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咀嚼について、そして甘みの出るわけ
おはようございます。
今朝は、大阪・豊田歯科・豊田先生からコメントを頂きました。

豊田先生、ご無沙汰しております。
大変貴重なコメントありがとうございます。
この知識、ブログ読者の皆さんにも是非共有して欲しいので、アップさせて頂きました。

それにしても、豊田先生とても早起きなのですね。午前5:34のコメントですから、もっと早く起きておられるのですね。

私も、年齢と共にやや早起きになって、午前6:30起床ですが全然追いつきませんね。

今後もまた、いろいろコメントを頂けば幸いです。よろしくお願い申し上げます。

またお会いできる日を楽しみにしております。

江部康二

以下、豊田先生のコメントです。

「*Comment
■Re:咀嚼回数について

江部先生

大阪・豊田歯科・豊田です。
いつも、著書・資料・ブログなどでいろいろなことを教えていただきまことにありがとうございます。

これだけ充実した内容で毎日更新され、いつも感服しています。

さて、今回の咀嚼回数について、シープシペッタさんに私見をのべさせていただきたくコメントにメールいたしました。

今回、シープシペッタさんの見られたデータは、和洋女子大学柳沢幸江助教授のもので、私は日経ヘルス2001年3月号の記事で知ったのですが、そこの解説では、欧米型食のファストフードは、典型的な和食に比べ、脂質比率が高く、咀嚼回数や食事時間が短い、となっており、脂質と咀嚼回数の関係には言及していません。このプリントの解説は確かに変だと思います。

「ごはん&一汁三菜型の和食」は、ハンバーガーショップのセットメニューよりは、よくかむ食事である、とでもするべきでしょうね。

肉のたん白は草とちがって消化が良いので、あまりかみつぶす必要がないので、肉食動物は肉を引き裂き、のどを通る大きさになれば飲み込みます。

肉食動物の歯は大きくとがっていて(裂肉歯)、歯と歯の間があいていて、肉を引き裂くのに都合がよいのですが、ヒトの歯は、犬歯以外はとがっておらず、歯と歯の間も詰まっているので、肉を引き裂くのには不都合で、硬い肉などは、いつまでもかみ続けることになりがちで、当然かむ回数も多くなります。

歯科医師で料理研究家の田沼敦子先生は、かむ回数を増やすために

1、かみごたえのある食材を使う 
に加えて 
2、乾物や海藻を使う
3、食材は大きく、乱切りにする 
4、漬け物や空揚げなどにして、食材の水分を減らす 
5、かみごたえの違う食材を組み合わせて食べる
6、薄味にする 
7、食べるときに、一口の量を少なくする
ことを提唱されています。

食べ物をよくかむことは食材に特有の味を味わったり、さまざまな栄養成分をうまくとりいれることと深く関わっています。

食べ物は咀嚼されるとその成分が唾液や水に溶けて、分子やイオンの形で舌などの味細胞表面膜の受容体に結合します。

ただし、でんぷんやたんぱく質のようにあまりに分子が大きすぎると、受容体に結合できませんので味がしません。

ご飯の場合は、よくかんでいくと、唾液中の消化酵素アミラーゼが働いて、でんぷんが一部、麦芽糖に分解されて甘さが出ておいしく感じます。

糖質の量が変わらず、形態が変わります。麦芽糖はブドウ糖が2個つながったものです。

なお、砂糖の甘さを100とした場合、ブドウ糖は74、果糖は175、乳糖は16の甘さとなります。
  
参考図書
「ようこそ!歯のふしぎ博物館へ」
 岡崎好秀著 大修館書店
「味のなんでも小事典(P152-153)」日本味と匂学会編 講談社ブルーバックス

以上、少しでも参考になれば、幸いです。
江部先生、長いメールになってすみません。今後ともよろしくご指導お願いいたします。

豊田歯科 豊田裕章 | 2007.10.30(火) 05:34 | 」
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
乳歯と永久歯、食べ物とうんちさんの関係
江部康二先生、豊田裕章先生

 両先生、お忙しいなか、私の質問に丁寧にお答えくださって、本当にありがとうございます。
 お二人のご意見を読ませていただき、とても納得できましたし、多いに勉強になりました。
 
 豊田先生の根拠ある解説、たいへんためになりました。幼稚園の先生に見せてあげたいです。

 江部先生、糖質制限食で咀嚼回数アップ!! 納得です。

 76歳になる知らずと糖質制限食実践者の父は虫歯ゼロです。入れ歯もありません。昔っから、おやつは、落花生や乾燥豆、カボチャの種やひまわりの種で、おつまみは、目刺しやスルメイカ、貝の刺し身、6Pチーズ、いまでも晩にステーキを食べています。ごはんはほとんど食べず、焼酎をぐいぐい飲んでいます。糖質制限食をしていると、すごいんですね。と、あらためて実感です。

 また、たくさんかんで甘味がアップしても食品にふくまれる糖分量が不変ならば、糖質制限食実践者の方達は、堅いものをしっかりかんで食べたらあま~い幸せもやってくるということですね! さっそくダンナに教えてあげますね!!

 さて、息子はいま6歳。いろいろなものを食べるようになってきています。年齢とともに雑食になってきているといったところでしょうか。

 それにつれて、「その日食べたもの=うんちさんの形状」がダイレクトではなくなってきています。
 もちろん、毎回チェックもできない年になったので、最近のうんちさんの様子は不明な点が多いのですが、まだ息子が赤ちゃんのころには、おむつ替えをするたんびに、当然ですがうんちさんのチェックをしていたし、幼稚園にあがる前は、毎回トイレにつきそってましたので、よく見えていました。このころはすごくわかりやすかったのです。

 このうんちさんのチェックが、子どもの健康を知る手がかりにもなっていて、毎回結構たのしく観察してたんですよ。実際、赤ちゃんのうんちさんはほんのり母乳の匂いに包まれて、むしろオーガニックないい香り(うっとり)でもあるんですよ(まあ自分の子だけの話かも)。

 ごめんなさい、いきなり、うんちさんの話になってしまって。
 こんな話をしているのは、「食べ物と消化」の関係。
 私見ですが、一つはっきりしていたのは(とくに乳児の時代には)、お肉や乳製品(牛乳はのぞく)を食べたときは、しっかりと色も形も理想的ないいうんちさんにになっていたということ。つまり、ちゃんと消化して栄養になったんだな、ということが見てはっきりわかりました。
 
 逆に、ひじきやとうもろこし、トマトやほうれん草などをあげると、まるまるそのままの形ででてくるので、「あげてもムダなんじゃないかしら。単に胃と腸を通過しただけで栄養になった様子はない。むしろ消化器の負担になるのでは?」と思ったものです。ちゃあんと嚼むことができないころでしたしね。

 母乳だけの時期は、やや黄色い軟便で、さらっとしていました。
 それが、5ヶ月で補食をはじめて、少しづつかたまりだして、2歳ぐらいからは大人みたいなうんちさんに。歯の生えそろう時期とうんちさんが大人化するのはいっしょの時期でした。
 一般的にも同じ成長経過みたいですね。

 息子はバリバリの肉大好き・魚大好き・納豆大好き。もちろんごはんやパスタも大好き。
 しかし、はっきりいって野菜は苦手なものが多いです。とくに繊維の多い緑の葉野菜が苦手です。でも、便秘になったことは一度もありません。いつも快便です。
 むしろお肉を食べた日のほうが、いいうんちさんになって、健康的な感じさえするほどです。それから脂肪のたっぷりのった秋刀魚や納豆のときもベリーィグッドです。

 友人の家の2歳になる女の子は、生後10ヶ月ぐらいから保育園に通っているのですが、相当頑固な便秘(2週間でないのは当たり前)で、保育の先生から「野菜をたくさん食べさせてくださいね」と指導されているようです。
 でも、その園は生活クラブ生協の食材を使った、お野菜中心のごはんを作って、一日2食食べさせてもらっているんですよ。それなのに…。
 そのお宅は、共働きなので、パパさんが毎日がんばって野菜の献立も作っていて、とても健気…泣けてきます。でもでも、いくら野菜をたくさん食べても、便秘は一向に解消されないようなんです。

 で、私が思うのは、乳幼児の便秘解消に野菜を食べさせても本質的な解決にはならないんじゃないか、大人と子どもでは消火器の働きが違うのではないか、ということです。(大人なら玄米食べたら翌日は立派なうんちさんなんて話はよく聞きますけれど。)

 その子の体質もあるだろし、なにより幼児の便秘には食べ物というより精神的な面が関係しているんじゃなかいなあ、と私は思うのです。一般に女の子のほうが便秘の子が多いですよね。

 そんな経験を通して思うのは、「一概にお肉を悪者にしないでよ」ということとです。
 
 その次に思うのは、保育園や幼稚園、保健所では、もうちょっとちゃんとした根拠のある説にもとづいて、一貫性を持たせて指導して欲しいということです。

 食べ物のことも、脂質とはなにか、炭水化物とはなにか、繊維質はなにか、など、ちゃんと把握して指導して欲しい。
 さらにいえば、大人の小さい版としての指導でなく、子どもの成長の時期、時期にあった指導をしてほしい。

 息子は、虫歯もないし、便秘もしないし、体力もあるし、私から見たら食生活に問題はないと思うのですが、幼稚園の先生が息子のお弁当を見て「野菜嫌い」「揚げ物ばっかり」などといい、私も注意を受けたりするんですよ。とほほ。
 なんでも食育の懇談会で、「登山家の植松さんがでているテレビ番組をみたら、子どものころから好き嫌いなくなんでも食べていた」ということで、丈夫なカラダを作るには、「なんでも食べることが大事なんですよ」なんて指導されたりします。テレビの情報でなく、もうちょっとちゃんと勉強して指導してくらたらいいのになあ、と思います。

 ちなみに、息子は目刺しとか、スペアリブとか、焼き鳥が大好きです。ちょっと塩分が強いけど、硬いサラミソーセージなんかもバリバリ食べています(もちろん生活クラブで無添加のもを買っていますが)。
 玄米も黒パン(頭を叩いたら気絶しそうなくらい堅い)も好きです。

 我が家では、野菜を食べさせるために小さく刻んで、なにかとまぜてドロドロさせたような物をあまりあげなかったからかもしれません。離乳食で、里芋を食べさせるためにバナナであえたりするという話を聞いて、味覚を考えないで気持ち悪いな、と思ったこともあったので。
 その変わり、カロリーの高いものには目がないという感じでした。自然と高カロリーを欲していたというか。
 いま思うとエンゲル係数は高かったのですが、細かな離乳食を作るのがちょっと面倒くさく、栄養を充実させたかったんですよね。まあ、手抜きしていたということかしら。
 
 話がたいへん長くなってごめんなさい。

 それで歯科医師の豊田先生に質問です。
 先日、幼稚園に園医の歯医者さんが講演にみえて、この方は、愛に溢れた大変素晴らしい方で、お話もとてもよかったのですが、一つよくわからなかったことがありました。

 それは「最近の子どもは栄養状態がよいので、乳歯が永久歯に生え変わるとき、アゴよりも大きな歯が生えてくることがある」ということでしたが、このお話にはデータがあるのでしょうか? 
 また「栄養状態がよい」というのは、どのような栄養のことをさしているのでしょうか? 
 さらに、なぜ栄養状態がよいと、大きな歯が生えてくるのでしょうか?

 それから、私の観察では、「食の細い女の子」「お肉をあまり食べない女の子」のほうが、歯が生え変わるのが早いように思うのですが、そういった統計はありますでしょうか?

 お時間のあるときに教えていただけたら幸いです。よろしくお願いします。

 江部先生、たいへん長いコメントでブログにお邪魔してしまってごめんなさい。
 真弓先生が、『もう一つの母子手帳』を推進されているように、『もう一つの子どもの栄養指導』書があってもいいですね。欲しいな。作ろうかな。

 では。失礼いたしました。




2007/10/30(Tue) 17:32 | URL | シープシぺッタ | 【編集
Re:咀嚼について
江部先生

豊田歯科、豊田です。
コメントをブログの本編にアップしていただき、まことにありがとうございます。
大変光栄に存じます。
実は、朝はいつも7時前後に起きており、この日の5時34分は夜更かしの結果で、雑用や資料整理でこんな時間まで起きていました!?時々こんなことがあります。
これからもブログ楽しく拝見させていただきます。お役に立てそうなことがありましたらコメント投稿します。これからもよろしくお願いいたします。

シープシペッタさん、ご質問ありがとうございます。
コメントへのお返事きちんとしようと思ったら、薄い本が一冊書けそうです!
できるだけ簡潔にまとめて、このコメント欄にあらためて投稿します。
よろしくお願いします。

2007/10/31(Wed) 04:34 | URL | 豊田歯科 豊田裕章 | 【編集
豊田先生。
おはようございます。
そうですか。夜更かしの結果でしたか。
それにしても夜遅くまでのお勉強、ご苦労様です。
また、コメントよろしくお願い申し上げます。
2007/10/31(Wed) 07:22 | URL | 江部康二 | 【編集
かまないほうが
消化時間と血糖値の上がる仕組みについて考えていたときの思いつきなんですが。
胃酸はタンパク質しか消化しないのに、糖質を食べてから大体30分前後に血糖値が上がるのは、
食べたものが口から入り、糖質(炭水化物など)やタンパク質などか、ごちゃまぜて胃に残ってても、まず唾液で消化分解された糖質がそれら胃をすりぬけて小腸に入るから、胃ではまだ炭水化物が消化しきれてなくても血糖値があがるってことですよね。

そうすると、炭水化物や糖質を食べる場合はよく噛んで食べない=唾液とまぜないことが血糖値をすぐにあげない食べ方なんじゃないかと思いました。
2015/01/09(Fri) 22:31 | URL | るう | 【編集
Re: かまないほうが
るう さん

胃を通過する速度、腸から吸収される速度は、組成によっても違うようで
なかなか簡単ではなさそうです。

例えば飲み物の場合、
水は糖質を含んだ飲料よりも速く胃を通過しますが、
腸管では数%の糖質を含んでいるほうが速やかに吸収されるようです。
2015/01/11(Sun) 11:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
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