2012年12月29日 (土)
おはようございます。
下記のバーンスタイン医師の見解に対して、きよすクリニック伊藤喜亮先生から、「見かけ上の甲状腺機能低下症で、本当の低下症ではない」と、ご意見をいただきました。
Bernstein
『私の診ている糖尿病患者さんの85%は,私が最初に診た時点では甲状腺機能が低下していました。そうした患者さんは易疲労感などを訴えてクリニックを受診するのですが,検査してみるとかなり進行した糖尿病で,かつ甲状腺機能の低下が認められます。
活性型の甲状腺ホルモン(トリヨードサイロニン:T3)と非活性型の甲状腺ホルモン(サイロキシン:T4)では,特に前者の低下が顕著です。
T4の分子中にはヨードが4分子存在し,肝臓や腎臓でそのうちの1個が外れてT3になるのですが,糖尿病に伴い甲状腺機能の低下している人では,このT4からT3への変換がうまくいっていないわけです。
また,通常の甲状腺機能低下症では,T3が低下するとその代償として甲状腺ホルモン分泌刺激ホルモン(TSH)が上昇しますが,糖尿病に伴う甲状腺機能の低下ではTSHは上昇しません。』
きよすクリニック伊藤喜亮先生
『T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態は「Low T3 syndrome」と呼ばれます。
記事の中にもあるように、代謝を低下させてエネルギー消費を抑えるための生体反応と考えられています。
甲状腺が悪いのではないので、TSHは上昇していません。ですから「甲状腺機能低下」という言葉は適切ではなく、疲労感が出るほど悪い状態の糖尿病では、上述のようにエネルギー消費を抑えるために「T3を低く抑えている状態」と言えると思います。』
伊藤先生、ご指摘ありがとうございます。
私も伊藤先生のご意見に全面的に賛成です。
私も、バーンスタイン先生、いくらなんでも85%が甲状腺機能低下症とはありえないと思ってました。
T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態「Low T3 syndrome」、思い起こせば、コントロール不良の糖尿病以外にも、
慢性消耗性の疾患で低栄養のとき、時々、見かけますね。
例えば神経性食思不振症などでも見られます。
これらは、見かけ上T3が低値なだけで、本当の甲状腺機能低下症では、ありません。
江部康二
下記のバーンスタイン医師の見解に対して、きよすクリニック伊藤喜亮先生から、「見かけ上の甲状腺機能低下症で、本当の低下症ではない」と、ご意見をいただきました。
Bernstein
『私の診ている糖尿病患者さんの85%は,私が最初に診た時点では甲状腺機能が低下していました。そうした患者さんは易疲労感などを訴えてクリニックを受診するのですが,検査してみるとかなり進行した糖尿病で,かつ甲状腺機能の低下が認められます。
活性型の甲状腺ホルモン(トリヨードサイロニン:T3)と非活性型の甲状腺ホルモン(サイロキシン:T4)では,特に前者の低下が顕著です。
T4の分子中にはヨードが4分子存在し,肝臓や腎臓でそのうちの1個が外れてT3になるのですが,糖尿病に伴い甲状腺機能の低下している人では,このT4からT3への変換がうまくいっていないわけです。
また,通常の甲状腺機能低下症では,T3が低下するとその代償として甲状腺ホルモン分泌刺激ホルモン(TSH)が上昇しますが,糖尿病に伴う甲状腺機能の低下ではTSHは上昇しません。』
きよすクリニック伊藤喜亮先生
『T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態は「Low T3 syndrome」と呼ばれます。
記事の中にもあるように、代謝を低下させてエネルギー消費を抑えるための生体反応と考えられています。
甲状腺が悪いのではないので、TSHは上昇していません。ですから「甲状腺機能低下」という言葉は適切ではなく、疲労感が出るほど悪い状態の糖尿病では、上述のようにエネルギー消費を抑えるために「T3を低く抑えている状態」と言えると思います。』
伊藤先生、ご指摘ありがとうございます。
私も伊藤先生のご意見に全面的に賛成です。
私も、バーンスタイン先生、いくらなんでも85%が甲状腺機能低下症とはありえないと思ってました。
T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態「Low T3 syndrome」、思い起こせば、コントロール不良の糖尿病以外にも、
慢性消耗性の疾患で低栄養のとき、時々、見かけますね。
例えば神経性食思不振症などでも見られます。
これらは、見かけ上T3が低値なだけで、本当の甲状腺機能低下症では、ありません。
江部康二
江部先生、皆様
年の暮れに恐ろしい団体を見つけてしまいました。
たまたま、ある番組のCMで、恐ろしい宣伝をしていたため、その団体のホームページを確認しました。
望むらくは、このような危険な団体は、破壊活動防止法の調査対象にしてほしいです(笑)。
1、まず、こちらのCM(動画)を見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=mdrNv-rDWC8
2、怪しげな広報活動の内容です。
http://www.sugar-school.com/seibutu/index.html
「疲労というのは、エネルギーを消費しすぎて、肝臓に貯蔵していたグリコーゲンが底をつき、血液に糖を補給できなくなった状態のこと。
俗に、血糖値が下がったなどといわれますね。これを早くなおすためには、まず血糖値を正常に戻さなければなりません。
ところが、一般の食品のなかの糖質が血糖になるまで時間がかかります。その点、砂糖はブドウ糖と果糖の分子がひとつずつ結合したものなので、ブドウ糖に分解されるのが早く、疲労回復にもっとも効果的なのです。」
http://www.sugar-school.com/seibutu/index.html
「脳は、体重の約2%を占めるだけにもかかわらず、全エネルギーのおよそ18%を消費しています。
これほどの量を消費しながら、必要とするエネルギー源は、ブドウ糖だけなのです。脳にとって、糖質がいかに大切な存在かがわかりますね。」
「砂糖が分解してできたブドウ糖は、小腸で血液に入り、血中のブドウ糖は、全身をめぐって脳細胞内にとりこまれます。
このとき、細胞の中にある酵素の働きで、ブドウ糖は次第に分解され、水と二酸化炭素(炭酸ガス)になります。これがエネルギーとなって、脳の活動を活性化させます。
砂糖は、消化吸収が速く、このブドウ糖のもっともすぐれた供給源なのです。
また、ブドウ糖には、精神をリラックスさせる効果もあることがわかっています。
血糖値が高いと満ち足りた気分になり、低いとイライラと不快な気持ちになるわけです。
フランスなどでは、「角砂糖とキャンディで安全運転を!」という交通安全標語があるくらいです。」
http://www.sugar-school.com/seibutu/index.html
「人間が精神的・肉体的に活動するために、もっとも大切なものが糖質です。とくに、脳にとっては、ブドウ糖が唯一のエネルギー源なのです。
このブドウ糖が重合した形をグリコーゲンといい、肝臓に蓄えられています。グリコーゲンは、運動したり勉強したりすると体内に供給され、筋肉や脳などのエネルギー源となるわけです。
エネルギーを消費しすぎると、肝臓に貯蔵されていたグリコーゲンが少なくなり、血液中に十分な糖分を補給できなくなって、血糖値が著しく下がります。この状態が疲労です。早く治すためには、血糖値を正常にもどさなくてはなりません。
そこで、活躍するのが砂糖です。砂糖は、小腸で吸収されるときにブドウ糖と果糖に分解され、すばやく血液に入って全身の細胞に運ばれていきます。消化吸収が早く、ブドウ糖のもっともすぐれた供給源になるのです。 」
http://www.sugar-school.com/seibutu/index.html
カンちがい大会
「『やっぱりお砂糖は、肥満の原因??』
砂糖に限らず、エネルギー源になるものを必要以上食べれば、エネルギーの余った分は脂肪となって体内に蓄積されるので、太ることになります。
砂糖が肥満の原因となっているわけではありません。 」
「『お砂糖は、成人病をひきおこすんだって!?』
砂糖が肥満、糖尿病、低血糖症、高脂血症などの原因であるという砂糖有害説があります。
これについては、欧米のように、日本よりも国民1人あたりの砂糖消費量が多いケースでさえ、FDA(米国連邦食品医薬局)やILSI(国際生命科学協会)などの国際的な機関によって、科学的根拠のないものと結論づけられています。 」
年の暮れに恐ろしい団体を見つけてしまいました。
たまたま、ある番組のCMで、恐ろしい宣伝をしていたため、その団体のホームページを確認しました。
望むらくは、このような危険な団体は、破壊活動防止法の調査対象にしてほしいです(笑)。
1、まず、こちらのCM(動画)を見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=mdrNv-rDWC8
2、怪しげな広報活動の内容です。
http://www.sugar-school.com/seibutu/index.html
「疲労というのは、エネルギーを消費しすぎて、肝臓に貯蔵していたグリコーゲンが底をつき、血液に糖を補給できなくなった状態のこと。
俗に、血糖値が下がったなどといわれますね。これを早くなおすためには、まず血糖値を正常に戻さなければなりません。
ところが、一般の食品のなかの糖質が血糖になるまで時間がかかります。その点、砂糖はブドウ糖と果糖の分子がひとつずつ結合したものなので、ブドウ糖に分解されるのが早く、疲労回復にもっとも効果的なのです。」
http://www.sugar-school.com/seibutu/index.html
「脳は、体重の約2%を占めるだけにもかかわらず、全エネルギーのおよそ18%を消費しています。
これほどの量を消費しながら、必要とするエネルギー源は、ブドウ糖だけなのです。脳にとって、糖質がいかに大切な存在かがわかりますね。」
「砂糖が分解してできたブドウ糖は、小腸で血液に入り、血中のブドウ糖は、全身をめぐって脳細胞内にとりこまれます。
このとき、細胞の中にある酵素の働きで、ブドウ糖は次第に分解され、水と二酸化炭素(炭酸ガス)になります。これがエネルギーとなって、脳の活動を活性化させます。
砂糖は、消化吸収が速く、このブドウ糖のもっともすぐれた供給源なのです。
また、ブドウ糖には、精神をリラックスさせる効果もあることがわかっています。
血糖値が高いと満ち足りた気分になり、低いとイライラと不快な気持ちになるわけです。
フランスなどでは、「角砂糖とキャンディで安全運転を!」という交通安全標語があるくらいです。」
http://www.sugar-school.com/seibutu/index.html
「人間が精神的・肉体的に活動するために、もっとも大切なものが糖質です。とくに、脳にとっては、ブドウ糖が唯一のエネルギー源なのです。
このブドウ糖が重合した形をグリコーゲンといい、肝臓に蓄えられています。グリコーゲンは、運動したり勉強したりすると体内に供給され、筋肉や脳などのエネルギー源となるわけです。
エネルギーを消費しすぎると、肝臓に貯蔵されていたグリコーゲンが少なくなり、血液中に十分な糖分を補給できなくなって、血糖値が著しく下がります。この状態が疲労です。早く治すためには、血糖値を正常にもどさなくてはなりません。
そこで、活躍するのが砂糖です。砂糖は、小腸で吸収されるときにブドウ糖と果糖に分解され、すばやく血液に入って全身の細胞に運ばれていきます。消化吸収が早く、ブドウ糖のもっともすぐれた供給源になるのです。 」
http://www.sugar-school.com/seibutu/index.html
カンちがい大会
「『やっぱりお砂糖は、肥満の原因??』
砂糖に限らず、エネルギー源になるものを必要以上食べれば、エネルギーの余った分は脂肪となって体内に蓄積されるので、太ることになります。
砂糖が肥満の原因となっているわけではありません。 」
「『お砂糖は、成人病をひきおこすんだって!?』
砂糖が肥満、糖尿病、低血糖症、高脂血症などの原因であるという砂糖有害説があります。
これについては、欧米のように、日本よりも国民1人あたりの砂糖消費量が多いケースでさえ、FDA(米国連邦食品医薬局)やILSI(国際生命科学協会)などの国際的な機関によって、科学的根拠のないものと結論づけられています。 」
2012/12/29(Sat) 13:10 | URL | 糖質制限食 | 【編集】
糖質制限食 さん。
情報をありがとうございます。
お砂糖"真"時代協議会・・・
いやはや、とんでもない団体ですね。
情報をありがとうございます。
お砂糖"真"時代協議会・・・
いやはや、とんでもない団体ですね。
2012/12/29(Sat) 15:13 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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