2013年04月13日 (土)
おはようございます。
2013年4月11日(木)の毎日新聞朝刊に
「糖質オフ」の食事 慎重に
という記事が載りました。
以下、●は記事の要約です。
●血糖値上昇抑える
ここでは、「楽しく広げる!糖質オフネットワーク東京」が紹介され、わんわんさんこと長谷川清久さん達、3人の呼びかけ人が、写真入りで紹介されています。
そのほか、糖質オフの菓子店やラーメン店が紹介されています。
●自己管理は難しい
糖質制限食を導入している「お茶の水整形外科」銅谷(どうや)英雄院長が
「自己管理できる人には向いているが、全ての人が簡単にできる方法ではない」
と述べておられます。
私も、銅谷先生と同意見です。
しかしながら日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限食」は「糖質制限食」に比べて、はるかに継続困難な食事療法であると思います。
●学会「勧められぬ」
又、国立国際医療研究センターの能登洋・糖尿病・代謝・内分泌科医長の
「5年以上の糖質制限ダイエットを続けると死亡率が高まる可能性がある」
という論文が引用されています。
能登医長の論文を読みましたが、信頼度が低く、参考するに値しません。
9つの論文のデータをメタ解析しておられますが、選ばれた論文が玉石混交です。
せっかくの玉の論文の結論を、石の論文が足を引っぱって信頼度の低い結論になってしまっています。
意図的にこのような信頼度の低い論文を選ばれたのなら、アンフェアとしか言いようがありません。
2013年02月27日 (水) の本ブログ記事
「能登論文は、選択した文献が玉石混交、残念。」
をご参照ください。
Halton TL, Willett WC, Liu SM, Manson JE, Albert CM, et al. (2006) Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. N Engl J Med 355: 1991–2002. doi: 10.1056/NEJMoa055317. Find this article online
上記論文は、NHS(The Nurses’ Health Studies)がデータベースで、82802名を20年間追跡した研究で、極めて信頼度が高い論文です。
『低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし』
2006年、ニューイングランドジャーナル掲載のコホート研究
•1980年、米国の女性看護師82,802人に食事調査を行い、研究を開始 。
•質問票を使った食事調査を、1980年から1998年までのあいだに、2-6年間隔で6回実施。
•低炭水化物食「得点」が上位10%のグループの冠動脈疾患の発生率は下位10%のグループの0.94倍で有意差なし。
2000年の時点で10グループを解析。炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
•即ち20年間の追跡で、脂肪と蛋白質が多く炭水化物が少ない食事をしているグループでも、心臓病のリスクは上昇しなかった。
•一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
この信頼度が高いニューイングランドジャーナルの文献の結論は、能登論文の結論とは正反対で
「低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし」
であり、
「総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。高GL(グリセミック ロード)は冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。」
です。
「炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較」に関してはこの論文の結論で既に必要充分であり、下手なメタ解析など蛇足です。
能登論文とこのニューイングランドジャーナルの論文、どちらが信頼できるか、いうまでもありませんね。
江部康二
2013年4月11日(木)の毎日新聞朝刊に
「糖質オフ」の食事 慎重に
という記事が載りました。
以下、●は記事の要約です。
●血糖値上昇抑える
ここでは、「楽しく広げる!糖質オフネットワーク東京」が紹介され、わんわんさんこと長谷川清久さん達、3人の呼びかけ人が、写真入りで紹介されています。
そのほか、糖質オフの菓子店やラーメン店が紹介されています。
●自己管理は難しい
糖質制限食を導入している「お茶の水整形外科」銅谷(どうや)英雄院長が
「自己管理できる人には向いているが、全ての人が簡単にできる方法ではない」
と述べておられます。
私も、銅谷先生と同意見です。
しかしながら日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限食」は「糖質制限食」に比べて、はるかに継続困難な食事療法であると思います。
●学会「勧められぬ」
又、国立国際医療研究センターの能登洋・糖尿病・代謝・内分泌科医長の
「5年以上の糖質制限ダイエットを続けると死亡率が高まる可能性がある」
という論文が引用されています。
能登医長の論文を読みましたが、信頼度が低く、参考するに値しません。
9つの論文のデータをメタ解析しておられますが、選ばれた論文が玉石混交です。
せっかくの玉の論文の結論を、石の論文が足を引っぱって信頼度の低い結論になってしまっています。
意図的にこのような信頼度の低い論文を選ばれたのなら、アンフェアとしか言いようがありません。
2013年02月27日 (水) の本ブログ記事
「能登論文は、選択した文献が玉石混交、残念。」
をご参照ください。
Halton TL, Willett WC, Liu SM, Manson JE, Albert CM, et al. (2006) Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. N Engl J Med 355: 1991–2002. doi: 10.1056/NEJMoa055317. Find this article online
上記論文は、NHS(The Nurses’ Health Studies)がデータベースで、82802名を20年間追跡した研究で、極めて信頼度が高い論文です。
『低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし』
2006年、ニューイングランドジャーナル掲載のコホート研究
•1980年、米国の女性看護師82,802人に食事調査を行い、研究を開始 。
•質問票を使った食事調査を、1980年から1998年までのあいだに、2-6年間隔で6回実施。
•低炭水化物食「得点」が上位10%のグループの冠動脈疾患の発生率は下位10%のグループの0.94倍で有意差なし。
2000年の時点で10グループを解析。炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
•即ち20年間の追跡で、脂肪と蛋白質が多く炭水化物が少ない食事をしているグループでも、心臓病のリスクは上昇しなかった。
•一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
この信頼度が高いニューイングランドジャーナルの文献の結論は、能登論文の結論とは正反対で
「低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし」
であり、
「総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。高GL(グリセミック ロード)は冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。」
です。
「炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較」に関してはこの論文の結論で既に必要充分であり、下手なメタ解析など蛇足です。
能登論文とこのニューイングランドジャーナルの論文、どちらが信頼できるか、いうまでもありませんね。
江部康二
そういった情報を発信しなければ、自己保存の危機を思われてるのでしょうか?
それだけ糖質制限の有用性が日増しに大きく耳障りなんでしょうね、過去の人には・・
偉そうなコメントさせていただきました。
それだけ糖質制限の有用性が日増しに大きく耳障りなんでしょうね、過去の人には・・
偉そうなコメントさせていただきました。
2013/04/13(Sat) 07:55 | URL | クワトロ | 【編集】
還暦を過ぎた二人暮らしの夫婦です。昨年5月から私の糖質制限に付き合う形で家内(62歳)も糖質制限を行ってます。
家内は前から血糖値や生活習慣病の数値は正常です。家内は昼に週3回位ご飯やお餅と時々お饅頭を食べているので、江部先生のいうスタンダードとスーパ糖質制限の中間位の感じです。
先日家内が年1回の人間ドックに行ってきました。その結果は以下の通りです。(※2012年4月はまだ糖質制限はしてません)
-----------<2012/4月>--<2013/4月>--
・空腹血糖値: 91 → 93
・HbA1c: 4.6(JDS) → 5.1(NGSP)
・中性脂肪: 53 → 59
・γ-GTP: 23 → 19
・HDL: 80 → 100
・LDL: 111 → 100
・尿素窒素: 10.8 → 16.0
・クレアチニン:0.66 → 0.68
・体重: 62.9 → 61.4
・BMI: 24.8 → 24,4
・他の値も正常範囲でした。
-----
昔のズボンがはけるようになったと喜んでいたのでもう少し体重は落ちてるのではと思ってたのですが(^^;;
変化があったと言えば尿素窒素と、HDLが上がり、LDLが下がったくらいでしょうか(HDLが上がりすぎ?)
『何も数値が変わらないからご飯食べていいんじゃないの?』との問いかけに思わず『認知症にならないかも』と答えるのが精一杯の私でした。
家内は炭水化物を控えることを結構我慢してるようです。私は糖質制限(スーパー)をやめるつもりはありませんが、家内は元の食事に戻した方がいいのかどうか、迷っています。
家内は前から血糖値や生活習慣病の数値は正常です。家内は昼に週3回位ご飯やお餅と時々お饅頭を食べているので、江部先生のいうスタンダードとスーパ糖質制限の中間位の感じです。
先日家内が年1回の人間ドックに行ってきました。その結果は以下の通りです。(※2012年4月はまだ糖質制限はしてません)
-----------<2012/4月>--<2013/4月>--
・空腹血糖値: 91 → 93
・HbA1c: 4.6(JDS) → 5.1(NGSP)
・中性脂肪: 53 → 59
・γ-GTP: 23 → 19
・HDL: 80 → 100
・LDL: 111 → 100
・尿素窒素: 10.8 → 16.0
・クレアチニン:0.66 → 0.68
・体重: 62.9 → 61.4
・BMI: 24.8 → 24,4
・他の値も正常範囲でした。
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昔のズボンがはけるようになったと喜んでいたのでもう少し体重は落ちてるのではと思ってたのですが(^^;;
変化があったと言えば尿素窒素と、HDLが上がり、LDLが下がったくらいでしょうか(HDLが上がりすぎ?)
『何も数値が変わらないからご飯食べていいんじゃないの?』との問いかけに思わず『認知症にならないかも』と答えるのが精一杯の私でした。
家内は炭水化物を控えることを結構我慢してるようです。私は糖質制限(スーパー)をやめるつもりはありませんが、家内は元の食事に戻した方がいいのかどうか、迷っています。
先生、はじめまして。いつもブログでの情報発信ありがとうございます。勉強させていただいています。
この手の糖質制限批判?警鐘?記事を目にするたびに思うのですが、血糖値を上げるのは炭水化物だけ、という事実について糖尿病学会をはじめ、診療しているお医者さんたちはどうとらえているのでしょうか?
炭水化物だけが血糖値を上げる、という視点から出発すれば、血糖コントロールに対する治療方針や食事療法ももっと違った着地点が出てくるんじゃないのかなぁと思ってしまいます。
この手の糖質制限批判?警鐘?記事を目にするたびに思うのですが、血糖値を上げるのは炭水化物だけ、という事実について糖尿病学会をはじめ、診療しているお医者さんたちはどうとらえているのでしょうか?
炭水化物だけが血糖値を上げる、という視点から出発すれば、血糖コントロールに対する治療方針や食事療法ももっと違った着地点が出てくるんじゃないのかなぁと思ってしまいます。
2013/04/13(Sat) 14:09 | URL | ごまごま | 【編集】
糖質制限食の記事が出てますね.
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130412/bdy13041207180001-n1.htm
こちらの記事は,江部先生の反論も取り上げているだけ,まだしも中立的ではあります.
しかし記事中のコラムで,『糖質だけを控えれば肉や魚は制限なく食べてもよく』とあるのはひどいです. いかなる食事内容であれ,消費カロリーと摂取カロリーのバランスをとるのはごく当然のことなのですが,このコラムはあたかも糖質制限食がカロリー無制限を推奨しているかのように印象操作しています.『いちいち細かくカロリーを気にしなくてもいい』という糖質制限の利点を悪意で捻じ曲げていると思います.
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130412/bdy13041207180001-n1.htm
こちらの記事は,江部先生の反論も取り上げているだけ,まだしも中立的ではあります.
しかし記事中のコラムで,『糖質だけを控えれば肉や魚は制限なく食べてもよく』とあるのはひどいです. いかなる食事内容であれ,消費カロリーと摂取カロリーのバランスをとるのはごく当然のことなのですが,このコラムはあたかも糖質制限食がカロリー無制限を推奨しているかのように印象操作しています.『いちいち細かくカロリーを気にしなくてもいい』という糖質制限の利点を悪意で捻じ曲げていると思います.
2013/04/13(Sat) 14:12 | URL | しらねのぞるば | 【編集】
江部先生こんにちは。
江部先生の本で糖質制限を知り、現在糖質制限をしている者です。
260もあった血糖値が、2週間の糖質制限(主食を抜き、食品の糖質を考えながら食べるようになり)、153まで下がりました。
数字でこれだけ下がるのを見てしまったら、糖質制限はもう止められません。
また良い報告ができることを楽しみに、これからも頑張ります!
先生のブログ、毎日楽しみにしております♪
江部先生の本で糖質制限を知り、現在糖質制限をしている者です。
260もあった血糖値が、2週間の糖質制限(主食を抜き、食品の糖質を考えながら食べるようになり)、153まで下がりました。
数字でこれだけ下がるのを見てしまったら、糖質制限はもう止められません。
また良い報告ができることを楽しみに、これからも頑張ります!
先生のブログ、毎日楽しみにしております♪
2013/04/14(Sun) 05:58 | URL | yuko | 【編集】
sgym さん。
・HDL: 80 → 100
HDLがこんなに増えるのは、素晴らしいことなのですよ。
癌のリスク、動脈硬化のリスクが、おおいに減っています。
薬では不可能な改善です。
糖質制限食実践で、食後高血糖、高インスリン血症がないので、酸化ストレスが減少して
動脈硬化、癌、アルツハイマー病などの予防にもなりますね。
・HDL: 80 → 100
HDLがこんなに増えるのは、素晴らしいことなのですよ。
癌のリスク、動脈硬化のリスクが、おおいに減っています。
薬では不可能な改善です。
糖質制限食実践で、食後高血糖、高インスリン血症がないので、酸化ストレスが減少して
動脈硬化、癌、アルツハイマー病などの予防にもなりますね。
2013/04/14(Sun) 17:38 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ごまごま さん
同感です。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が最大の
酸化ストレスのリスクとわかっているのに、
唯一それを引き起こす糖質の大量摂取を推奨というのは、
大変矛盾していますね。
同感です。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が最大の
酸化ストレスのリスクとわかっているのに、
唯一それを引き起こす糖質の大量摂取を推奨というのは、
大変矛盾していますね。
2013/04/14(Sun) 17:41 | URL | ドクター江部 | 【編集】
しらねのぞるば さん。
産経新聞の記者さん、30分くらい電話インタビューしましたので
私のコメントも載っていますね。
読売や日経の一方的な記事よりは、私もニューオTラルなスタンスと思いました。
『糖質だけを控えれば肉や魚は制限なく食べてもよく』
これは悪意はなく、違いをわかりやすくいという意図とは思いますが、誤解を生じますね。
産経新聞の記者さん、30分くらい電話インタビューしましたので
私のコメントも載っていますね。
読売や日経の一方的な記事よりは、私もニューオTラルなスタンスと思いました。
『糖質だけを控えれば肉や魚は制限なく食べてもよく』
これは悪意はなく、違いをわかりやすくいという意図とは思いますが、誤解を生じますね。
2013/04/14(Sun) 17:48 | URL | ドクター江部 | 【編集】
yuko さん
拙著の御購入ありがとうございます。
データ改善、良かったですね。
拙著の御購入ありがとうございます。
データ改善、良かったですね。
2013/04/14(Sun) 17:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
「ω-3の比率を上げると良い」ということは誰でも知ってたんですね。
糖尿病学会の先生も認めているようでビックシ!
私は糖質制限を始めるまで知りませんでした。まわりの人も誰も知りません。
テレビでやってましたかね?
やはり勉強しないと駄目ですね。
糖尿病学会の先生も認めているようでビックシ!
私は糖質制限を始めるまで知りませんでした。まわりの人も誰も知りません。
テレビでやってましたかね?
やはり勉強しないと駄目ですね。
2013/04/15(Mon) 08:53 | URL | マキマキ | 【編集】
今日、私から山崎記者に電話をしました。
まずは、会の紹介記事を載せていただいたことに、お礼を言いました。
2点、お話しました、
一つは、私の話の中に、「糖質オフで、健康な生活を広げることを目的とする会です」
書いていただきたかったこと。
山崎記者としては、『健康コーナーなので、それは当然の前提という認識でした』
とのコメントでした。
私たちは、糖質オフで!ということをアピールして頂きたかったので 不満の声があることを伝えました。
◎ 記者としては、担当するテーマは、「健康」ということなので、特に書かなくても・・
という考えのようでしたので
◎「強調して頂けるかどうかで、記事の印象が違いますよ」と申し上げました。
そのために、原稿を事前に見せていただきたかったのです。と話しました。
クレームです。約束は、守ってくださいと・・・話したところ
◎「忙しかったので・・・」 とのことで、謝罪の言葉がありました。
◎ 約束を守るのは、 社会常識ですよ・・・。と言っておきました。
最後に、記念になるので、何部か、新聞を送ってくださいとお願いしました。
『糖質オフネット・東京』は、ソフト路線で行きたいと考えています。
とりあえず、皆さんに、ご報告します。
長谷川
まずは、会の紹介記事を載せていただいたことに、お礼を言いました。
2点、お話しました、
一つは、私の話の中に、「糖質オフで、健康な生活を広げることを目的とする会です」
書いていただきたかったこと。
山崎記者としては、『健康コーナーなので、それは当然の前提という認識でした』
とのコメントでした。
私たちは、糖質オフで!ということをアピールして頂きたかったので 不満の声があることを伝えました。
◎ 記者としては、担当するテーマは、「健康」ということなので、特に書かなくても・・
という考えのようでしたので
◎「強調して頂けるかどうかで、記事の印象が違いますよ」と申し上げました。
そのために、原稿を事前に見せていただきたかったのです。と話しました。
クレームです。約束は、守ってくださいと・・・話したところ
◎「忙しかったので・・・」 とのことで、謝罪の言葉がありました。
◎ 約束を守るのは、 社会常識ですよ・・・。と言っておきました。
最後に、記念になるので、何部か、新聞を送ってくださいとお願いしました。
『糖質オフネット・東京』は、ソフト路線で行きたいと考えています。
とりあえず、皆さんに、ご報告します。
長谷川
『糖質オフネット・東京』,NsのChieです。
江部先生、皆様 ご心配&ご迷惑をおかけいたしました。
第1回の会がたちあがるという時期&メンバーの中にも過去においてマスコミ関係で
嫌な思いをしている方々がいて懸念を含め、議論をいたしました。
このような残念な(まして、最初からのお約束をこのような姑息な言い訳-意図的だと
思われても仕方がない形)結果になるのをある程度見越したうえで
でも、ネットなどの環境がない方に知っていただくには、いつかわかっていただける
記者さんにも出会えることを祈ってインタビューに応じました。
結果、アリバイ的なインタビューでした、3時間!
江部先生やかつどうしていらしゃる方々も、もっともっと悔しい思いをされていることだと思います。
マスコミの皆様にも、反論できないような資料等を準備して対策を
(それでも、予定調和な記事が多いのでしょうけれど)考えてゆきたいと思います。
どうか、皆様、お知恵をかしてくださいませね。
江部先生、皆様 ご心配&ご迷惑をおかけいたしました。
第1回の会がたちあがるという時期&メンバーの中にも過去においてマスコミ関係で
嫌な思いをしている方々がいて懸念を含め、議論をいたしました。
このような残念な(まして、最初からのお約束をこのような姑息な言い訳-意図的だと
思われても仕方がない形)結果になるのをある程度見越したうえで
でも、ネットなどの環境がない方に知っていただくには、いつかわかっていただける
記者さんにも出会えることを祈ってインタビューに応じました。
結果、アリバイ的なインタビューでした、3時間!
江部先生やかつどうしていらしゃる方々も、もっともっと悔しい思いをされていることだと思います。
マスコミの皆様にも、反論できないような資料等を準備して対策を
(それでも、予定調和な記事が多いのでしょうけれど)考えてゆきたいと思います。
どうか、皆様、お知恵をかしてくださいませね。
2013/04/15(Mon) 21:37 | URL | Chie | 【編集】
返信が遅くなりましたが、嬉しいコメント有り難うございます。
夫婦ともどもQOLの充実を目指し、楽しくなる糖質制限を行っていきます。認知症の予防も一つの目標です。
夫婦ともどもQOLの充実を目指し、楽しくなる糖質制限を行っていきます。認知症の予防も一つの目標です。
『糖質制限食による長期的な影響』
国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科医長
東京医科歯科大学医学部臨床教授
能登 洋
近年,「糖質制限ダイエット」が人気を集めている.実際,糖質制限食は短期的(1~2年間)な体垂減少や動脈硬化リスクファクター改善に有効であることが示唆されている.本稿では,筆者らが発表したメタアナリシスの結果を中心に,糖質制限ダイエットの効果と危険性について解説する.
*糖質制限食による減量効果
糖質制限食による減量効果を示す臨床研究は多くあるが,いずれも最長1年間程度の短期間のデータであった.2008年になり,糖質制限食・脂肪制限食・地中海式食の3食群による減量効果比較試験の結果がイスラエルから発表され,2年間の追跡期間で糖質制限食による効果が最も大きい (ベースライン平均体重約91kg,平均減量約5kg) ことが実証された[1].また,糖質制限食により心血管疾患リスクファクターが改善する報告も増加し,長期的予後改善の可能性も期待されるようになった.
しかし,このイスラエルでの臨床研究には問題点がいくつか存在する.まず,他のダイエット介入研究と同様に1年以上糖質制限式を継続できた人は約80%であった.また,3食群間で総カロリーが異なっており,糖質制限食の総カロリーが最も低かったため,減量効果が糖質制限によるものなのか総カロリー制限によるものなのか結論づけることができない[1].さらに,その後発表された報告では,6年後には3食群ともほぼベースラインの体重に戻っていた[2].
*総カロリー制限食による減量効果
前述の研究に対し,総カロリーは同じだが糖質・蛋白質・脂質の構成比率が異なる食事による減量効果比較試験が2009年に米国から発表された.その結果は,高糖質摂取群と糖質制限群では2年後の減量効果に有意差を認めなかったというものだった(ベースライン平均体重約93kg,平均減量約3kg)[3].蛋白質・脂質に関してもそれぞれ高摂取群と制限群で有意差を認めなかった.興味深いことに,この研究では栄養指導回数に比例して減量効果が増加することが示唆され,頻回の個別化指導の効果が期待される.
*糖質制限食による長期的な影響
一方,長期的なアウトカムや安全性は不明であった.前述のように糖質制限食は2年程度なら減量などの効果が示されているものの総カロリー制限のほうが影響が大きい可能性があること,長期的には減量効果が持続しないこと,継続が容易でないことを考慮すると,医学的利点は少ない可能性がある.肥満者の急増と糖質制限ダイエットの人気に鑑み,筆者らは糖質制限食による長期的な死亡・心血管疾患リスクの系統的検証を行った[4].
まず,2012年9月付けの糖質制限食と死亡・心血管疾患に関する文献検索を行ったところ492報ヒットした.その中から適切な妥当性の高い全9件の論文がメタアナリシスに選択された.メタアナリシスの結果を以下にまとめる(表1).
表1 低糖質摂取者の死亡・心血管疾患リスク(メタアナリシス)
アウトカム-----文献数(報)---総対象者数(人)---リスク比---P値
総死亡-----------4---------272,216----------1.31----0.007
心血管疾患死------3---------249,272----------1.10-----0.12
心血管疾言罹患----4---------220,691-----------0.98----0.87
・解析対象として選抜されたのはいずれも欧米の研究で,30歳以上の健常人を5~26年間追跡した観察研究であった.介入研究や日本からの報告はなかった.
・全カロリーに占める糖質カロリーの割合を10段階に分け,最小糖質摂取率群(総カロリーの30~40%)と最大糖質摂取率群(総カロリーの60~70%)のリスクを統合比較した.
・27万2216人(女性66%,総死亡1万5981人)の全死亡リスクは,低糖質摂取群は高糖質摂取群よりも31%有意に高かった.
・24万9272人(女性67%,心血管疾患死3214人)の心血管疾患死リスクには低糖質食に伴う有意なリスクを認めなかった.
・22万691人(女性100%,心血管疾患罹患5081人の心血管疾患罹患リスクにも低糖質食に伴う有意なリスクを認めなかった.
以上より,低糖質食による長期的な効用は認めず,死亡リスクが有意に増加する可能性が示された.
*今後の研究課題
死亡リスク増加の原因が今後の究明課題であるが,糖質制限食では蛋白質・脂質の摂取量が増えることが報告されており,その結果,心血管疾患リスクが増加することが一因として想定されている.実際,筆者らの研究でも心血管疾患死リスクの増加傾向を認めた.また,介入研究が存在しなかったため,日本人や糖尿病患者も対象とした長期的な介入研究の必要性が改めて浮き彫りとなった.
*まとめ
糖質ダイエットは2年程度の期間なら利点があり危険性は少ないと考えられる.しかし,今回の研究に基づいて「糖質制限ダイエット]の賛否について論じることはできないものの,長期間実施する場合はリスクの可能性を考えて慎重になったほうがよいであろう.
<文献>
1) Shai l, et al: N Engl J Med 359: 229,2008.
2) Schwarzfuchs D, et al : N Engl J Med 367: 1373,2012.
3) Sacks FM, et al : N Engl J Med 360: 859, 2009.
4) Noto H, et al: PLoS One 8: e55030, 2013.
国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科医長
東京医科歯科大学医学部臨床教授
能登 洋
近年,「糖質制限ダイエット」が人気を集めている.実際,糖質制限食は短期的(1~2年間)な体垂減少や動脈硬化リスクファクター改善に有効であることが示唆されている.本稿では,筆者らが発表したメタアナリシスの結果を中心に,糖質制限ダイエットの効果と危険性について解説する.
*糖質制限食による減量効果
糖質制限食による減量効果を示す臨床研究は多くあるが,いずれも最長1年間程度の短期間のデータであった.2008年になり,糖質制限食・脂肪制限食・地中海式食の3食群による減量効果比較試験の結果がイスラエルから発表され,2年間の追跡期間で糖質制限食による効果が最も大きい (ベースライン平均体重約91kg,平均減量約5kg) ことが実証された[1].また,糖質制限食により心血管疾患リスクファクターが改善する報告も増加し,長期的予後改善の可能性も期待されるようになった.
しかし,このイスラエルでの臨床研究には問題点がいくつか存在する.まず,他のダイエット介入研究と同様に1年以上糖質制限式を継続できた人は約80%であった.また,3食群間で総カロリーが異なっており,糖質制限食の総カロリーが最も低かったため,減量効果が糖質制限によるものなのか総カロリー制限によるものなのか結論づけることができない[1].さらに,その後発表された報告では,6年後には3食群ともほぼベースラインの体重に戻っていた[2].
*総カロリー制限食による減量効果
前述の研究に対し,総カロリーは同じだが糖質・蛋白質・脂質の構成比率が異なる食事による減量効果比較試験が2009年に米国から発表された.その結果は,高糖質摂取群と糖質制限群では2年後の減量効果に有意差を認めなかったというものだった(ベースライン平均体重約93kg,平均減量約3kg)[3].蛋白質・脂質に関してもそれぞれ高摂取群と制限群で有意差を認めなかった.興味深いことに,この研究では栄養指導回数に比例して減量効果が増加することが示唆され,頻回の個別化指導の効果が期待される.
*糖質制限食による長期的な影響
一方,長期的なアウトカムや安全性は不明であった.前述のように糖質制限食は2年程度なら減量などの効果が示されているものの総カロリー制限のほうが影響が大きい可能性があること,長期的には減量効果が持続しないこと,継続が容易でないことを考慮すると,医学的利点は少ない可能性がある.肥満者の急増と糖質制限ダイエットの人気に鑑み,筆者らは糖質制限食による長期的な死亡・心血管疾患リスクの系統的検証を行った[4].
まず,2012年9月付けの糖質制限食と死亡・心血管疾患に関する文献検索を行ったところ492報ヒットした.その中から適切な妥当性の高い全9件の論文がメタアナリシスに選択された.メタアナリシスの結果を以下にまとめる(表1).
表1 低糖質摂取者の死亡・心血管疾患リスク(メタアナリシス)
アウトカム-----文献数(報)---総対象者数(人)---リスク比---P値
総死亡-----------4---------272,216----------1.31----0.007
心血管疾患死------3---------249,272----------1.10-----0.12
心血管疾言罹患----4---------220,691-----------0.98----0.87
・解析対象として選抜されたのはいずれも欧米の研究で,30歳以上の健常人を5~26年間追跡した観察研究であった.介入研究や日本からの報告はなかった.
・全カロリーに占める糖質カロリーの割合を10段階に分け,最小糖質摂取率群(総カロリーの30~40%)と最大糖質摂取率群(総カロリーの60~70%)のリスクを統合比較した.
・27万2216人(女性66%,総死亡1万5981人)の全死亡リスクは,低糖質摂取群は高糖質摂取群よりも31%有意に高かった.
・24万9272人(女性67%,心血管疾患死3214人)の心血管疾患死リスクには低糖質食に伴う有意なリスクを認めなかった.
・22万691人(女性100%,心血管疾患罹患5081人の心血管疾患罹患リスクにも低糖質食に伴う有意なリスクを認めなかった.
以上より,低糖質食による長期的な効用は認めず,死亡リスクが有意に増加する可能性が示された.
*今後の研究課題
死亡リスク増加の原因が今後の究明課題であるが,糖質制限食では蛋白質・脂質の摂取量が増えることが報告されており,その結果,心血管疾患リスクが増加することが一因として想定されている.実際,筆者らの研究でも心血管疾患死リスクの増加傾向を認めた.また,介入研究が存在しなかったため,日本人や糖尿病患者も対象とした長期的な介入研究の必要性が改めて浮き彫りとなった.
*まとめ
糖質ダイエットは2年程度の期間なら利点があり危険性は少ないと考えられる.しかし,今回の研究に基づいて「糖質制限ダイエット]の賛否について論じることはできないものの,長期間実施する場合はリスクの可能性を考えて慎重になったほうがよいであろう.
<文献>
1) Shai l, et al: N Engl J Med 359: 229,2008.
2) Schwarzfuchs D, et al : N Engl J Med 367: 1373,2012.
3) Sacks FM, et al : N Engl J Med 360: 859, 2009.
4) Noto H, et al: PLoS One 8: e55030, 2013.
2013/04/17(Wed) 22:32 | URL | 精神科医師A | 【編集】
『実際,筆者らの研究でも心血管疾患死リスクの増加傾向を認めた』
…そのような論文は発表されているのでしょうか
…そのような論文は発表されているのでしょうか
2013/04/18(Thu) 09:01 | URL | 精神科医師A | 【編集】
精神科医師A さん。
情報をありがとうございます。
検討します。
情報をありがとうございます。
検討します。
2013/04/18(Thu) 22:54 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ムスメ さん。
拙著の御購入、ありがとうございます。
糖尿病の内服薬、インスリン注射をされている場合、糖質制限食で低血糖になる恐れがありますので
減薬など、医師との相談が必要です。
拙著の御購入、ありがとうございます。
糖尿病の内服薬、インスリン注射をされている場合、糖質制限食で低血糖になる恐れがありますので
減薬など、医師との相談が必要です。
2013/04/19(Fri) 08:27 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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