2013年05月13日 (月)
こんばんは。
筋力トレーニングやウオーキング、運動と筋肉と血糖取り込みについて検討してみます。
最高強度の運動の時は、即エネルギ-源が必要なので、筋肉細胞はまず自前で貯蔵していたATPやクレアチニンリン酸の生み出すATPを使います。
そのあとは、グリコーゲン分解と解糖からのATP供給が5秒で最大となり、20秒くらい持続します。
これらは、ほとんど全て嫌気的エネルギーで、無酸素運動で供給速度が速いです。
高負荷の筋力トレーニングであれば最高強度の運動であり、脂肪酸はエネルギー源としてほとんど使われないので、筋肉中のグリコーゲン消費量は多くなり、数回繰り返せば一旦枯渇するくらいまで減少すると考えられます。
これに対して、低負荷のトレーニングの場合は、「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム(好気的システム)」も結構利用されるので、筋肉中のグリコーゲン消費量は少ないと考えられます。
勿論低負荷のトレーニングでは、グリコーゲン-ブドウ糖システム(好気的システム)もあるていど利用されると思います。
高負荷の筋力トレーニング後に糖質を摂取すれば、枯渇した筋肉中のグリコーゲンを補充するためにドンドン血糖が取り込まれます。
「糖尿病は薬なしで治せる」の著者・渡邊昌先生は、食事開始後30分で30分運動すれば、運動後も血糖は吸収され続けると記載しておられますが、個人差があると思います。
糖尿病専門医ガイドブック(2006年)の98ページに、
「肥満2型糖尿病患者で、低強度運動30分実施後、2時間にわたってインスリン感受性が改善した」
という報告が記載されています。
しかし、運動終了後30分で再び血糖値が上昇する人もあると思います。
やはり個人差があるし、同一人物でもその日によりパターンが異なることもあるようです。
30分のウオーキングの場合、筋肉の主たるエネルギー源は脂肪酸-ケトン体システムなので、筋肉中のグリコーゲンはあまり減少しません。
歩行中は筋肉の収縮により、Glut4が筋肉細胞表面にでてくるので血糖を取り込みますが、それがどのくらい持続するのかですね?
筋収縮によりGlut4が筋肉細胞表面に出ているのは、新潟医療福祉大学の川中健太郎先生によれば、運動終了後2~3時間持続とのことです。
先生の論文に引用してある文献によれば「ラットに2時間の水泳運動を負荷したあと、運動終了3時間後でも、一定量のインスリン刺激に対してよりたくさんのGlut4が細胞膜表面にトランスロケーションできる」そうです。
つまり一旦、2~3時間で細胞内に戻ったGlut4ですが、その後もしばらくはトランスロケーションしやすくなっているのですね。
高負荷トレーニングでも明らかなように、運動後の筋肉の糖取り込みの持続にはグリコーゲンの減少程度もかなり関係していると思います。
しかし運動と血糖値、まだまだよくわかっていないところも多く、これからの課題です。
江部康二
筋力トレーニングやウオーキング、運動と筋肉と血糖取り込みについて検討してみます。
最高強度の運動の時は、即エネルギ-源が必要なので、筋肉細胞はまず自前で貯蔵していたATPやクレアチニンリン酸の生み出すATPを使います。
そのあとは、グリコーゲン分解と解糖からのATP供給が5秒で最大となり、20秒くらい持続します。
これらは、ほとんど全て嫌気的エネルギーで、無酸素運動で供給速度が速いです。
高負荷の筋力トレーニングであれば最高強度の運動であり、脂肪酸はエネルギー源としてほとんど使われないので、筋肉中のグリコーゲン消費量は多くなり、数回繰り返せば一旦枯渇するくらいまで減少すると考えられます。
これに対して、低負荷のトレーニングの場合は、「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム(好気的システム)」も結構利用されるので、筋肉中のグリコーゲン消費量は少ないと考えられます。
勿論低負荷のトレーニングでは、グリコーゲン-ブドウ糖システム(好気的システム)もあるていど利用されると思います。
高負荷の筋力トレーニング後に糖質を摂取すれば、枯渇した筋肉中のグリコーゲンを補充するためにドンドン血糖が取り込まれます。
「糖尿病は薬なしで治せる」の著者・渡邊昌先生は、食事開始後30分で30分運動すれば、運動後も血糖は吸収され続けると記載しておられますが、個人差があると思います。
糖尿病専門医ガイドブック(2006年)の98ページに、
「肥満2型糖尿病患者で、低強度運動30分実施後、2時間にわたってインスリン感受性が改善した」
という報告が記載されています。
しかし、運動終了後30分で再び血糖値が上昇する人もあると思います。
やはり個人差があるし、同一人物でもその日によりパターンが異なることもあるようです。
30分のウオーキングの場合、筋肉の主たるエネルギー源は脂肪酸-ケトン体システムなので、筋肉中のグリコーゲンはあまり減少しません。
歩行中は筋肉の収縮により、Glut4が筋肉細胞表面にでてくるので血糖を取り込みますが、それがどのくらい持続するのかですね?
筋収縮によりGlut4が筋肉細胞表面に出ているのは、新潟医療福祉大学の川中健太郎先生によれば、運動終了後2~3時間持続とのことです。
先生の論文に引用してある文献によれば「ラットに2時間の水泳運動を負荷したあと、運動終了3時間後でも、一定量のインスリン刺激に対してよりたくさんのGlut4が細胞膜表面にトランスロケーションできる」そうです。
つまり一旦、2~3時間で細胞内に戻ったGlut4ですが、その後もしばらくはトランスロケーションしやすくなっているのですね。
高負荷トレーニングでも明らかなように、運動後の筋肉の糖取り込みの持続にはグリコーゲンの減少程度もかなり関係していると思います。
しかし運動と血糖値、まだまだよくわかっていないところも多く、これからの課題です。
江部康二
糖質制限食を順調に普及させるためには、導入初期に不幸なアクシデントを出来るだけ起こさないようにすることが大切だと思います
TrueLife さん。
天海祐希さん、糖質制限食は無関係と思います。
天海祐希さん、糖質制限食は無関係と思います。
2013/05/14(Tue) 16:18 | URL | ドクター江部 | 【編集】
本文の一部しか反映されていなかったようです(汗)
本来 週刊誌の記事は 糖質制限食とは無関係のようですという趣旨の投稿のつもりでした
誤解を与えるような文になり失礼いたしました
本来 週刊誌の記事は 糖質制限食とは無関係のようですという趣旨の投稿のつもりでした
誤解を与えるような文になり失礼いたしました
TrueLife さん
女性自身の表紙の見出しでは「天海祐希さん、糖質制限食で心筋梗塞・・・」
と書いてあるのですが、そもそも天海さんが糖質制限食をしていたとは
他の全てのメディア・マスコミにおいて記載はありません。
当該の女性自身の本文の記事でも、「天海さんが糖質制限食をしていた」とは
一言も書いてありません。
かなり悪質な、確信犯的捏造の見出しと思います。
女性自身の表紙の見出しでは「天海祐希さん、糖質制限食で心筋梗塞・・・」
と書いてあるのですが、そもそも天海さんが糖質制限食をしていたとは
他の全てのメディア・マスコミにおいて記載はありません。
当該の女性自身の本文の記事でも、「天海さんが糖質制限食をしていた」とは
一言も書いてありません。
かなり悪質な、確信犯的捏造の見出しと思います。
2013/05/15(Wed) 13:35 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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