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日本生活習慣病予防協会理事長、池田義雄先生と糖質制限食
こんにちは。

精神科医師Aさんから、日本生活習慣病予防協会主催の講演会の情報をコメントいただきました。

精神科医師Aさん、ありがとうございます。

第3回予防月間講演会の参加者からの「糖質制限」に関する質問に、日本生活習慣病予防協会理事長、池田義雄先生が回答しておられます。

詳しくは

http://www.seikatsusyukanbyo.com/monthly/2013/seminar/qanda.php

日本生活習慣病予防協会のホームページをご参照ください。


Q3は、最近よく報道された、国立国際医療研究センター病院の能登洋医長らの報告などに関する質問です。

池田義雄先生は、日本の糖尿病治療の草分けのお一人で、ニュートラルな立場から糖質制限食にも理解ある医師です。

そして、能登医長らの論文に関して、

「この回答を得るためには無作為の前向き研究がしっかりと行われる必要があります。」

と述べておられます。正論だと思います。

Q4のAnswerには、私も登場します。

「糖質制限は、実臨床として食後高血糖の是正に有用なのは間違いありませんので、メタボ型の糖尿病(IGT)の方には積極的に勧めています。」

糖尿病診療のエキスパートの池田義雄先生が、明確に糖質制限食の有効性を認めてくださっているのは、嬉しい限りです。

力強い味方を得た思いです。

池田義雄先生、ありがとうございます。


江部康二



以下は、日本生活習慣病予防協会のホームページからの抜粋です。

第3回予防月間講演会 参加者からの質問
食事指導に関するQ&A
「糖質制限」に関して
回答:池田義雄先生(日本生活習慣病予防協会理事長)

Q3. 最近、糖質制限食は寿命が短くなるというニュースを見ましたが、実際はどうなのでしょうか?

A
糖質制限食と寿命との関連については、16.000人を対象にした調査で、糖質の摂取量が最も少ないグループと多いグループの死亡率を比較した結果、糖質の摂取量が少ないグループの死亡率が1.3倍で、低炭水化物(糖質制限)ダイエットが寿命を縮めるという報告がなされています。また、健康な欧米人20万人以上の調査で、糖質摂取の割合が60~70%の人と、30~40%の人を比べたところ、抵糖質のグループの死亡率が3割高かったとする調査もあります。

加えて、糖質制限食に関する成績のメタアナリシスから、これを5年以上続けると死亡率が高くなる可能性を、国立国際医療研究センター病院の能登洋医長らが本年1月に報告しています。

しかし実際はどうなのか?と問われますと答えに窮します。この回答を得るためには無作為の前向き研究がしっかりと行われる必要があります。これが我が国で行われることを期待いたしましょう。


Q4. 「糖質制限が効果的だ!」と信じこんで実行している患者さんに対する栄養相談についてお伺いします。血中脂質などの検査値、満腹感、排便、継続可能かなどの観点からアドバイスはしていますが、先生方は実際、患者さんにどのようにお話されているでしょうか。データの伝え方もお教えいただけたら嬉しいです。


A
平成17年に京都・高雄病院の江部康二先生が、ご自身の糖尿病治療のための食事法を踏まえて「主食を抜けば糖尿病はよくなる!」(東洋経済新報社)を出版されました。糖質制限食ブームはここから始まっています。私も多大な関心を持ち、高雄病院で江部先生にお会いし、実態を見せていただいたことがあります。そして先生には、タニタ体重科学研究所が主催する「城北肥満研究会」にもお出で頂き講演をしてもらいました。

糖質制限は、実臨床として食後高血糖の是正に有用なのは間違いありませんので、メタボ型の糖尿病(IGT)の方には積極的に勧めています。この際、尿糖計による食後尿糖の計測を併用してもらうと成果がよく分かります。そして、これを進めていく上で大事なのは、患者さんとデータを共有することです。特に、糖負荷試験の成績については詳しく説明し、食後高血糖を招かないようにするための食事法として、糖質制限食の有用性を理解してもらうようにしています。


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
時代ですね
ご存知の方はもうとっくにご存知なのかもしれませんが、先日東京新宿の京王プラザホテル1階のティールームに、コーヒーと低糖質ケーキを組み合わせたセットがあるのを発見しました。糖質70パーセントカットだそうです。
外では何も食べられないと思っていた頃に比べると隔世の感です。
2013/07/03(Wed) 16:51 | URL | necobabar | 【編集
『メタボ体型で糖尿病を発病した患者にはとても有効』がより正確かも
糖尿病は、「発病すると栄養分が尿に流出してしまう>< 」が1つの特徴です。すると痩せます(爆

しかし、痩せた後でも

◎発病時(または発覚後振り返って太っていた時がある)糖尿病患者ならば、糖質制限食は極めて有効

です。私らこ 自身もこのタイプです><
2013/07/03(Wed) 19:49 | URL | らこ | 【編集
糖尿病・境界型糖尿病
はじめまして。
ヘモグロビンA1C6.7%、血糖検査1度もなし、境界型糖尿病と診断されボグリボースジェネリック薬を処方されました。
適応症に合致してないと判断していますが、担当医に再確認しても常識であり問題ないと回答ありましたが納得できません。

2013/07/03(Wed) 21:57 | URL | ぴーちゃん | 【編集
学会論文は信頼できない
この現実を国立国際医療研究センター病院の能登洋医長はいかにうけとめられるのか
そう簡単にはいかないでしょう
糖質制限を実践してよかったと感じている人は
冷やかな目でみていますよ
2013/07/04(Thu) 13:41 | URL | ちえ | 【編集
パートナーの劇的回復!
江部先生、
糖尿病と診断された時点で、糖質制限と出会っていた私たち夫婦は、本当に幸運でした。
ほんの4週間前、夫の血糖は167でした。それが先週の検診で何と107に改善。HBA1cは、7.3でしたが、先週の検診ではデーターがまだ出ないので次回に持ち越しとなりましたが、多分多少なりとも下がっていることと思います。
朝はクルミとチーズ、りんごと人参を半分絞ったジュース。昼は玄米を80g。肉100g。野菜どっさりのお弁当。夜は肉魚豆腐を中心に米類は食べないというスタイルで食事を続けています。
パンはふすまパン。大豆粉を使ったデザート等を食べれるのでストレスもなく、日々の食事を思い切り楽しんでいます。
お弁当の玄米80gが多いのでは・・・?と多少不安に思っていますが、いかがでしょうか。
糖質制限をはじめるにあたって、糖尿とは糖代謝の問題、というすごくシンプルな答えにいきつきました。だとすると、糖尿病学会の勧めるカロリー制限食とは何でしょうか。恐ろしいです。お医者さんに自己管理が悪いとしかられ、しかも、食べたいものをまったく食べれず、辛い運動を強いられてて、なおかつ、病気が悪くなっていくなんて・・・。糖質制限と出会えたこと、本当に感謝しています。それに、制限というよりは、自分で自分の健康を選び取っていく・・・という感じが強く、心身ともに前向きに冴えていく気がします。
本当に、本当にありがとうございます。
2013/07/04(Thu) 20:00 | URL | きなたん | 【編集
Re: 時代ですね
necobabar さん

情報をありがとうございます。

時代は確実に変化してますね。
2013/07/04(Thu) 22:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 『メタボ体型で糖尿病を発病した患者にはとても有効』がより正確かも
らこ さん

糖質制限食は、どんなタイプの糖尿病にも有効です。
何といっても人類本来の食生活、人類の健康食ですので、様々な生活習慣病にも有効です。
2013/07/04(Thu) 22:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖尿病・境界型糖尿病
ピーちゃんへ

境界型も条件付きで、保険適応となっています。

ボグリボース(ベイスン)が糖尿病の発症予防で保険適用に(2009年10月19日)

食後高血糖改善薬として広く用いられているαグルコシダーゼ阻害薬のボグリボース(商品名:ベイスン)に、糖尿病予備軍である耐糖能異常(IGT)の段階で投与すると、2型糖尿病の発症を抑制するという、新しい効能・効能が加わりました。ただし保険適用となるのは、「耐糖能異常」で、食事療法および運動療法を3~6ヶ月間行っても改善しない人のうち、高血圧、脂質異常症のいずれかの基礎疾患がある患者に投与した場合、となっています。
2013/07/04(Thu) 22:27 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 学会論文は信頼できない
ちえ さん

第一線の臨床医で、患者さんの立場にたてる医師は、
糖質制限食を認める方向にどんどん変わっていくと思います。
2013/07/04(Thu) 22:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとう
江部さんも稲垣タミサクさんに感謝
2013/07/05(Fri) 19:22 | URL | 黒野悠助 | 【編集
Re: パートナーの劇的回復!
きなたん さん

データ改善、良かったです。
炊いた玄米ご飯、80gなら、糖質27gくらいです。

1回食事の糖質量を、20g以下にするのが、スーパー糖質制限食の目安ですが、
スタンダードで、お昼に80gの玄米で、食直前にαGI剤(グルコバイ、ベイスンなど)を内服するのも
選択肢の一つですね。
2013/07/06(Sat) 08:18 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖尿病・境界型糖尿病
江部さん
>境界型も条件付きで、保険適応となっています。
私が理解できないのは、「耐糖能異常 」と診断するにはヘモグロビンH1Cのみの検査では判定できないのではという点です。

血糖の検査なしでは保険適用にならないし、食事療法・運動療法の指導が一度もないのであれば保険適用となる理由がありません。

医師に再確認すると当初「糖尿病」との診断がいつの間にか「境界型糖尿病」と言い始めました。しかし後発品であるジェネリックで保険適用と主張するのです。

後発医薬品では保険適用でないはずなのに、処方箋はジェネリック変更不可等もチェックなし、医師の署名も印鑑もないので整合性がとれません。

内科医では常識といわれました。

ということは内科医は本来「糖尿病疑い」の段階の患者に保険適用とならない
ジェネリックを保険適用と偽って処方していることは常識であると言っているに
等しいと感じました。
2013/07/06(Sat) 19:36 | URL | ぴーちゃん | 【編集
Re: 糖尿病・境界型糖尿病
ぴーちゃん へ

糖尿病の診断基準として、仰るとおり、血糖値測定は必要ですね。

また、
食事療法・運動療法の指導が一度もないのであれば保険適用となる理由がないと私も思います。
2013/07/06(Sat) 19:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
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