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医学雑誌掲載、肥満、メタボ、糖尿病腎症が糖質制限食で改善
こんばんは。

興味深い情報を、精神科医師Aさんからコメントいただきました。

ありがとうございます。

◇滋賀医学
1糖質制限食による減量にて完治した肥満関連性アルドステロン症
 医療法人若樹会橋本医院  橋本 進一先生

肥満が原因で、アルドステロンというホルモンが分泌されて、通常の降圧剤に反応しにくい高血圧を生じることがります。

カロリー制限なしの糖質制限食実践で

体重:93kg → 68kg
BMI:33 → 23
血圧:240/126 → 120/80
中性脂肪:722 → 147
HDL:33 → 43
尿酸:7.7 → 5.8
HbA1c:5.1 → 4.8

見事な改善です。橋本先生と糖質制限食、アッパレですね。

尿酸も肥満で高値となりうるので、減量で改善なのでしょう。


◇滋賀医学
2炭水化物制限(糖質制限)はメタボリックシンドロームの脂質異常を改善する
 豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
 豊郷病院循環器科 和田 直人、山川 高哉

2型糖尿病患者6名を、6~10ヶ月「糖質制限+αGI頓服」で治療です。

HbA1c:10.6→5.8
TG:176→81
HDL-C:49→62
LDL-C:146→114

こちらも、素晴らしい改善です。

七里先生、和田先生、山川先生、good job ですね。

スタチン系の薬物療法では、LDL-Cは減っても、HDL-Cはなかなか増えないので糖質制限食もGREATです。HbA1cの改善も見事です。


◇滋賀医学34巻184頁, 2012
11. 糖質制限(+αGI)で改善した糖尿病性腎症の3例
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院 循環器科 和田 直人、山川 高哉

症例1:BMI41、2型糖尿病で糖尿病網膜症あり。
糖質制限+αGI+グリニド頓を2年間施行
BMI 41→ 35、
HbA1c 10.8→ 6.1、
尿中微量アルブミン 832→ 35.4

症例2:64歳男性。眼科で糖尿病網膜症診断。2型糖尿病。
糖質制限+αGIを6ヵ月間施行
HbA1c 10.1→ 6.6、
尿中微量アルブミン888.2→ 104.4

症例3:51歳男性。5年前に2型糖尿病の診断。網膜症なし。
糖質制限+αGIを1ヵ月間施行
HbAlc 13.5→ 10.5
尿中微量アルブミン231.4→5.7

症例4:22歳男性。糖尿病性ケトアシドーシスで入院。
インスリン治療によりHbAlc 12.3→8.4と改善。BMI42.7の超メタボ・2型糖尿病患者。
インスリン中止し糖質制限+αGIを2ヵ月間施行
BMI 39.3→ 37.5
HbA1c 8.4→ 5.7
尿中微量アルブミン 93.6→ 3.0に改善した。

見事です。

糖尿病腎症3期A(顕性腎症前期)までなら、蛋白制限しなくても糖質制限食、充分有効ですね。

日本腎臓病学会の「CKD診療ガイド2012年」でも、糖尿病腎症第3期Aまでは、たんぱく制限の必要なしです。

糖尿病腎症の人でも糖質制限食が導入しやすくなり、とても良いことです。



江部康二



滋賀医学(県医師会発行)より
◇滋賀医学33巻132-133頁, 2011

1. 糖質制限食による減量にて完治した肥満関連性アルドステロン症
医療法人若樹会橋本医院
橋本 進一
http://iryou.chunichi.co.jp/hospital/detail/7465

肥満関連性アルドステロン症(ORA)は特発性アルドステロン症(IHA)と似て非なる疾患として高橋らにより提唱され減量により治癒する可能性のある疾患である。今回糖質制限食(カロリー制限はしない)により25kgの減量に成功し完治したORAを経験したので報告する。

症例は42歳男性、減量前後で体重93kg→68kg、BMI 33→23、血圧240/126mmHg→120/80mmHg、ODI(3%) 35→ 6、PAC/PRA 13.3/0.3=44.3→ 0.2未満/0.3=0.6未満、TG 722→ 147、HDL 33→ 43、尿酸7.7→ 5.8、HbA1c 5.1→ 4.8と改善した。

肥満高血圧患者の中にはこの疾患が思いの外存在すると考えられ、薬物療法以上に減量が重要であり、糖質制限が極めて有効であることが示された


2. 炭水化物制限(糖質制限)はメタボリックシンドロームの脂質異常を改善する
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院循環器科 和田 直人、山川 高哉

①メタボリックシンドロームMetSの本態であるインスリン抵抗性の例として、2型糖尿病(A1c10.6±0.3) 6人(年齢52±5)に6-10カ月「糖質制限+αGI頓服」で加療した。HbA1c、TG, HDL-C,、LDL-Cは、それぞれ10.6± 0.2→5.8± 0.2、176± 27→81± 11、49±4→62± 7、146± 8→114± 12へと改善した。

②脂質代謝にはインスリンの影響が大きいので、糖質制限によリインスリンを休ませると、MetSの脂質異常は改善する。

③インスリンはHMG-CoA Reductaseを活性化し、コレステロール合成促進するので、糖質制限はスタチン作用に通じる

   □

◇滋賀医学34巻184頁, 2012

11. 糖質制限(+αGI)で改善した糖尿病性腎症の3例
豊郷病院 メタボ循環器科、源内クリニック 七里 源正
豊郷病院 循環器科 和田 直人、山川 高哉

症例1は45歳男性。BMI 41の超メタボ・網膜症DRのある糖尿病T2Dに対し、糖質制限+αGI+グリニド頓を2年間施行し、BMI 41→ 35、HbA1c 10.8→ 6.1、尿中ACR(mg/gCr) 832→ 35.4に改善した。

症例2は64歳男性。眼科でDR指摘され、T2D治療を希望し来院。インスリン希望せず、糖質制限+αGIを6ヵ月間施行し、HbA1c 10.1→ 6.6、尿中ACR(mg/gCr)888.2→ 104.4に改善した。

症例3は51歳男性。5年前にT2D指摘され2種類の経口糖尿病薬服用の既往あり。全身倦怠がひどく、糖尿病性ケトアシドーシスに近い状態(BS 364、HbA1c 13.5、尿中ケトン陽性)で来院。意識状態は正常で、インスリン希望せず、DRなし。糖質制限+αGIを1ヵ月間施行し、HbAlc 13.5→ 10.5、尿中ACR(mg/gCr)231.4→5.7に改善した。

症例4は22歳男性。糖尿病性ケトアシドーシスで入院、インスリン治療によりHbAlc 12.3→8.4と改善し、若いので他の治療を希望したBMI 42.7の超メタボ・T2D患者。インスリン中止し糖質制限+αGIを2ヵ月間施行、BMI 39.3→ 37.5、HbA1c 8.4→ 5.7、尿中ACR(mg/gCr) 93.6→ 3.0に改善した。

以上、糖質制限(+αGI)は糖質病性腎症の第2期(早期腎症期)・第3期A(顕性腎症前期)までなら、蛋白制限しなくても有効と思われた.




テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
Re: タイトルなし
すうり さん

食べて吸収される前に吐けば、栄養素は吸収されません。
一定時間経過後であれば、吐いてもある程度は吸収されているでしょう。

「ナッツ、1袋、700kcal」・・・私も昼食とか、時間がないときは、これだけですますこともあります。
それでいいと思います。
2013/11/05(Tue) 12:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
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