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一見信頼できるサイトの、間違った記載について。脳、ケトン体。
こんばんは

精神科医師Aさんから、一見信頼できるサイトの間違った記載についてコメントをいただきました。

精神科医師Aさん、ありがとうございます。

信頼できそうなサイトでもこれだけ堂々と間違った情報を発信していることは驚きです。

日本の医師や栄養士が欧米のように「人間栄養学」を系統的に学ぶシステムがないことが、このような大きな弊害を生じた元凶と思います。

日本でも早急に医学部や栄養科で「人間栄養学」の教育システムを発足させることが急務と思われます。


1)京都大学糖尿病・栄養内科

京大医学部は私の出身学校ですが「体内にケトン体という有害物質」とはひどい間違いですね。

糖質を食べている人でも空腹時や睡眠時は、心筋・骨格筋・体細胞の主たるエネルギー源は、ケトン体と脂肪酸です。

このようにケトン体は全ての人類において日常的にエネルギー源として利用されており、決して有害物質ではありません。

これは生理学的事実で論争の余地はありません。


2)農畜産業振興機構

こちらもケトン体を有害な成分と断定していて、完全に間違っています。

そして糖質制限することで脂肪が燃えますが、タンパク質が減少することはありません。

すなわち糖質制限食でタンパク質が減少するというのも、間違いです。

さらに「生理的ケトーシス」と「病的ケトアシドーシス」をごっちゃにして混乱しています。


3)公益社団法人 日本栄養士会

「脳にとって唯一のエネルギー源はブドウ糖です」

これも完全な間違いです。

脳は脂肪酸の分解産物であるケトン体をいくらでもエネルギー源として利用します。

ハーパー生化学、ヒューマン・ニュートリションにも脳がケトン体を利用することは明記してあります。


4)女子栄養大学栄養科学研究所年報17巻17-30, 2011

「脳はブドウ糖しか利用できない」

この記載も完全な間違いです。

上述のように、脳はケトン体をいくらでも利用します。



江部康二


1)『そして脂肪を分解してエネルギーを取り出す結果、体内にケトン体という有害物質が多量に作り出されます。この状態(ケトーシス)は糖尿病でなくても、正常に食べ物から糖のエネルギーを摂取できない状態になると起こります【注1】。ケトーシスが発生すると血糖コントロールがさらに悪化する悪循環がおこり、その結果ケトン体の量がさらに増え、血液のpHが酸性に傾いていきます【注2】

【注1】飢餓がもっともわかりやすい例ですが、実はもっと身近に、おなかをこわして食べ物を受け付けないときや、極端なダイエットをしたときなどでも発生します

京都大学糖尿病・栄養内科
http://metab-kyoto-u.jp/to_patient/online/a005.html


2)『独立行政法人 農畜産業振興機構
「砂糖]-炭水化物との上手な付き合い方~適量摂取で肥満・やせを予防~
女子栄養大学短期部 教授 松田早苗
www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000575.html

日本人の炭水化物の摂取量は、減少傾向にある一方で、脂質の摂取量増加傾向にあることから日本人の健康障害が危惧される。

摂取不足

ダイエットのために極端に炭水化物の摂取量を減らす方がいる。良いダイエットとは、体脂肪を燃焼させ、減らすことである。炭水化物の摂取量を減らすことで、体重減少は認めるが、それは体脂肪が減少しているのではなく、体たんぱく質の減少によって体重が減少しているのである。また、脂質の燃焼に支障をきたし、体に有害な成分(ケトン体)が生成され、血液が酸性化するケトアシドーシスを招く。脂肪の燃焼には炭水化物の燃焼が不可欠で、炭水化物を充分摂取することで、炭水化物が円滑に燃焼し、脂肪も円滑に燃焼するのである。』


3)『公益社団法人 日本栄養士会
www.dietitian.or.jp/consultation/b_01.html

脳にとって唯一のエネルギー源はブドウ糖です』


4)『第20回女子栄養大学栄養科学研究所講演会(2010年11月6日)
「時間栄養学に基づく栄養素、機能性成分の摂取タイミング」
女子栄養大学副学長 香川靖雄

講演録が2011年の年報に掲載されました
〈女子栄養大学栄養科学研究所年報17巻17-30, 2011〉

P26
それでは、朝食を欠食するとどうして脳の働きが悪くなるのでしょうか。それは、血糖が下がるからです。肝臓に蓄えられている糖は、朝になったらほとんど使い切ってしまいます。朝ご飯を食べなかったら体の中にあるブドウ糖は脳に集まって代謝されます。間違ったことを言う人がいて、どんな根拠があるかわかりませんが、「脳はブドウ糖の他の栄養素も分解できる」とインターネットで堂々と言っています。それは間違いです、脳はブドウ糖しか利用できないのです』


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ゆるい糖質制限をしていますが…
江部先生、はじめまして、こんばんは。

昨年6月に糖質制限の事を知り、先生のブログと本を参考に始めました。

昨年3月の検診で、 HbA1c:6.0% 空腹時血糖値:108

朝食は以前と変わらず、砂糖を入れずホームペーカリーで焼いたものを食べてます。
昼食は、以前は麺類や寿司やおにぎり等の炭水化物ばかりだったのを、
おかずのみか、おかず+ご飯50g程度。
夕食は、おかずのみと糖質ゼロの発泡酒や赤ワイン、焼酎を1杯程度です。

甘いものが大好きで、間食にせんべい類や洋菓子、和菓子を毎日食べていたのを、
チーズとナッツに変えました。

先日1年振りの検診で、どれだけ素晴らしい結果が出るかと楽しみにしていましたが、
結果は、
HbA1c:5.8 空腹時血糖値が115でした。
(因みに午後検診の為、朝食に食パン1.5枚と紅茶を飲食)
更に、コレステロール値が基準値値オーバーになり、とても困惑しています。

食していたおかずも、先生の本を参考に、炭水化物量の少ない食材を選んでいて、
制限前と比較すると摂取量は1/3位かと思います。

体重は約半年で、45kg → 40kgになりました。

10年以上、空腹時血糖値は100~120位をウロウロ。
HbA1cは5.0から年齢と共に序々に上がって来た感じです。

私個人としては随分頑張ったのですが、ご教示戴けると助かります。
よろしくお願い致します。
2013/02/14(Thu) 00:48 | URL | lilian | 【編集
本も多いです
図書館で色々な本を読むことが多いのですが、
先生が挙げられた間違いや科学的根拠のない情報、古い情報などが氾濫しています。
特に栄養士・管理栄養士の著書に多いですね。「勘」に頼って本を書くのもどうかと思うのですが…
やはりいかに正しい目を持つかが重要なポイントのようです。
2013/02/14(Thu) 09:48 | URL | きくりん | 【編集
>糖質制限することで脂肪が燃えますが、タンパク質が減少することはありません。

カロリーが確保された「糖質制限」と確保されない「糖質制限」。
カロリーが足りない糖質制限では、体タンパクの
減少は起こりますよね。

「食費」という制限が加わると、糖質制限を無理している=頑張っている と感じる場合って、「空腹感」に耐えています と言っている場合がある様に感じます。

糖質制限でお腹いっぱいって、良く噛んで時間をかけたりとか、糖質食で身に付いた習慣と常識を変えないといけないと感じています。
2013/02/14(Thu) 11:42 | URL | ナリジン | 【編集
脳はブドウ糖しか利用できないか、ケトン体も利用できるかどうか。

一般人には、どっちでもいいのでは?
と思えてしまいます。
糖が唯一のエネルギー源だとしても、糖質制限食で、脳の活動低下という事実は無いのでしょうし、どっちでもちゃんと脳は活動できているんだから。



2013/02/14(Thu) 11:55 | URL | ナリジン | 【編集
是正
 いつも勉強させていただいています。
 ありがとうございます。

 こういった、間違った記載を是正してもらうにはどういった方法があるのでしょうか?
 
 可能なら是正してほしいと思うのですが。
2013/02/14(Thu) 12:58 | URL | しん | 【編集
ネガキャン
江部先生、皆様、こんにちは!お疲れ様です\(^ー^)/

先程、フジテレビで「糖質制限で早死にする」とネガキャンやってました~(-_-#)

久保明先生がとっても“わかりにくく”説明してくださいました。
江部先生のお声もあって、びっくり!
ちゃんと「正しい番組内容」に用いてほしいものです(怒)

BMI25以上の肥満の方、糖尿病予備軍の方、骨粗鬆症・認知症の予防‥には効く。
実行は2、3年にして、夕食のみ糖質制限にする、医師と相談。
5年以上では動脈硬化による死亡をはじめ、あらゆる死亡が多かった。2007年、2012年に確認されている。
イラストでは、対象となった“糖質制限”は、炭水化物の割合は30~40%(またか;)

一応、実行されて糖尿病を防いだパン屋さんの女性も紹介しましたが、ゲストのダイヤモンド☆ユカイ氏は「何年か前にダイエット目的でやって、貧血で倒れた」発言。これは久保先生が「それはカロリー不足だと思う」で一蹴(笑)

コメンテーターの男性が「お酒はどうなんですか?」に久保先生「お酒はエンプティカロリーと言われる位なので、それ程カロリーは気にしないで‥」と話す途中でダイヤモンド氏が「お酒より焼酎ならいいのでは」と聞き、「でも焼酎はカロリーが高いですから」??????
スタジオみんなが「あ~~(やっぱり、みたいな)」
??????

頭の悪い私は久保先生のお話がさっぱりさっぱりさっぱりわかりませんでした。

フジテレビに抗議します。

視聴率低迷でもうすぐ打ち切りの番組。くやしくて裏の「ミヤネ屋」が江部先生をゲストに糖質制限食を特集(肯定)したのを否定したいのかしら(笑)
アンチ派もここまで糖質制限が広がるとは予想外だったんでしょうね。
2013/02/14(Thu) 16:25 | URL | もんたろ | 【編集
こんにちは 先生の本を参考に糖質制限を行っています。


■炭水化物を極端に減らすことでおこる身体のイヤ〜な変化!

低炭水化物ダイエットをしていると、
「なんか話をしている友達がイヤ〜な顔している」
「彼と一緒にデートしていても距離が遠い」なんてことに! 
それはもしかして、ダイエットによる口臭。息が臭くなるのです。

これは、身体の中で炭水化物が足りなくなり、
脂肪を分解した時に“ケトン酸”というものを作り出しますが、
これが身体に様々な症状を起こしてしまうのです。
他にも、吐き気、疲労、などを引き起こし、
脱水によるめまいや電解質バランスが崩れることによる不整脈など、
重い症状になってしまうこともあるのです。

ケトン体を身体から出すためにも水をしっかりとって排泄することが必要なのです。』

http://wooris.jp/archives/11859

とあったのですが、本当でしょうか?

私自身は逆ではないかと思っています。
2013/02/14(Thu) 16:43 | URL | TORI | 【編集
Re: ゆるい糖質制限をしていますが…
lilian さん

HbA1c:5.8 空腹時血糖値が115でした。
(因みに午後検診の為、朝食に食パン1.5枚と紅茶を飲食)


空腹時血糖値は10時間以上の絶食が必要です。
食パン、1.5枚なら糖質もありますし、こんなものではないでしょうか。

HbA1c:5.8%(JDS) はコントロール良好ですし、とくに問題ないと思います。
5.8%(JDS)未満なら、コントロール優で、正常値となります。

コレステロール値に関しては、カテゴリーのコレステロールの項をご参照ください。
2013/02/14(Thu) 18:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
TORI さん

拙著の御購入ありがとうございます。

スーパー糖質制限食の初期で、血中ケトン体が生理的に高値となり、呼気中に排泄されると
甘酸っぱい臭いがすることがあります。
ケトン体の内のアセトンが甘酸っぱい臭いがするのです。
インスリン作用さえ保たれていれば、ケトン体そのものは、極めて安全性の高いものです。

しばらく経過すると、呼気中にアセトンは排泄されなくなり、アセトン臭もなくなります。

吐き気、疲労、脱水、めまい、電解質バランスの崩れ・・というようなことはありません。
そもそも、必須脂肪酸、必須アミノ酸はありますが、必須糖質はありません。
糖質制限食で、しっかり脂質・タンパク質を摂取すれば、
全身の血流・代謝が良くなり体調は良好となります。
2013/02/14(Thu) 18:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
ご教示ありがとうございます
【空腹時血糖値は10時間以上の絶食】

上記を知らなかったので安心しました。
昨年も午後検診だったので、
条件は全く同じですが、
今回、数値が芳しくなく、正直ショックでした。

長年高血糖状態だったので、同じように
長年掛けて頑張りたいと思います。

コレステロールに就いては、再度勉強したいと思います。

お忙しい先生にご教示戴きまして大変感謝しております。
ありがとうございます。
2013/02/15(Fri) 08:58 | URL | lilian | 【編集
Re: 一見信頼できるサイトの、間違った記載について
>京都大学糖尿病・栄養内科
>1)『そして脂肪を分解してエネルギーを取り出す結果、
>体内にケトン体という有害物質が多量に作り出されます

>公益社団法人 日本栄養士会
>脳はブドウ糖の他の栄養素も分解できる」と
>インターネットで堂々と言っています。それは間違いです、
>脳はブドウ糖しか利用できないのです


イラストレイテッド・ハーパー生化学 [原書 28版]のp.166には,『ケトン体は,骨格筋と心筋の主要な代謝エネルギー源であり,脳のエネルギーの必要性を部分的に満たす.』と記載されているのですが,内分泌を専門とされる京大糖尿病・栄養内科の先生方や,栄養学の専門家が,教科書すら読んでおられないのでしょうか? それともハーパー生化学の記述が誤りなのでしょうか? どちらにしても信じがたい話ですね.
2013/02/15(Fri) 17:17 | URL | しらねのぞるば | 【編集
Re: Re: 一見信頼できるサイトの、間違った記載について
しらねのぞるば さん

本当にご存知ないのか?
何らかの理由で、わざと嘘をついているのか???

いずれにせよ、驚きの間違った記述ですね。
2013/02/15(Fri) 17:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
はじめまして
今日初めてこのサイトを発見しました。
私は59歳の男性、境界型糖尿病です。
今まで糖尿病についてネットで勉強してきましたが、常識と思っていたことが、ここでは覆されてビックリしております。
今までの生活で困った事の原因の多くが糖に関係しているのではないかと感じております。
不安感、記憶力、性格にも影響がありそうですね。
早速本の予約をしました。
2013/06/21(Fri) 17:11 | URL | ほうば | 【編集
Re: はじめまして
ほうば さん

拙著のご予約、ありがとうございます。
私自身も2型糖尿病で、2002年からずっとスーパー糖質制限食を実践しています。
拙著がお役にたてば幸いです。
2013/06/22(Sat) 17:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
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