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医療の巨大転換を加速する- 糖質制限食と湿潤療法のインパクト、刊行
おはようございます。


夏井睦先生と江部康二の対談本が、
2013年8月23日にいよいよ発売開始です。

医療の巨大転換(パラダイムシフト)を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト
東洋経済新報社



アマゾンで購入できますので、是非ご一読を。


以下は
医療の巨大転換を加速する- 糖質制限食と湿潤療法のインパクト
の「はじめに」です。
「おわりに」は、夏井睦先生が書いておられます。


はじめに

夏井先生との対談  出会いと流れと

湿潤療法を初めて知ったのはネットである。そのときは夏井先生の名前は確認せずにそのサイトにある記述と画像をみて、即座に本物と思った。早速要点をプリントアウトして病棟や外来に配った。テニスを1~2週に1回しているので、幸い?転倒して手足を擦り剥くことは時々あった。それまではイソジンで消毒してガーゼを貼って、絆創膏で固定して包帯。翌日ガーゼを消毒のために剥がすとき、たいていは傷口とくっついていて、「痛てててて!」とか言いながら何とか剥がして、再びしみて痛いのを我慢してイソジンで消毒して・・・。
いやはや今から思えば、とんでもない行為であり、自分で自分に拷問しているようなものであった。湿潤療法のサイトを見てからは水道水で洗ってティッシュで拭いてワセリンを塗って上から市販のドラッグストアで打っている被覆材を貼っておしまい。「傷は湿潤な環境にして、余剰の水分は吸収させるか逃がす。」という原則だけ守っていれば、そのままシャワーを浴びてもOKだし、何の痛みもなく治った。外来患者さんでもちょっとした擦過傷や火傷には湿潤療法の説明をして実践してもらい、痛みなく治るので随分感謝されたものである。そんな頃2010年、高雄病院に脇元洋果先生が、糖質制限食や漢方を学ぶために赴任してこられた。私が湿潤療法に興味を持っていることを彼女に話すと、即「それなら本家の夏井先生を呼びましょうよ。」と提案された。脇元先生は夏井先生の外来について湿潤療法を勉強したことがあり、私などよりはるかに詳しい知識をもっていたのである。そこからは、とんとん拍子に話はすすんで、夏井先生に連絡をとって段取りを整え、2011年1月14日、夏井先生を高雄病院に招いて湿潤療法の講演をしてもらった。この高雄病院での講演会が夏井先生との初対面であった。私はサービス精神旺盛なので「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」「我ら糖尿人、元気なのには理由がある!」の2冊を謹呈した。大歓迎の意を込めて、河豚のフルコースで宴会をした。4時間くらい食べて呑んで、地球の歴史、原初の生命、生命の進化の話、宇宙のこと、音楽のこと、パソコンのこと・・・いっぱい話した。結局私は酔いつぶれてしまって後半はよく覚えていないのであるが、とりあえず夏井先生の博学な知識に圧倒されたことだけはよく覚えている。この人と(素面で)対談したらきっと楽しいだろうなとこのとき漠然と思った。作家宮本輝氏との対談以来久しぶりの興味深い企画である。ところで夏井先生は私が謹呈した本を全く読んでいなかったそうである。たまたま2011年9月のネットの日経メディカル特集記事「糖質制限食」に江部康二という名前が載っているのをみて、どっかで聞いた名前やなと思い出して、やっと面白そうやなと、私の本を読む気になったそうである。きっかけは大事である。そこからは早かった。夏井先生のブログで最初に糖質制限食を2011年11月に取り上げていただいて以降、次第に盛り上がっていき、ついには連日のように糖質制限食の話題が湿潤療法のサイトに登場するようになった。私の本の宣伝も連日のようにバッチリしていただいた。おかげで本の売り上げが急速に伸びて感謝感激である。夏井先生のサイトの読者は、自分の頭で考える進取の精神を持つ医師が多く、糖質制限食にもまったく抵抗がなかったようである。糖質制限食を早速自ら実践してその効果を体験し私のブログにも訪れるというパターンで、随分アクセス数が増えて、またまた夏井先生には感謝である。「海老で鯛を釣る」ならぬ「河豚で夏井睦という大魚をつり上げた」ようである。もう2~3回は河豚を奢らねばなるまい。夏井先生とブログ読者、江部康二とブログ読者、かっこよく言えば理論的、普通に言ったら理屈っぽいおじさんとおばさん、あるいはお兄さんとお姉さん・・・。兎に角理屈がわかる人、自分の頭で考える人には、すぐに理解できる普遍性のある理論が「湿潤療法」と「糖質制限食」である。
ところで湿潤療法に抵抗なく、すっと入り込めたと思っていたが、実際には常識の壁を突破することを一度体験していたことが大きかったのかもしれない。すなわち、1999年に、兄江部洋一郎が糖質制限食を高雄病院に初めて導入したときは、全く信じておらず2年間凍結していたが、私自身の糖尿病患者さんに糖質制限食を導入して劇的改善を目の当たりにして一気に常識の壁を乗り越えて、初めて兄(糖質制限食)を信じた経験があったのである。
さらに「傷は絶対消毒するな」で、「大腸癌の手術をして大腸粘膜は消毒しない(消毒できない)が腹の縫合部の皮膚は毎日消毒するという矛盾」との記述をみて、何でこんな簡単な事実に自分は気がつかなかったのかと目から鱗が落ちたのである。大腸の縫合部を日々通過していくのは生きた細菌を多数含む「UNKO」である。これで感染しないのなら、消毒は無意味ということは、理屈ですっと頭に入って理解して腑に落ちた。いままで100年間、世界中の誰も何故気がつかなかったのか?
ガイドラインに頼る医師は、自分で考えることを放棄した医師である。革命的に新しい治療法にエビデンスがあるはずがない。医師以外にも普通の人でも理屈が好きな人は自分で考え、納得して湿潤療法を実践すれば、「痛みなく傷が速やかに治る」のである。この快適な創傷治癒を一度体験すれば二度と消毒しようとは思わない。糖質制限食も又然りである。いくら大学のお偉い糖尿病専門医が、ご飯をしっかり食べてと指導してもSMBG(血糖自己測定器)を糖尿人がもっていて実験したら食後血糖値が軽く200mgを超えることはすぐにわかる。このことが解ったら、カロリ-制限食(高糖質食)という、最低でも一日3回、食後血糖値が200mg/dlを超えるような食事療法を、いったい誰がするであろうか?
本書は、夏井先生と私が、医学界のパラダイムシフト(湿潤療法と糖質制限食)という大きなテーマを縦軸に、あとは理屈っぽい二人が、縦横無尽に医学界の問題点を取り上げて舌鋒鋭く(自画自讃)迫ったという、なかなか骨太の対談本である。
ところでユングの言う共時性とでもいうか、脇元医師がたまたま高雄病院に来ておられ、その出会いが夏井先生との新たな出会いを形づくってくれた。
物事がサクサクと進むときは、このような出会いと流れが大きな意味と持つことが多い。私は理屈っぽい無神論者であるが、「Something Great」は好きである。


2013年6月
高雄病院
江部康二
コメント
出会いはすばらしいと
こんにちは。糖質制限を始めて2年が過ぎようとしております。
本日のブログを読んで、やはり「何かを成すときは2人で成す」という言葉は間違いないなぁと思いました。
私も糖質制限を1人で始めましたが、主人が理解してくれたので長期間続けられたと思います。
何事も誰かに助けられ、また助けて進んでいくように…出会いは大切ですよね。これからもご活躍されますよう応援しています。
2013/08/23(Fri) 19:31 | URL | ひめさ | 【編集
宇都宮教授の迷文
内分泌・糖尿病・代謝内科 37(1):19-25, 2013
糖尿病の食事療法の現状と課題 宇都宮一典
http://www.kahyo.com/item/B201307-371

(22頁)
 2008年に報告されたDietary Intervention Randomized Controlled Trial (DIRECT)研究では, 低脂肪食, 低炭水化物食そして地中海食の体重減量効果を2年間にわたって追跡している。低炭水化物食においては, 炭水化物摂取量が最大120g/日以下になるよう段階的に指導し, 実際の炭水化物の摂取比率は40%エネルギー強と従来の研究に比較して緩やかで, 脱落率も20%を下回っている。本研究では2年間を通し, 低脂肪食に比較して地中海食と低炭水化物食では減量効果が勝っていたとし, 両群では血中脂質やインスリン抵抗性が改善したとしている(図3)[14]。本研究は最近, その後4年間の観察をまとめ, 研究終了後にそのままの食事療法を維持したものでは, 研究終了時の傾向が残っていたと報じているが, 低炭水化物食による体重減量効果は, この間に有意性を失っており[15], 継続することの難しさを示唆している.

14) Shai I, Schwarzfuchs D, Henkin Y, et al; Dietarv lntevention Randomized Controlled Trial(DIRECT) Group. Weight loss with a low-carbohydrate, Mediterranean, or low-fat diet. N Engl J Med 2008;359:229

15) Schwarzfuchs D, Golan R, Shai I. Four year follow up after two-year dietary interventions. N Engl J Med 2012;367:1373
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc1204792

  ◇

 3月18日の提言に、赤文字の部分を加筆しているが、全くもってでたらめな内容である。文献15)では、地中海食と低炭水化物食で有意差が残っているはずである。このような文章を書いた原因を探ってみた。

1) JIKEI HEART STUDY のように、捏造を行った。
2) 日本医事新報2013年4月6日号の能登洋の記事をまる写しにした

 いずれにせよ、宇都宮一典はサイテー
2013/08/23(Fri) 21:50 | URL | 精神科医師A | 【編集
対談著書 予約しました!
凄い本題で、ワクワクします。
2013/08/24(Sat) 12:26 | URL | 萩原 | 【編集
食後血糖値が計算以上に高いのですが
お忙しいところお邪魔致します。
10年前から糖尿病で、ネシーナ25、セイブル50、メトグルコ250を服用しています。薬に頼って不摂生を重ね、Ha1c値が7をこえるようになりました(T_T) 恐ろしくなり糖質制限を決意。
江部先生のブログを全部読ませていただきり、ご本も読み、スーパー制限食をはじめて4か月弱です。順調に改善していて喜んでいるのですが、久しぶりに血糖値を測ったら食前84、セイブルを飲んで糖質10g弱の食事をしてからメトグルコを服用(主治医には糖質制限していることを話していますが、これらの薬は低血糖起こさないからまだ飲み続けてと)。そして食後1時間のときに測ったら215もありました。食事内容は糖質10g弱なので納得がいきません。どう計算しても糖質は10g弱です。気になってさらに20分後に測定したら146でした。こういうことはあるのでしょうか?測定機やチップがおかしいのでしょうか?
2013/08/24(Sat) 14:29 | URL | tok | 【編集
食後高血糖は電極が古かった
先ほど、食後の血糖値が計算以上に高すぎることに関してお訊ねした者です。いま2時間後の測定をして気が付いたのですが、手持ちの測定電極チップのとても古い分を使ったからかもしれないです。使用期限等確かめずに使ったのですが、10年以上前の物でした。新しい分で2時間後に測ったら110でした。確かめるため古いチップでも測ってみたら320になりました。お騒がせしてすみませんでしたm(__)m
2013/08/24(Sat) 14:53 | URL | tok | 【編集
Re: 対談著書 予約しました!
萩原 さん

本のご予約、ありがとうございます。
ご期待にそう内容と思いますよ。
2013/08/24(Sat) 16:47 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 食後高血糖は電極が古かった
tok さん

拙著のご購入、ありがとうございます。
またデータの改善も良かったですね。

SMBGも、古いセンサー、納得です。
2013/08/24(Sat) 16:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限と出血
痛いのがまん さん

高雄病院では、過去800人以上の糖尿病患者さんが入院されて、糖質制限食を実践されてます。
1日に7~8回の採血もあります。

また過去2000人以上の糖尿病患者さんが、外来に通院されて、採血しています。

いまだかつて、採血して血が止まりにくい糖尿病患者さんは経験していません。
2013/08/29(Thu) 20:53 | URL | ドクター江部 | 【編集
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