2013年10月10日 (木)
こんばんは
精神科医師Aさんから、久山町研究のリーダーである清原裕九州大学教授が
「栄養と料理2013年11月号」
に書かれた記事についてコメントいただきました。
ありがとうございます。
清原氏
『糖尿病の有病率と食品群別摂取量の時代的推移を検討したところ、糖尿病の増加に伴い増加している唯一の栄養素が動物性脂肪であることがわかりました』
中村学園大学の論文では、
----動物性脂質---糖質
1985--23.7g-----255.9g
1994--22.7g-----244.7g
2004--26.1g-----268.1g
精神科医医師Aさんのご指摘どおり、糖質もしっかり増加です。
さらに中村学園の論文でタンパク質・脂質・糖質の変遷を見ると
タンパク質 脂質 糖質 総摂取エネルギー
1985 71.2g 53.1g 255.9g 1848kcal
1994 73.2g 53.1g 244.7g 1811kcal
2004 69.5g 52.3g 268.1g 1890kcal
です。
三大栄養素の摂取量の変遷をみると、1994年から2004年にかけて、脂質・タンパク質の摂取量が減少して、糖質の摂取量が増加しています。
そして久山町ではこの間、糖尿病が激増したのは有名な事実です。
つまり糖尿病の増加に伴い増加しているのは、三大栄養素の中で唯一糖質だけなのです。
清原先生、動物性脂肪だけを取り上げて、総脂質量や総糖質量を無視するのは、いくら何でもアンフェアですよ。
江部康二
【3/10/09
清原 裕氏への反論
栄養と料理2013年11月号 p110-115
「なぜ「久山町」で糖尿病が増えたのか」 清原 裕
P113-114
『糖尿病の有病率と食品群別摂取量の時代的推移を検討したところ、糖尿病の増加に伴い増加している唯一の栄養素が動物性脂肪であることがわかりました』
早速、中村学園大学の論文を読んでみた
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006405565
久山町住民の栄養素等摂取量,食品群別摂取量の40年間の変化 : 久山町における栄養疫学研究
P257 表2
久山町での年次推移
----動物性脂質---糖質
1985--23.7g-----255.9g
1994--22.7g-----244.7g
2004--26.1g-----268.1g
動物性脂質と糖質は平行移動している。これではとても、”糖尿病の増加に伴い増加している唯一の栄養素”とは言えない 】
精神科医師Aさんから、久山町研究のリーダーである清原裕九州大学教授が
「栄養と料理2013年11月号」
に書かれた記事についてコメントいただきました。
ありがとうございます。
清原氏
『糖尿病の有病率と食品群別摂取量の時代的推移を検討したところ、糖尿病の増加に伴い増加している唯一の栄養素が動物性脂肪であることがわかりました』
中村学園大学の論文では、
----動物性脂質---糖質
1985--23.7g-----255.9g
1994--22.7g-----244.7g
2004--26.1g-----268.1g
精神科医医師Aさんのご指摘どおり、糖質もしっかり増加です。
さらに中村学園の論文でタンパク質・脂質・糖質の変遷を見ると
タンパク質 脂質 糖質 総摂取エネルギー
1985 71.2g 53.1g 255.9g 1848kcal
1994 73.2g 53.1g 244.7g 1811kcal
2004 69.5g 52.3g 268.1g 1890kcal
です。
三大栄養素の摂取量の変遷をみると、1994年から2004年にかけて、脂質・タンパク質の摂取量が減少して、糖質の摂取量が増加しています。
そして久山町ではこの間、糖尿病が激増したのは有名な事実です。
つまり糖尿病の増加に伴い増加しているのは、三大栄養素の中で唯一糖質だけなのです。
清原先生、動物性脂肪だけを取り上げて、総脂質量や総糖質量を無視するのは、いくら何でもアンフェアですよ。
江部康二
【3/10/09
清原 裕氏への反論
栄養と料理2013年11月号 p110-115
「なぜ「久山町」で糖尿病が増えたのか」 清原 裕
P113-114
『糖尿病の有病率と食品群別摂取量の時代的推移を検討したところ、糖尿病の増加に伴い増加している唯一の栄養素が動物性脂肪であることがわかりました』
早速、中村学園大学の論文を読んでみた
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006405565
久山町住民の栄養素等摂取量,食品群別摂取量の40年間の変化 : 久山町における栄養疫学研究
P257 表2
久山町での年次推移
----動物性脂質---糖質
1985--23.7g-----255.9g
1994--22.7g-----244.7g
2004--26.1g-----268.1g
動物性脂質と糖質は平行移動している。これではとても、”糖尿病の増加に伴い増加している唯一の栄養素”とは言えない 】
栄養と料理2013年11月号
P113
『65年から04年までの久山町の栄養比率の推移を全国平均と比較すると、むしろ糖質摂取量は久山町のほうが低いことが示されています』
文献1) 中村学園大学論文257頁表2
文献2) 平成16年国民健康・栄養調査報告 P274 第143表
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou06/pdf/01-06.pdf
1)と2)を比べると、65~94年は確かに久山町の方が炭水化物量は少ない。
平成16年(2004)の全国平均の炭水化物摂取量は266g/dayである。久山町の2004年は268.1g/dayである。有意差はないだろうが、わずかに久山町のほうが多い
炭水化物摂取量の増加は中村学園大学の指導の成果であろう
P113
『65年から04年までの久山町の栄養比率の推移を全国平均と比較すると、むしろ糖質摂取量は久山町のほうが低いことが示されています』
文献1) 中村学園大学論文257頁表2
文献2) 平成16年国民健康・栄養調査報告 P274 第143表
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou06/pdf/01-06.pdf
1)と2)を比べると、65~94年は確かに久山町の方が炭水化物量は少ない。
平成16年(2004)の全国平均の炭水化物摂取量は266g/dayである。久山町の2004年は268.1g/dayである。有意差はないだろうが、わずかに久山町のほうが多い
炭水化物摂取量の増加は中村学園大学の指導の成果であろう
2013/10/10(Thu) 22:10 | URL | 精神科医師A | 【編集】
江部先生。今晩は。2度目の書き込みになります。1ヶ月前に糖尿病と言われ、ジャヌビアを飲みながら糖質制限をし、体重が、8キロおちました。a1cも、1ヶ月前は、7.6だったのが、今日の結果6.5に下がっていました。お医者さんに、誉められたのですが、尿検査のケトン体の結果を見て、もっと糖質を取りなさいといわれました。ケトン体3プラスでした。飢餓状態だと言われ…江部先生の本は、5冊くらい購入し、読んでいましたので、ケトン体の事も知っていました。でも、不安になり、このまま糖質制限を続けても大丈夫でしょうか?空腹血糖値が、80くらいでした。1ヶ月前の血液検査で、脂肪肝だと言われました。腎臓異常なしでした。まとまっていない文章で申し訳ございません。
宜しくお願い致します。
宜しくお願い致します。
2013/10/10(Thu) 22:13 | URL | あかね | 【編集】
「栄養と料理」11月号には、『なぜ「久山町」で糖尿病が増えたのか?』という特集が掲載されています。久山町研究の研究統括者清原裕九大教授の弁明です。久山町で糖尿病が増えたのではなく、精度の高い検査をしたから有病率が日本人全体よりも高くなったのだというのです。久山町研究で目指したのは糖尿病の正確な有病率を知りたかったのでしょうか?本当は、炭水化物60%を摂取してしっかり運動もして、有病率が下がるはずと思って研究を始めたはずです。その結果が逆になって糖尿病が増えてしまったのです。ですから、この食事法ではだめだということがわかったはずなのに、いまだにそれを認めないで弁明です。さらに高率に認知症が発症しやすいことも示されたのです。大学教授が、どう弁明しても破たんした食事指導に、気が付く人はどんどん増えています。
いつも勉強させて頂いています。
ありがとうございます。
精神科医A様のコメントにある清原教授の言う事が仮に本当なら、初めから研究のやり方が間違っていたことになる。指導前と後の検査精度を変えたら結果の信ぴょう性は始めからない。
彼はそんなバカな研究を公費を使ってなした事の責任はとるのだろうか?
ありがとうございます。
精神科医A様のコメントにある清原教授の言う事が仮に本当なら、初めから研究のやり方が間違っていたことになる。指導前と後の検査精度を変えたら結果の信ぴょう性は始めからない。
彼はそんなバカな研究を公費を使ってなした事の責任はとるのだろうか?
2013/10/11(Fri) 08:37 | URL | しん | 【編集】
『欧米の研究においては対象となる BMI は 30~35 以上のことが多く、肥満度の異なる日本人の糖尿病の病態に立脚した適正な炭水化物摂取量については、いまだ十分なエビデンスが揃っているとは言えない』
…久山研究で十分なevidenceはあります。5月の学会で発表されたJDS-GL2013にも久山研究の食事療法の結果は引用されていない
…久山研究で十分なevidenceはあります。5月の学会で発表されたJDS-GL2013にも久山研究の食事療法の結果は引用されていない
2013/10/11(Fri) 11:58 | URL | 精神科医師A | 【編集】
あかね さん
体重減少、HbA1c改善良かったです。
拙著のご購入、ありがとうございます。
空腹時血糖値が80mg/dlで、HbA1cが6.5%
なら、インスリン作用は充分働いているので、
血中ケトン体は生理的な上昇です。
従って尿中ケトン体が陽性でも、飢餓でも何でもなく正常で生理的なものですので
心配いりません。
このまま、美味しく楽しく糖質制限食をお続けください。
体重減少、HbA1c改善良かったです。
拙著のご購入、ありがとうございます。
空腹時血糖値が80mg/dlで、HbA1cが6.5%
なら、インスリン作用は充分働いているので、
血中ケトン体は生理的な上昇です。
従って尿中ケトン体が陽性でも、飢餓でも何でもなく正常で生理的なものですので
心配いりません。
このまま、美味しく楽しく糖質制限食をお続けください。
2013/10/11(Fri) 18:13 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
仰有る通りと思います。
1988年から2002年の久山町研究のデータにより、
従来の糖尿病食で糖尿病が増えたというエビデンスが存在しますね。
仰有る通りと思います。
1988年から2002年の久山町研究のデータにより、
従来の糖尿病食で糖尿病が増えたというエビデンスが存在しますね。
2013/10/11(Fri) 18:18 | URL | ドクター江部 | 【編集】
糖尿病の疫学 : 久山町研究
向井, 直子; 清原, 裕
https://qir.kyushu-u.ac.jp/dspace/bitstream/2324/19870/1/p175.pdf
1988年と2002年の健診で,40〜79歳の受診者のほぼ全員に75gOGTTを用いて耐糖能レベルを正確に判定した。
糖尿病有病率
--1988---2002
男-15.0%--23.6%
女-09.9%--13.4%
耐糖能障害(IGT)
--1988---2002
男-19.2%--21.6%
女-18.8%--21.3%
空腹時血糖高値(IFG)
--1988---2002
男-08.0%--14.7%
女-04.9%--06.6%
糖尿病が増えた原因については、一言も書かれていない。福岡県の講演会では、ぜひこの事をとりあげてほしい
向井, 直子; 清原, 裕
https://qir.kyushu-u.ac.jp/dspace/bitstream/2324/19870/1/p175.pdf
1988年と2002年の健診で,40〜79歳の受診者のほぼ全員に75gOGTTを用いて耐糖能レベルを正確に判定した。
糖尿病有病率
--1988---2002
男-15.0%--23.6%
女-09.9%--13.4%
耐糖能障害(IGT)
--1988---2002
男-19.2%--21.6%
女-18.8%--21.3%
空腹時血糖高値(IFG)
--1988---2002
男-08.0%--14.7%
女-04.9%--06.6%
糖尿病が増えた原因については、一言も書かれていない。福岡県の講演会では、ぜひこの事をとりあげてほしい
2013/10/11(Fri) 19:37 | URL | 精神科医師A | 【編集】
江部先生、お忙しいなかお返事有り難うございます!先日教えて頂いた、こくらクリニックに通いたいのですが、遠くて…旦那さんと相談し通えるようにしたいなと思ってます。糖質制限コムで、色々買い込み、楽しく食べたいと思います。合併症が出ないように…江部先生も楽しく糖質制限頑張って下さいね!
2013/10/13(Sun) 06:16 | URL | あかね | 【編集】
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