2013年03月08日 (金)
こんにちは。
本日は、精神科医医師Aさんからコメントいただいた興味深い研究を記事にしました。
精神科医医師Aさん、ありがとうございます。
[JACC]という日本の大規模なコホート研究で、
「女性では,総脂質,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸のいずれについても,摂取量が多いほど死亡リスクが低下する有意な関連がみとめられた。」
と報告されました。
つまり、「女性では、脂質の摂取量が多いほど死亡リスクが低下」ということです。
医学用語で難しい表現だと「女性では,脂質の摂取量と全死亡リスクが負の相関」となります。
この結論、私達、スーパー糖質制限食推進派にとっては、
大変好ましいものですね。
何と言っても、スーパー糖質制限食は、低糖質・高脂肪・高蛋白食になりますから。
「男女とも総脂質摂取量の多い人では・・・BMIが低く・・・」
これも、私達、糖質セイゲニストからすれば、当たり前のことなのですが、NHKクローズアップ現代「沖縄の短命化」(2013.3.5)に出演して、「脂肪が肥満のもと」と述べていた守旧派の医師達に是非、知って欲しい事実ですね。
JACCのこの研究は、40~79歳の58672人を平均16.5年間追跡ですから、人数も年数も申し分なくて信頼度が高い研究と言えます。
江部康二
[JACC]
女性では,脂質の摂取量と全死亡リスクが負の相関
発表者: 名古屋大学・若井 建志 氏 (2013年1月25(金))
目的: 厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」における脂質の適正な摂取量は,国民健康・栄養調査における分布から便宜的に決められているにすぎない。そこで,大規模コホート研究により,脂質摂取量と全死亡リスクとの関連を検討した。
コホート・手法: JACC Study参加者のうち,食物摂取頻度調査により脂質摂取量の推定が可能であった40~79歳の58672人を平均16.5年間追跡。(JACCへ)
結果: 男女とも総脂質摂取量の多い人では,野菜・果物の摂取量が多く,教育年数が長く,BMIが低く,喫煙者が少ない傾向がみられた。男性では総脂質摂取量は年齢と正の相関,女性では負の相関を示した。
脂質摂取量と全死亡リスクとの関連をみると,男性では,総脂質,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸のいずれについても有意な関連はみられず,多価不飽和脂肪酸については摂取量と死亡リスクが正に関連する傾向がみられた(P=0.074)。
女性では,総脂質,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸のいずれについても,摂取量が多いほど死亡リスク(多変量調整)が低下する有意な関連がみとめられた(すべてP<0.05)。
女性の全死亡ハザード比がもっとも低くなる総脂質摂取量(%エネルギー)は現在,「日本人の食事摂取基準(2010年版)」で30歳以上の脂質摂取目標量として掲げられている20~25%よりも高い,27%と推算された。
☆☆☆JACCの概略
JACC
場所:日本全国の45地区(1988年開始時)
北海道: 3町,東北: 5町,:関東: 5町,中部: 1市3町 2村,近畿: 8町 2村,
中国: 1市 1町,九州: 4市 9町 1村
開始年:1988年
対象:対象地区に居住する40~79歳の男女。
登録数:110792例(男性46465例,女性64327例)
調査項目:既往歴,手術歴,輸血歴,家族既往歴,健康状態(便通,睡眠時間,ビタミン剤の服用,運動習慣),血液検査,検診受診状況と検診への関心,食物摂取頻度,飲料摂取頻度,飲酒習慣,喫煙習慣,受動喫煙,就労状況,身体状況・生育地,生活態度,婚姻歴,子供の数,(女性のみ)生殖歴・子宮がん/乳がん検診
参考:J Epidemiol. 2005; 15 Suppl 1: S4-8.
JACC ホームページ http://www.aichi-med-u.ac.jp/jacc/index.html
JACC Study (文部科学省科学研究費がん特定領域大規模コホート研究,Japan Collaborative Cohort Study)は,がんをはじめとする病気と日本人の生活習慣との関連を明らかにすることを目的とした,全国規模の研究。
輸血歴がある人では脳卒中および冠動脈疾患による死亡リスクが高くなるという驚くべき結果を,世界で初めて明らかにした。
そのほかにも,緑茶やコーヒーの摂取と糖尿病リスク,交代勤務状況と循環器疾患死亡,両親の死亡時年齢と本人の死亡との関連など,他にはないユニークな成果が数多く発表されている。
本日は、精神科医医師Aさんからコメントいただいた興味深い研究を記事にしました。
精神科医医師Aさん、ありがとうございます。
[JACC]という日本の大規模なコホート研究で、
「女性では,総脂質,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸のいずれについても,摂取量が多いほど死亡リスクが低下する有意な関連がみとめられた。」
と報告されました。
つまり、「女性では、脂質の摂取量が多いほど死亡リスクが低下」ということです。
医学用語で難しい表現だと「女性では,脂質の摂取量と全死亡リスクが負の相関」となります。
この結論、私達、スーパー糖質制限食推進派にとっては、
大変好ましいものですね。
何と言っても、スーパー糖質制限食は、低糖質・高脂肪・高蛋白食になりますから。
「男女とも総脂質摂取量の多い人では・・・BMIが低く・・・」
これも、私達、糖質セイゲニストからすれば、当たり前のことなのですが、NHKクローズアップ現代「沖縄の短命化」(2013.3.5)に出演して、「脂肪が肥満のもと」と述べていた守旧派の医師達に是非、知って欲しい事実ですね。
JACCのこの研究は、40~79歳の58672人を平均16.5年間追跡ですから、人数も年数も申し分なくて信頼度が高い研究と言えます。
江部康二
[JACC]
女性では,脂質の摂取量と全死亡リスクが負の相関
発表者: 名古屋大学・若井 建志 氏 (2013年1月25(金))
目的: 厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」における脂質の適正な摂取量は,国民健康・栄養調査における分布から便宜的に決められているにすぎない。そこで,大規模コホート研究により,脂質摂取量と全死亡リスクとの関連を検討した。
コホート・手法: JACC Study参加者のうち,食物摂取頻度調査により脂質摂取量の推定が可能であった40~79歳の58672人を平均16.5年間追跡。(JACCへ)
結果: 男女とも総脂質摂取量の多い人では,野菜・果物の摂取量が多く,教育年数が長く,BMIが低く,喫煙者が少ない傾向がみられた。男性では総脂質摂取量は年齢と正の相関,女性では負の相関を示した。
脂質摂取量と全死亡リスクとの関連をみると,男性では,総脂質,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸のいずれについても有意な関連はみられず,多価不飽和脂肪酸については摂取量と死亡リスクが正に関連する傾向がみられた(P=0.074)。
女性では,総脂質,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸のいずれについても,摂取量が多いほど死亡リスク(多変量調整)が低下する有意な関連がみとめられた(すべてP<0.05)。
女性の全死亡ハザード比がもっとも低くなる総脂質摂取量(%エネルギー)は現在,「日本人の食事摂取基準(2010年版)」で30歳以上の脂質摂取目標量として掲げられている20~25%よりも高い,27%と推算された。
☆☆☆JACCの概略
JACC
場所:日本全国の45地区(1988年開始時)
北海道: 3町,東北: 5町,:関東: 5町,中部: 1市3町 2村,近畿: 8町 2村,
中国: 1市 1町,九州: 4市 9町 1村
開始年:1988年
対象:対象地区に居住する40~79歳の男女。
登録数:110792例(男性46465例,女性64327例)
調査項目:既往歴,手術歴,輸血歴,家族既往歴,健康状態(便通,睡眠時間,ビタミン剤の服用,運動習慣),血液検査,検診受診状況と検診への関心,食物摂取頻度,飲料摂取頻度,飲酒習慣,喫煙習慣,受動喫煙,就労状況,身体状況・生育地,生活態度,婚姻歴,子供の数,(女性のみ)生殖歴・子宮がん/乳がん検診
参考:J Epidemiol. 2005; 15 Suppl 1: S4-8.
JACC ホームページ http://www.aichi-med-u.ac.jp/jacc/index.html
JACC Study (文部科学省科学研究費がん特定領域大規模コホート研究,Japan Collaborative Cohort Study)は,がんをはじめとする病気と日本人の生活習慣との関連を明らかにすることを目的とした,全国規模の研究。
輸血歴がある人では脳卒中および冠動脈疾患による死亡リスクが高くなるという驚くべき結果を,世界で初めて明らかにした。
そのほかにも,緑茶やコーヒーの摂取と糖尿病リスク,交代勤務状況と循環器疾患死亡,両親の死亡時年齢と本人の死亡との関連など,他にはないユニークな成果が数多く発表されている。
NHK Eテレ
団塊スタイル「長寿の秘けつは肉食にあり」
これ面白そうですよ。
再放送あります。
団塊スタイル「長寿の秘けつは肉食にあり」
これ面白そうですよ。
再放送あります。
2013/03/09(Sat) 00:14 | URL | マキマキ | 【編集】
www.nhk.or.jp/dankai/bangumi/num048/index.htm
再放送3月15日AM11:00~11:45
週刊新潮3月14日号
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/newest/
馬刺しを食べて長寿日本一になった!? 「長野県」の研究
…ここでも蛋白質摂取の必要性が説かれている
再放送3月15日AM11:00~11:45
週刊新潮3月14日号
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/newest/
馬刺しを食べて長寿日本一になった!? 「長野県」の研究
…ここでも蛋白質摂取の必要性が説かれている
2013/03/09(Sat) 08:39 | URL | 精神科医師A | 【編集】
江部先生 初めまして。
55歳の会社員で身長181cm体重103kgの巨漢中年です。
血糖値が高いと言われて13年経過しています。
一番最初の受診は東京の大学病院でしたが
そこで栄養指導され低カロリー、和食中心の食事を推奨され、
自分も栄養関係の資格を取得し、自己コントロールをしてきましたが、
少しでも血糖値が改善すると暴飲暴食をしてしまう生活を送っていました。
当然血糖値は改善する事もなく高めに推移していましたが、
先日めまいが起き専門医を受診しHbA1c7.2%(JDS)であり、
まぎれもなく糖尿病ですので、生活改善(カロリー制限)と運動、
さらに良い新薬があるので投薬もしましょうかと宣告されてしまいました。
そんな時江部先生の事をネットで見つけ、糖質制限食を行う事により
血糖値の改善や合併症リスクも減らせるという事を知り、
先生の書いた本を4冊程購入させてもらい勉強を始めました。
そして2月20日よりスーパー糖質制限食を始めました。
2週間ちょっと経ちましたが、肝心の体重減少は残念ながらまだないのですが
昨日、再検査した結果を見て驚きました。
大きな血糖値(HbA1c)の改善はまだありませんが
長年高かった中性脂肪値やLDL値に劇的改善が見られました。
以下がその検査結果です。
2月18日 初受診DATA
HbA1c 7.2% JDS
HDLコレステロール 54
LDLコレステロール 175
中性脂肪 155
3月8日 再検査DATA
HbA1c 7.1% JDS
HDLコレステロール 56
LDLコレステロール 163
中性脂肪 68
この2週間あまりの食生活は勿論、炭水化物を制限し、肉魚類中心の食事に切り替えました。
毎日食べているのは自分で焼いた小麦ふすま&大豆粉パンに鳥肉や豚肉、卵といった
タンパク質中心の食事です。油はオリーブ油とラードを多用しサラダ油は排除しました。
安価な挽き肉料理が増えましたので、動物性脂肪も相当量摂取しています。
それでもこの結果ですから本当に驚きです。
以前と違い食生活にそれほどストレスを感じる事なく、
糖質0のビールやハイボールのお酒まで毎晩楽しむ事も出来て最高です。
思わくば体重減少してくれるといいのですが、
家系的に肥満遺伝子でも持っているかもしれません。
これからはカロリー制限も少し加えてみようと考えています。
江部先生に出会えた事が本当に良かったです。
これからもブログでもスーパー糖質制限食の
経過を報告していきますので、宜しくお願い致します。
55歳の会社員で身長181cm体重103kgの巨漢中年です。
血糖値が高いと言われて13年経過しています。
一番最初の受診は東京の大学病院でしたが
そこで栄養指導され低カロリー、和食中心の食事を推奨され、
自分も栄養関係の資格を取得し、自己コントロールをしてきましたが、
少しでも血糖値が改善すると暴飲暴食をしてしまう生活を送っていました。
当然血糖値は改善する事もなく高めに推移していましたが、
先日めまいが起き専門医を受診しHbA1c7.2%(JDS)であり、
まぎれもなく糖尿病ですので、生活改善(カロリー制限)と運動、
さらに良い新薬があるので投薬もしましょうかと宣告されてしまいました。
そんな時江部先生の事をネットで見つけ、糖質制限食を行う事により
血糖値の改善や合併症リスクも減らせるという事を知り、
先生の書いた本を4冊程購入させてもらい勉強を始めました。
そして2月20日よりスーパー糖質制限食を始めました。
2週間ちょっと経ちましたが、肝心の体重減少は残念ながらまだないのですが
昨日、再検査した結果を見て驚きました。
大きな血糖値(HbA1c)の改善はまだありませんが
長年高かった中性脂肪値やLDL値に劇的改善が見られました。
以下がその検査結果です。
2月18日 初受診DATA
HbA1c 7.2% JDS
HDLコレステロール 54
LDLコレステロール 175
中性脂肪 155
3月8日 再検査DATA
HbA1c 7.1% JDS
HDLコレステロール 56
LDLコレステロール 163
中性脂肪 68
この2週間あまりの食生活は勿論、炭水化物を制限し、肉魚類中心の食事に切り替えました。
毎日食べているのは自分で焼いた小麦ふすま&大豆粉パンに鳥肉や豚肉、卵といった
タンパク質中心の食事です。油はオリーブ油とラードを多用しサラダ油は排除しました。
安価な挽き肉料理が増えましたので、動物性脂肪も相当量摂取しています。
それでもこの結果ですから本当に驚きです。
以前と違い食生活にそれほどストレスを感じる事なく、
糖質0のビールやハイボールのお酒まで毎晩楽しむ事も出来て最高です。
思わくば体重減少してくれるといいのですが、
家系的に肥満遺伝子でも持っているかもしれません。
これからはカロリー制限も少し加えてみようと考えています。
江部先生に出会えた事が本当に良かったです。
これからもブログでもスーパー糖質制限食の
経過を報告していきますので、宜しくお願い致します。
マキマキ さん
出演は人間総合科学大学教授の熊谷修先生ですね。
熊谷先生の「介護されたくないなら粗食はやめなさい」講談社
もとてもためになる本です。
出演は人間総合科学大学教授の熊谷修先生ですね。
熊谷先生の「介護されたくないなら粗食はやめなさい」講談社
もとてもためになる本です。
2013/03/09(Sat) 20:28 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
週刊新潮、買ってみます。
週刊新潮、買ってみます。
2013/03/09(Sat) 20:33 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ノブ さん
拙著の御購入、ありがとうございます。
データの改善、良かったです。
1ヶ月後には、HbA1cは6.9未満となり、コントロール良好に入ると思いますよ。
拙著の御購入、ありがとうございます。
データの改善、良かったです。
1ヶ月後には、HbA1cは6.9未満となり、コントロール良好に入ると思いますよ。
2013/03/09(Sat) 20:40 | URL | ドクター江部 | 【編集】
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3273.html
飽和脂肪酸摂取と循環器疾患発症の関連について
―「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果報告―
飽和脂肪酸を食べる量が少ないグループで脳卒中のリスクが上昇
飽和脂肪酸摂取と循環器疾患発症の関連について
―「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果報告―
飽和脂肪酸を食べる量が少ないグループで脳卒中のリスクが上昇
2013/03/11(Mon) 19:51 | URL | 精神科医師A | 【編集】
精神科医師A さん
興味深い情報をありがとうございます。
柴田博先生のご説と一致しますね。
興味深い情報をありがとうございます。
柴田博先生のご説と一致しますね。
2013/03/12(Tue) 09:24 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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