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糖尿病腎症と尿中微量アルブミン、血清シスタチンC
おはようございます。

糖尿病腎症と尿中微量アルブミン、血清シスタチンCについて、わんわんさんから、コメント・質問をいただきました。

【13/02/02 わんわん

合併症を防ぐために

私は、昨年6月にA1c14.0で眼科を受診したところ、緑内障になりやすい眼をしているといわれ 両目とも虹彩光凝固手術をしました。両目で自己負担5万円でした。

ところで江部先生、腎機能のチェックなのですが

『糖尿病性腎症かどうか検査ではわからない時期、糖尿病の人は3ヶ月に1回は微量アルブミン尿の検査を受  けることが奨められます』

ということなので、一度もチェックしていないので、先日主治医に話したのですが、現在、糖質制限してA1c5.1 (JDS)ですが、医師に「血糖値がいいから必要ないでしょう」と言われました。

それでいいのかなと思っています。

また、微量アルブミンを調べるより、いきなり血清シスタチンCをチェックするやり方があるのでしょうか。】


わんわん さん

「昨年6月にA1c14.0」ということであれば、現在HbA1c5.1%(JDS)でも、尿中微量アルブミンの検査をする意味はあると思います。

それにしても、半年くらいで
HbA1c:14.0%→5.1%
とは、まことに素晴らしい改善ですね。

糖尿病腎症

第1期(腎症前期)
第2期(早期腎症期)
第3期A(顕性腎症前期)
第3期B(顕性腎症後期)
第4期(腎不全期)
第5期(透析療法期)


糖尿病腎症には、上記のような段階があります。

尿中微量アルブミンの検査は、糖尿病腎症第2期の診断のためです。

通常の尿蛋白検査が陰性で、尿中微量アルブミンが陽性である段階が第2期(早期腎症期)です。

蛋白尿が陽性になれば、第3期です。

血清クレアチニン値が基準値を超えてくれば第4期(腎不全期)です。

そして、血清クレアチン値が基準値を超えてくるのは、あるていど腎機能が低下してからなので、早期チェックが困難です。

この点、血清シスタチンCの検査は、クレアチニン値が基準値内の早期で発見できるので、大変有用と考えられています。

このように、尿中微量アルブミン検査と血清シスタチンC検査の意義は異なっています。

私は、糖尿人には、1回/3~6ヶ月、尿中微量アルブミン検査と血清シスタチンC検査をすることが多いです。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
先生、丁寧にありがとうございます
 ちなみに
尿中微量アルブミン検査と血清シスタチンC検査は、分析を外部の検査機関に委託するもので、内科ならどこでもやれるものですか?
2013/02/03(Sun) 11:36 | URL | わんわん | 【編集
Re: 先生、丁寧にありがとうございます
わんわん さん

江部診療所では外部の検査機関に委託しています。

高雄病院では、内部の検査質で行います。

内科ならどこでも、できます。
2013/02/03(Sun) 11:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
先生、確認ですが
「ごく軽症の慢性腎炎は、血液検査はシスタチンCもクレアチニンも全くの正常で、微量アルブミンのみ陽性の段階があります」

 シスタチンCより、微量アルブミン検査のほうが早期の腎症を発見できるということで良いでしょうか?
2013/02/06(Wed) 18:32 | URL | わんわん | 【編集
Re: 先生、確認ですが
わんわん さん

その通りですが、
「腎炎」ではなく「糖尿病腎症」の検査です。

尿中微量アルブミン検査は、糖尿病腎症第2期になっているかどうかのチェックをします。

シスタチンCとクレアチニンは、糖尿病腎症第第4期か否かをチェックします。
その中で、シスタチンCのほうがクレアチニンより早期に、第4期をチェックできます。
2013/02/06(Wed) 22:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
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