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NHK「今日の健康」はひどすぎる! 糖尿病食について
こんにちは。

いち内科医さんから、NHK「今日の健康」についてコメントをいただきました。

「今日の健康」推奨の糖尿病食、まさに従来の糖尿病食(高糖質・低脂質・カロリー制限食)ですね。

朝・昼・夕と三食とも炭水化物中心の高糖質の食事です。

これでは、「食後高血糖と平均血糖変動幅増大」という、最大の酸化ストレスリスクが著明に増加すること間違いないです。糖尿病合併症の予防は不可能です。

日本糖尿病学会は、米国糖尿病学会が既に2004年から実行しているように

「血糖値に変わるのは糖質だけであり、たんぱく質・脂質は変わらない」

という生理学的事実を、糖尿病患者さんに、直ちに知らせる義務があると思います。

すなわち、

「血糖値を上昇させるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上昇させない」

このように重要な生理学的事実を隠蔽して、糖尿病患者さんに「糖尿病食事療法」を語る資格はないと思うのは私だけでしょうか?


江部康二


【13/11/06 いち内科医
今日の健康はひどすぎる!
はじめまして 内科勤務医です。
江部先生のブログはいつも参考にさせていただいています。

今日の健康(11/5)
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2013/11/1105.html
で糖尿病の食事指導をしていましたが、時代錯誤もいいところで頭にきてしまい、
こちらに投稿しました。

まず悪い食事の例として(記憶の範囲内です)

朝食:抜き
昼食:天ぷらうどん
夕食:とんかつ定食+アルコール類
夜食:チーズ、ナッツ

があげられており、 それを

朝食:おにぎり2個、くだもの、サラダ
昼食:山菜そば
夕食:刺身定食(どんぶり飯)、アルコール禁
夜食:禁

にするとよいでしょうと。

説明が実にアナクロで、 朝食を食べないとその後の食事がドカ食いになってしまうからタップリとることがポイントです。果物は体にいいですから朝に摂りましょう。

昼食の天ぷらは高カロリーです。山菜にして吸収の遅いそばにしましょう。

夕飯は揚げ物は控えて刺身など低カロリーなおかずにしましょう。アルコールは控えるのは難しいのでいっそのこと止めましょう。

夜食を食べるとその後寝るだけなので血糖値が朝まで下がらず朝食欲が出ないのでいけません。夜9時以降の食事は止めてください。

チーズ、ナッツはカロリーが高いのでいけません。

・・・こんな放送に金を出していると思うとムカムカしてきました。】




テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
いまだに…
今日、本屋さんで高田 明和著「長生きしたけりゃ、医者の言いなりになるな」
を手に取ったところ、お決まりのフレーズが出てきました。
『脳が使えるエネルギーはブドウ糖だけです。』
なんとかならないのでしょうか。
2013/11/06(Wed) 17:48 | URL | きくりん | 【編集
糖尿病食事療法を語る資格がないのは
テレビで医師本人の体型を見たらすぐ分かりました。http://www.nhk.or.jp/kenko/dr/2011/03/mori-yutaka.html

私の専門は糖尿病ではありませんが、糖尿病患者には低糖質食を薦めています。
「太っている糖尿病専門医にはかかるな」が私の口癖です。

先日もDM一歩手前の患者の機能性低血糖を知らないと思われる糖尿病専門医がいて驚きました。従来通りのカロリー制限食、低血糖時は補食の指示(笑)。
朝一のインスリン値が低いのにインスリノーマ疑いで造影CTをオーダーしていたのにも痺れました。
こういう医者は食品や製薬業界からリベートもらっているんじゃないかと思われてもしかたないと思います。


最後になりましたが、とりあげていただいてありがとうございました。
2013/11/06(Wed) 20:04 | URL | いち内科医 | 【編集
Re: いまだに…
きくりん さん

困ったものですね。

脳はケトン体をエネルギー源として利用するというのを
医学部でも教え始めている大学もあるのですが・・・。
2013/11/06(Wed) 22:00 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖尿病食事療法を語る資格がないのは
いち内科医 さん

糖質制限食推奨、ありがとうございます。
仲間が増えるのは嬉しい限りです。

機能性低血糖は日本ではまだまだ、マイナーな病気ですね。
糖尿病専門医でも、ご存知の人は勿論おられるのですが・・・。
2013/11/06(Wed) 22:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
PRIDEの奴隷
医師はPRIDEの奴隷だと表現した方がいました。
NHK『今日の健康』をまともに信じる人は馬鹿です。僕は患者さんに思考力をつける事も患者教育と考えていますので、薬漬けにするまたはしようとするモノは一切信用しないように言ってます。科学において反証がないモノは信用できません。最近の医療業界のモラルの低さは目も当てられませんね。新聞や雑誌に日本特有の妖術医学満載で証明医療・科学的検知が皆無です。
糖質制限&湿潤療法のパラダイスシフトが早く完遂されれば、整形外科の神経根圧迫疼痛説が百年前以上の遺物だと気付くしょう。
2013/11/06(Wed) 22:05 | URL | 針立酔候 | 【編集
糖質制限のコンビニ弁当 発売です
江部先生 いつもありがとうございます。
今年の夏に、愛知県瀬戸市の金泉さんで ご一緒させて頂いた者でございます。

ご存知のことかも知れませんが お知らせしたくて 投稿させて頂きます。

東海・関西地区限定ですが、韓国料理レストラン 金泉さんの糖質制限弁当がデイリーヤマザキから 3品も発売になったんです。
本日発売です。
京都でもご購入可能です。

主人が2型の糖尿人で 糖質制限歴は1年2か月です。
本日 さっそく この糖質制限弁当を食べて血糖値測定をしました。
 
糖質制限弁当3品の糖質量を合計すると約30gなので 3品とも半分づつ食べました。
血糖値は 95 → 111 まで上昇しただけです。しっかり糖質制限されたお弁当だと思います。

今回は残念ながら全国展開ではありませんが、糖質制限食がさらに広がる切り口になるといいな・・・と思っています。




2013/11/06(Wed) 22:47 | URL | ちは | 【編集
糖尿病食事療法のための食事交換表 第7版
いつもブログで 勉強させていただき
ありがとうございます。

11年ぶりに改定されたという本
糖尿病食事療法のための交換表 第七版
最低でも 炭水化物が 50%って
血糖コントロールがうまくいくのでしょうか?
がっかりしました。

私は医療従事者です。
まだまだカロリー指導が一般的で
糖質制限をすすめるには 気を使います。
正しいものであってもお医者様には逆らえず
患者さんの食事指導の妨げになってしまうので困ります。

少しでもはやく世の中が変わって
コントロールがうまくいかない人の助けになりたいです。
これからも 地道に普及活動続けて行きます。



http://www.bunkodo.co.jp/book/detail_1157.html


糖尿病食事療法のための食品交換表
第7版



「糖尿病食事療法のための食品交換表」の詳細情報です.

糖尿病患者さんのための「食事療法のバイブル」,11年ぶりの改訂!

昭和40年の初版以来,糖尿病患者さん,医療スタッフから高い評価をいただいているロングセラー,「食品交換表」の,11年ぶりの改訂.日本人の伝統的な食文化を基軸として,現代の食生活の現状をふまえ,患者さんが医師や管理栄養士などの指導のもとに,毎日の食事を楽しみながら根気よく治療を続けられる内容を目指した.
[改訂のポイント]
1.食品分類表のなかの1単位あたりの栄養素の平均含有量の一部を見直した.
2.食事に占める炭水化物の割合について,60%,55%,50%の配分例を示した.
3.表紙見返しに「私の食事療法」記入欄をつくった.
4.耳慣れない用語や注意点について,コラムや図を挿入して理解しやすくした.

第7版 序
 糖尿病の食事療法は,いかなる治療のもとでも必ず行うべき基本です.そして良好な血糖コントロールを保ちながら,さまざまな合併症を防ぐことを目的としています.
この「食品交換表」は,約50年前の昭和40年9月に第1版が発行され,長年にわたり食事療法の指導に活用されてきました.前回の改訂(平成14年5月)よりすでに10年余りが経過したこと,さらに炭水化物の適正な摂取量に対する社会的関心の高まりを受けて,本年3月に「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言」がなされたことから,食品交換表編集委員会では有識者を加えて,第7 版への改訂作業を進めてきました.
 今回の改訂では,まず食品分類表のなかの1単位(80kcal)あたりの栄養素の平均含有量に関し,日本人の食生活の現状を踏まえて,その一部を改正しました.次に食事に占める炭水化物の割合について,従来は60%エネルギーの配分例のみを示していましたが,新たに55%,50%の配分例も示すこととしました.これによって日本糖尿病学会の提言に基づいた炭水化物50〜60%エネルギーの推奨摂取範囲に沿って,それぞれの症例に応じた柔軟な対応ができることとなりました.ただし55%,50%の場合は,相対的なたんぱく質や脂質の摂取過多につながりますので,腎症や動脈硬化症を有する場合には注意が必要です.
 糖尿病の食事療法は,毎日の食事を楽しみながら根気よく続けることが大切です.日本人の伝統的な食文化を基軸とし,実際の食事にあわせて工夫された「食品交換表」の使い方を正しく理解するとともに,現代の食生活にも柔軟に対応した食事療法を継続することが大切です.さらに治療の状況をみながら,必要に応じて栄養素の配分を変更することもあります.「食品交換表」の単位配分表を日頃の食生活の中で活かしていただくために,表紙の見返しに「私の食事療法」欄を新設しました.常に本書を手元に置いていただき,医師と管理栄養士などの指導のもとで食事療法を継続し,その成果をあげられることを,ここに切に期待するものです.

平成25年10月
日本糖尿病学会食品交換表編集委員会


目次 (抜粋)
1 糖尿病とは
2 糖尿病治療の目標
3 糖尿病治療の方法
4 糖尿病治療のための食事とは
 1 適正な摂取エネルギー量の食事
 2 健康を保つために必要な栄養素
 3 血糖コントロールをよくする食事
 4 合併症を防ぐ食事
 5 食事療法のすすめ方
5 食品交換表について
 1 食品群の分類
   6つの食品グループ(6つの表)
 2 食べる量をはかるものさし……1単位=80キロカロリー
 3 食品の交換〜2つの原則〜
6 食品交換表の使い方16
 1 1日の指示単位および炭水化物の割合
 2 1日にどの表から何単位とるか
 3 朝食,昼食,夕食,間食へどのように配分するか
   1日の指示単位20単位(1600キロカロリー/炭水化物55%)の単位配分の一例
 4 献立のたて方
 5 1日20単位(1600キロカロリー/炭水化物55%)の食事献立(例)
   1日の指示単位20単位(1600キロカロリー/炭水化物55%)の食事献立表
   1日の指示単位(指示エネルギー量)の配分例:炭水化物60%
   1日の指示単位(指示エネルギー量)の配分例:炭水化物55%
   1日の指示単位(指示エネルギー量)の配分例:炭水化物50%
2013/11/06(Wed) 23:49 | URL | ぱにぃ | 【編集
機能性低血糖は
潜在的患者は相当数いそうですね。
夕方になるとイライラする、気持ち悪いなど。

研修医時代17年前に研修医でしたが、当時のオーベン(上司)が機能性低血糖から初期のDMを掬いあげていましたので、印象に残っています。
実はその上司、臨床はからきしだめで、DM外来以外は図書館で文献を読んでいるような医者だったので、当時は軽蔑していたのです。


糖質制限食については、かなり前に某超大物プロレスラーが行ったのがイメージ的にマイナスだったと思います。
2013/11/07(Thu) 03:03 | URL | いち内科医 | 【編集
高田明和先生は
みのもんた氏司会の「思いっきりテレビ」の常連医師でした。浜松医大の生理学教授でした。
基礎医学の教授ですから患者の血糖値を測ったことはあまりないと思われます。

ケトンについてはその当時の教科書には書いてなかったということですね、きっと。

2013/11/07(Thu) 03:12 | URL | いち内科医 | 【編集
おはようございます
なんともならない民族なのでしょうか・・
明治維新のように、強烈な外圧がかからないと変化しないのでしょうか・・。

本当に医学者として、科学者として自負していくのならば、現実をきちんと受け止めてより理想の近似値に近づけていく努力の連続だと思うのですが・・・。
原発と本当に同じ構図なんでしょうね・・・。
セイゲニストとして憤りを感じますね。
2013/11/07(Thu) 09:35 | URL | クワトロ | 【編集
Re: 糖尿病食事療法を語る資格がないのは
2012年1月16日のblogをご覧ください

 …ランチョンセミナーで、東京慈恵会医科大学附属病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 准教授の、森 豊 先生が、糖尿病の経腸栄養の患者さんで、低等質の栄養剤で、薬なしで血糖の変動が少ないと話されていました。しかも、インスリン注射をしている人では、インスリンが減らせると話しておられました

また、森豊Drは、このような文献を発表しています

◇高MUFA低糖質濃厚流動食長期使用時における24時間の血糖変動と食後のインスリン値, 中性脂肪値の検討

森豊1), 太田照男2), 田中孝明3), 松浦憲一1), 横山淳一1), 宇都宮一典4)
東京慈恵会医科大学附属第三病院糖尿病・代謝・内分泌内科1), 医療法人慈啓会白澤病院内科2), 独立行政法人国立病院機構宇都宮病院臨床研究部3), 東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科4)

栄養-評価と治療28(1):74-78, 2011
2013/11/07(Thu) 12:00 | URL | 精神科医師A | 【編集
2012年6月26日のblogもご覧下さい
2013/11/07(Thu) 12:02 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 糖質制限のコンビニ弁当 発売です
ちは さん

デイリーヤマザキですね。
早速、買ってみます。
2013/11/07(Thu) 18:13 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖尿病食事療法のための食事交換表 第7版
ぱにぃ さん

情報をありがとうございます。
折角の改訂も、旧態依然たるもので
「米国糖尿病学会、2013年10月、栄養療法に関する声明」とは
えらい差ですね。

従来は60%エネルギーの配分例のみを示していましたが,新たに55%,50%の配分例も示すこととしました.


これでは、相変わらず、唯一無二のカロリー制限食推奨ですね。

米国糖尿病学会は唯一無二の糖尿病食事療法は存在しないと、断定していて、
地中海食や糖質制限食など様々な食事療法を受容しています。
2013/11/07(Thu) 18:22 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 高田明和先生は
いち内科医 さん

基礎医学の教科書
「ハーパー生化学」「ガイトン臨床生理学」には
脳がケトン体をエネルギー源とすることは、明記してあります。
手元にある「ガイトン」の訳本が1999年第一刷、発行です。

高田明和先生、生理学教授なら、在職時から勉強していてほしいですね。
2013/11/07(Thu) 18:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: Re: 糖尿病食事療法を語る資格がないのは
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。
2013/11/07(Thu) 18:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
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