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<糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版>批判・ 増補版
こんにちは。

<糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版>
(編著:日本糖尿病学会、発行所:文光堂)
2013年11月1日に発行

に関して、精神科医医師Aさんからも批判のコメントをいただきました。

「糖尿病腎症第3期Aまでは、蛋白質制限の必要なし」

ということを、

日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言(2013年3月 日本糖尿病学会)

にて、容認してますので、今回の<糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版>において、腎症第2期以降の蛋白質制限を示唆しているのは、日本糖尿病学会の提言と矛盾しています。

このような混乱は困りものです。

せめて糖尿病学会内部で統一していただきたいものです。


【13/11/15 精神科医師A

食品交換表7版
P33

「炭水化物の割合を50%にすると、たんぱく質が標準体重1kgあたり1.2gを超える場合が多くありますので、腎症2期以降の方は使用できないことが多く注意が必要です。また、炭水化物含量が少ないと脂質の摂取過多につながることにも注意が必要です。」

これは矛盾である。CKD診療ガイド2012では、GFR=60%以上なら、蛋白質を制限する必要はないと書かれてある。つまり腎症3期Aなら、蛋白質制限は不要である。2013年3月18日の日本糖尿病学会の提言でも、蛋白質に関しては、CKD診療ガイドに従う、とある。

また。2013年10月のADAガイドラインでは、こうある

「糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。(A)」】



江部康二


☆☆☆以下は
2013年11月15日 (金)の本ブログ記事
2013年「食品交換表 第7版」への批判、血糖値に直接作用するのは糖質だけ。
の再掲です。

こんばんは。

日本糖尿病学会は
<糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版>
(編著:日本糖尿病学会、発行所:文光堂)
2013年11月1日に発行しました。

<食品交換表>は1965年に第一版が発行され、長年にわたり、日本における糖尿病食事療法のバイブルとして
活用されてきました。

今回、2002年の改訂(第6版)以来、11年ぶりの改訂となりました。

変更としては、炭水化物からの摂取エネルギーを、従来は60%のみの配分例が表示されていましたが、今回の改訂で、新たに55%と50%の配分例も示されました。

めぼしい改訂はこれくらいですので、結局、「低カロリー・高糖質食」を3段階に分けただけで、変わり映えしません。

2013年10月の米国糖尿病学会の「栄養療法に関する声明」では、全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないとの見解を表明しました。

これに対して、日本糖尿病学会は、相も変わらず唯一無二の糖尿病食事療法として「カロリー制限・高糖質食」を推奨しています。

なかなか、学習されませんね。

困ったもんです。


さらに、

4 糖尿病治療のための食事とは
7ページ
3 血糖コントロールをよくする食事

●血糖値に影響を及ぼす栄養素は主に炭水化物ですが、脂質とたんぱく質も影響を及ぼします

●脂質は食後しばらくたってから血糖値が上がる原因となります。1回の食事でとりすぎないようにしましょう。


という記載があります。


これに対して米国糖尿病学会の見解は以下です。

2004年版のLife With Diabetes(米国糖尿病学会・ADA)によれば(☆☆)、

食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わり、
タンパク質・脂質は血糖に変わりません。


「Carbohydrate,protein,and fat contain calories. Only Carbohydrates directly affect blood glucose levels. 」 3rd Ed,2004(☆☆)

直訳すると、
「炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが、血糖値に直接作用する。」

1997年版のLife With Diabetesでは、(☆)

「タンパク質は約50%が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありますが、2004年版では削除されています。

上記以外にも1997版で記載されていた、脂質とタンパク質と血糖に関する記載が 2004年版では全て削除されています。
2009年版もそれを継続しています。( ☆☆☆)


日本糖尿病学会さん、何の根拠もあげずに

●血糖値に影響を及ぼす栄養素は主に炭水化物ですが、脂質とたんぱく質も影響を及ぼします

●脂質は食後しばらくたってから血糖値が上がる原因となります。


食品交換表に、ADAの見解とは全く異なるこのような記載を載せられてますが、米国糖尿病学会に、真っ向から喧嘩を売っておられるのでしょうか?

人ごとながら、心配になります。



Life With Diabetes:A Series of Teaching Outlines 
by the Michigan Diabetes Research and Training Center,
American Diabetes Assoiation ,2nd Ed,1997

☆☆
Life With Diabetes:A Series of Teaching Outlines 
by the Michigan Diabetes Research and Training Center,
American Diabetes Assoiation ,3rd Ed,2004

☆☆☆
Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines 
by the Michigan Diabetes Research and Training Center ,
American Diabetes Assoiation ,4th Edition,2009


江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
糖質制限でアトピー改善
35歳社会人です。小さい頃からアトピー性皮膚炎にずっと悩まされてきました。
2年ほど前から続けている脱ステロイド、そして半年ほど前に江部先生の提唱される糖質制限を始めたことが功を奏し、見違えるほどよくなってしばらく経ちます。それまでは湿疹やかゆみがかなりひどかったのですが、まずかゆみが激減しました。毎年冬にできていた謎の手荒れもなくなりました。糖質制限は理論に破綻がなく、安心して自信をもって進めることができますね。先生には感謝してもしきれません。この場を借りてお礼申し上げます。
そしてこのことを通じて、ステロイド治療の是非に関する日本皮膚科学会と脱ステロイド派(佐藤健二先生など)の関係が、日本糖尿病学会と糖質制限との関係にとてもよく似ていると感じました。私は一患者にしか過ぎませんが、両方のメリットを身をもって経験した身として、どちらとも良い方向に変わっていくことを切に望んでいます。これからの一層の普及を、影ながら応援しております。
2013/11/21(Thu) 02:10 | URL | 35歳セイゲニスト | 【編集
Re: 糖質制限でアトピー改善
35歳セイゲニスト さん

症状改善、良かったですね。

高雄病院では、アトピー患者さんの9割以上は、漢方薬を内服して、
「ステロイド外用薬・プロトピック軟膏・保湿剤」を使用しておられます。
その結果、コントロール良好となり、そのまま治癒する人も多いです。

数%くらいのアトピー患者さんは、希望によりステロイドなしで治療しています。
2013/11/21(Thu) 17:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
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