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日本糖尿病学会「熊本宣言2013」についての感想
こんにちは。

日本糖尿病学会が、『第56回日本糖尿病学会年次学術集会』において、熊本宣言2013を発表しました。

まずは合併症予防のために、血糖管理目標値をHbA1c7%未満とし、対応する血糖値としては、空腹時血糖値130mg/dl未満、食後2時間血糖値180mg/dl未満をおおよその目安としました。

しかし、仮にHbA1cの値が7.0%未満でも、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取する限りは、180mg/dlを超える食後高血糖を生じる可能性が極めて高いのです。

また同様に糖質を普通に摂取する限り、平均血糖変動幅の増大も必ず生じます。

これでは、HbA1c7.0%未満を達成していても、糖質を普通に摂取する限り、合併症を予防できない可能性が高いのです。

この糖質を普通に摂取したときの、食後高血糖と平均血糖変動幅増大に関して、日本糖尿病学会の見解を聞きたいものです。

血糖正常化を目指す際の目標は、HbA1c6.0%未満です。

この場合、適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成可能な場合の目標とされています。

スーパー糖質制限食なら薬物なしで、6.0%未満は低血糖を起こすことなく達成できることが多いです。

一方、従来の糖尿病食では、6.0%未満は、薬物なしではかなり困難です。

そして薬物を使用して6.0%未満の場合は、低血糖を生じる可能性が高いのです。

そして治療強化が困難な際の目標はHbA1c8.0%未満です。

低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標とされています。

しかしこれは、はっきり言って敗北宣言としか言いようがありません。

合併症予防には、7.0%未満が目標なのに、インスリンや内服薬を強化したら低血糖を生じる可能性が高い場合
あきらめて8.0%未満としています。

確かに従来の糖尿病食で普通に糖質を食べて、インスリン注射や薬物療法を強化してHbA1cを下げると低血糖が増えて総死亡率が上昇するというエビデンス(ACCORD試験)があるので、糖尿病治療の現状に関して現実的に対応したという見方もできるのですが、事実上の敗北宣言といっても過言ではないでしょう。

糖質制限食なら話は全く別です。

スーパー糖質制限食なら、そもそも薬物に頼ることなく、7.0%未満の達成は容易であり、薬物なしなので低血糖も生じません。

また食後高血糖も平均血糖変動幅の増大もなく、将来の合併症も予防できる可能性が極めて高いです。

糖尿病網膜症による失明者は年間3,000人以上(新規失明者の約18%)
糖尿病腎症による新規透析導入者は年間16,000人以上(新規透析導入の約44%)
糖尿病足病変による下肢切断者が年間3,000人以上(全切断患者の40~45%)

であると報告されており、糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は、今なお減少していません。

この事実を、熊本宣言では反省もなく人ごとのように堂々と記述されていますが、合併症で苦しむ多くの患者さんの存在こそが、現行の日本の糖尿病治療が決して上手くいっていない動かぬ証拠と私は思います。


江部康二



[PRESS RELEASE]
―糖尿病学の進化と絆―

熊本宣言2013
あなたとあなたの大切な人のために

2013年5月16日
一般社団法人 日本糖尿病学会
理事長 門脇 孝
第56回日本糖尿病学会年次学術集会
会長 荒木栄一

Keep your A1c below 7%
[PRESS RELEASE]
2013年5月16日(木)、17日(金)、18日(土)の3日間、「糖尿病学の進化と絆」をメインテーマとして、第56回日本糖尿病学会年次学術集会(会長 荒木栄一:熊本大学大学院生命科学研究部 代謝内科)が熊本で開催されます。

糖尿病は、放置すると、眼・腎臓・神経などに細小血管合併症を引き起こします。また、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化症も進行させます。糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していません。

糖尿病となった方が健康で幸福な寿命を全うするためには、早期から良好な血糖値を維持することが重要です。

日本糖尿病学会は、合併症予防のために、多くの糖尿病患者さんにおける血糖管理目標値をHbA1c 7% 未満とし、より良い血糖管理などを通じて糖尿病の合併症で悩む人々を減らすための努力を惜しまないことを、「熊本宣言2013」に込めて、本学術集会で宣言いたします。

この宣言のもと、我々は糖尿病発症予防に尽力するとともに、最適な糖尿病治療を提供することによって、糖尿病および糖尿病合併症の予防と治療に新しい希望をもたらすべく、挑戦を続けます。


(背景)
「平成19年国民健康・栄養調査」の結果では、「糖尿病が強く疑われる人」は約890万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は約1,320万人で、両者の合計は約2,210万人にのぼっていました。この両者の合計は、「平成9年糖尿病実態調査」では約1,370万人であり、この10年の間に約800万人増加したことになります。

日本人における生活習慣の変化、すなわち食生活の変容や運動不足、そしてその結果引き起こされる内臓脂肪の蓄積や肥満が糖尿病患者数増加の重要な原因であると考えられています。

この状況を鑑みて、平成20年、日本糖尿病学会では糖尿病は予防や治療をすることができること、またその根幹が、健康的な食生活(Diet)と適度な運動(MoreExercise)であることを「東京宣言2008」として宣言いたしました。

このように日本糖尿病学会は、糖尿病の予防と治療の向上に取り組んでいます。

糖尿病は、放置すると、眼・腎臓・神経などに細小血管合併症を引き起こします。

また、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化症も進行させます。糖尿病による合併症の発症を予防し、また進行を阻止すること、さらには糖尿病患者さんにおいても、健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)が維持され、また健康な人と変わらない寿命が確保されることが糖尿病の治療の目的です。

しかし、糖尿病網膜症による失明者は年間3,000人以上(新規失明者の約18%)、糖尿病腎症による新規透析導入者は年間16,000人以上(新規透析導入の約44%)、糖尿病足病変による下肢切断者が年間3,000人以上(全切断患者の40~45%)であると報告されており、糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していません。

糖尿病となった方が健康で幸福な寿命を全うするためには、早期から良好な血糖値を維持することが重要です。そのための血糖管理目標値は、年齢、糖尿病であった期間、現在の健康状態、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して、患者さんごとに設定する必要があります。

昭和62年から平成10年にかけて熊本県で行われた日本人の2型糖尿病患者さんを対象とした熊本スタディにおいて、過去1〜2ヶ月の血糖の平均値を反映する臨床検査値であるHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)が6.9%未満であれば細小血管合併症の出現する可能性が少ないことが報告されています。

また諸外国においては、より大規模な臨床研究が行われ、その結果に基づいて合併症予防のための管理目標値として、HbA1c 7%未満を推奨しています。

ここに日本糖尿病学会は、合併症予防のために、多くの糖尿病患者さんにおける血糖管理目標値をHbA1c 7% 未満とし、より良い血糖管理などを通じて糖尿病の合併症で悩む人々を減らすための努力を惜しまないことを宣言いたします。

あなたとあなたの大切な人のために 。
STOP the DM -Diet & More Exercise -

そして、Keep your A1c below 7%

これらを合言葉に、我々は糖尿病発症予防に尽力するとともに、最適な糖尿病治療を提供することによって、糖尿病および糖尿病合併症の予防と治療に新しい希望をもたらすべく、挑戦を続けます。


熊本宣言2013

日本糖尿病学会は、糖尿病の予防と治療の向上に取り組んでいます。
糖尿病は、放置すると、眼・腎臓・神経などに合併症を引き起こします。
また、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化症も進行させます。
糖尿病となった方が健康で幸福な寿命を全うするためには、早期から良好な血糖値を維持することが重要です。
血糖の平均値を反映するHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)を7%未満に保ちましょう。

あなたとあなたの大切な人のために
Keep your A1c below 7%
2013年5月16日 熊本にて
第56回日本糖尿病学会年次学術集会
会長 荒木栄一



参考資料
下記の図は、糖尿病治療ガイド2012-2013において掲載される「血糖コントロール目
標」の改訂図です。2013年6月1日より、運用開始の予定です。


血糖コントロール目標

血糖正常化を目指す際の目標 HbA1c:6.0未満  注1)
合併症予防のための目標   HbA1c:7.0未満  注2)
治療強化が困難な際の目標  HbA1c:8.0未満  注3)


治療目標は年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定する。

注1)適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成可能な場合の目標とする。
注2)合併症予防の観点からHbA1cの目標値を7%未満とする。対応する血糖値としては
   空腹時血糖値130mg/dl未満、食後2時間血糖値180mg/dl未満をおおよその目安とする。
注3)低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標とする。
注4)いずれも成人に対しての目標値であり、また妊娠例は除くものとする。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
HbA1cが7を越したらアッという間に8に到達><
日本糖尿病学会荒木会長の説を素直に読むと

◎HbA1cが7未満はSU剤などで頑張り切れるが、
◎膵臓疲弊して7超えたら、アッという間に8に達して治療不可

に読めます。
 180mg/dlを超える食後高血糖を「起こさせる」のが「日本糖尿病学会の主目的」に思えます。

◎いつまでも投薬しないと、日本糖尿病学会医師が生活できない><

が発想の原点と思います。蜂蜜メーカーと連携して全国紙に1面全面広告を毎月打って「動物性タンパク質と脂肪が糖尿病の諸悪の根源」を洗脳しようと必死ですね。
2013/06/12(Wed) 11:17 | URL | らこ | 【編集
いつも楽しくスーパー糖質を実地しているのですが、子供の夏休みを利用して毎年、海水浴旅行に行くのですが、旅館などの料理はどうすればいいのでしょうか?
1日だけ、白米は抜きにして、他の美味しい料理は食べても今後の糖尿生活には支障ないでしょうか?
3泊4日の夏休みの旅なのですが・・・・・
せっかく、スーパー糖質制限でヘモグロビンが5,5に下がったのですが・・・・・・
2013/06/13(Thu) 19:44 | URL | 45歳のおやじ | 【編集
Re: タイトルなし
45歳のおやじ さん

1日だけ、白米は抜きにして、他の美味しい料理は食べても今後の糖尿生活には支障ないでしょうか?

問題ないです。
美味しく楽しく糖質制限ライフを過ごしてくださいね。
2013/06/14(Fri) 20:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
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