糖質制限食関連の発表。日本糖尿病学会近畿地方会。
こんばんは。

精神科医師Aさんから、2013年11月23日(京都) 日本糖尿病学会近畿地方会発表のコメントをいただきました。

ありがとうございます。


【13/12/16 精神科医師A

日本糖尿病学会近畿地方会(3)
O-367 糖尿病患者への短期的炭水化物制限の試み

水本内科クリニック
○水本博章
http://www10.ocn.ne.jp/~mizukuri/

(抄録)
糖尿病患者10名に最低2ケ月の炭水化物制限を試み(体重、血糖、脂質、アルブミン尿への影響と食事療法の満足度を調査した。制限は昼食のみ主食3単位以下の摂取、副菜は炭水化物の多い物は避け、タンパク質、脂質、葉野菜は好きなだけ摂取した。制限の有無は尿ケトン陽性、又は血中ケトン体増加で判定した。満足度は「継続したいかどうか」を基準とした。

[結果]
1) 体重は全例減少したが特に肥満例は顕著であった
2) HbA1cは2月後で10.0%から6.5%となったが血糖の改善は炭水化物制限開始と共に始まるので薬剤投与時には低血糖回避を考慮しなければならない
3) 中性脂肪は全例著しく低下し、LDLは減少、HDLは増加傾向であつた
4) アルブミン尿出現例はなかつた
5) 満足度は全員が
 「開始当初空腹感があったがすぐに慣れた。腹囲も明らかに縮小して体調がよいので継続したい」

(口演筆記)
TG 182→94、LDL 140→127、HDL 43→47
体重 73.9→68.8、随時血糖も改善した
当初アルブミン尿患者は3名いたが、2名で消失した
網膜:前増殖症2名は、いずれも悪化せず
諸検査データが改善すると、皆は糖質制限食の継続に前向きになっていった
Insulin注射中は2名、経口薬内服中は1名であった。Insulin注射症例は血糖を自己測定して数値をメールで送ってもらい、
注射量の変更をメールで指示した 】


水本博章先生、good job です。

10名全員が継続したいと満足度の高いことが印象的ですね。

尿中微量アルブミン陽性患者3名中2名が消失したのも素晴らしいです。

HbA1c、体重、中性脂肪、LDL-C、HDL-C全て改善ですから、継続のモチベーションも高まりますね。

【O-368 外来糖尿病患者における糖質制限ダイエットの現状

医療法人みどり会中村病院栄養管理部1
社会福祉法人松樹会いこいの里診療所2、
医療法人みどり会中村病院糖尿病内科3

○岩崎亜紀1・2、倉角康代1、市原美矢子1、樋口朋宏1、桑村尚充3、
高橋輝3、武村次郎3

糖質制限ダイエットが報道等で取り上げられ、一般にも知れ渡っている現状がある。これに対して、日本糖尿病学会では極端な糖質制限に対しては慎重な立場を表明するなど議論を呼んでいる状況にある。医療法人みどり会中村病院糖尿病内科では、糖質制限ダイエットについての周知や指導は全く行っていないが、外来通院中の一部の患者が既に実践していると思われた。

このため、当院糖尿病内科外来通院中の糖尿病患者を対象に、食事療法に関するアンケートを実施し、その中で糖質制限ダイエットの認知度や実践している患者の割合、年齢、性別、自己申告による糖質制限ダイエットの効果と満足度などを調査した。一部の患者に糖質制限ダイエットが浸透している状況を踏まえ、日本糖尿病学会がコメントしているように極端な糖質制限に対する懸念を周知・指導することが今後必要になると思われた。

(口演筆記)
回答内容は、糖質重視24%、カロリー重視45%であった。

糖質制限、または低炭水化物食を知っていると回答した者は男34%、女38%であった。年齢別にみると60歳未満では67%が知っていた。特に若い女性に周知度が高かった。

知っていると回答した者の中で39%が現に実行していた。つまり、患者全体の13%がすでに実行していた。

実行者の84%が「満足している」と回答し、不満足と回答した者はいなかった。実行者は約4.8kgの体重減少が得られており、血糖低下もみられた】


こちらの発表は、糖質制限食の指導はしていない病院における糖尿病患者さんの食事の実態調査です。

私もおおいに興味があります。

糖質制限を知っていたのは、男34%、女38%。60歳未満では67%が周知。特に若い女性に周知度が高い 。

私が思っていた以上に、糖質制限食が浸透しているようで、嬉しいです。

この病院に通院している糖尿病患者さんの13%が、医師や栄養士の指導なしで、すでに糖質制限食を実行していたとはなかなかのものですが、低血糖には注意が必要ですね。

実行者の84%が「満足している」と回答し、不満足と回答した者なし。実行者は約4.8kgの体重減少、血糖低下あり。

とてもポジティブな結果です。

医療法人みどり会中村病院さん、この結果を踏まえて糖質制限食の指導に踏み切ってくれないでしょうかね。

江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
Re: 検査結果についてご教示ください
レーダン さん

拙著の御購入ありがとうございます。
ご主人の検査結果、問題ないと思います。

コレステロールに関しては
2013年11月02日 (土)の本ブログ記事
「糖質制限食実践中生じることがある好ましくない症状・変化(4)」
をご参照ください。
2013/12/17(Tue) 19:40 | URL | ドクター江部 | 【編集
立派な先生方に敬服
糖尿病患者への短期的炭水化物制限の試み
外来糖尿病患者における糖質制限ダイエットの現状 ともに
レベルの高い御発表で感激しました
糖質制限食は少しずつ普及していますね
やはり江部先生の努力がなし得たことですね
ホント嬉しい限りです
2013/12/18(Wed) 11:15 | URL | ちえ | 【編集
経過良好
先生の著書7~8冊ほど購入させていただきまして自分流の何処もありますが、糖質制限しています。内服はジャヌビア50一錠ですがヘモグロビンは5.0と5.4がここ半年ほど続いています。何より嬉しいのは実は私統合失調症で精神科の薬もかなり大量に服用していましたがそれも大幅に減り仕事も、少々初めるまでになりました。これもひとえにの江部先生のおかげですm(__)m若くはないですが明日に希望が見え初めました。まずは取り急ぎご報告までまたちょこちょこコメントさせていただきます。そこでもう少し詳しい話させていただきます。寒くなってきましたが風邪などひかずにお身体ご自愛ください。
2013/12/18(Wed) 11:26 | URL | とおる | 【編集
Re: 経過良好
とおる さん

拙著のご購入、ありがとうございます。
糖質制限食で、血糖コントロール良好、体調良好で
薬も大幅に減ったとは、素晴らしいです。
良かったです。
これからも、美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。
2013/12/18(Wed) 14:32 | URL | ドクター江部 | 【編集
統合失調症
糖質制限食は薬の削減可能とは驚きました
精神科医師A先生文献はありますか?
2013/12/18(Wed) 16:01 | URL | ちえ | 【編集
ちえさん
 糖質オフネット・東京に参加されている精神科のドクターなど3人の方から、糖質制限によって精神症状が良くなるだろうと言われています。
 ただし、本人や家族の理解が必要とのことです・・・。
2013/12/19(Thu) 06:21 | URL | わんわんこと長谷川 | 【編集
福島県で考えたこと
12/14~ 16 南相馬市に職場の仲間9名と、ボランティアに行って来ました。

1日目は、相馬市・南相馬市を中心に、現状を見て回りました。
大津波で壊れ傾いた民家、放置されている車・・・
復興が進んでいる場所と、放射能の影響等で、手付かずの地域がありました。
原発からおよそ20Km以内の地域は、立ち入りが制限されています。

人が住んでいない町は、異様でした。

想像をこえる広さに、大津波の爪あとが残っていました。
常磐線の一部が、廃屋となったホームを残し、線路や枕木が撤去されていました。

「ここで下校途中の子どもたちが、津波に巻き込まれて亡くなった」という説明を受け 何と可愛そうな亡くなり方なのだろうと、あらためて涙が出てきました。 
 2日目・3日目は、線量の高い地域で、ビニールハウスの撤去作業をやりました。
もう、農業が出来なくなったので、「更地にした後は土地が広いから、太陽光を利用する施設などを作ったら・・」という話がありました。 
 過疎化・高齢化が進んでいます。

 3日間で、一年間で浴びてよい、2マイクロシーベルトをこえ、4~5mcを浴びたようです。

私は、歳が明けると61歳ですが、若いボランティアの男女が作業に来ていました。 彼らの健康が心配です・・・。

 大地震の後、厳しい環境や喪失感に加え、支援食品が糖質過多のため、体調をこわされた患者がいたと聞きます。

一日も早い復興を祈ります。  長谷川
2013/12/19(Thu) 06:50 | URL | わんわんこと長谷川 | 【編集
私の父親は糖質制限可能でしょうか。
はじめまして。先生の本を読んでから糖質制限開始、合わせてジムでの運動も始めた結果、素晴らしい成果が出ているので、父親にも勧めたいと考えています。

ただ父親は昨年末に3センチ大の腫瘍が発見され(ipmn)、サイズ的にも悪性と判断した医師が脾臓や膵臓の3分の2も合わせて切除しました。

結果、奇跡的に良性で術後も良好なのですが、膵臓が小さくなったので、脂質を控えてタンパク質も一定量までにしてくれと指示されているとのこと。

すると必然的に炭水化物の摂取や甘いものを食べることが多くなり、先日の血液検査の結果は、数値的には糖尿病と判断するべき状態になっていました。

勿論、上記の概要だけでは分からない点もあるかと思いますが、膵臓の切除ゆえにタンパク質や脂質を控えるしかないのであれば、糖尿病になるしかないと思うのですが。

札幌市に住んでいるので、良いセカンドオピニオンを聞ける医師の情報などもあると嬉しいです。元々大食漢だった人なので、タンパク質脂質を控えるストレスから、甘いものに向かっているようで、最も最悪な展開なのではないか…という気がしている次第です。
2013/12/19(Thu) 20:14 | URL | 道産子21号 | 【編集
訂正です
●3日間で、一年間で浴びてよい、2マイクロシーベルトをこえ、4~5mcを浴 びたようです。

計算を間違えました。
放射線量は、2から4マイクロシーベルトだったので、1時間当たり、東京の約10倍で、作業時間を計算すると、数日分・多くて1週間分です。
 寒風が吹き、雪がちらついていました・・・
亡くなられた方たちに  合 掌
2013/12/19(Thu) 20:19 | URL | わんわんこと長谷川 | 【編集
Re: 私の父親は糖質制限可能でしょうか。
道産子21号 さん

拙著のご購入ありがとうございます。

膵臓が1/3残っていれば、糖質制限食可能と思いますが、
万一、検査で水機能が悪化するようなら中止するという二段構えで如何でしょう。
山村美雪先生と相談されては如何でしょう。

所在地:〒060-0001 
札幌市中央区北1条西2丁目
札幌時計台ビル1F・2F
札幌スポーツクリニック
内科(直通)TEL:011-206-8755
山村美雪Dr
2013/12/20(Fri) 17:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます。
江部先生、お返事ありがとうございます。
早速父親に伝えてみます。

今回の検査結果で本人はまず甘いモノを控えるということだったので、山村先生のセカンドオピニオンも確認しつつ、取り組もうと思います。
2013/12/21(Sat) 01:39 | URL | 道産子21号 | 【編集
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