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フジテレビ「糖質制限で早死にする」に反論
こんばんは。

もんたろさんから、フジテレビで「糖質制限で早死にする」とネガキャン・・・

というコメント・情報をいただきました。

私は電話取材だけで、番組はみてないのですが、かなりのネガティブ・キャンペーンだったようですね。

おそらく、

「5年以上では動脈硬化による死亡をはじめ、あらゆる死亡が多かった。」

この基の論文は、朝日新聞のネガティブ・キャンペーン「朝日新聞デジタル 1月27日(日)」でも、引用された、国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科の能登洋医長の論文と思います。

能登論文に関しては、2013年01月28日 (月) の本ブログですでに反論しています。

以下、重複しますが、一部を再掲します。

『糖質制限ダイエット、長期は危険? 死亡率高まる恐れ
朝日新聞デジタル 1月27日(日)11時59分配信

【桜井林太郎】ご飯やパンなどの糖質を控える「糖質制限食(ダイエット)」を5年以上続けると、死亡率が高くなるかもしれないとする解析結果を、国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科の能登洋医長らが26日、米科学誌プロスワンで発表した。死亡率が高まる理由はよく分かっていない。

糖質制限食は「低炭水化物ダイエット」などとも呼ばれ、短期的には減量や血糖値の改善につながるという報告が出ているが、長く続けても安全かははっきりしていない。能登さんらは昨年9月12日までに発表された糖質制限食に関する492の医学論文から動物実験などを除き、人間での経過を5年以上追跡して死亡率などを調べた海外9論文を分析した。

対象は、とくに病気がない地域住民や医療スタッフら計約27万人。摂取した総カロリーに占める糖質の割合に応じて10のグループに分けた。』


この朝日新聞記事の、能登洋医長の論文は、中糖質群(糖質30~40%)と高糖質群(糖質60~70%)の比較研究です。

従いまして、スーパー糖質制限食(糖質12%)とは、何の関係もない論文です。

第47回日本成人病(生活習慣病)学会での能登先生の発表に関する日経メディカルの記事が、下記の緑字の文章です。朝日新聞よりかなり詳しいのでこちらも掲載します。

『4コホート研究(6サブグループ)のメタアナリシス。
糖質の割合を高い(60~70%)群に対する低い(30~40%)群のリスク比。
メタアナリシスの、対象者は27万2216人(女性66%、追跡期間5~26年)。
総死亡数は1万5981人。
糖質の割合が低い(30~40%)群と高い(60~70%)群を比較した結果、
総死亡リスクは低糖質群で31%、有意に増加した。』



結局、このメタアナリシスは、高糖質群(60~70%)と中糖質群(30~40%)の比較であり、
糖質制限食(糖質12%)の群はどこにも登場しません。

中糖質群で、例えば2000kcal/日摂取したら、糖質は150~200g/日

1回の食事の糖質量は50~66gであり、追加インスリンの大量分泌が生じます。食後高血糖も生じます。

インスリンの過剰分泌に発ガンリスク、動脈硬化リスクがあることには、多くのエビデンスがあります。

そして食後高血糖にも発ガンリスク、動脈硬化リスクのエビデンスがあります。

すなわち中糖質食では、発ガンリスクや動脈硬化リスクは減らせないということが言えます。

スーパー糖質制限食(糖質12%)なら、インスリン過剰分泌と食後高血糖という明確な発ガンリスクと動脈硬化リスクが、ほとんど生じないという大きな利点があります。

結論としては中糖質群(30~40%)は高糖質群(60~70%)と比べて、
総死亡率が優位に増加したという研究です。
中糖質群(30~40%)では、
「インスリン過剰分泌」「食後高血糖」という発ガンリスク、動脈硬化リスクがあり、
そこに結果としてさらに高脂肪・高タンパク食を摂取するパターンは、
総死亡率が上昇する可能性があるということになるでしょうか?
そうすると、緩い糖質制限食(中糖質食)実践時には、赤肉(4つ足動物の肉)を減らして、
その分、魚介類や鶏肉、オリーブオイル、エゴマオイルを増やすといった注意が必要かもしれませんね。

スーパー糖質制限食なら、そのような心配はまったく無用です。


江部康二


【13/02/14 もんたろ

ネガキャン

江部先生、皆様、こんにちは!お疲れ様です\(^ー^)/

先程、フジテレビで「糖質制限で早死にする」とネガキャンやってました~(-_-#)

久保明先生がとっても“わかりにくく”説明してくださいました。

江部先生のお声もあって、びっくり!

ちゃんと「正しい番組内容」に用いてほしいものです(怒)

BMI25以上の肥満の方、糖尿病予備軍の方、骨粗鬆症・認知症の予防‥には効く。

実行は2、3年にして、夕食のみ糖質制限にする、医師と相談。

5年以上では動脈硬化による死亡をはじめ、あらゆる死亡が多かった。2007年、2012年に確認されている。
イラストでは、対象となった“糖質制限”は、炭水化物の割合は30~40%(またか;)

一応、実行されて糖尿病を防いだパン屋さんの女性も紹介しましたが、ゲストのダイヤモンド☆ユカイ氏は「何年か前にダイエット目的でやって、貧血で倒れた」発言。これは久保先生が「それはカロリー不足だと思う」で一蹴(笑)

コメンテーターの男性が「お酒はどうなんですか?」に久保先生「お酒はエンプティカロリーと言われる位なので、それ程カロリーは気にしないで‥」と話す途中でダイヤモンド氏が「お酒より焼酎ならいいのでは」と聞き、「でも焼酎はカロリーが高いですから」??????
スタジオみんなが「あ~~(やっぱり、みたいな)」
??????

頭の悪い私は久保先生のお話がさっぱりさっぱりさっぱりわかりませんでした。

フジテレビに抗議します。

視聴率低迷でもうすぐ打ち切りの番組。くやしくて裏の「ミヤネ屋」が江部先生をゲストに糖質制限食を特集(肯定)したのを否定したいのかしら(笑)

アンチ派もここまで糖質制限が広がるとは予想外だったんでしょうね。】



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
フジテレビ
糖質セイゲニストin北九州の皆さんと、放送を楽しみにしていたのに。
そうなんですか。
帰宅して、録画を見るのは24時ですから、まだ4時間もあります。
あきれた番組、早く見たいです。(笑)
それにしても、…まだまだそんな報道があるとは、油断ができません。
そして、改めて気合が入ります。
2013/02/14(Thu) 19:30 | URL | 北九州 三島 | 【編集
フジテレビの放送内容
www.facebook.com/photo.php?fbid=426308190794474&set=a.223722001053095.51209.219818024776826&type=1&relevant_count=1
2013/02/14(Thu) 21:58 | URL | 精神科医師A | 【編集
こんちには
以前にも何度かコメントさせていただきました。先生の本も読みました♪

実は先日、本屋さんに行ったら
血液型ダイエットという本が目立つ場所に置いてあり、興味があったので買って読んだのですが
まず、私はA型なのですが、A型は日本人で一番多い血液型。農耕民族の性質を持ってるので、植物性と相性がいい。肉よりも野菜、小麦より米が合う。動物性をうまく消化できない。
血液型ごとに合う合わないのレクチンがある。
と書かれていました。
O型は世界一で一番多い血液型。肉を食べても太らない。
とあります。
O型は米やパンなどNGらしいです。

先生は血液型ダイエットって知ってましたか?アメリカでは以前から研究が行われていて、モデルやセレブも実践してるみたいです。

A型が肉で太る?!
穀物が適している?

どう思われますか?
2013/02/14(Thu) 22:09 | URL | 川口 | 【編集
Re: タイトルなし
リア さん

このままスーパー糖質制限食で、問題ないと思います。
HDLが徐々に増加すると思います。
2013/02/14(Thu) 22:24 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
川口 さん

血液型ダイエットは知りません。
知りませんが

A型が肉で太る?!
穀物が適している?


そのようなことはないと思います。
2013/02/14(Thu) 22:27 | URL | ドクター江部 | 【編集
はじめまして。私もこの番組見てました。
やはり糖質制限食を実践する者としては残念に思う内容でしたが、全否定というわけでもなかったです。
私としては体質上(糖尿病)糖質を摂り続けるよりも制限したほうがずっと長生きできそうなので、このまま続けます!

番組内では、糖質を制限すると血管を修復する酵素(?だったと思います、うろ覚えです)が出にくくなるのではないか、という指摘をしていましたが、実際のところどうなのでしょうか。
これに関してはちょっと気になってしまいました。
2013/02/14(Thu) 23:00 | URL | みう | 【編集
NHKでも
昨日のNHK おはよう日本 の中で受験必勝の食事と言う内容のコーナーがありました。
その中でお定まりの「脳の栄養源はブドウ糖だけ」の発言がありました。
まだまだ理解されていないのですね。
2013/02/15(Fri) 08:49 | URL | 長山です。 | 【編集
ω-6リノール酸、むしろ死亡率を高める?
ω-6リノール酸、むしろ死亡率を高める?:Sydney Diet Heart Studyとメタ解析/BMJ
www.carenet.com/news/journal/carenet/33467

 冠動脈疾患(CHD)の2次予防において、飽和脂肪酸をω-6リノール酸(多価不飽和脂肪酸)で代替する食事療法は、全死因死亡、CHD死、心血管疾患(CVD)死をむしろ増加させる可能性があることが、米国・国立衛生研究所(NIH)のChristopher E Ramsden氏らの検討で示された。食事に含まれる飽和脂肪酸をω-6リノール酸で置き換えると、総コレステロール値やLDLコレステロール値が低下することが知られている。そのため、CHD患者の食事療法ガイドラインではこれらの代替が推奨されているが、リノール酸の臨床的なベネフィットは確立されていない。Sydney Diet Heart Study(SDHS)は、サフラワー油由来のリノール酸の、CHD死やCVD死の抑制効果に関する包括的な解析を目的とした無作為化試験で、データが紛失したため長年放置されていたが、同氏らがオリジナルのデータセットの回収に成功したという。BMJ誌オンライン版2013年2月5日号掲載の報告。

*SDHSの回復データの解析と、これを含めた最新のメタ解析

 研究グループは、食事に含まれる飽和脂肪酸のω-6リノール酸(多価不飽和脂肪酸)への代替による、CHDの2次予防効果を評価するために、SDHSの回復されたデータの解析を行い、さらにこれらのデータを含めた最新のメタ解析を実施した。

 SDHSは、1966~73年にオーストラリア・シドニー市で進められた単盲検無作為化対照比較試験で、直近の冠動脈イベント歴を有する30~59歳の男性患者458例が対象となった。

 これらの患者が、飽和脂肪酸(動物脂肪、マーガリン、ショートニング由来)をω-6リノール酸(サフラワー油、サフラワー油製の多価不飽和マーガリン由来)で代替した食事療法を受ける群または対照群(特別な食事指導を受けず、代用食は摂取しない)に無作為に割り付けられた。試験は、食事以外の要素はすべて両群で同等となるようデザインされた。

 主要評価項目は全死因死亡とし、副次的評価項目はCVD死およびCHD死とした。

全死因死亡率:介入群17.6% vs 対照群11.8%(p=0.05)、メタ解析では有意差なし
 介入群に221例(平均年齢48.7歳、平均BMI 25.1kg/m2)、対照群には237例(同:49.1歳、25.4kg/m2)が割り付けられた。

 全死因死亡率は、介入群が17.6%と、対照群の11.8%に比べ有意に高かった〔ハザード比(HR):1.62、95%信頼区間(CI):1.00~2.64、p=0.05〕。

 CVD死は、介入群が17.2%、対照群は11.0%(HR:1.70、95%CI:1.03~2.80、p=0.04)、CHD死はそれぞれ16.3%、10.1%(同:1.74、1.04~2.92、p=0.04)であり、いずれも対照群のほうが有意に良好だった。

 これらのデータを含めたリノール酸介入試験のメタ解析では、CHD死(HR:1.33、95%CI:0.99~1.79、p=0.06)およびCVD死(同:1.27、0.98~1.65、p=0.07)のリスクが、ともに介入群で増大する傾向がみられたが、有意な差は認めなかった。

 著者は、「飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置き換える食事療法は、全死因死亡、CVD死、CHD死をむしろ増加させ、メタ解析でもω-6リノール酸介入による心血管ベネフィットのエビデンスは示されなかった」と結論し、「現在、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸で代用する方法は、世界的にCHDのリスク低減に向けた食事療法ガイドラインの中心となっているが、今回、ω-6リノール酸を最も豊富に含む食事の臨床的ベネフィットは確立されなかった。この知見は、このような代替食事療法を勧告するガイドラインにとって重要な意味を持つだろう」と指摘している。


元論文
Use of dietary linoleic acid for secondary prevention of coronary heart disease and death: evaluation of recovered data from the Sydney Diet Heart Study and updated meta-analysis

BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e8707 (Published 5 February 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:e8707

www.bmj.com/content/346/bmj.e8707
2013/02/15(Fri) 09:10 | URL | 精神科医師A | 【編集
初めまして
ネガティブキャンペーンの番組、本当に腹立たしいですね。
全国に発信するのならきちんと真実を伝えてほしいです。



私は年末に他科での血液検査で血糖値、Hba1cともに引っ掛かった30代女です。
検査結果に大変ショックを受けましたが、すぐに先生のブログに出会い、糖質制限を知り、救われた気分です。


先月の検査では血糖値、Hba1c共に改善が見られ、糖質制限1ヶ月で空腹時血糖値200→130、Hba1c 9.3→8.3となりました。
(ちなみに一年半前は空腹時血糖値101 Hba1c4.7 糖質制限後、BUNが23と少し高いのが気がかりです。)

血糖値などまだまだ高い数値ですが少しでも下がって嬉しかったです。

しかし、お世話になっている他科の先生は糖質制限に対してあまり乗り気ではなく、高雄病院にお世話になりたいと伝えると、「トレンドではありますけどねぇ~入院でもするつもり!?」
と強く言われ少々ショックを受けましたが、力強く高雄病院を希望すると紹介状をくださいました。
きっと遠方でもあるので反対されたのだとは思いますが。。。



明日、初めて駅前診療所に伺います。

今からドキドキしておりますので明日は血圧が高いかもしれません(笑)

私もしっかり胸を張れる結果を出し、紹介状を書いて下さった先生にもいつか糖質制限はただのトレンドなどではない!と分かって頂けるよう頑張りたいと思います。

2013/02/15(Fri) 16:23 | URL | ごま | 【編集
「知りたがり」での久保教授のお話
昨日の『知りたがり』で、久保明教授という方が、
骨髄からEPCといわれる動脈硬化の修復役が出てくるんですがこのEPCが糖質を極めて制限した場合に出にくくなる。
そして、動脈硬化が進むということになります。
≫5年以上糖質制限ダイエットをやっているとやっているとやっぱり命の危険にかかわるということなんですか?≫そうですね5年というのは動脈硬化がそれぐらいの年月で進むということで糖質制限したことによって死亡率が高くなるというのは2007年にも出ていますし昨年も北欧の研究で出ています。

という内容のお話をされていました。

EPCというのは、どういうものなのでしょうか。
糖尿病の患者にとっては、高血糖を起こしても動脈硬化リスクになるのですよね?
炭水化物を控えても、摂っても、終点は動脈硬化
という事なのでしょうか・・・。

また、糖尿病でなく、健康な方がダイエットや糖尿病予防の為に糖質制限を行っている場合はどうなのでしょうか。

詳しいやり取りの内容は、こちらに掲載されていました。
http://o.x0.com/f/1254
2013/02/15(Fri) 16:39 | URL | ゆき | 【編集
Re: タイトルなし
みう さん。

βヒドロキシ酪酸(ケトン体の仲間)が、酸化ストレスを減らすという
マウスの研究成果が、サイエンスで発表されました。
サイエンスは世界で最も信頼されている科学雑誌の一つです。
糖質制限食でβヒドロキシ酪酸が増加しますので、酸化ストレスが改善される可能性が高いです。

酸化ストレスは、動脈硬化・癌・老化・アルツハイマー病・パーキンソン病・認知症・・・
の元凶とされています。

動脈硬化の元凶も酸化ストレスで、血管内皮が酸化ストレスで障害されることが関与しています。
糖質制限食は、血管にも良い影響を与える可能性が極めて高いと思います。
2013/02/15(Fri) 16:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ω-6リノール酸、むしろ死亡率を高める?
精神科医師Aさん

情報をありがとうございます。

2013年02月09日 (土) の本ブログ記事
「動物性脂肪から植物性脂肪変更で全死亡リスク上昇、MTPro」

で取り上げた論文ですね。
2013/02/15(Fri) 16:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 初めまして
ごま さん

そうですね。
糖質制限食は、2012年ブレークしましたが、決してトレンドではなくて、真実です。

でも紹介状を書いていただいたとは、それは良かったです。
数年前なら、ほとんどの医師が頭ごなしに糖質制限食を否定して、紹介状などとても
書いてもらえない状況だったことを思えば、大きな進歩と思います。

データ改善も素晴らしいですね。

BUNは、糖質制限食(高タンパク食)で少し上昇することがありますが
クレアチニン値や血清シスタチンC値が正常なら、腎機能には問題なしです。
2013/02/15(Fri) 16:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 「知りたがり」での久保教授のお話
ゆき さん

EPC(血管内皮前駆細胞)は、比較的新しい分野の研究です。

「EPCが糖質を極めて制限した場合に出にくくなる。」という明確なエビデンスはまだないと思います。

一方、糖質制限食実践により、動脈硬化のリスク要因が全て改善することにはエビデンスがあります。
血糖値・HDLコレステロール値・中性脂肪値・・・全て改善します。

また高血糖、高インスリン血症が、動脈硬化や癌のリスクとなることにもエビデンスがあります。
スーパー糖質制限食で、高血糖、高インスリン血症が、改善します。

糖尿病の人もそうでない人も、人類本来の食生活である糖質制限食を実践することでより健康になります。
2013/02/15(Fri) 17:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
栄養成分表示に関する声明
栄養成分表示に関する声明

日本動脈硬化学会が年2月7日に食品の「脂質」表示をもっと詳しくという声明を発表しました。

http://www.j-athero.org/outline/eiyouseibun.html

脂肪にはさまざまな種類があり、体に良いものと悪いものがあるので、分かりやすく表示した方がよいという提案です。

・摂取脂質総量が動脈硬化性心疾患のリスクを促進しない
・飽和脂肪酸を減少させ多価不飽和脂肪酸を増加させたRCTのメタアナリシスで血清コレステロール値の低下と冠動脈疾患リスクが低下
・飽和脂肪酸摂取を減らし、多価不飽和脂肪酸に置換した多くの試験で冠動脈疾患リスクが低下
・魚油に多いn-3多価不飽和脂肪酸摂取は冠動脈疾患のリスクを低下

などのエビデンスがあることを紹介し、

・過剰摂取が動脈硬化性疾患を増加させる脂質としては、コレステロール、飽和脂肪酸、トランス型脂肪酸
・海外の多くは既に飽和脂肪酸の表示を義務付けている
・海外向け日本の食品企業は脂質の表示に加え、少なくとも飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の表示を実行している

ということから、日本動脈硬化学会は、脂質の表示に加え、動脈硬化性疾患発症のリスクとなるコレステロール、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の栄養表示をただちに行う必要性があるとしています。


2013年02月09日(土)のブログや上の精神科医師Aさんのコメントでも取り上げられているn-6多価不飽和脂肪酸のリノール酸過剰の有害性についても言及してほしかったと思います。
2013/02/15(Fri) 19:33 | URL | SHUKAN | 【編集
疑問
江部先生、はじめまして。糖質制限10ヶ月、約15Kgの減量に成功した者です。体調も良く、感謝しております。

さてこの研究についての疑問なのですが、

1・糖質制限を意図的にしていたわけでもないのに「低糖質」の人というのは、一体どういう生活習慣の人なのか? かなり特殊な人なのではないか。糖質以外に死亡率を上げる原因があるのではないか?

2・30-40%の群、60-70%の群以外の比較がありませんが、では10-20, 40-50, 40-60の群はどうなっているのか。糖質が増えるに従って死亡率が増えているということなのか、それともでこぼこがある中でたまたま一番多いところと少ないところを比較しただけなのか?

このあたりがはっきりしないと、糖質制限に反対するためだけの研究のように思われます。
2013/02/17(Sun) 09:45 | URL | PaPi | 【編集
Re: 栄養成分表示に関する声明
SHUKAN さん

2013年02月09日(土)のブログや上の精神科医師Aさんのコメントでも取り上げられているn-6多価不飽和脂肪酸のリノール酸過剰の有害性についても言及してほしかったと思います。

同感です。
相変わらず、日本動脈硬化学会と日本脂質栄養学会には、大きな差がありますね。
2013/02/17(Sun) 10:32 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 疑問
PaPi さん


ジョスリン糖尿病センターの推奨は、糖質40%ですので、米国ではあるていど普通の食生活でもあります。


10~20%の群は存在しません。40~60%の群はありますが、要約には載っていないのだと思います。
2013/02/17(Sun) 11:52 | URL | ドクター江部 | 【編集
興味深い本「50歳からは「炭水化物」をやめなさい。」
「50歳からは「炭水化物」をやめなさい。」http://www.amazon.co.jp/50%E6%AD%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AF%E3%80%8C%E7%82%AD%E6%B0%B4%E5%8C%96%E7%89%A9%E3%80%8D%E3%82%92%E3%82%84%E3%82%81%E3%81%AA%E3%81%95%E3%81%84%E3%80%82-~%E3%80%8C%E7%97%85%E3%81%BE%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E3%80%81%E3%80%8C%E3%83%9C%E3%82%B1%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E3%80%81%E3%80%8C%E8%80%81%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E4%BD%93%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8B%E8%85%B8%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%B3%95~-%E8%97%A4%E7%94%B0-%E7%B4%98%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/4479782532
大変興味深い本です。
中糖度の食事で、死亡リスク1.3倍といっても、かなりの炭水化物食。
そもそも、基準の超高炭水化物食の
絶対値をいわないのも変。
相当高いんでしょうに!
長生きするにはどうしたらいいか?
自明のような気がします!
早死にしたいなら、糖化してもいいとも。
ほどほど高糖超高脂肪高カロリー食よりりは、超高糖食の方がたった1.3分の1だけ死亡率減りますよといわれたって、
糖化で早死にはしたくないです!
死亡率
2013/02/17(Sun) 22:50 | URL | デブ平 | 【編集
慢性肝炎に?!(ネガティブキャンペーン?)
糖質制限をしながらマラソンをしている私は、燃費が良くなったと実感。データーは正直なもので一番しんどくなる30kmあたりでも疲労感がなく、かなりの好タイムが出ています。持久力が向上したと思っています。今後も、引き続き糖質制限食事を徹底しようとしていた矢先・・・。『超一流の人の「健康」の極意』(順天堂大学医学部教授 小林弘幸/著)を読みましたところ、驚きました。なんと、炭水化物抜きだと、グリコーゲンが枯渇しているので、肝臓にかなりの負担がかかり、ひいては慢性肝炎になる!?というのです。そんなはずは・・・と、思い直すも、不安が募りました。いかがなものでしょうか。
2013/02/18(Mon) 18:07 | URL | 50歳から青春 | 【編集
Re: 興味深い本「50歳からは「炭水化物」をやめなさい。」
デブ平 さん

藤田紘一郎先生の、御著書ですね。
先生は、糖質制限食で糖尿病を克服されています。
2013/02/18(Mon) 19:42 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 慢性肝炎に?!(ネガティブキャンペーン?)
50歳から青春 さん。

私は2002年(52歳)から2013(63歳)年現在まで、スーパー糖質制限食を実践していますが、
血液検査は肝機能を含めて全て正常です。
テニスも1/週、しています。
バンドのライブも毎月しています。
月~土まで、毎日外来も担当しています。
入院患者さんも担当しています。
本も書いて、ブログも更新して、講演活動も活発です。
内臓も筋肉も普通に元気です。

糖質制限食で、高血糖が正常血糖になりますが、肝臓でアミノ酸や乳酸やグリセロールから
糖新生するので低血糖にはなりません。
血糖値が正常ですので、肝臓のグリコーゲンも筋肉のグリコーゲンも必要量は確保されています。

高強度の運動では、筋肉はブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムを使います。
そして高強度の運動をあるていど続けると筋肉中のグリコーゲンが枯渇して動けなくなります。
持久走などでは、ほとんどを脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムで賄い、最後のラストスパートのみがブドウ糖-グリコーゲンです。

日頃の糖質制限食実践で、脂肪が燃焼しやすくなっています。
それで持久走中、少々心拍数が上昇する運動レベルになっても、たっぷり備蓄してある脂肪を分解して「脂肪酸-ケトン体」を筋肉細胞のエネルギー源として使い続けますのでスタミナ充分となります。
こうして筋肉中のグリコーゲンが節約できるので、ラストスパートにグリコーゲンを使うことができるのです。

人類は、農耕前の700万年間は、狩猟採集が生業であり糖質制限食を実践していたことをお忘れなく。
2013/02/18(Mon) 20:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
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