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米国糖尿病学会、栄養療法に関する声明を発表、MT Pro記事
19項目対象に提言とエビデンスの格付けまとめる 表の後半

ADAは今回の声明において,最近のデータに基づき,食事療法全体の総括から食事パターンや各種食品,アルコールやナトリウム摂取に至るまで計19項目について提言およびエビデンスの格付けを次のようにまとめた(表)。

エビデンスの格付けの定義

A:質の高いRCTに基づく明確なエビデンス
B:質の高いコホート研究に基づく補助的エビデンス
C:質の高くない研究に基づく補助的エビデンス
E:専門家のコンセンサスまたは臨床経験

食事療法の提言

食事療法の効果

<炭水化物>

糖尿病患者における理想的な炭水化物摂取量に関してはエビデンスが十分ではない。したがって、各患者と共同してゴールを設定すべきである。C

炭水化物摂取量とインスリン量が食後血糖値に関して最も重要な影響因子であり得るため、食事プランの立案に際し、これらを考慮すべきである。A

カーボカウンティングや経験による見積もりによって摂取する炭水化物量を評価することが、血糖コントロール達成のための主要戦略であることには変わりない。B

良好な健康状態を得るため、野菜、果物、全粒穀物、豆類および乳製品から炭水化物を摂取することが勧められるべきである。特に、脂肪、砂糖、あるいは、Naを添加した食品から炭水化物を摂取することは勧められない。B

<glycemic index(GI)、glycemic load>

高GI食品を低GI食品で置換することで血糖コントロールがある程度改善する可能性がある。C

<食物繊維、全粒穀物>

糖尿病患者は、少なくとも、一般対象者に推奨されている量の食物繊維および全粒穀物を摂取すべきである。C

<砂糖によるでん粉の置換>

他の炭水化物を同カロリーの砂糖で置換しても血糖には大きな差はない可能性があるが、栄養素に富む食品の置換となる砂糖の摂取は最小量にとどめるべきである。A

<果糖>

自然食品(果物など)に含まれる果糖は同カロリーの砂糖やでん粉に比べ、血糖コントロールを改善する可能性があり(B)、過剰(>12%E)に摂取しなければ、中性脂肪に対し悪影響をおよぼすとは考えにくい(C)。

糖尿病患者は、体重増加や心血管危険因子の悪化を防ぐため、甘味飲料(清涼飲料)(高果糖コーンシロップや砂糖などのカロリーを有する甘味料を含有)の摂取を制限するか、避けるべきである。B

<人工甘味料>

カロリーのある甘味料をカロリーのないか、あるいは、少ない甘味料で置換し、他のカロリー食品を増量しなければ、総カロリーや総炭水化物摂取量の減少につながる可能性がある。B

<蛋白質>

糖尿病腎症の所見のない糖尿病患者では、最適な血糖コントロール、あるいは、心血管疾患リスクの改善のための理想的な蛋白質摂取量に関しては、これを推奨するに足る十分なエビデンスは存在しない。したがって、目標は個別化されなければならない。C

糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。A

2型糖尿病患者では、摂取蛋白質は血糖を上昇させることなくインスリン反応を増加させる。したがって、蛋白質を多く含有する炭水化物食品は低血糖の治療目的では用いるべきでない。B

<総脂肪>

糖尿病患者における理想的な総脂肪摂取量に関してはエビデンスが十分ではない。したがって、目標は個別化されるべきである(C)。脂肪の量より、その質が極めて重要である(B)。

<一価不飽和脂肪酸および多価不飽和脂肪酸>

2型糖尿病患者では、地中海式の一価不飽和脂肪酸に富む食事が血糖コントロールおよび心血管危険因子を改善する可能性があるため、低脂肪高炭水化物食に対する有用な代替として推奨され得るものである。B

<n3多価不飽和脂肪酸>

糖尿病患者においては、エビデンスは、心血管イベントの予防および治療目的でn3多価不飽和脂肪酸(EPAおよびDHA)のサプリメントを推奨することは支持しない。A

長鎖n3多価不飽和脂肪酸(EPAおよびDHA、油の多い魚)および、αリノレン酸(ALA)を含有する食品の摂取を増やすことは、観察研究において、リポ蛋白質の改善効果と心疾患の予防効果を有し、また、健康アウトカムの改善と関連していることから、一般対象者と同様に、糖尿病患者でも推奨される。B

糖尿病患者においても、一般対象者と同様に、週に少なくとも2回以上、魚(特に油の多い魚)を摂取することを推奨する。B

<飽和脂肪、食事性コレステロール、トランス脂肪>

 糖尿病患者に推奨される、飽和脂肪、コレステロール、トランス脂肪の摂取量は、一般対象者のそれと
 同じである。C

<植物スタノール、植物ステロール>

脂質異常症を伴う糖尿病患者では、強化食品に含有されるような1.6~3g/日の植物スタノール、植物ステロールの摂取により総およびLDLコレステロールが軽度に低下する可能性がある。C

<微量栄養素、ハーブサプリメント>

糖尿病患者では、欠乏がなければ、ビタミンやミネラルのサプリメントの有用性に関する明らかなエビデンスはない。C

・ビタミンE、C およびカロテンなどの抗酸化物質の日常的なサプリメント投与は、有用性に関する
 エビデンスがなく長期的安全性に関する懸念があることから勧められない。A

・クロミウム、マグネシウム、ビタミンDなどの微量栄養素を糖尿病患者の血糖コントロール改善の目的で
 日常的に使用することを支持する十分なエビデンスはない。C

・糖尿病治療にシナモンやその他のハーブを使用することを支持する十分なエビデンスはない。C

すべての微量栄養素の摂取基準に合致するように、食品の選択を含めた食事プランを個別的に作成することが推奨される。E

<アルコール>

糖尿病患者が飲酒する場合には、適量(成人女性では1日1杯、あるいは、それ以下、成人男性では1日2杯、あるいは、それ以下)にとどめるべきである。E

糖尿病患者では、飲酒により、特にインスリンあるいはインスリン分泌促進薬を使用中の場合、遷延性低血糖の危険性が増加する可能性がある。遷延性低血糖の自覚と対処法に関する教育と認識が求められる。C

<ナトリウム>

一般対象者でのNa摂取量を2300mg/日以下にするという推奨は糖尿病患者にも適合する。B

高血圧を合併する糖尿病患者では、更なるNa摂取制限は個別化されるべきである。B





テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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