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「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」医師は読むべし。
こんばんは。

「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」江部康二著
東洋経済新報社 

2013年8月9日から、発売中です。



今回の本、¥ 3,465と、やや高いです。 m(_ _)m

一方、質の高い情報が満載で、必ずお役に立てると思います。

2012年、2013年と、糖質制限食が明らかにブレイクし、日本全体で、糖質制限食に対する認知度は大きく上昇しました。

このような状況の中、医療関係者、特に医師・栄養士は、賛成か反対かはおいておいても、糖質制限食をしっかり勉強する義務があると思います。

糖尿病患者さんの命をあずかっている医師・栄養士は、糖質制限食を知らないでは済みません。

しっかり本書を読んだうえで、賛成か反対かを決めて欲しいと思います。

医家向けに書いた初めての本です。一般の人には少し堅苦しいと思います。

医師・医療関係者・専門的な知識を得たい人のための本です。

エビデンスレベルの高い研究論文から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証しました。

EBM的に信頼度の高い論文も各章で整理して、読者が調べやすいように配慮してあります。

繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論しています。

引用文献が豊富ですので、糖質制限食批判に対して読者が反論するときには、かなりお役に立つと思います。

実際、複数の医師から

「よくまとまっている。整理されていて使いやすい。辞書がわりにも使える。糖質制限食批判への反論に便利・・・」

など、お褒めの言葉をいただきました。(^^)

実は、兄、江部洋一郎高雄病院名誉院長からも「今度の本は今までで一番いいね」と声をかけて貰いました。

兄から褒められた経験がほとんどないので、ちょっぴり嬉しかったです。

食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示しました。

平均血糖変動幅増大と食後高血糖の酸化ストレスリスクなども詳しく考察しています。

内容紹介

【主要目次】
第1章 糖質制限食に関するエビデンス
第2章 従来の糖尿病治療の限界を証明する研究
第3章 糖質制限食への批判に答える研究
第4章 生理学的な事実
第5章 生理学から見る糖質制限食の安全性
第6章 栄養学的な事実
第7章 糖質制限食の実際
第8章 糖質制限食の可能性


◆前帯コピー

医師をはじめ医療関者、専門的な知識を得たい人--必読!

もう、知らないではすまされない!

エビデンスレベルの高い最新研究から、従来の糖尿病治療の限界を証明し、糖質制限食の有効性や安全性を実証。
繰り返される非科学的な糖質制限食批判へも徹底反論。

食事指導・投薬方針など、高雄病院で行われている治療の実際も公開し、これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策の具体的な指針を示す。

◆後帯コピー

これからの糖尿病治療、メタボ・肥満対策のバイブル

三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で、従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。

さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があることは、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。

近年、大きな注目を集めている、食後高血糖の防止、血糖変動幅の縮小、低血糖の予防に関しても、糖質制限食は抜群の効果があり、ますます評価が高まっています。

事実、欧米では、数々のエビデンスがあり、既に糖質制限食の有効性と安全性については認められていて、公式な治療食の選択肢の一つとなっています。

これからの糖尿病治療において、日本でも、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。



以下は、「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」の「はじめ」にです。

糖質制限食とは

アメリカ糖尿病学会(ADA)によれば、食べ物が摂取され消化・吸収された後、糖質は100%が血糖に変わりますが、たんぱく質と脂質は血糖に変わりません。また、糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ、2時間以内にほとんど吸収されます。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的な特質です。

食事で糖質を摂取したときだけは血糖値が急上昇することになり、インスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取してもインスリンの追加分泌はありませんし、たんぱく質を摂取したときにはごく少量の追加分泌があるだけです。

現在、糖尿病の治療において食後の急激な高血糖、すなわち「グルコーススパイク」が大きな問題として注目されています。食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の危険因子として認識されるようになったからです。

そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけです。

1gの糖質摂取により、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値は3mg/dl上昇するとされています。茶碗一杯分に当たる150g(252Kcal)の白米飯には55.3gの糖質が含まれており、これを摂取すれば166mg/dlの血糖上昇が起こることになります。

ところが、牛サーロインステーキを200g(約1000Kcal)食べたとしても、糖質含有量は1g未満であり、食後高血糖をほとんど生じません。

なお、1型糖尿病の場合、1gの糖質摂取で、体重64kgの人の血糖値を5mg/dl上昇させるとされています。

 
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的な事実を基盤として、出来るだけ糖質の摂取を抑え、食後高血糖を防ぐというものです。米飯、麺類、パンなどの穀類や、イモ類など、糖質の多い食品を出来るだけ避ける食事となります。

なお、カロリー計算は原則的に不要ですが、摂取カロリーが無制限というわけではありません。

糖尿病学会の推奨する厳格なカロリー制限は必要ありませんが、身体活動レベルが低い場合は厚生労働省のいう標準的な範囲でのエネルギー摂取を行い、男性ならば1850~2250Kcal、女性ならば1450~1700Kcalを目安とします。

高雄病院で指導している糖質制限食の場合、一日の食事全てにおいて糖質を制限すると総カロリーにおける三大栄養素の比率は糖質12%、たんぱく質32%、脂質56%ほどになりますが、薬剤に頼ることなく速やかに血糖値改善が起こり、良好な血糖コントロールが可能です。

しかし、従来の糖尿病食の場合、糖質60%、たんぱく質20%、脂質20%という比率であり高糖質食となるため、一日の摂取カロリーを1200Kcalに抑えたとしても、食後高血糖を必ず生じます。白米飯と牛サーロインステーキの比較で明らかなように、高糖質食で食後高血糖を防ぐことは理論的に不可能です。

三大栄養素の生理学的な事実から考えて、血糖コントロールの上で従来の高糖質の治療食よりも糖質制限食のほうが有利となります。

さらに、体重減少、体内の脂質状況の改善についても効果があり、複数の非常にエビデンスレベルの高い研究により証明されています。

ここ数年で大きな注目を集めている低血糖の防止、血糖変動幅の縮小に関しても、糖質制限食は効果が高く、ますます治療効果への評価が高まっています。

これからの糖尿病治療において、糖質制限食は重要な選択肢となるでしょう。

本書は糖尿病および糖質制限食に関する主だった研究や知識を集めたものです。また、高雄病院で糖質制限食を10年余りにわたり指導してきた経験やデータもご紹介しております。医療関係者の皆様を初め、糖質制限食についてより詳しく知りたいと考えておられる方のご参考になるかと思っております。

なお、本書の内容は私のブログである「ドクター江部の糖尿病徒然日記」を中心に、これまでの講演会の内容やデータを加味する形で構成しています。ブログは5年以上を経過して内容が膨大になっておりますが、本書はそれを体系化しており、ブログをご覧いただく際にも便利かと思います。

糖質制限食を詳しく知っていただくためにも、またより有効に安全に実施していただくためにも、ぜひ活用していただきたいと願っております。


江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
江部先生はじめまして。

糖質制限を夏から再開しましたカエルと申します。
昨年の秋、妊娠糖尿病を機に糖質制限に出会いました。産後は一時的に止めてしまっていたのですが、75gOGTTで引っ掛かり(2h値196)また今夏に始めました。

授乳中ということもあるせいか、現在157cm40kgです。妊娠前と比べると7~8kgは落ちてしまいました。
たんぱく質も脂質も躊躇なく摂取していますがなかなか体重が増えません。

また、10月位からお腹が随分ゆるくなってしまい困っております。
普段ラカントやパルスイートなどの人工甘味料を毎日使っています。袋には『大量に摂取するとお腹がゆるくなることが…』などと書かれていますが、料理に少し使ったり食後のデザートやお茶に使う程度で、大量に摂取してるつもりはないです。
合う合わないがあるのでしょうか?

更に、冬になると共に顔以外の身体中が乾燥し粉を吹いています。
洋服がちょっと擦れるだけでも肌が傷むことがあります。お風呂の時、お湯に浸からずオイルに浸かりたいくらいです。
糖質制限食は肌に良いはずですし、実際に顔は肌荒れなどほとんどありません。
何か体の方も改善するような策はありますでしょうか…?

更に、糖質中毒から未だに抜け出せていないのか時々過食をしてしまうことがあります。糖質オフのものをダラダラずっと食べてしまったり、時には糖質オンパレードになってしまうこともあります。
お腹はいっぱいなのに満たされず、気がついたら血糖値を計るのも嫌になるほど食べ、罪悪感しか残りません。
糖質制限を始めてから、頭のなかは食べ物のことでいっぱいです。
セイゲニストの皆さん(特に私と同じ女性の方)が食欲をどのようにコントロールしているのか気になります。

長くなってしまい申し訳ありません。
お時間がございましたらご助言よろしくお願い致します。
2013/12/16(Mon) 15:21 | URL | カエル | 【編集
ストレスと高血糖
いつもブログで勉強させていただいております。

糖質制限をはじめてニカ月くらいになります。
最近は、血糖値が、80から120くらいで推移することが多く、コントロールがしやすい糖質制限に出会えて嬉しい限りです。


さて、タイトルの通りなのですが、ここ一週間ほど、強いストレスを感じ、糖質制限をしているにも関わらず、食前で、200近い数値がでてしまいました。
これは、ストレスをのぞくしか、下げる方法はないのでしょうか?
お忙しい中恐縮ですが、ご教授いただければと思い、コメントさせていただきました。
よろしくお願いします。
2013/12/16(Mon) 15:23 | URL | けこ | 【編集
Re: タイトルなし
カエル さん

最近は、インターネットで、
糖質制限OKのケーキやパンやスイーツ、パスタやピザやうどんなどを購入できます。

またローソンやシャトレーゼでも糖質制限OK食品を売っています。
75gOGTTでは、境界型なので、
これらをうまく利用して、あまり我慢せずに、緩やかな糖質制限食を目指せばよいのでないでしょうか?

157cm40kgで、BMI:16 なので単純に摂取エネルギーが少なすぎると思います。
低カロリー過ぎると、体幹の肌がかさかさになることがあります。
魚・肉・卵・豆腐など脂質・たんぱく質をしっかり摂取して、まずは体重を増やしましょう。
2013/12/17(Tue) 11:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ストレスと高血糖
けこ さん

急性の感情的ストレスで血糖値が上昇します。
ストレスがないのが一番いいのですが、
慢性のストレスではあまり上昇しないと思います。
2013/12/17(Tue) 12:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございました。
江部先生、お忙しい中の返信ありがとうございました。

食費との兼ね合いもあるため、シャトレーゼやローソンのスイーツも時々しか手が出せないのが現状です…
が、自分なりに上手く食欲をコントロールできるようたまに購入してみます。
本当は食べた分運動ができたら良いのですが、子ども二人を自宅で育児中でなかなか難しいところです。

食事の量はかなり多いとは思うのですが…たんぱく質も毎食しっかり取ってますし…
ただ、肌はカサつく一方なので更にカロリーを増やせるよう工夫をしてみます。

それにしても本当に糖質制限は家計に負担がかかりますね(^^;
消費税が上がったらやりくりが更に難しくなりそうです (つД`)
2013/12/17(Tue) 15:29 | URL | カエル | 【編集
Re: カエルさんへ
カエルさん。
ワカメさんから、応援のコメントをいただきました。

13/12/17 ワカメ
カエルさんへ
ちょうど最近こういうテ-マであらてつさんと皆さまと話し合いが続きました。
他人ごとと思えずコメントさせていただきました。
江部先生のお許しがあれば、
カエルさんにお伝えさせていただきたいのでご判断くださいませ。

江部先生とあらてつさんのブログで学ばせていただいているものです。

よろしかったら、あらてつさんのブログ11月21日からをご覧頂いて、
皆さまからの、甘い物への欲求や体重のコントロ-ルの工夫や体験談で、
カエルさんにも何か参考になる部分があるかも知れません。

お互いあせらずやってゆきましょうね。
2013/12/18(Wed) 14:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
購入しました
江部先生、初めまして。
鍼灸マッサージ師として、医療に従事しているトラ父と申します。

ここ1ヶ月ほど、いろいろな雑誌や書籍などでの紹介や糖質制限を取り上げているので知り、先生のブログの過去ログを拝見させていただいてます。

僕自身は糖尿人ではないのですが、両祖父が糖尿病や生活習慣に関わる病気で死去したのもあり、興味関心を抱きました。

自分自身が肥満体でダイエットにも強く興味を持ち、いろいろと試してきたのですが、痩せたら太るの繰り返しでなかなか実になるようなものではなかったのです。

糖質制限を始めてひと月経ちましたが、体重は約4キロ減となりました(170cm/84kg→79.5kg)
目標は70kgを割るところなので、先生の本を参考に今後も糖質制限に励んでいこうと思います!

長文失礼しました。
今後とも先生の活躍を祈願しております。
2013/12/19(Thu) 00:22 | URL | トラ父 | 【編集
江部先生、ワカメさんありがとうございました。

あらてつさんのブログを覗いてみました。
どうしたら脳が満足してくれるのか…
過食のやる気スイッチが入ってしまうポイントは何となく自分でわかってはいるのですがオフの仕方がイマイチわからず…(>_<)
ただ、焦ってもどうにもならなそうなので挫けず気長に糖質制限道を歩んでいきたいです。

こうやってオンライン上でも誰かに励ましていただけるってとても嬉しいですね!
糖質制限は女性の方が続けるのが難しいと聞いたことがあります。ワカメさん、お互いに頑張っていきましょう!
2013/12/19(Thu) 08:28 | URL | カエル | 【編集
Re: 購入しました
トラ父 さん

拙著の御購入ありがとうございます。

減量成功良かったです。
まずは目指せ、70kgですね。
2013/12/19(Thu) 18:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
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