2013年01月28日 (月)
こんにちは
朝日新聞に、「糖質制限ダイエット、長期は危険?」という以下の記事が載りましたので、解説及び反論します。
『糖質制限ダイエット、長期は危険? 死亡率高まる恐れ
朝日新聞デジタル 1月27日(日)11時59分配信
【桜井林太郎】ご飯やパンなどの糖質を控える「糖質制限食(ダイエット)」を5年以上続けると、死亡率が高くなるかもしれないとする解析結果を、国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科の能登洋医長らが26日、米科学誌プロスワンで発表した。死亡率が高まる理由はよく分かっていない。
糖質制限食は「低炭水化物ダイエット」などとも呼ばれ、短期的には減量や血糖値の改善につながるという報告が出ているが、長く続けても安全かははっきりしていない。能登さんらは昨年9月12日までに発表された糖質制限食に関する492の医学論文から動物実験などを除き、人間での経過を5年以上追跡して死亡率などを調べた海外9論文を分析した。
対象は、とくに病気がない地域住民や医療スタッフら計約27万人。摂取した総カロリーに占める糖質の割合に応じて10のグループに分けた。』
この朝日新聞記事の、能登洋医長の論文は、中糖質群(糖質30~40%)と高糖質群(糖質60~70%)の比較研究です。
従いまして、スーパー糖質制限食(糖質12%)とは、何の関係もない論文です。
第47回日本成人病(生活習慣病)学会での能登先生の発表に関する日経メディカルの記事が、下記の緑字の文章です。朝日新聞よりかなり詳しいのでこちらも掲載します。
4コホート研究(6サブグループ)のメタアナリシス。
糖質の割合を高い(60~70%)群に対する低い(30~40%)群のリスク比。
メタアナリシスの、対象者は27万2216人(女性66%、追跡期間5~26年)。
総死亡数は1万5981人。
糖質の割合が低い(30~40%)群と高い(60~70%)群を比較した結果、
総死亡リスクは低糖質群で31%、有意に増加した。
結局、このメタアナリシスは、高糖質群(60~70%)と中糖質群(30~40%)の比較であり、糖質制限食(糖質12%)の群はどこにも登場しません。
中糖質群で、例えば2000kcal/日摂取したら、糖質は150~200g/日
1回の食事の糖質量は50~66gであり、追加インスリンの大量分泌が生じます。食後高血糖も生じます。
インスリンの過剰分泌に発ガンリスク、動脈硬化リスクがあることには、多くのエビデンスがあります。
そして食後高血糖にも発ガンリスク、動脈硬化リスクのエビデンスがあります。
すなわち中糖質食では、発ガンリスクや動脈硬化リスクは減らせないということが言えます。
スーパー糖質制限食(糖質12%)なら、インスリン過剰分泌と食後高血糖という明確な発ガンリスクと動脈硬化リスクが、ほとんど生じないという大きな利点があります。
結論としては中糖質群(30~40%)は高糖質群(60~70%)と比べて、総死亡率が優位に増加したという研究です。
中糖質群(30~40%)では、「インスリン過剰分泌」「食後高血糖」という発ガンリスク、動脈硬化リスクがあり、
そこに結果としてさらに高脂肪・高タンパク食を摂取するパターンは、総死亡率が上昇する可能性があるということになるでしょうか?
Drカルピンチョのご意見では、
『「中糖質食(30~40%)+高脂肪食」のパターンは「異所性脂肪沈着」を容易に生じて、それが総死亡率を上げる』とのことです。
http://低糖質.com/review/cat31/post_150.html
なかなか説得力のある仮説ですね。
こうなると、緩い糖質制限食(中糖質食)実践時には、脂肪の取り過ぎに注意が必要かもしれませんね。
スーパー糖質制限食なら、そのような心配はまったく無用です。
江部康二
【2013. 1. 15
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/201301/528564.html
第47回日本成人病(生活習慣病)学会より
糖質制限食の長期的効用は認められず
メタ解析の結果、総死亡リスク増加の懸念も
井田恭子=日経メディカル
関連ジャンル: 食事・栄養 糖尿病
糖質制限食について長期的な効用は認めず、むしろ死亡リスクが有意に増加する。こんなメタアナリシスの結果を1月12日、国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科医長の能登洋氏が第47回日本成人病(生活習慣病)学会で発表した。
近年、減量法や糖尿病治療として炭水化物の摂取量を減らす糖質制限食が注目されている。数週間~数年間の減量や動脈硬化リスクファクター改善の有効性が示唆されているものの、長期的なアウトカムや安全性については明らかになっていない。能登氏らは、MedLine、EMBASEなどの検索エンジンを用いて、“low-carbohydrate diet”や“carbohydrate-restricted diet”などのキーワードで関連する研究を選択し、メタアナリシスを行った。
図1 低糖質群の総死亡リスク (能登氏発表資料より) 4コホート研究(6サブグループ)のメタアナリシスの結果。糖質の割合をLCスコアでスコア化し、高い(60~70%)群に対する低い(30~40%)群のリスク比を求めた。*画像クリックで拡大します。
メタアナリシスの対象として選択された論文は全9件で、対象者は27万2216人(女性66%、追跡期間5~26年)。総死亡数は1万5981人だった。
総カロリーに占める糖質の割合をスコア化し(low-carbohydrate score;LCスコア)、糖質の割合が低い(30~40%)群と高い(60~70%)群を比較した結果、総死亡リスクは低糖質群で31%、有意に増加した(調整リスク比の95%信頼区間は1.07-1.59、図1)。「低糖質・高蛋白質」群と「高糖質・低蛋白質」群を比較した結果(LC/HPスコア)でも、前者で総死亡リスクは22%、有意に増加(同1.02-1.46)。糖質制限食による長期的な効用は認めなかった。
心血管疾患死については低糖質群で10%増加したが、有意差は認めなかった(同0.98-1.24)。また、心血管疾患発症リスクはLCスコアでの検討では有意差はなく、LC/HPスコアで検討していた1文献では有意差を認めていた。
結果について能登氏は、「糖質制限食をし好する人は、脂肪や動物性蛋白質の摂取量が高値となる傾向にあり、総死亡の増加への関与が想定される」と話した。ただし、「今回の検討では糖質の特徴や蛋白質源などの影響は加味されていない。これらの解析を含む長期介入研究が必要だ」とした。
今回検討した論文は、いずれも一般人や医療者を対象にした試験であり、糖尿病患者への影響は不明だ。糖尿病患者の中には医師に告げずに糖質制限食を実践し、血糖コントロールに影響を及ぼしているケースもある。能登氏は「今回の検討結果から糖質制限食に対して賛成・反対は言い切れない。しかし、薬物治療を行っている患者では低血糖リスクも鑑み、バランスよく食事を摂取することの大切さを伝える必要があるのではないか」と話している。】
朝日新聞に、「糖質制限ダイエット、長期は危険?」という以下の記事が載りましたので、解説及び反論します。
『糖質制限ダイエット、長期は危険? 死亡率高まる恐れ
朝日新聞デジタル 1月27日(日)11時59分配信
【桜井林太郎】ご飯やパンなどの糖質を控える「糖質制限食(ダイエット)」を5年以上続けると、死亡率が高くなるかもしれないとする解析結果を、国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科の能登洋医長らが26日、米科学誌プロスワンで発表した。死亡率が高まる理由はよく分かっていない。
糖質制限食は「低炭水化物ダイエット」などとも呼ばれ、短期的には減量や血糖値の改善につながるという報告が出ているが、長く続けても安全かははっきりしていない。能登さんらは昨年9月12日までに発表された糖質制限食に関する492の医学論文から動物実験などを除き、人間での経過を5年以上追跡して死亡率などを調べた海外9論文を分析した。
対象は、とくに病気がない地域住民や医療スタッフら計約27万人。摂取した総カロリーに占める糖質の割合に応じて10のグループに分けた。』
この朝日新聞記事の、能登洋医長の論文は、中糖質群(糖質30~40%)と高糖質群(糖質60~70%)の比較研究です。
従いまして、スーパー糖質制限食(糖質12%)とは、何の関係もない論文です。
第47回日本成人病(生活習慣病)学会での能登先生の発表に関する日経メディカルの記事が、下記の緑字の文章です。朝日新聞よりかなり詳しいのでこちらも掲載します。
4コホート研究(6サブグループ)のメタアナリシス。
糖質の割合を高い(60~70%)群に対する低い(30~40%)群のリスク比。
メタアナリシスの、対象者は27万2216人(女性66%、追跡期間5~26年)。
総死亡数は1万5981人。
糖質の割合が低い(30~40%)群と高い(60~70%)群を比較した結果、
総死亡リスクは低糖質群で31%、有意に増加した。
結局、このメタアナリシスは、高糖質群(60~70%)と中糖質群(30~40%)の比較であり、糖質制限食(糖質12%)の群はどこにも登場しません。
中糖質群で、例えば2000kcal/日摂取したら、糖質は150~200g/日
1回の食事の糖質量は50~66gであり、追加インスリンの大量分泌が生じます。食後高血糖も生じます。
インスリンの過剰分泌に発ガンリスク、動脈硬化リスクがあることには、多くのエビデンスがあります。
そして食後高血糖にも発ガンリスク、動脈硬化リスクのエビデンスがあります。
すなわち中糖質食では、発ガンリスクや動脈硬化リスクは減らせないということが言えます。
スーパー糖質制限食(糖質12%)なら、インスリン過剰分泌と食後高血糖という明確な発ガンリスクと動脈硬化リスクが、ほとんど生じないという大きな利点があります。
結論としては中糖質群(30~40%)は高糖質群(60~70%)と比べて、総死亡率が優位に増加したという研究です。
中糖質群(30~40%)では、「インスリン過剰分泌」「食後高血糖」という発ガンリスク、動脈硬化リスクがあり、
そこに結果としてさらに高脂肪・高タンパク食を摂取するパターンは、総死亡率が上昇する可能性があるということになるでしょうか?
Drカルピンチョのご意見では、
『「中糖質食(30~40%)+高脂肪食」のパターンは「異所性脂肪沈着」を容易に生じて、それが総死亡率を上げる』とのことです。
http://低糖質.com/review/cat31/post_150.html
なかなか説得力のある仮説ですね。
こうなると、緩い糖質制限食(中糖質食)実践時には、脂肪の取り過ぎに注意が必要かもしれませんね。
スーパー糖質制限食なら、そのような心配はまったく無用です。
江部康二
【2013. 1. 15
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/201301/528564.html
第47回日本成人病(生活習慣病)学会より
糖質制限食の長期的効用は認められず
メタ解析の結果、総死亡リスク増加の懸念も
井田恭子=日経メディカル
関連ジャンル: 食事・栄養 糖尿病
糖質制限食について長期的な効用は認めず、むしろ死亡リスクが有意に増加する。こんなメタアナリシスの結果を1月12日、国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科医長の能登洋氏が第47回日本成人病(生活習慣病)学会で発表した。
近年、減量法や糖尿病治療として炭水化物の摂取量を減らす糖質制限食が注目されている。数週間~数年間の減量や動脈硬化リスクファクター改善の有効性が示唆されているものの、長期的なアウトカムや安全性については明らかになっていない。能登氏らは、MedLine、EMBASEなどの検索エンジンを用いて、“low-carbohydrate diet”や“carbohydrate-restricted diet”などのキーワードで関連する研究を選択し、メタアナリシスを行った。
図1 低糖質群の総死亡リスク (能登氏発表資料より) 4コホート研究(6サブグループ)のメタアナリシスの結果。糖質の割合をLCスコアでスコア化し、高い(60~70%)群に対する低い(30~40%)群のリスク比を求めた。*画像クリックで拡大します。
メタアナリシスの対象として選択された論文は全9件で、対象者は27万2216人(女性66%、追跡期間5~26年)。総死亡数は1万5981人だった。
総カロリーに占める糖質の割合をスコア化し(low-carbohydrate score;LCスコア)、糖質の割合が低い(30~40%)群と高い(60~70%)群を比較した結果、総死亡リスクは低糖質群で31%、有意に増加した(調整リスク比の95%信頼区間は1.07-1.59、図1)。「低糖質・高蛋白質」群と「高糖質・低蛋白質」群を比較した結果(LC/HPスコア)でも、前者で総死亡リスクは22%、有意に増加(同1.02-1.46)。糖質制限食による長期的な効用は認めなかった。
心血管疾患死については低糖質群で10%増加したが、有意差は認めなかった(同0.98-1.24)。また、心血管疾患発症リスクはLCスコアでの検討では有意差はなく、LC/HPスコアで検討していた1文献では有意差を認めていた。
結果について能登氏は、「糖質制限食をし好する人は、脂肪や動物性蛋白質の摂取量が高値となる傾向にあり、総死亡の増加への関与が想定される」と話した。ただし、「今回の検討では糖質の特徴や蛋白質源などの影響は加味されていない。これらの解析を含む長期介入研究が必要だ」とした。
今回検討した論文は、いずれも一般人や医療者を対象にした試験であり、糖尿病患者への影響は不明だ。糖尿病患者の中には医師に告げずに糖質制限食を実践し、血糖コントロールに影響を及ぼしているケースもある。能登氏は「今回の検討結果から糖質制限食に対して賛成・反対は言い切れない。しかし、薬物治療を行っている患者では低血糖リスクも鑑み、バランスよく食事を摂取することの大切さを伝える必要があるのではないか」と話している。】
すっきりしました。
東大&朝日の、ネガティブキャンペーンを
バッサリ!
東大&朝日の、ネガティブキャンペーンを
バッサリ!
2013/01/28(Mon) 18:59 | URL | 北九州 三島 | 【編集】
こんばんわ。
この記事の「中糖質群の方が高糖質群よりもリスクが高いかも?」というのはちょっと意外な感じでした。緩い糖質制限食では高脂肪・高蛋白になり易い傾向がありそうだというのもなんとなく頷けます。
すると糖尿人にとっての安全な選択はスーパー糖質制限食という事になりそうですが、この理解でただしいでしょうか?
この記事の「中糖質群の方が高糖質群よりもリスクが高いかも?」というのはちょっと意外な感じでした。緩い糖質制限食では高脂肪・高蛋白になり易い傾向がありそうだというのもなんとなく頷けます。
すると糖尿人にとっての安全な選択はスーパー糖質制限食という事になりそうですが、この理解でただしいでしょうか?
2013/01/28(Mon) 20:39 | URL | 大虎猫 | 【編集】
北九州 三島 さん
ありがとうございます。
ありがとうございます。
2013/01/28(Mon) 21:54 | URL | ドクター江部 | 【編集】
大虎猫 さん
Drカルピンチョも仰っておられるように、「糖質+高脂肪」が良くない可能性があります。
高糖質食の場合、高脂肪にはなりません。
中糖質食が、「糖質+高脂肪」のパターンになりやすいです。
「糖尿人にとっての安全な選択はスーパー糖質制限食」
その通りと思います。
Drカルピンチョも仰っておられるように、「糖質+高脂肪」が良くない可能性があります。
高糖質食の場合、高脂肪にはなりません。
中糖質食が、「糖質+高脂肪」のパターンになりやすいです。
「糖尿人にとっての安全な選択はスーパー糖質制限食」
その通りと思います。
2013/01/28(Mon) 21:58 | URL | ドクター江部 | 【編集】
初めてコメントさせていただきます。
私は8年程前に過食症になり、今のところ幸い、糖尿病は患ってはいませんが、どうしても食生活の改善が必要になり、なかなか思うようにはいきませんが、糖質制限を始めました。
ですが、元々の体質なのか、昔からコレステロールが高めで、先日 内科で血液検査をしたところ、総コレステロールが半年前と比べて
『186』→『244』
と上がってしまい、玉子や油っこいものは控えるようにと言われてしまいました。
糖質制限を始めたのは二ヶ月前で、間に時々 過食してしまったりがあったので、糖質制限食のせいではないと思いますが、このまま続けていいのか大変不安です。
きっちり糖質制限できていない場合は、逆に糖質制限食は身体に悪影響になってしまうのでしょうか?
ちなみに年齢26才の女性です。
よろしくお願い致します。
私は8年程前に過食症になり、今のところ幸い、糖尿病は患ってはいませんが、どうしても食生活の改善が必要になり、なかなか思うようにはいきませんが、糖質制限を始めました。
ですが、元々の体質なのか、昔からコレステロールが高めで、先日 内科で血液検査をしたところ、総コレステロールが半年前と比べて
『186』→『244』
と上がってしまい、玉子や油っこいものは控えるようにと言われてしまいました。
糖質制限を始めたのは二ヶ月前で、間に時々 過食してしまったりがあったので、糖質制限食のせいではないと思いますが、このまま続けていいのか大変不安です。
きっちり糖質制限できていない場合は、逆に糖質制限食は身体に悪影響になってしまうのでしょうか?
ちなみに年齢26才の女性です。
よろしくお願い致します。
2013/01/28(Mon) 22:50 | URL | さとこ | 【編集】
ブログ・本でいつも勉強させてもらってます。
2011年1月に父親(現在70歳)が小脳梗塞で倒れ、幸い後遺症はありませんでした。発症前の生活では喫煙や飲酒はせず、運動不足もなく、食事は朝に菓子パンとバナナ、昼夕は糖質の多い一般的な和食でした。最初の病院では高血圧症、高血圧による心肥大、脂質異常症と判断され、ディオバン、リピトール、バイアスピリンなどを服用し、卵や肉などコレステロールの多い食品を控えた食事をするようにと指導を受けました。通院の間は、息切れ、疲れやすさ、筋肉痛、めまいなど体調不良に悩まされ、2012年9月に転院しました。脳梗塞の再発予防には食生活からの改善が必要だと思い、現在の病院では薬をまったく飲まずにスーパー糖質制限食で治療をしてもらっています。ただし病院の先生は糖質制限に理解のある方ですが、脂質異常症や脳梗塞の再発予防には糖質制限食は向かないと最初に釘を刺されました。2012年10月から糖質制限を開始して2013年1月の検査結果でLDLが少し高くでたことで中糖質食に変えてバイアスピリンだけは飲むようにと強くいわれました。糖質制限を初めて体調も良好で再発の兆候もなく生活できているので、家族としては発症前の食生活に近づけることに抵抗があります。高糖質食に戻せば血管内皮が傷つきバイアスピリンの効果がかえって脳出血などの疾患につながるのではと危惧しています。江部先生は糖質制限が動脈硬化の予防につながるとおっしゃっていますが、脳梗塞の再発予防にも効果があるとお考えでしょうか。お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いします。
2011/1 2012/6 2012/10 2013/1
発症時 薬服用中 糖質制限 現在
AST 25 20 23 25
ALT 29 17 19 18
ALP 254 420 300 247
LD 141 146 166 148
γGT 40 - 18 21
LDL 186 59 108 159
HDL 54 41 56 70
TG 128 220 62 48
尿素窒素 18.8 19.2 23.5 26.5
クレアチニン 0.94 0.93 0.79 0.81
尿酸 5.5 - 5.5 5.6
血糖 - 103 86 86
HA1c - - 5.5 5.4
白血球 53 48 45 38
赤血球 591 467 503 523
Hb量 17.8 13.9 14.7 15.6
血小板 23.7 22.4 23.3 22.1
血圧 160/90 108/69 116/76 105/64
体重 68 68 64 58
身長 163 - - -
2011年1月に父親(現在70歳)が小脳梗塞で倒れ、幸い後遺症はありませんでした。発症前の生活では喫煙や飲酒はせず、運動不足もなく、食事は朝に菓子パンとバナナ、昼夕は糖質の多い一般的な和食でした。最初の病院では高血圧症、高血圧による心肥大、脂質異常症と判断され、ディオバン、リピトール、バイアスピリンなどを服用し、卵や肉などコレステロールの多い食品を控えた食事をするようにと指導を受けました。通院の間は、息切れ、疲れやすさ、筋肉痛、めまいなど体調不良に悩まされ、2012年9月に転院しました。脳梗塞の再発予防には食生活からの改善が必要だと思い、現在の病院では薬をまったく飲まずにスーパー糖質制限食で治療をしてもらっています。ただし病院の先生は糖質制限に理解のある方ですが、脂質異常症や脳梗塞の再発予防には糖質制限食は向かないと最初に釘を刺されました。2012年10月から糖質制限を開始して2013年1月の検査結果でLDLが少し高くでたことで中糖質食に変えてバイアスピリンだけは飲むようにと強くいわれました。糖質制限を初めて体調も良好で再発の兆候もなく生活できているので、家族としては発症前の食生活に近づけることに抵抗があります。高糖質食に戻せば血管内皮が傷つきバイアスピリンの効果がかえって脳出血などの疾患につながるのではと危惧しています。江部先生は糖質制限が動脈硬化の予防につながるとおっしゃっていますが、脳梗塞の再発予防にも効果があるとお考えでしょうか。お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いします。
2011/1 2012/6 2012/10 2013/1
発症時 薬服用中 糖質制限 現在
AST 25 20 23 25
ALT 29 17 19 18
ALP 254 420 300 247
LD 141 146 166 148
γGT 40 - 18 21
LDL 186 59 108 159
HDL 54 41 56 70
TG 128 220 62 48
尿素窒素 18.8 19.2 23.5 26.5
クレアチニン 0.94 0.93 0.79 0.81
尿酸 5.5 - 5.5 5.6
血糖 - 103 86 86
HA1c - - 5.5 5.4
白血球 53 48 45 38
赤血球 591 467 503 523
Hb量 17.8 13.9 14.7 15.6
血小板 23.7 22.4 23.3 22.1
血圧 160/90 108/69 116/76 105/64
体重 68 68 64 58
身長 163 - - -
2013/01/29(Tue) 00:26 | URL | 息子 | 【編集】
さとこ さん
現在、総コレステロール値は、日本動脈硬化学会のガイドラインから、外れています。
HDLコレステロール、LDLコレステロールで、診断されます。
糖質制限食でHDLコレステロールは増加します。
LDLコレステロールは、不変、低下、増加と3パターンあります。
増加した場合も、半年から2年くらいで基準値に戻ることがほとんどです。
本ブログ表紙、カテゴリーのコレステロールの項を参考にしてください。
「一定量以上の糖質(中糖質食)+高脂肪」が総死亡率を上げている可能性があります
現在、総コレステロール値は、日本動脈硬化学会のガイドラインから、外れています。
HDLコレステロール、LDLコレステロールで、診断されます。
糖質制限食でHDLコレステロールは増加します。
LDLコレステロールは、不変、低下、増加と3パターンあります。
増加した場合も、半年から2年くらいで基準値に戻ることがほとんどです。
本ブログ表紙、カテゴリーのコレステロールの項を参考にしてください。
「一定量以上の糖質(中糖質食)+高脂肪」が総死亡率を上げている可能性があります
2013/01/29(Tue) 08:24 | URL | ドクター江部 | 【編集】
息子 さん
伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)だった頃のイヌイットに、
脳梗塞・心筋梗塞はまれでした。
スーパー糖質制限食で、全身の血流・代謝がよくなるので、理論的には梗塞予防につながると思います。
スーパー糖質制限食で、HDLコレステロールが著明に増加し、中性脂肪が改善しています。
LDLコレステロールが増加していますが、半年~2年くらいで基準値になることが多いです。
伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)だった頃のイヌイットに、
脳梗塞・心筋梗塞はまれでした。
スーパー糖質制限食で、全身の血流・代謝がよくなるので、理論的には梗塞予防につながると思います。
スーパー糖質制限食で、HDLコレステロールが著明に増加し、中性脂肪が改善しています。
LDLコレステロールが増加していますが、半年~2年くらいで基準値になることが多いです。
2013/01/29(Tue) 08:31 | URL | ドクター江部 | 【編集】
初めまして今月から糖質制限を始めて先日は、本も数冊購入し読ませていただいているところです。
元々 重度の肥満と総コレステロールが高くお医者様にも注意を受けていたのですが、2度の出産子育てに日々追われて自分の身体のことは後回しにしてきました。
去年24キロ減量したものの リバウンドし人生最高値を叩き出してしまいまして
そろそろ自分の身体と向き合おうと決心した次第です。
そこで、江部先生の診察を受けれないかと思ったのですが、当方大阪に住んでいまして子供も小さいため現時点で京都まで出向くの難しそうです。
よろしければ、大阪 堺市方面で糖質制限の指導をしてくださる病院がありましたら教えて頂けませんでしょうか?
元々 重度の肥満と総コレステロールが高くお医者様にも注意を受けていたのですが、2度の出産子育てに日々追われて自分の身体のことは後回しにしてきました。
去年24キロ減量したものの リバウンドし人生最高値を叩き出してしまいまして
そろそろ自分の身体と向き合おうと決心した次第です。
そこで、江部先生の診察を受けれないかと思ったのですが、当方大阪に住んでいまして子供も小さいため現時点で京都まで出向くの難しそうです。
よろしければ、大阪 堺市方面で糖質制限の指導をしてくださる病院がありましたら教えて頂けませんでしょうか?
2013/01/29(Tue) 14:33 | URL | ひまま | 【編集】
ひまま さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
蛭間先生とご相談ください。
蛭間医院 蛭間正人先生
大阪市住之江区安立4-1-12
電話:06-6673-3031
拙著のご購入、ありがとうございます。
蛭間先生とご相談ください。
蛭間医院 蛭間正人先生
大阪市住之江区安立4-1-12
電話:06-6673-3031
2013/01/29(Tue) 15:38 | URL | ドクター江部 | 【編集】
今回の研究結果はややショッキングでした。
脂肪の摂取は心血管疾患などのリスクにはならないという認識でしたし、糖尿人でない場合は糖質の摂取はスタンダード糖質制限食やプチ糖質制限食でも、生活習慣病予防に効果があると信じていたからです。
スーパー糖質制限食は今回の調査結果とは関係ないことはわかりましたが、緩やかなプチやスタンダード糖質制限を実践する際にはカロリーを補う意味での脂肪摂取が心血管疾患等のリスクになり得るという考えでよろしいでしょうか?
脂肪の摂取は心血管疾患などのリスクにはならないという認識でしたし、糖尿人でない場合は糖質の摂取はスタンダード糖質制限食やプチ糖質制限食でも、生活習慣病予防に効果があると信じていたからです。
スーパー糖質制限食は今回の調査結果とは関係ないことはわかりましたが、緩やかなプチやスタンダード糖質制限を実践する際にはカロリーを補う意味での脂肪摂取が心血管疾患等のリスクになり得るという考えでよろしいでしょうか?
2013/01/29(Tue) 20:54 | URL | take | 【編集】
福岡のホテルニューオータニで、低糖質を提供しております。
地元TVで、「伝道師」として、認知されております。
私自身、18kg痩せた生き証人です。
江部先生の反論を見て、正当性を再度確認できました。
ただ、「プチでもいいんですよ!、月1キロ痩せますから!」と、言っていたのですが、中途半端はあまり良くないと言う話。
アメリカでも2年を限度に、治療に取り入れている。と聞きますが、啓蒙の際は「限度」を言わなきゃいけないのかなあ?と思ってしまいます。
地元TVで、「伝道師」として、認知されております。
私自身、18kg痩せた生き証人です。
江部先生の反論を見て、正当性を再度確認できました。
ただ、「プチでもいいんですよ!、月1キロ痩せますから!」と、言っていたのですが、中途半端はあまり良くないと言う話。
アメリカでも2年を限度に、治療に取り入れている。と聞きますが、啓蒙の際は「限度」を言わなきゃいけないのかなあ?と思ってしまいます。
こんにちは。
いつも拝見しております。
こうしたコメントに関して反論をするためには、糖質制限食(炭水化物12%)を実施している人々を被験者とした大規模研究が欲しいところですが、
もし、そうした研究を行うとした場合には、どうした実験設定が考えられるか、ご意見を伺いたいのですが。
たとえば、2型糖尿病の人を被験者として、
毎日の糖質摂取量(+摂取熱量)を記録してもらい
定期的な検査指標(HA1cなど)の経過を記録
それによって糖質制限食の有効性を評価することが出来るのではないかと考えるのですが、
その場合で足りない部分や注意点などとしてどういったものが考えられるでしょう。
思考実験に近いのですが、
公平に評価できるだろう、という実験系をお教え頂けないでしょうか。
よろしくお願いします
いつも拝見しております。
こうしたコメントに関して反論をするためには、糖質制限食(炭水化物12%)を実施している人々を被験者とした大規模研究が欲しいところですが、
もし、そうした研究を行うとした場合には、どうした実験設定が考えられるか、ご意見を伺いたいのですが。
たとえば、2型糖尿病の人を被験者として、
毎日の糖質摂取量(+摂取熱量)を記録してもらい
定期的な検査指標(HA1cなど)の経過を記録
それによって糖質制限食の有効性を評価することが出来るのではないかと考えるのですが、
その場合で足りない部分や注意点などとしてどういったものが考えられるでしょう。
思考実験に近いのですが、
公平に評価できるだろう、という実験系をお教え頂けないでしょうか。
よろしくお願いします
2013/01/30(Wed) 11:00 | URL | りーべ | 【編集】
先生の著書に出会いもうすぐ2年が参ります。
糖質制限は短命記事に え?
でした。
最近も糖質制限完全レシピを購入して、豆腐に満足しています。
予備軍だったのが、れっきとした糖尿と言われて早2年。とはいえ完全に糖質を制限できずにいました。毎月検査に行くものの、道は遠かったですが、3ヶ月前あたりから血糖値が大きく上がらないようになり・・・・
あんこの夢さえみたのに、我慢出来ています。
中性脂肪がなんと1/10になり、
先生の新しいブログ記事を拝見し、よかったって思っています。
ところで質問させて戴きたいのですが、トマトジュースには大量に糖分があります。
冬場は生トマトが美味しくないのでたまにですが
ほぼ1㍑、開けたらもったいないから1日掛けて
飲んでしまっています。
このジュースの糖質は 野菜だからって安心していいのでしょうか?
夏は畑で取れるので主食に出来るほど食べるのですが・・
宜しくご指導下さい。
糖質制限は短命記事に え?
でした。
最近も糖質制限完全レシピを購入して、豆腐に満足しています。
予備軍だったのが、れっきとした糖尿と言われて早2年。とはいえ完全に糖質を制限できずにいました。毎月検査に行くものの、道は遠かったですが、3ヶ月前あたりから血糖値が大きく上がらないようになり・・・・
あんこの夢さえみたのに、我慢出来ています。
中性脂肪がなんと1/10になり、
先生の新しいブログ記事を拝見し、よかったって思っています。
ところで質問させて戴きたいのですが、トマトジュースには大量に糖分があります。
冬場は生トマトが美味しくないのでたまにですが
ほぼ1㍑、開けたらもったいないから1日掛けて
飲んでしまっています。
このジュースの糖質は 野菜だからって安心していいのでしょうか?
夏は畑で取れるので主食に出来るほど食べるのですが・・
宜しくご指導下さい。
りーべ さん
RCT研究論文しかないと思います。
3つほど糖質制限食優位という信頼度の高い論文があります。
RCT研究論文しかないと思います。
3つほど糖質制限食優位という信頼度の高い論文があります。
2013/01/30(Wed) 13:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
はる さん
1回の食事の糖質摂取量を、10~20g以下とするのが、スーパー糖質制限食です。
1回の間食なら糖質摂取量を5gくらいとします。
トマトジュースもその範囲で摂取するとよいと思います。
1回の食事の糖質摂取量を、10~20g以下とするのが、スーパー糖質制限食です。
1回の間食なら糖質摂取量を5gくらいとします。
トマトジュースもその範囲で摂取するとよいと思います。
2013/01/30(Wed) 13:54 | URL | ドクター江部 | 【編集】
自己責任でやればいいと思います。
この記事のデータも信頼度が問題です。だいたい毎日同じものを食べるわけではなく、こういう研究は無理があります。
私は糖質制限で、アレルギー体質が明らかに改善し、血糖値も正常化しました。
この記事のデータも信頼度が問題です。だいたい毎日同じものを食べるわけではなく、こういう研究は無理があります。
私は糖質制限で、アレルギー体質が明らかに改善し、血糖値も正常化しました。
2013/01/30(Wed) 15:23 | URL | 糖質制限万歳 | 【編集】
*Small Dense LDL-C 高値は心血管疾患発症の予測因子
http://www.epi-c.jp/entry/e016_0_0051.html
今後、糖質制限食と sd-LDL-C との関係が研究されるべきでしょう
http://www.epi-c.jp/entry/e016_0_0051.html
今後、糖質制限食と sd-LDL-C との関係が研究されるべきでしょう
2013/01/30(Wed) 21:01 | URL | 精神科医師A | 【編集】
精神科医師A さん
小粒子LDL-Cと酸化LDL-Cが、真の悪玉のようですね。
小粒子LDL-Cと酸化LDL-Cが、真の悪玉のようですね。
2013/01/31(Thu) 13:55 | URL | ドクター江部 | 【編集】
プチ・スタンダードで糖質制限するときに、一食あたり50g以上の中糖質食になるのは良くない。そもそも、それではプチにもスタンダードにもならない。一食あたり、糖質20g以下で糖質制限をするのが望ましいということだと思いますよ。糖質制限する一食あたりの糖質を、12%以下にする。
主食を抜いても、糖質の多いおかずを摂るのはNG。
私は、この論文、信憑性があるのかなと思っていますが・・。
主食を抜いても、糖質の多いおかずを摂るのはNG。
私は、この論文、信憑性があるのかなと思っていますが・・。
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