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羅漢果について
こんばんは。
羅漢果について考えてみます。

羅漢果は、中国広東省、広西チアン族自治区の高冷地に栽培されるウリ科の多年生草本です。

中国の一部の地域でしか生育していない貴重な植物で、その果実は、砂糖の約300倍の甘さがあります。

甘味が強いので、中国では古くから乾燥させて料理の調味料、甘味飲料の原料として使っていました。

近年の研究で、羅漢果の甘味成分は、Mongroside Vなどのククルビタン型トリテルペン配糖体であることがわかりました。

トリテルペン配糖体は、小腸で吸収されることなく大腸まで達するため、食物繊維の一つに分類されます。

従って血糖値を上昇させませんし、吸収されるカロリーはほぼゼロと考えてよいようです。

羅漢果の甘味成分には、トリテルペン配糖体以外にもほんの少量の果糖が加わっています。

果糖分のカロリーは吸収されますがごく少量と考えてよいでしょう。

通常販売している「羅漢果顆粒」は顆粒状にして使い勝手を良くするために、ショ糖や甜菜糖が約2〜5%含まれています。これらは勿論吸収されて血糖値を上昇させます。

白菜や菜っぱにも天然のショ糖が少量は含まれていますので、羅漢果顆粒を甘味料として少量使う程度は、糖質制限食的にも、血糖値上昇に関しては許容範囲と思います。


また、ラカントSは、エリスリトールが主成分で、ごく少量の羅漢果エキスが含まれていますが、基本的にカロリーゼロで血糖値上昇もゼロですので糖質制限食OK食材です。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
低血糖症でスーパー糖質制限食を実践しております。3年ですっかり調子よくなりました。ラカントについてお伺いしたいのですが、ラカントを使い確かに食べた後血糖値に変化はないのですが、食後1~2時間後に低血糖にはなっていないのですが、似たような症状(眠気やだるさ)がでます。甘いという味覚だけで 脳が誤作動を起こしインスリンを追加分泌しているのでは。。と想ったりしています。先生はどのようにお考えでしょうか?宜しくお願いします。
2013/05/16(Thu) 07:38 | URL | kika | 【編集
糖尿病学会推薦食
 近く当地で日本糖尿病学会が開かれるそうで、新聞に地元レストランと提携した推薦食の写真が出ていました。和洋中のものですが、いずれもカロリーは550程度、炭水化物は57から71㌘となっていました。えーっ、71ですかと思いました。こうなると、糖尿病学会は意地になっているのではありませんか。また、550㌍ではとても満足できないと思いますが…?
2013/05/16(Thu) 09:20 | URL | 福笑 | 【編集
Re: 糖尿病学会推薦食
ブルーサークルメニューのことですね

www.dm-net.co.jp/calendar/2012/019433.php
2013/05/16(Thu) 13:42 | URL | 精神科医師A | 【編集
kikaさんへ
kikaさんへ

前日のブログのコメント欄にて同様の質問に対して以下のように回答されています。


Re: 初めてコメントします
陽菜子 さん

『人工甘味料の中には血糖値を上昇させないものがあると言うものがあるけど、脳が甘いと認識すれば、砂糖と同じく血糖値は上昇するしインスリンも分泌されます』

これは、完全な間違いです。

例えば、エリスリトールが主成分のラカントSに関して、厚生労働省が何度もメーカーのデータを提出させて、
カロリーゼロと血糖値上昇ゼロを確認した上で、認可しています。
2013/05/15(Wed) 14:32 | URL | ドクター江部 | 【編集】
2013/05/16(Thu) 15:56 | URL | 宇宙姉妹 | 【編集
Re: ご回答ありがとうございます。

羅漢果に関して
サラヤにも、聞いたことがありますが、
栄養成分表がないようです。
2013/05/16(Thu) 16:24 | URL | ドクター江部 | 【編集
参考までに・・・
三菱化学フーズ株式会社品質保証部

エリスリトールのアレルギー性について

 一部報道機関において、エリスリトールのアレルギー性に関する
報道がございました。本件に対する弊社の見解は、以下の通りです。

(1)弊社では、2000年に外部専門家に依頼し、エリスリトールの
アレルギー性について調査・試験を実施し、「ごく低頻度であるが、
エリスリトールはヒトにアレルギー反応を起こす」との結論を得て
おります。この結果は学会誌で公表し、お取引先や照会のあった方
々にお伝えしております。

 なお、多くの食品がアレルギー反応を起こすことが報告されてい
ますが、エリスリトールによるアレルギーの発生頻度は、百万人中
1件に満たないと推定されており、非常に低いレベルにあります。

 この数字は、卵・魚介類に比して数万分の1、大豆・ピーナッツ
・小麦に比して数千分の1に相当致します。

(2)弊社はエリスリトールによって起こるアレルギーについて、
引き続き、軽視することなく、適切な情報の提供に努めて参ります。

http://www.mfc.co.jp/topics/pdf/20130510_2.pdf
2013/05/19(Sun) 13:45 | URL | lulu | 【編集
Re: 参考までに・・・
lulu さん

信頼できる情報ですね。
ありがとうございます。
大変参考になります。
2013/05/19(Sun) 18:11 | URL | ドクター江部 | 【編集
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