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糖質制限食に対する糖尿病学会声明案
こんばんは。

精神科医師Aさんから、糖質制限食に対する糖尿病学会声明案の情報をコメントいただきました。

ありがとうございます。


まず、変化としては、今までは

「130g/日以上の糖質を摂取するべきだ」

と強調してきたのですが、

「100g/日以上の糖質を摂取するべきだ」

と、糖質制限に少し歩み寄ったということが言えます。

まあ、良い方向への変化なので、一応歓迎です。

しかし、1日の糖質摂取量が40~60g以下となるスーパー糖質制限食に関しては、相変わらず否定しています。

それにしても、いきなり130gから100gに減らした根拠は何なのでしょう?

これはこれで不思議です。

「総エネルギー制限をせずに、炭水化物を100g以下に制限するのは、長期的な有用性や安全性のエビデンスが不足しており勧められない」

スーパー糖質制限食の長期的安全性のエビデンスがないことはその通りですが、カロリー制限食の長期的安全性・有効性のエビデンスがないこともお忘れなくです。

そして、現在酸化ストレスリスクが明確となった、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を起こすのは、糖質摂取時だけであることもお忘れなくです。

カロリー制限食(高糖質食)は、100%食後高血糖と平均血糖変動幅増大を生じます。

糖質制限食なら食後高血糖と平均血糖変動幅増大は生じません。

次に

「炭水化物は50%-60%、たんぱく質は20%以下を目標とする。脂質の摂取上限は25%とする」

という従来通りのPFCバランスをあらためて確認しています。

これに対しては、

2013年1月13日(日)第16回日本病態栄養学会年次学術集会の
Meet the Expert Ⅱ 糖尿病と合併症を見据えた食事療法
座長 門脇  孝 先生
演者 山田  悟 先生
演者 植木浩二郎 先生

東大糖尿病・代謝内科の植木浩二郎先生のご講演で

『脳はケトン体も利用できる』
『脂肪摂取率 25%未満でなければならないということに科学的根拠はない』
『蛋白質摂取量も体重基準で推奨しているが,これも科学的根拠はない』
『カロリー制限食に糖尿病患者の寿命を延長させるというエビデンスはない』

と述べておられます。

私も植木先生に全面的に賛成で、糖尿病学会の食事構成比の目標には、根拠はないと思います。


江部康二


【13/01/16 精神科医師A

糖質制限勧めず

糖質制限勧めず、DM学会声明案
「炭水化物50%-60%、1日100g以上に」
www.m3.com/clinical/news/article/164453/
2013年1月15日m3.com編集部

日本糖尿病学会が今年出す見通しの「糖質制限を含めた食事量をめぐる声明案」の概要が明らかになった。1月13日に開催された第16回日本病態栄養学会年次学術集会で、日本糖尿病学会食事療法委員会の委員長を務める宇都宮一典氏(東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授)が説明した。

まず、肥満の是正について明記。肥満の是正は糖尿病の予防と治療で重要であり、総エネルギー制限を最優先にすると強調した。

その上で、「総エネルギー制限をせずに、炭水化物を100g以下に制限するのは、長期的な有用性や安全性のエビデンスが不足しており勧められない」と指摘。1日当たりの糖質の摂取量は100g以上にすべきであると推奨した。

炭水化物とたんぱく質、脂質の構成比は、従来の考え方を改めて確認。「炭水化物は50%-60%、たんぱく質は20%以下を目標とする。脂質の摂取上限は25%とする」と説明。n-3不飽和脂肪酸の摂取を増やすといった脂肪酸の構成にも配慮すると付記した。

糖質制限は今後の検討課題と位置付けた。「炭水化物量の摂取は議論がある。問題と認識して、炭水化物40%-50%の減量効果は積極的に検討課題にすべきである。生活習慣病は、日本人の食習慣を考えないと持続しない」と解説している。

今後、日本糖尿病学会は、パブリックコメントを募集した上で、声明を発表する方針だ。】



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
はじめまして。糖質制限を知り、楽しく知識が入ってきている(多分)ものです。
いきなりですがお聞きしても...
糖尿人ではないのですが体重が気になっていたり、健康などのため糖質制限を自分なりにしてます。2ヶ月がたったのですが初期に比べて体がだるいのです。糖質制限を始めた頃は体が慣れないので、だるいという人は多々居るようですが、自分の場合は逆というかだるくなってます。カロリー不足という人が居ますが自分はいっぱい食べてしまうし(気をつけます、汗)体重が減ってないので違うかと。
ただの雪続きでお日さんにあたってないからでしょうか。日本海は寒すぎます...
あと、野菜も大事ですが肉や魚を食べた方が痩せますか?

毎日寒いので江部先生もお身体に気をつけてください。
2013/01/18(Fri) 23:26 | URL | すうり | 【編集
科学
いつも勉強させていただいてます。ありがとうございます。

しかし、これはもはや科学ではないですね。
否定肯定の根拠を、糖質制限やカロリー制限どちらに対しても述べないのですから。

『総エネルギー制限をせずに、炭水化物を100g以下に制限するのは、長期的な有用性や安全性のエビデンスが不足しており勧められない』
とのことですが、暗に炭水化物制限の短期間のエビデンスが存在することを認めています。
また日本人の食生活を考えないと続かないとありますが、その両者を考え合わせれば、とりあえず糖質制限を短期的に導入すればよいだけになります。
その後経過観察を続け期間を延長すればよい。無理な場合は他の方法に移行すればよい。
高糖質カロリー制限は合併症の発生の多さから、治療効果そのものがない、または、仮に効果があると仮定すれぱ、続けられないことになる。
日本糖尿病学会風にいえば、高糖質カロリー制限は『エビデンスがない上に、仮に効果があったとしても日本人の食生活に合わず続けられない。』となり『勧められない』になるはずである。

2013/01/19(Sat) 00:36 | URL | しん | 【編集
おはようございます
今年は糖質制限の年になるといいですね。
私的独り言ですが、血液検査の結果は以前相談させていただいたとおりで、コレステロールの増加が気になるところですが、半年~1年というスパンで落ち着くということでした。
さて、体重ですが、体調的にはそれほど問題はないのですが、成人男性として50㎏を切るのは、なんとも心理的に圧迫を受けます。
もう少し体重が欲しいところですが、スーパーを切り替えてスタンダードにしたほうが体重が増えやすいのでしょうか?
糖質に頼るのはよくないのですが、筋肉量を増やすにはやはり炭水化物を少し摂取する方が増えるのでしょうか?
食事的には鶏肉を中心にしております。
しかも茹でて、ゴマドレッシングを少しかけていただいてます。
炒め物も、オリーブオイルで炒めております。
もともと太る体質ではなかったのでしょうが、まさか50㎏を切るのが私の身体的ベスト体重だとは現実としても考えたくないものです。
体重を増やす良い知恵はないものでしょうか。
糖質制限で体重を増やす・・・何か逆行的な感じもしますが、どうなのでしょう。
よろしくお願いします。
2013/01/19(Sat) 09:43 | URL | クワトロ | 【編集
現実問題、農水省も糖質制限されたら困るでしょうし、医薬品業界もその他産業界も大打撃。
また、今の日本の食生活で、いきなり糖質制限を学会が表明したら、カロリーが不足して(タンパク食材が不足して)反糖質制限キャンペーンが起きかねないようにも思います。
ゆっくりと、確実に糖質制限を求める「1%の変な人たち」の数を増やし、公式の議論が始まる頃に「数」が増えていることが必要なのではないかと思います。
江部先生の糖質制限Drの増殖をお願いしますね。

自分の体、自分の家族を守るのは簡単ではなさそうです。
2013/01/19(Sat) 11:01 | URL | ナリジン | 【編集
糖質制限食で総死亡数増
鍼灸を生業にしている者です。
江部先生には著書やブログで勉強させてもらっています。
さて医療者用HPにて下記の記事がありました。
江部先生のご意見をお聞かせいただければ幸いです。

引用開始
総死亡については4つのコホート研究(6サブグループ)が解析対象となった(追跡期間5~26年)。227,216人(女性66%)のうち、総死亡者数は15,981人であり、糖質制限食の遵守は、総死亡に対する有意なリスクファクターであった〔調整リスク比 1.31(95%信頼区間:1.08~1.59)、p=0.007〕。

 また、心血管疾患死については3つのコホート研究(5サブグループ)が解析対象となった(追跡期間10~26年間)。249,272人(女性67%)のうち、心血管疾患死亡者数は3,214人であり、心血管疾患死に対して、糖質制限食遵守は有意なリスクファクターとして認められなかった〔調整リスク比 1.10(95%信頼区間:0.98~1.24)、p=0.12〕。同様に、心血管疾患発症に対しても有意なリスクファクターではなかった〔調整リスク比 0.98(95%信頼区間:0.78~1.24)、p=0.87〕。

引用終了
http://www.carenet.com/news/prognosis/carenet/33045

引用論文がさっぱりわからないので、質等がわかりませんが、糖質制限食は心血管疾患死亡には影響がないものの、総死亡に対しては影響ありとのことです。

学会発表も12・13日に終わったようですので、どなたかご存知の方がいたらご教授いただければ幸いです。
2013/01/19(Sat) 12:36 | URL | エバ | 【編集
いつもブログを拝見させていただいております。10年前、境界型と診断され減量に励み(180cm、78kgでした)、現在は自分なりのかなりあまい糖質管理を行っています。
 HbA1cは4.9~5.2(JDS)です。自己血糖をみていますが、朝はかなり(極端には100g)糖質を摂取しても2時間後100前後です。私は夕食後に運動をする習慣があり、そのため夕食後もまずまずコントロールされています。そこで問題は昼食後です。普通に糖質を摂取すると150前後まで上昇するので何とか時間をみつけて有酸素運動で下げているのですが。明らかに午前中にストレスのかかる仕事があると食後の血糖は30~50ぐらいいつもより上昇します。そこで昼食のみ糖質制限を行おうと思うのですが、これも夕食の主食を抜くプチととらえておこなう価値はあるのでしょうか。溝口先生も昼食の糖質オフをすすめてはいますが。
 あまり自己流でやると、反動で今後インスリンの分泌能が逆に低下してしまうようでもあり、朝、夕の血糖コントロールが悪くなるのではないかとも心配です。
 もし、ご教授していただければ嬉しいです。
現在は減量してむしろやせ(180cm,59kg)です。OGTTは空腹90、60分100、120 分100ぐらいですが、分泌能は低いようです。
 
2013/01/19(Sat) 13:23 | URL | しろうと | 【編集
米国の選択肢の1つにの根拠
江部先生、貴重なご情報の共有化有難うございます。日本糖尿病学会は糖質制限食を選択肢の1つとして認めなかったのは残念ですね。長期的エビデンス未確立なら、そもそも米国闘病病学会はなぜ選択肢の1つにできたのでしょうか?自給率40%のわが国では国策的には糖質制限食は難しく、テーラーメイドで認めるしかないと思いますが。よろしくお願いします。
2013/01/19(Sat) 14:22 | URL | sayukoda | 【編集
いつもブログを拝見させてもらっています。
糖尿病になって1年が経ちましたが、発覚と同時に糖質制限を開始したため、何もトラブルなく過ごしています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
実は、以前から?と感じでいたことがあり、今回、ご質問させて頂きたく思います。
食事前の血糖値は、大体、三食とも80~90の間です。食事は素人計算ですがおそらく糖質10g以下にしていますが、朝食後1時間で140近くまで上がっています。昼・夕食後は120くらいなのですが・・・・(食後2時間は測っていません)
先生の本やブログを拝見すると、糖質1gで血糖値3mg/lの上昇ということなのですが・・・・
朝は血糖値が上がりやすいのでしょうか?
2013/01/20(Sun) 02:52 | URL | あみ | 【編集
あみさんへ
あみさんへ

暁現象といいます。

カテゴリー欄の暁現象という
項目が参考になるかと思います。
2013/01/20(Sun) 09:26 | URL | レディー・ババ | 【編集
Re: タイトルなし
すうり さん

カロリー不足がないのに、だるいのは
何か病気があるかもしれませんので調べた方がいいと思います。

糖質制限食でカロリーが充分であれば、だるくなることは、まずありません。
2013/01/20(Sun) 10:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: おはようございます
クワトロ さん

ナッツ類、チーズ、オリーブオイル・・・
総摂取カロリーをしっかり摂取して、
摂取エネルギーを消費エネルギーより多くすることに尽きます。

果物も体重増加にはいいです。
2013/01/20(Sun) 10:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
しろうと さん

昼食だけのことなのですね。

食後140mg/dlくらいまでの糖質量なら問題ないと思いますよ。
あるいは、昼食だけ糖質制限でもいいです。
2013/01/20(Sun) 10:21 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
あみ さん

朝が食後の血糖が上がりやすい人が多いです。
個人差があるので、昼や夜のほうが上がりやすい人もいます。

朝昼夕のいつが上がりやすいかは、その個人によりますね。
2013/01/20(Sun) 10:26 | URL | ドクター江部 | 【編集
返信ありがとうございます。
やっぱりカロリー不足じゃなければ、だるくならないですよね。体調に敏感になってるせいか少し不安が出てくると思い込みも・・・。
寒さや近頃の睡眠時間が変わってきたりしてる・・・とも。
ながく続くようであれば江部先生のいうとおり一度調べてもいます。なるべく病院にはいかないように頑張ります。怖いので(笑)
更新楽しみにしてます。
お忙しい中、ありがとうございました。
2013/01/20(Sun) 13:09 | URL | すうり | 【編集
返信ありがとうございます。
やっぱりカロリー不足じゃなければ、だるくならないですよね。体調に敏感になってるせいか少し不安が出てくると思い込みも・・・。
寒さや近頃の睡眠時間が変わってきたりしてる・・・とも。
ながく続くようであれば江部先生のいうとおり一度調べてもいます。なるべく病院にはいかないように頑張ります。怖いので(笑)
更新楽しみにしてます。
お忙しい中、ありがとうございました。
2013/01/20(Sun) 13:09 | URL | すうり | 【編集
ご回答、ありがとうございました
了解いたしました。
ありがとうございます。

2013/01/20(Sun) 23:50 | URL | クワトロ | 【編集
横やりを入れられました
はじめまして。私自身、糖尿病予備軍で血糖コントロールが必要だと考え、先生の本を読み糖質を制限しはじめました。

ところが家人より第47回欧州糖尿病学会の「蛋白質を多く摂取し続けると2型糖尿病リスクが約1.4倍に増大する可能性」http://site2.mtpro.jp/easd/easd2011/contents/08_013/と第70回米国糖尿病学会の「低炭水化物食に男性の2型糖尿病リスクを高める可能性」http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/ada2010/201006/515815.htmlを提示され、炭水化物の制限が糖尿病リスクを高めるのではと言われました(炭水化物を制限することで、必然的にタンパク質などの摂取割合が増えるため、欧州学会の報告を持ち出したようです)。

これらの報告に対する先生の反論・ご意見をお聞かせ願えませんでしょうか。

お忙しいところお手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
2013/01/22(Tue) 12:32 | URL | とも | 【編集
Re: 横やりを入れられました
とも さん。

「蛋白質を多く摂取し続けると2型糖尿病リスクが約1.4倍に」

この記事は私も見ました。

総摂取カロリーの内、いずれにせよ
糖質を40~60%摂取している集団における、コホート研究だと思います。

スーパー糖質制限食のように、糖質12%の集団の研究ではありません。

従いまして、
糖質を40~60%摂っている人が、
蛋白質を多く摂取し続けると2型糖尿病リスクが約1.4倍に増大する可能性はあるということだと思います。


2010/07/02 の本ブログ記事
「低炭水化物食に男性の2型糖尿病リスクを高める可能性?→誤解! 」
もご参照ください。
2013/01/22(Tue) 12:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございました。
ご回答ありがとうございます。

既に記事を書かれていたのですね。検索もせず、お手数をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。

炭水化物制限食にする場合、タンパク質は動物性よりも植物性の方が良いと先生はお考えになりますか。それとも特に気にする必要はないとお考えでしょうか。

お忙しいところお手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

2013/01/22(Tue) 14:28 | URL | とも | 【編集
Re: ありがとうございました。
とも さん

魚:肉=1:1
くらいで、しっかり動物性たんぱく質を摂取したほうがいいと思います。

血清アルブミン4.3g/dl以上を確保すると、高齢者の方でも、
認知症、転倒、骨折、感染などのリスクが減ります。
血清アルブミンを増やすのは、基本的に動物性たんぱく質です。
2013/01/22(Tue) 14:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます。
比率まで教えていただきまして、ありがとうございます。重ねてお礼申し上げます。

制限食とうまくつきあっていけるようにしたいと思います。ありがとうございました。
2013/01/22(Tue) 16:57 | URL | とも | 【編集
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