確実性を持たないということだ。これが国際的に有名な久山研究の実態である。
2014/01/20(Mon) 18:22 | URL | 精神科医師A | 【編集】
<九州大学医学部予防医学分野>
www.med.kyushu-u.ac.jp/phealth/list.html
福岡市東区在住(50-74歳)の男性3243名、女性4667名を対象にcohort研究を行った。
Dietary Patterns and A1C in Japanese Men and Women
Diabetes Care 31(8) 1568-1573, 2008
http://care.diabetesjournals.org/content/31/8/1568.full?sid=3667bed5-7f75-48ac-8532-02bc3b7bc137
Westernized breakfast pattern was inversely related to A1C concentrations in both men and women
洋風の朝食スタイルは、HbA1cの値と、逆相関していた。
◇「洋風の朝食スタイル」とは?
The fourth factor was a Westernized breakfast pattern characterized by frequent consumption of bread, margarine, and coffee and infrequent consumption of rice and miso soup.
第4因子は洋風の朝食スタイルであり、パン、マーガリン、コーヒーの摂取量が多く、米飯や味噌の量が少ないタイプ
(解説)
同じ2008年の論文であるが、この研究では、HbA1cと食事形態の関係に、「洋風の朝食スタイル」だとすぐれていると結論を出している。環境医学と予防医学とはそれぞれ異なる研究室だが、糖尿病増加と食事の関係は、予防医学研究室に軍配が上がった
www.med.kyushu-u.ac.jp/phealth/list.html
福岡市東区在住(50-74歳)の男性3243名、女性4667名を対象にcohort研究を行った。
Dietary Patterns and A1C in Japanese Men and Women
Diabetes Care 31(8) 1568-1573, 2008
http://care.diabetesjournals.org/content/31/8/1568.full?sid=3667bed5-7f75-48ac-8532-02bc3b7bc137
Westernized breakfast pattern was inversely related to A1C concentrations in both men and women
洋風の朝食スタイルは、HbA1cの値と、逆相関していた。
◇「洋風の朝食スタイル」とは?
The fourth factor was a Westernized breakfast pattern characterized by frequent consumption of bread, margarine, and coffee and infrequent consumption of rice and miso soup.
第4因子は洋風の朝食スタイルであり、パン、マーガリン、コーヒーの摂取量が多く、米飯や味噌の量が少ないタイプ
(解説)
同じ2008年の論文であるが、この研究では、HbA1cと食事形態の関係に、「洋風の朝食スタイル」だとすぐれていると結論を出している。環境医学と予防医学とはそれぞれ異なる研究室だが、糖尿病増加と食事の関係は、予防医学研究室に軍配が上がった
2014/01/20(Mon) 18:26 | URL | 精神科医師A | 【編集】
初めまして
ダイエットを目的で糖質制限食を始めました。
体重は目に見えて減ってきたのですが、便秘がひどくなってきました。
いろいろ調べると、糖質制限食を行うと便秘するというのが大半です。
例を挙げると
「便秘を治すには、大腸に生息する腸内細菌の量を増やすことによるコロコロ便の便秘の解消です。人によっては、腸内細菌が少ない方もおられ、このような方の便秘の解消には有効となります。ただし、この場合、善玉菌のみを選択的に増やす方策が必要となります。食物繊維は、腸内細菌の栄養源となって、腸内細菌を増やす作用があることが知られています。しかし、腸内細菌を増やす作用のある食物繊維は、水に溶ける水溶性の食物繊維であって、水に溶けない不溶性の食物繊維には、その作用はありません。野菜、海藻類に含まれる食物繊維は、そのほとんどが不溶性食物繊維ですので、これらの食べ物を多く摂っても、なかなか便秘の解消には至りません。いかに、水溶性食物繊維を多く摂るかがポイントとなります。」
とあります。
他のサイトでもこのような内容が多いです。
この点について、先生はどのようにお考えでしょうか?
また、糖質制限食でも便秘しない方法を教えていただけないでしょうか?
ダイエットを目的で糖質制限食を始めました。
体重は目に見えて減ってきたのですが、便秘がひどくなってきました。
いろいろ調べると、糖質制限食を行うと便秘するというのが大半です。
例を挙げると
「便秘を治すには、大腸に生息する腸内細菌の量を増やすことによるコロコロ便の便秘の解消です。人によっては、腸内細菌が少ない方もおられ、このような方の便秘の解消には有効となります。ただし、この場合、善玉菌のみを選択的に増やす方策が必要となります。食物繊維は、腸内細菌の栄養源となって、腸内細菌を増やす作用があることが知られています。しかし、腸内細菌を増やす作用のある食物繊維は、水に溶ける水溶性の食物繊維であって、水に溶けない不溶性の食物繊維には、その作用はありません。野菜、海藻類に含まれる食物繊維は、そのほとんどが不溶性食物繊維ですので、これらの食べ物を多く摂っても、なかなか便秘の解消には至りません。いかに、水溶性食物繊維を多く摂るかがポイントとなります。」
とあります。
他のサイトでもこのような内容が多いです。
この点について、先生はどのようにお考えでしょうか?
また、糖質制限食でも便秘しない方法を教えていただけないでしょうか?
2014/01/20(Mon) 19:09 | URL | ふっち | 【編集】
ふっちさん
糖質制限OK食材の
「キャベツや大根等の野菜類、わかめなどの海藻類、大豆 」
などにも水溶性食物繊維が含まれていますので、適宜工夫していただけばよろしいかと思います。
2013年11月12日 (火)の本ブログ記事
「糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化(6)」
をご参照ください。
糖質制限OK食材の
「キャベツや大根等の野菜類、わかめなどの海藻類、大豆 」
などにも水溶性食物繊維が含まれていますので、適宜工夫していただけばよろしいかと思います。
2013年11月12日 (火)の本ブログ記事
「糖質制限食実践中に生じることがある好ましくない症状・変化(6)」
をご参照ください。
2014/01/20(Mon) 20:36 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生へ
先ほど茨城に戻りました。
今朝は、長い時間 診察していただきありがとうございました。
数値が戻ってしまったことで、テンパっていました。が、先生と直接 相談できて 少し心のもやもやが落ち着きました。
まだ腎臓機能が70%くらいあるからという一言で慰められました。
最近は行く先々で、糖尿が治った、治ったと言われて調子に乗っていました。食い過ぎました。体重も増えました。
このままだと 再び すい臓を疲れさせてしまうかもしれないので、制限を加えた糖質制限食を明日から始めます。3ヶ月後には、4月はじめの蓄尿検査の結果と一緒に京都に行きます。
最後に、不安で 先生の養腎の漢方にケチをつけるような相談をしてしまい すいませんでした。
今後共よろしくお願いします。
先ほど茨城に戻りました。
今朝は、長い時間 診察していただきありがとうございました。
数値が戻ってしまったことで、テンパっていました。が、先生と直接 相談できて 少し心のもやもやが落ち着きました。
まだ腎臓機能が70%くらいあるからという一言で慰められました。
最近は行く先々で、糖尿が治った、治ったと言われて調子に乗っていました。食い過ぎました。体重も増えました。
このままだと 再び すい臓を疲れさせてしまうかもしれないので、制限を加えた糖質制限食を明日から始めます。3ヶ月後には、4月はじめの蓄尿検査の結果と一緒に京都に行きます。
最後に、不安で 先生の養腎の漢方にケチをつけるような相談をしてしまい すいませんでした。
今後共よろしくお願いします。
2014/01/20(Mon) 23:36 | URL | たこ焼き頭 茨城の患者 7302 | 【編集】
たこ焼き頭 茨城の患者 7302 さん
約2年間、養腎降濁湯で腎機能の改善が認められたのですが、
今回、元の数値になっていました。
食生活と体重コントロールで仕切り直しを目指しましょう。
腎臓機能は、GFRが参考になります。
中等度~高度低下(45>GFR≧30)の段階と思います。
約2年間、養腎降濁湯で腎機能の改善が認められたのですが、
今回、元の数値になっていました。
食生活と体重コントロールで仕切り直しを目指しましょう。
腎臓機能は、GFRが参考になります。
中等度~高度低下(45>GFR≧30)の段階と思います。
2014/01/21(Tue) 08:41 | URL | ドクター江部 | 【編集】
先生、こんにちわ!!
新しい本やっと読むことができました!
献立実にわかりやすいです
ありがとうございます!
教えて戴きたいのですが
低血糖を持っている場合
病院での点滴(ブドウ糖)と言うのはどのようなものでしょうか?
食べられない時はどのようにしたら宜しいのでしょうか?
お忙しいのにいつも親身にみなさんにお返事をされている先生尊敬します!
新しい本やっと読むことができました!
献立実にわかりやすいです
ありがとうございます!
教えて戴きたいのですが
低血糖を持っている場合
病院での点滴(ブドウ糖)と言うのはどのようなものでしょうか?
食べられない時はどのようにしたら宜しいのでしょうか?
お忙しいのにいつも親身にみなさんにお返事をされている先生尊敬します!
2014/01/21(Tue) 11:43 | URL | mikimi | 【編集】
mikimi さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
短期間なら、血糖に影響のない補液としては、生理的食塩水やラクテック注があります。
脱水にならないように補益しておけば、食事できなくても2~3日とかとくに問題はないです。
拙著のご購入、ありがとうございます。
短期間なら、血糖に影響のない補液としては、生理的食塩水やラクテック注があります。
脱水にならないように補益しておけば、食事できなくても2~3日とかとくに問題はないです。
2014/01/21(Tue) 16:20 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
興味深いコメントをありがとうございます。
興味深いコメントをありがとうございます。
2014/01/21(Tue) 16:28 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
予防医学教室の論文では
洋風の食事スタイルのほうが、HbA1cが改善するのですか。
清原説の「食の欧米化で糖尿病が増加」というのとは間逆ですね。
予防医学教室の論文では
洋風の食事スタイルのほうが、HbA1cが改善するのですか。
清原説の「食の欧米化で糖尿病が増加」というのとは間逆ですね。
2014/01/21(Tue) 16:33 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生こんにちわ。
便秘について個人的体験ですが。
私の場合は油と緑野菜とおろし野菜(大根、生姜)を多くすることで調子がよくなったように思います。(マグネシウム?)
食物繊維の摂取量自体は以前より減っていますが、脂がほどほどについた蛋白源を多くとるようになってから、便の量が増え、体調がよくなりました。植物油も使います。
油は悪玉菌を増やさないそうです。
悪玉菌の餌は糖とたんぱく質が主で、糖質をとるとたんぱく質や脂質の消化が悪くなりますよね。
糖質宣言してから、ガスが出なくなりました。
後、寒くなってからは冷えが原因だったようで、カイロをお腹にはると調子がよくなりました。
脈絡のない文章で申し訳ありません。
いつもブログの更新ありがとうございます。
便秘について個人的体験ですが。
私の場合は油と緑野菜とおろし野菜(大根、生姜)を多くすることで調子がよくなったように思います。(マグネシウム?)
食物繊維の摂取量自体は以前より減っていますが、脂がほどほどについた蛋白源を多くとるようになってから、便の量が増え、体調がよくなりました。植物油も使います。
油は悪玉菌を増やさないそうです。
悪玉菌の餌は糖とたんぱく質が主で、糖質をとるとたんぱく質や脂質の消化が悪くなりますよね。
糖質宣言してから、ガスが出なくなりました。
後、寒くなってからは冷えが原因だったようで、カイロをお腹にはると調子がよくなりました。
脈絡のない文章で申し訳ありません。
いつもブログの更新ありがとうございます。
2014/01/21(Tue) 21:54 | URL | ioio | 【編集】
私が、時々参加している
ベグライテンの勉強会に参加してきました。
12名のメンバー。
Begleitenとは「ともにいる」「伴奏する」という意味のドイツ語で、『苦しんでいる人のそばにいる』というホスピスの基本精神をしめす言葉。
http://begleiten.bohso.justhpbs.jp/
病院のドクターのお話を聞き、病棟の見学をしました。話は、熱のこもったものでした。私も、質問しました。
● 印象に残っているのは、研究開発費の事です。
国の予算は、1700億円。
製薬業界から医師・医療機関に提供された資金の総額は、その2.7倍の 4,700億円をこえる。
産学連携は、必要なものだが、高血圧治療薬「ディオバン」の研究データー 改竄問題では、企業との不透明な関係が指摘された。
● ようするに、製薬業界(スポンサー)に良いように偽造する構造があるという ことです。主要な製薬会社は、70社。
一般書店で販売されている、がん患者向け月刊誌(公称7万部)に薬の紹介をする記事をのせると(タイアップ記事というそうです)、製薬会社から1ページ、50万円前後の資金提供(お礼)があるそうです。
● 先日(1/10)も、こんな報道がありましたね
国と製薬会社が33億円を投じ、認知症の7割を占めるアルツハイマー病の早期発見を目指す国家プロジェクト「J―ADNI(アドニ)」で、臨床試験のデータが改ざんされた可能性が浮上し、厚生労働省は調査を始めた。一定の時間を経た後に記憶を確かめる検査で時間を書き換えたり、不都合な症状を削除したりしていた疑いがある。先端医療を巡る国際競争が過熱する中で、日本の研究への信用が失われかねない事態だ。
J―ADNIはアルツハイマー病の兆候を調べ、早期治療や新薬開発に役立てるのが目的。物忘れなどの症状と脳画像や血液との関連を研究する。これまで経済産業省、厚労省、文部科学省が計24億円、製薬会社11社が計9億円を支出し、認知症研究の第一人者である東大の岩坪威教授(神経病理学)を代表に全国38の医療施設が参加。製薬会社などがつくる「バイオテクノロジー開発技術研究組合」が事務局を担う。
患者は、医師の話を、簡単に信じてはいけないということですね。
ちなみに、糖尿病学会の理事長も、東大の教授で、なおかつ東大病院長です。
ベグライテンの勉強会に参加してきました。
12名のメンバー。
Begleitenとは「ともにいる」「伴奏する」という意味のドイツ語で、『苦しんでいる人のそばにいる』というホスピスの基本精神をしめす言葉。
http://begleiten.bohso.justhpbs.jp/
病院のドクターのお話を聞き、病棟の見学をしました。話は、熱のこもったものでした。私も、質問しました。
● 印象に残っているのは、研究開発費の事です。
国の予算は、1700億円。
製薬業界から医師・医療機関に提供された資金の総額は、その2.7倍の 4,700億円をこえる。
産学連携は、必要なものだが、高血圧治療薬「ディオバン」の研究データー 改竄問題では、企業との不透明な関係が指摘された。
● ようするに、製薬業界(スポンサー)に良いように偽造する構造があるという ことです。主要な製薬会社は、70社。
一般書店で販売されている、がん患者向け月刊誌(公称7万部)に薬の紹介をする記事をのせると(タイアップ記事というそうです)、製薬会社から1ページ、50万円前後の資金提供(お礼)があるそうです。
● 先日(1/10)も、こんな報道がありましたね
国と製薬会社が33億円を投じ、認知症の7割を占めるアルツハイマー病の早期発見を目指す国家プロジェクト「J―ADNI(アドニ)」で、臨床試験のデータが改ざんされた可能性が浮上し、厚生労働省は調査を始めた。一定の時間を経た後に記憶を確かめる検査で時間を書き換えたり、不都合な症状を削除したりしていた疑いがある。先端医療を巡る国際競争が過熱する中で、日本の研究への信用が失われかねない事態だ。
J―ADNIはアルツハイマー病の兆候を調べ、早期治療や新薬開発に役立てるのが目的。物忘れなどの症状と脳画像や血液との関連を研究する。これまで経済産業省、厚労省、文部科学省が計24億円、製薬会社11社が計9億円を支出し、認知症研究の第一人者である東大の岩坪威教授(神経病理学)を代表に全国38の医療施設が参加。製薬会社などがつくる「バイオテクノロジー開発技術研究組合」が事務局を担う。
患者は、医師の話を、簡単に信じてはいけないということですね。
ちなみに、糖尿病学会の理事長も、東大の教授で、なおかつ東大病院長です。
ioio さん。
わかりやすい体験談、ありがとうございます。
参考になります。
わかりやすい体験談、ありがとうございます。
参考になります。
2014/01/22(Wed) 12:52 | URL | ドクター江部 | 【編集】
長谷川 さん
情報をありがとうございます。
利益相反(Conflict of Interest:COI)
日本でも欧米でも、問題になっています。
なかなか根絶は難しいと思います。
やはり、自分の頭で考えて判断することが必要ですね。
情報をありがとうございます。
利益相反(Conflict of Interest:COI)
日本でも欧米でも、問題になっています。
なかなか根絶は難しいと思います。
やはり、自分の頭で考えて判断することが必要ですね。
2014/01/22(Wed) 12:59 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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