2013年09月06日 (金)
こんにちは
ケトン体、についてよく質問があるので、復習を兼ねて考察してみます。
まず、
「生理的ケトーシスは糖尿病ケトアシドーシスとは違う」
ということが、一番大切なので、しっかり覚えておきましょう。
スーパー糖質制限食を実践すると、血中ケトン体が上昇します。
ケトンとは、ケトン基をもつ化合物のこといいます。
医学・生化学の世界において、β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの3者を、ケトン体として総称してきました。
このうちβ-ヒドロキシ酪酸はケトン基がないので、化学構造上は実はケトンではないのですが、ケトンであるアセト酢酸に可逆的に変換されるので、過去習慣的にケトン体の範疇に含まれて扱われてきました。
そして、人体で日常的にエネルギー源として利用されている主たるものは、ケトン体のうちβ-ヒドロキシ酪酸なのです。
アセトンは、揮発性で呼気に排出されやすいためアセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸をたしたものを血中総ケトン体としています。
「総ケトン体=β-ヒドロキシ酪酸+アセト酢酸」
です。
ケトン体分画として検査依頼すると上記の数値を調べて貰えます。
さて、血中ケトン体が現行の基準値より高値となった時の安全性について、ブログ読者の皆さんから、過去複数の質問をいただきました。
ケトン体、なかなかなじみがなくてわかりにくいですよね (∵)?
一般の人は勿論、お医者さんでもケトン体の真実をご存知の方はほとんどいないというのが現状ですので、検討してみます。
<生理的ケトーシス>
結論を先にいうと、現行の基準値を超えていても、インスリン作用があるていど以上保たれているならば血中ケトン体の上昇は生理的なものであり(生理的ケトーシス)、安全性は極めて高いのでご安心ください。
生理的ケトーシスは、スーパー糖質制限食、ケトン食、絶食療法などのときに生じます。
小児難治性てんかんやGLUT1欠損症におけるケトン食実践は、2年3年に及びますが、総ケトン値は4000~6000μM/L程度でも普通です。
これらの場合インスリン作用は保たれているので、初期に一時的に酸性血症(アシドーシス)となりますが、緩衝作用によりしばらくして正常のPHに戻ります。
糖質制限食を長期間続けた場合の安全性の一環として、動脈血液ガスのpH と血中ケトン体値などを検討してみました。
2009年3月3日
7年間スーパー糖質制限食実践中の江部康二(検査時59才)
4年間スーパー糖質制限食実践中のS・T・氏(検査時61才男性)
の動脈血液ガスのデータをとってみました。
二人とも2型糖尿病です。
江部康二 S・T・氏 基準値
pH 7.450 7.450 (7.36~7.45)
PaCO2 43.0 40.9 (35~45 Torr)
PaO2 92.0 84.0 (80~100 Torr)
HCO3- 28.8 27.2 (22~26 mEq/L)
血糖値 123(食後3時間) 86mg/dl(空腹時)
血中総ケトン体 712 603 (26~122μM/L)
尿中ケトン体 陰性 陰性
2人とも血中ケトン体値は、基準値の5~6倍です。
しかし、pH は7.450と、正常値の中ではアルカリ性よりのデータです。
すなわち、生理的ケトーシスはありますが、アシドーシスはありません。
HCO3-は2人とも、正常上限からほんの少し高値です。
HCO3-などの血液緩衝作用や酸塩基平衡作用で、pH をコントロールしていると考えられます。(*)(**)
血中ケトン体値は、基準値よりは高値ですが、尿中ケトン体値は陰性です。
心筋や骨格筋のケトン体利用効率が高まり、腎の再吸収も良くなった結果と考えられます。
インスリン作用も確保されていて、このケトン体値は生理的な状態です。
おそらく我々2人のような検査データが、農耕が始まる前の人類の基準値だったと考えられます。
(*)緩衝作用
血液の緩衝機構として、重炭酸緩衝系、ヘモグロビン系、血漿蛋白系、リン酸系がある。
そのうち約65%を重炭酸緩衝系が、約30%をヘモグロビン系が担っている。
重炭酸緩衝系は、炭酸(H2CO3)と、重炭酸(HCO3-)との混合系である。
(**)酸塩基平衡
生体内では、代謝に伴ない酸が産生されるが、細胞の活動が正常に営まれるには酸塩基平衡を維持する必要がある。
体内のpHを一定に保つため、血液や体液の緩衝作用(緩衝機構)、呼吸による調節作用、腎臓による調節機構がある。
腎臓が主な産生部位であるHCO3-濃度と呼吸機能で調節されCO2の分圧によってpHは調整される。
<糖尿病ケトアシドーシス>
インスリン作用が欠落して、人体の糖質・脂質・タンパク質代謝が破綻した結果生じる「糖尿病ケトアシドーシス」は、生理的ケトーシスとは全く異なる重篤な病態であることを認識する必要があります。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝失調状態です。
強調しますが、前提にインスリン作用の欠乏があり、それが全ての出発点です。
つまり、インスリン作用の欠乏がなければ、糖尿病ケトアシドーシスは絶対に起こらないのです。
『インスリン作用の極度の低下、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴン・カテコールアミン・成長ホルモンの過剰』などにより、全身の高度の代謝失調、糖利用の低下・脂肪分解の亢進がおこり、高血糖と高遊離脂肪酸血症を生じます。
遊離脂肪酸は、インスリン欠乏下の肝では、急速な酸化をうけケトン体に分解されます。
インスリン作用欠乏から始まる流れ、
「インスリン作用欠乏→拮抗ホルモン過剰→全身の高度代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進→緩衝作用を凌駕→ケトアシドーシス」
というのが糖尿病ケトアシドーシス発症の順番です。
糖尿病ケトアシドーシスの場合血中総ケトン体は3000μM/L以上となりますが、この場合ケトン体上昇は原因ではなく、インスリン作用欠乏の結果です。
残念なことに、多くの医師がケトン体上昇が原因であると誤解しています。
糖尿病ケトアシドーシスは、
1型で急にインスリン注射を中止したとき、1型のシックデイ、
2型のペットボトル症候群など、極めて特殊な例に限れられる重篤な病態です。
江部康二
ケトン体、についてよく質問があるので、復習を兼ねて考察してみます。
まず、
「生理的ケトーシスは糖尿病ケトアシドーシスとは違う」
ということが、一番大切なので、しっかり覚えておきましょう。
スーパー糖質制限食を実践すると、血中ケトン体が上昇します。
ケトンとは、ケトン基をもつ化合物のこといいます。
医学・生化学の世界において、β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの3者を、ケトン体として総称してきました。
このうちβ-ヒドロキシ酪酸はケトン基がないので、化学構造上は実はケトンではないのですが、ケトンであるアセト酢酸に可逆的に変換されるので、過去習慣的にケトン体の範疇に含まれて扱われてきました。
そして、人体で日常的にエネルギー源として利用されている主たるものは、ケトン体のうちβ-ヒドロキシ酪酸なのです。
アセトンは、揮発性で呼気に排出されやすいためアセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸をたしたものを血中総ケトン体としています。
「総ケトン体=β-ヒドロキシ酪酸+アセト酢酸」
です。
ケトン体分画として検査依頼すると上記の数値を調べて貰えます。
さて、血中ケトン体が現行の基準値より高値となった時の安全性について、ブログ読者の皆さんから、過去複数の質問をいただきました。
ケトン体、なかなかなじみがなくてわかりにくいですよね (∵)?
一般の人は勿論、お医者さんでもケトン体の真実をご存知の方はほとんどいないというのが現状ですので、検討してみます。
<生理的ケトーシス>
結論を先にいうと、現行の基準値を超えていても、インスリン作用があるていど以上保たれているならば血中ケトン体の上昇は生理的なものであり(生理的ケトーシス)、安全性は極めて高いのでご安心ください。
生理的ケトーシスは、スーパー糖質制限食、ケトン食、絶食療法などのときに生じます。
小児難治性てんかんやGLUT1欠損症におけるケトン食実践は、2年3年に及びますが、総ケトン値は4000~6000μM/L程度でも普通です。
これらの場合インスリン作用は保たれているので、初期に一時的に酸性血症(アシドーシス)となりますが、緩衝作用によりしばらくして正常のPHに戻ります。
糖質制限食を長期間続けた場合の安全性の一環として、動脈血液ガスのpH と血中ケトン体値などを検討してみました。
2009年3月3日
7年間スーパー糖質制限食実践中の江部康二(検査時59才)
4年間スーパー糖質制限食実践中のS・T・氏(検査時61才男性)
の動脈血液ガスのデータをとってみました。
二人とも2型糖尿病です。
江部康二 S・T・氏 基準値
pH 7.450 7.450 (7.36~7.45)
PaCO2 43.0 40.9 (35~45 Torr)
PaO2 92.0 84.0 (80~100 Torr)
HCO3- 28.8 27.2 (22~26 mEq/L)
血糖値 123(食後3時間) 86mg/dl(空腹時)
血中総ケトン体 712 603 (26~122μM/L)
尿中ケトン体 陰性 陰性
2人とも血中ケトン体値は、基準値の5~6倍です。
しかし、pH は7.450と、正常値の中ではアルカリ性よりのデータです。
すなわち、生理的ケトーシスはありますが、アシドーシスはありません。
HCO3-は2人とも、正常上限からほんの少し高値です。
HCO3-などの血液緩衝作用や酸塩基平衡作用で、pH をコントロールしていると考えられます。(*)(**)
血中ケトン体値は、基準値よりは高値ですが、尿中ケトン体値は陰性です。
心筋や骨格筋のケトン体利用効率が高まり、腎の再吸収も良くなった結果と考えられます。
インスリン作用も確保されていて、このケトン体値は生理的な状態です。
おそらく我々2人のような検査データが、農耕が始まる前の人類の基準値だったと考えられます。
(*)緩衝作用
血液の緩衝機構として、重炭酸緩衝系、ヘモグロビン系、血漿蛋白系、リン酸系がある。
そのうち約65%を重炭酸緩衝系が、約30%をヘモグロビン系が担っている。
重炭酸緩衝系は、炭酸(H2CO3)と、重炭酸(HCO3-)との混合系である。
(**)酸塩基平衡
生体内では、代謝に伴ない酸が産生されるが、細胞の活動が正常に営まれるには酸塩基平衡を維持する必要がある。
体内のpHを一定に保つため、血液や体液の緩衝作用(緩衝機構)、呼吸による調節作用、腎臓による調節機構がある。
腎臓が主な産生部位であるHCO3-濃度と呼吸機能で調節されCO2の分圧によってpHは調整される。
<糖尿病ケトアシドーシス>
インスリン作用が欠落して、人体の糖質・脂質・タンパク質代謝が破綻した結果生じる「糖尿病ケトアシドーシス」は、生理的ケトーシスとは全く異なる重篤な病態であることを認識する必要があります。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝失調状態です。
強調しますが、前提にインスリン作用の欠乏があり、それが全ての出発点です。
つまり、インスリン作用の欠乏がなければ、糖尿病ケトアシドーシスは絶対に起こらないのです。
『インスリン作用の極度の低下、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴン・カテコールアミン・成長ホルモンの過剰』などにより、全身の高度の代謝失調、糖利用の低下・脂肪分解の亢進がおこり、高血糖と高遊離脂肪酸血症を生じます。
遊離脂肪酸は、インスリン欠乏下の肝では、急速な酸化をうけケトン体に分解されます。
インスリン作用欠乏から始まる流れ、
「インスリン作用欠乏→拮抗ホルモン過剰→全身の高度代謝障害→糖利用低下・脂肪分解亢進→高血糖・高遊離脂肪酸→ケトン体産生亢進→緩衝作用を凌駕→ケトアシドーシス」
というのが糖尿病ケトアシドーシス発症の順番です。
糖尿病ケトアシドーシスの場合血中総ケトン体は3000μM/L以上となりますが、この場合ケトン体上昇は原因ではなく、インスリン作用欠乏の結果です。
残念なことに、多くの医師がケトン体上昇が原因であると誤解しています。
糖尿病ケトアシドーシスは、
1型で急にインスリン注射を中止したとき、1型のシックデイ、
2型のペットボトル症候群など、極めて特殊な例に限れられる重篤な病態です。
江部康二
倉敷の門野です。先だっては、福山の泌尿器科の先生を紹介して頂きありがとうございました。早速連絡をさせて頂きました、がインシュリンを継続している患者の症例は診察したことが無いそうです。高尾病院にも診察に伺いたいと思っていますが、すぐには無理なような状態です。今の所 ノボラピットインシュリン
12単位、朝、昼、夕、ランタス就寝前40単位しています。
血糖値 朝食前 昼前 夕前
3 日 161 234
4 日 181 202
5 日 175 120
6 日 157 105 192
ここ最近の数値です。食事は米飯100g蛋白質が多めの食事にしています。
食後2時間値の測定が無いですが最近身体が怠いようで早くインシュリン中止にしたいですが、自宅で素人が急に明日からといった方法ではなかなか難しいでしょうか?一日一回人参とりんごのジュースで断食療法という方法もあるようです。自分がしっかり断固とした決意をしなければなかなか困難でしょうね。主人がもっと本気になってくれたらと思っています。どうしたらいいか解らないので投稿しました。お忙しいのにすみません。
12単位、朝、昼、夕、ランタス就寝前40単位しています。
血糖値 朝食前 昼前 夕前
3 日 161 234
4 日 181 202
5 日 175 120
6 日 157 105 192
ここ最近の数値です。食事は米飯100g蛋白質が多めの食事にしています。
食後2時間値の測定が無いですが最近身体が怠いようで早くインシュリン中止にしたいですが、自宅で素人が急に明日からといった方法ではなかなか難しいでしょうか?一日一回人参とりんごのジュースで断食療法という方法もあるようです。自分がしっかり断固とした決意をしなければなかなか困難でしょうね。主人がもっと本気になってくれたらと思っています。どうしたらいいか解らないので投稿しました。お忙しいのにすみません。
日本屈指の筋肉量を誇るボディビルダーである山本義徳氏も、ブログにこう書かれていました。
↓
>余談となるが、facebookで友人の投稿を見ていたら、某トレーナー団体のセッション内容が少し紹介されていて、「やってはいけないこと」として、低炭水化物ダイエットが真っ先に挙げられていた。
>
>あまりにも呆れたので、口を極めて罵らせていただこう。超超基本的なこと3点。
>
>1. ケトーシスは身体に悪い、という医者がいたら、それは無学である。
>
>2. 脳のエネルギーはブドウ糖だけである、という栄養士がいたら、それは無知である。
>
>3. ローカーボだと筋肉が落ちやすい、というトレーナーがいたら、それは無能である。
http://ameblo.jp/doronjo7/entry-11599159896.html
↓
>余談となるが、facebookで友人の投稿を見ていたら、某トレーナー団体のセッション内容が少し紹介されていて、「やってはいけないこと」として、低炭水化物ダイエットが真っ先に挙げられていた。
>
>あまりにも呆れたので、口を極めて罵らせていただこう。超超基本的なこと3点。
>
>1. ケトーシスは身体に悪い、という医者がいたら、それは無学である。
>
>2. 脳のエネルギーはブドウ糖だけである、という栄養士がいたら、それは無知である。
>
>3. ローカーボだと筋肉が落ちやすい、というトレーナーがいたら、それは無能である。
http://ameblo.jp/doronjo7/entry-11599159896.html
2013/09/06(Fri) 22:15 | URL | 豆蔵 | 【編集】
いつもブログ読ませていただいてます。
血中ケトン体の数値はわからないんですが、
尿中ケトン体が毎回+2か+3です。
糖質制限歴は1年7ケ月くらいです。
先生のブログや本でも尿中ケトン体は-って書かれています。
尿中ケトン体が+3ってことは血中ケトン体が
さらに高いってことでしょうか?
これも自然なことで問題ないでしょうか?
血中ケトン体の数値はわからないんですが、
尿中ケトン体が毎回+2か+3です。
糖質制限歴は1年7ケ月くらいです。
先生のブログや本でも尿中ケトン体は-って書かれています。
尿中ケトン体が+3ってことは血中ケトン体が
さらに高いってことでしょうか?
これも自然なことで問題ないでしょうか?
2013/09/07(Sat) 09:27 | URL | レン | 【編集】
豆蔵 さん
情報をありがとうございます。
ボディビルダー山本義徳氏、正確な知識を持っておられますね。
情報をありがとうございます。
ボディビルダー山本義徳氏、正確な知識を持っておられますね。
2013/09/07(Sat) 17:20 | URL | ドクター江部 | 【編集】
レン さん
スーパー糖質制限食をきっちり実践して、1回の糖質量が数グラム以下だと
個人差がありますが、
血中ケトン体が、2000を超えてきます。
この場合、尿中ケトン体が陽性となることがあります。
小児ケトン食の場合も尿中ケトン体は、2年後でも陽性です。
小児ケトン食では、血中ケトン体は、3000~4000レベルです。
スーパー糖質制限食をきっちり実践して、1回の糖質量が数グラム以下だと
個人差がありますが、
血中ケトン体が、2000を超えてきます。
この場合、尿中ケトン体が陽性となることがあります。
小児ケトン食の場合も尿中ケトン体は、2年後でも陽性です。
小児ケトン食では、血中ケトン体は、3000~4000レベルです。
2013/09/07(Sat) 17:23 | URL | ドクター江部 | 【編集】
倉敷の門野さん
ランタス40単位、大量です。
入院しての管理が必要と思います。
ランタス40単位、大量です。
入院しての管理が必要と思います。
2013/09/07(Sat) 18:10 | URL | ドクター江部 | 【編集】
今年管理栄養士になったばかりの友利という者です。
糖質制限食について知識を深めたいと思い、先生の本やブログを読ませて頂いています。
今回、この記事について恥ずかしながら疑問点がありましたのでご質問させて頂きます。
インスリンの作用が欠乏している場合、糖質制限を行うことによって糖尿病性ケトアシドーシスが生じてしまうことはありますか?
拙い質問で申し訳ありませんが、お返事頂けると幸いです。
糖質制限食について知識を深めたいと思い、先生の本やブログを読ませて頂いています。
今回、この記事について恥ずかしながら疑問点がありましたのでご質問させて頂きます。
インスリンの作用が欠乏している場合、糖質制限を行うことによって糖尿病性ケトアシドーシスが生じてしまうことはありますか?
拙い質問で申し訳ありませんが、お返事頂けると幸いです。
2017/07/26(Wed) 17:38 | URL | 友利 | 【編集】
友利 さん
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用が欠乏していることが前提で発症します。
インスリン作用が欠乏している病態なら、必ずインスリン注射をします。
インスリン作用が欠乏しているのに、インスリン注射をしないと確実に「糖尿病ケトアシドーシス」を発症します。
例えば1型糖尿病でインスリン作用が欠乏していてもインスリン注射で補充すれば、
インスリン作用は発揮されますので、「糖尿病ケトアシドーシス」にはなりません。
このとき、スーパー糖質制限食実践なら、必要最小限のインスリンで血糖コントロール良好が可能となります。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用が欠乏していることが前提で発症します。
インスリン作用が欠乏している病態なら、必ずインスリン注射をします。
インスリン作用が欠乏しているのに、インスリン注射をしないと確実に「糖尿病ケトアシドーシス」を発症します。
例えば1型糖尿病でインスリン作用が欠乏していてもインスリン注射で補充すれば、
インスリン作用は発揮されますので、「糖尿病ケトアシドーシス」にはなりません。
このとき、スーパー糖質制限食実践なら、必要最小限のインスリンで血糖コントロール良好が可能となります。
2017/07/27(Thu) 20:01 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ご回答頂きありがとうございます。
「インスリン注射での補充」が重要ということですね。
ちょうどそのような症例報告を見つけたのでとても理解が深まりました。
わかりやすいご説明ありがとうございます!
これからも先生のブログで勉強させて頂きます。
「インスリン注射での補充」が重要ということですね。
ちょうどそのような症例報告を見つけたのでとても理解が深まりました。
わかりやすいご説明ありがとうございます!
これからも先生のブログで勉強させて頂きます。
2017/07/28(Fri) 18:31 | URL | 友利 | 【編集】
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