2013年08月21日 (水)
おはようございます。
windy さんから 「ケトン食で話せるようになった女の子」という興味深いコメントをいただきました。
米紙『NYデイリーニュース』 2013年7月18日の記事です。
windy さん、ありがとうございます。
『NYデイリーニュース』の記事を見たら、GLUT1欠損症の3才の女の子が、ケトン食摂取により話せるようになったという、喜ばしいものでした。
ケトン食は難治性小児てんかんの治療食として、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)に採用されています。
GLUT1は、脳や赤血球や網膜の糖輸送体です。細胞が血液中からブドウ糖を細胞内に取り込むのに、糖輸送体が必要なのです。
そして脳の糖輸送体であるGLUT1の機能がほとんど働いていないのがGLUT1欠損症というまれな病気です。
GLUT1欠損症では、脳細胞がブドウ糖を血液中から上手く取り込めないので、通常の食事では失神したり、てんかん様発作を起こしたり、重篤な成長障害を生じたりします。
この病気の唯一の治療法がケトン食なのです。
GLUT1欠損症でも、ケトン食により通常の健康な生活を送ることができます。
ケトン食実践中は脳細胞のエネルギー源はほとんどがケトン体です。
米国の3才の女の子、ケトン食が間に合って良かったです。
先天的な疾患なので、生後ケトン食開始は早ければ早いほど良いのです。
さて、糖尿病の定義は
「インスリン作用不足のため生じる慢性の高血糖を主徴とする代謝疾患群である」
ですが、windy さんがご指摘のように、
「インスリン作用不足のため生じる慢性の高血糖」は、多くの場合、糖質制限食により、薬物なしで永続的な改善が期待できますね。
厚生労働省さん、日本糖尿病学会を飛び越えて糖質制限食を認めてくれたら大英断ですがね。
江部康二
13/08/19 windy
ケトン食で、話せるようになった女の子
偶然ケトン食の記事を見掛けました。
米紙『NYデイリーニュース』 2013年7月18日
「Little girl’s cream cheese-heavy diet helps her speak first words」
http://www.nydailynews.com/life-style/health/girl-3-finally-speaks-thanks-cream-cheese-heavy-diet-article-1.1402730
英紙『ミラー』 2013年7月19日
「Mute girl can finally talk after eating CREAM CHEESE every week」
http://www.mirror.co.uk/news/real-life-stories/mute-girl-can-finally-talk-2063551
13/08/20 ドクター江部
Re: ケトン食で、話せるようになった女の子
windy さん
情報をありがとうございます。
GLUT1欠損症の3才の女の子が、ケトン食で話せるようになったのですね。
良かったです。
13/08/20 windy
Re: ケトン食で、話せるようになった女の子
お返事ありがとうございました。
GLUT1欠損症について検索したら、厚生労働省 難病情報センターのページに下記の記述がありました。
「神経細胞のエネルギー供給物質をグルコースからケトン体に代用させることができる」。この説明、糖質制限関連の説明以外で、初めて見ました(しかも厚生労働省のページ)。
しかも、これを糖尿病に置き換えても「永続的な改善が期待でき」そうに見えます。
日本の糖尿病治療では糖質制限が正式に選択肢に入っていないと聞きます。他の病では認められているのに、治療法上の差別がある、ということなのでしょうか。
神経系疾患分野
グルコーストランスポーター1欠損症症候群(平成23年度)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/2232
>6. 治療法
>本症はケトン食療法により、神経細胞のエネルギー供給物質をグルコースからケトン体に代用させることができるため、永続的な改善が期待できる。
windy さんから 「ケトン食で話せるようになった女の子」という興味深いコメントをいただきました。
米紙『NYデイリーニュース』 2013年7月18日の記事です。
windy さん、ありがとうございます。
『NYデイリーニュース』の記事を見たら、GLUT1欠損症の3才の女の子が、ケトン食摂取により話せるようになったという、喜ばしいものでした。
ケトン食は難治性小児てんかんの治療食として、2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)に採用されています。
GLUT1は、脳や赤血球や網膜の糖輸送体です。細胞が血液中からブドウ糖を細胞内に取り込むのに、糖輸送体が必要なのです。
そして脳の糖輸送体であるGLUT1の機能がほとんど働いていないのがGLUT1欠損症というまれな病気です。
GLUT1欠損症では、脳細胞がブドウ糖を血液中から上手く取り込めないので、通常の食事では失神したり、てんかん様発作を起こしたり、重篤な成長障害を生じたりします。
この病気の唯一の治療法がケトン食なのです。
GLUT1欠損症でも、ケトン食により通常の健康な生活を送ることができます。
ケトン食実践中は脳細胞のエネルギー源はほとんどがケトン体です。
米国の3才の女の子、ケトン食が間に合って良かったです。
先天的な疾患なので、生後ケトン食開始は早ければ早いほど良いのです。
さて、糖尿病の定義は
「インスリン作用不足のため生じる慢性の高血糖を主徴とする代謝疾患群である」
ですが、windy さんがご指摘のように、
「インスリン作用不足のため生じる慢性の高血糖」は、多くの場合、糖質制限食により、薬物なしで永続的な改善が期待できますね。
厚生労働省さん、日本糖尿病学会を飛び越えて糖質制限食を認めてくれたら大英断ですがね。
江部康二
13/08/19 windy
ケトン食で、話せるようになった女の子
偶然ケトン食の記事を見掛けました。
米紙『NYデイリーニュース』 2013年7月18日
「Little girl’s cream cheese-heavy diet helps her speak first words」
http://www.nydailynews.com/life-style/health/girl-3-finally-speaks-thanks-cream-cheese-heavy-diet-article-1.1402730
英紙『ミラー』 2013年7月19日
「Mute girl can finally talk after eating CREAM CHEESE every week」
http://www.mirror.co.uk/news/real-life-stories/mute-girl-can-finally-talk-2063551
13/08/20 ドクター江部
Re: ケトン食で、話せるようになった女の子
windy さん
情報をありがとうございます。
GLUT1欠損症の3才の女の子が、ケトン食で話せるようになったのですね。
良かったです。
13/08/20 windy
Re: ケトン食で、話せるようになった女の子
お返事ありがとうございました。
GLUT1欠損症について検索したら、厚生労働省 難病情報センターのページに下記の記述がありました。
「神経細胞のエネルギー供給物質をグルコースからケトン体に代用させることができる」。この説明、糖質制限関連の説明以外で、初めて見ました(しかも厚生労働省のページ)。
しかも、これを糖尿病に置き換えても「永続的な改善が期待でき」そうに見えます。
日本の糖尿病治療では糖質制限が正式に選択肢に入っていないと聞きます。他の病では認められているのに、治療法上の差別がある、ということなのでしょうか。
神経系疾患分野
グルコーストランスポーター1欠損症症候群(平成23年度)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/2232
>6. 治療法
>本症はケトン食療法により、神経細胞のエネルギー供給物質をグルコースからケトン体に代用させることができるため、永続的な改善が期待できる。
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