2007年10月29日 (月)
こんばんは。
朝夕は寒いくらいですが、日中はまだ結構暑い京都です。
今日は、シープシペッタさんの質問に答えて、咀嚼回数と健康について検討してみます。私も、興味ある話題なので、一頑張りしていろいろ調べてみました。
「■食べ物と咀嚼回数と健康の関係についての質問です。
こんにちは。先日は食育についての質問にお答えくださりありがとうございました。とても勉強になりました。
またまた質問させてください。私自身は糖尿病ではないので、ちょっと脱線した話題になりますが、ドクター江部にぜひ、ご意見をうかがいたく、コメントさせてもらいます。
今日息子が幼稚園からもらってきた「たのしくたべようニュース」というプリントに、「食事でかわる! かむ回数」という特集が組まれていました。
それは、同じカロリーの和食とファーストフードで、かむ回数比べをして、和食のほうが、かむ回数が多いので、和食を見直しましょう、という内容でした。
その献立は、和食は「ごはん、みそ汁、焼き魚(さんま)、きんぴらごぼう、ほうれんそうのおひたし」で、ファーストフードは「ハンバーガー、フライドポテト、コーンスープ」で、かんだ回数は和食は1019回、ファーストフードは562回となっていました。
そして、解説に「ファーストフードは和食にくらべて、かむ回数や食事時間が半分くらいです。その原因は、脂質の量などが関係しています。脂質が多い食べ物は、やわらかいので、かむ回数が自然に少なくなり、栄養面にも偏りがあります。ハンバーグのように、食べ物は加工されるとかみごたえが少なくなっていきます。一方和食は、野菜(根菜・葉菜)や海藻など、かみごたえのある食材が使われているので、かむ回数は多くなります。ファーストフードと同じくらいのエネルギー量でも栄養バランスがとれています。昔から伝えられてきた和食は、素材を生かしたよくかんで食べるものが多いので、もっと食卓に取り入れるようにしましょう」とありました。
このプリントを読んだ私の感想は、和食やファーストフードという言葉の位置づけがあいまいだし、全体にこの説の根拠が不明。ここでもやはり脂質は悪者扱い。アメリカの小児科医の報告で、乳幼児の脳の発達には、上質の脂質が必要という文献を読んだこともある私にとっては、偏った指導のように感じました。またなにより疑問に思うのは、「食の安全性」については一切触れられていないことでした。
我が家では、大ざっぱではありますが、「自然に近い形で作られた食べ物はカラダにいい、工場で作ったものはカスカスで栄養にも力にもならない」というように子どもに教えています。その観点に立てば、やはりファーストフードは工場製品なので、日常的に子どもには食べてほしくない食品となります。
先日、ブログ上で、ドクター江部に食育についてのご指導を受け、いろいろ考えさせられる日々ですが、私自身、毎日の食生活でいちばん大事にしているのは、「安全な素材を、その素材の持ち味を生かした調理法でいただく」ということです。
とくに子どもには、味覚が育つ大事な時期にいるので、なにを食べているかわからないような凝った献立でなく、シンプルなものを食べてもらいたいな、と思っています。その意味では、やっぱりファーストフードよりは、家で作る和食のほうがいいな、と思います。
咀嚼という意味でもっとつっこんでいえば、玄米や黒パンのほうがしっかり嚼まないとなりませんし、GI値も低い優秀な食べ物ということになりますよね。
ですので、和食はかみごたえがあって、ファーストフードはかみごたえがない、というのは、あまりにもいい加減な説と感じてしまいます。和食でも、おかゆはまったくかみごたえがないですものね。プリントには、かみごたえがある食材として野菜があがっていて、ごぼうなどの繊維の多い根菜ならわかりますが、生で食べるならまだしも、じゃがいももかみごたえがあるのかちょっと不思議だし、ほうれんそうもかみごたがあるといえるのか不思議でした。しかも、さんまもかなり脂質の多い魚ですし、しっかりかまなくても食べられるのでは? なんて、思ったり。深く考えるとなにが言いたいのかがどんどんわからなくなりました。このプリントの真意はどこにあるのでしょうか?
それで、ドクターに質問です。食べ物と咀嚼回数と健康の関係について、どのようにお考えでしょうか?
また、嚼むことによって、甘味が増す食材もありますが、糖分はその時点で増しているのでしょうか? それとも味は変わっても性質は変わらないのでしょうか? 教えてください。
シープシぺッタ | 2007.10.26(金) 20:50 | 」
シープシペッタさん。コメント・質問ありがとうございます。
仰るとおり、食品の咀嚼回数を和食と洋食で単純に比較することは無理がありますね。
豆腐(和食)VSロースステーキ(洋食)、咀嚼回数どちらが多いか明白ですよね。
ロースは脂肪たっぷりですが、噛み応えもとてもしっかりで、玄米よりもゴボウよりもほうれん草よりも、はるかに咀嚼回数は多くなります。
因みにロース肉100g中に、「たんぱく質13.8 g、脂質37.4g、炭水化物0.2 g 」が含まれています。
「脂質が多い食べ物は、やわらかいので、かむ回数が自然に少なくなる」なんてとんでもない誤解ですね。
私はもともと玄米魚菜食中心でしたが、2002年自分が糖尿病とわかってからは 糖質制限食です。それではっきりしたことは、明らかに 糖質制限食のほうが食事時間が長くなります。即ち、咀嚼回数も多くなります。
一般的な食材で、咀嚼回数が多くなるのは間違いなく動物の肉です。中でも、やや安めの輸入牛肉とかは超硬いですね。
東国原英夫知事推奨の宮崎産地鶏、近所のリカマンで、霧島山麓とれとれ村「赤どり炭火焼き」を買って食べてますが、これも半端な固さではありません。余程歯が丈夫な人でないと、到底食べれないと思います。
豚肉や羊の肉も、やはり咀嚼回数は多いです。魚介類の中ではイカやタコや貝類は結構噛みますよね。
結局、咀嚼回数に関しては和食も洋食も関係なく、食材によるということでしょうね。
そして、動物性タンパク質が一番咀嚼回数は多くなるので、必然的に「 糖質制限食」ならしっかり噛むことになりますね。
斎藤滋・神奈川歯科大学教授のグループの再現メニューによる研究では、卑弥呼の時代は、1回の食事(ハマグリの潮汁、アユの塩焼き、ナガイモの煮物、カワハギの干し物、ノビル、クルミ、クリ、もち玄米のおこわ)でかむ回数が3990回、時間は51分だったのが、時代とともに減少していき、戦前の食事(大豆のみそ炒め、たくあん、野菜のみそ汁、ニンジンとダイコンなどの煮物、麦飯)では回数が1420回、時間は22分になり、現代の食事(コーンスープ、ハンバーグ、スパゲッティ、ポテトサラダ、プリン、パン)では回数で620回、時間はたったの11分という結果になったそうです。
糖質制限食実践者の縄文人は、もっと咀嚼回数は多かったでしょうね。
斉藤先生によれば
*噛むと満腹中枢を働かせる信号が速やかに伝わる→ダイエット効果
*噛むと食べ物を効率よく消化吸収できる
*噛むと頭の働きがよくなる
*噛むと痴呆が予防できる
*噛むとあごの骨が強くなる
*噛むと顔の筋肉と骨が鍛えられ、しわの予防になる
*噛むと虫歯が予防できる
*噛むと味覚神経が敏感になる
*噛むとがんが予防できる
など様々な効果が期待できるそうです。
http://www.natureinterface.com/j/ni01/P054-057/" target="_blank">【咀嚼とヘルスケア/運動能力を左右する噛む力】 -- 斎藤 滋
http://www.natureinterface.com/j/ni01/P054-057/
やはり咀嚼回数が多いことはとても良いことのようですね。
「嚼むことによって、甘味が増す食材もありますが、糖分はその時点で増しているのでしょうか? それとも味は変わっても性質は変わらないのでしょうか?」
確かに玄米など噛めば噛むほど甘みがでてきて、100回噛めなどど言われてますよね。
しかし、その玄米中に含まれる糖質の量は一緒です。咀嚼することで出てくる糖質以外の何らかの成分で甘く感じるのでしょうかね?
結論です。
和食でも洋食でも中華でも何でもいいので、 糖質制限食なら咀嚼回数はばっちり確保ですね。
江部康二
朝夕は寒いくらいですが、日中はまだ結構暑い京都です。
今日は、シープシペッタさんの質問に答えて、咀嚼回数と健康について検討してみます。私も、興味ある話題なので、一頑張りしていろいろ調べてみました。
「■食べ物と咀嚼回数と健康の関係についての質問です。
こんにちは。先日は食育についての質問にお答えくださりありがとうございました。とても勉強になりました。
またまた質問させてください。私自身は糖尿病ではないので、ちょっと脱線した話題になりますが、ドクター江部にぜひ、ご意見をうかがいたく、コメントさせてもらいます。
今日息子が幼稚園からもらってきた「たのしくたべようニュース」というプリントに、「食事でかわる! かむ回数」という特集が組まれていました。
それは、同じカロリーの和食とファーストフードで、かむ回数比べをして、和食のほうが、かむ回数が多いので、和食を見直しましょう、という内容でした。
その献立は、和食は「ごはん、みそ汁、焼き魚(さんま)、きんぴらごぼう、ほうれんそうのおひたし」で、ファーストフードは「ハンバーガー、フライドポテト、コーンスープ」で、かんだ回数は和食は1019回、ファーストフードは562回となっていました。
そして、解説に「ファーストフードは和食にくらべて、かむ回数や食事時間が半分くらいです。その原因は、脂質の量などが関係しています。脂質が多い食べ物は、やわらかいので、かむ回数が自然に少なくなり、栄養面にも偏りがあります。ハンバーグのように、食べ物は加工されるとかみごたえが少なくなっていきます。一方和食は、野菜(根菜・葉菜)や海藻など、かみごたえのある食材が使われているので、かむ回数は多くなります。ファーストフードと同じくらいのエネルギー量でも栄養バランスがとれています。昔から伝えられてきた和食は、素材を生かしたよくかんで食べるものが多いので、もっと食卓に取り入れるようにしましょう」とありました。
このプリントを読んだ私の感想は、和食やファーストフードという言葉の位置づけがあいまいだし、全体にこの説の根拠が不明。ここでもやはり脂質は悪者扱い。アメリカの小児科医の報告で、乳幼児の脳の発達には、上質の脂質が必要という文献を読んだこともある私にとっては、偏った指導のように感じました。またなにより疑問に思うのは、「食の安全性」については一切触れられていないことでした。
我が家では、大ざっぱではありますが、「自然に近い形で作られた食べ物はカラダにいい、工場で作ったものはカスカスで栄養にも力にもならない」というように子どもに教えています。その観点に立てば、やはりファーストフードは工場製品なので、日常的に子どもには食べてほしくない食品となります。
先日、ブログ上で、ドクター江部に食育についてのご指導を受け、いろいろ考えさせられる日々ですが、私自身、毎日の食生活でいちばん大事にしているのは、「安全な素材を、その素材の持ち味を生かした調理法でいただく」ということです。
とくに子どもには、味覚が育つ大事な時期にいるので、なにを食べているかわからないような凝った献立でなく、シンプルなものを食べてもらいたいな、と思っています。その意味では、やっぱりファーストフードよりは、家で作る和食のほうがいいな、と思います。
咀嚼という意味でもっとつっこんでいえば、玄米や黒パンのほうがしっかり嚼まないとなりませんし、GI値も低い優秀な食べ物ということになりますよね。
ですので、和食はかみごたえがあって、ファーストフードはかみごたえがない、というのは、あまりにもいい加減な説と感じてしまいます。和食でも、おかゆはまったくかみごたえがないですものね。プリントには、かみごたえがある食材として野菜があがっていて、ごぼうなどの繊維の多い根菜ならわかりますが、生で食べるならまだしも、じゃがいももかみごたえがあるのかちょっと不思議だし、ほうれんそうもかみごたがあるといえるのか不思議でした。しかも、さんまもかなり脂質の多い魚ですし、しっかりかまなくても食べられるのでは? なんて、思ったり。深く考えるとなにが言いたいのかがどんどんわからなくなりました。このプリントの真意はどこにあるのでしょうか?
それで、ドクターに質問です。食べ物と咀嚼回数と健康の関係について、どのようにお考えでしょうか?
また、嚼むことによって、甘味が増す食材もありますが、糖分はその時点で増しているのでしょうか? それとも味は変わっても性質は変わらないのでしょうか? 教えてください。
シープシぺッタ | 2007.10.26(金) 20:50 | 」
シープシペッタさん。コメント・質問ありがとうございます。
仰るとおり、食品の咀嚼回数を和食と洋食で単純に比較することは無理がありますね。
豆腐(和食)VSロースステーキ(洋食)、咀嚼回数どちらが多いか明白ですよね。
ロースは脂肪たっぷりですが、噛み応えもとてもしっかりで、玄米よりもゴボウよりもほうれん草よりも、はるかに咀嚼回数は多くなります。
因みにロース肉100g中に、「たんぱく質13.8 g、脂質37.4g、炭水化物0.2 g 」が含まれています。
「脂質が多い食べ物は、やわらかいので、かむ回数が自然に少なくなる」なんてとんでもない誤解ですね。
私はもともと玄米魚菜食中心でしたが、2002年自分が糖尿病とわかってからは 糖質制限食です。それではっきりしたことは、明らかに 糖質制限食のほうが食事時間が長くなります。即ち、咀嚼回数も多くなります。
一般的な食材で、咀嚼回数が多くなるのは間違いなく動物の肉です。中でも、やや安めの輸入牛肉とかは超硬いですね。
東国原英夫知事推奨の宮崎産地鶏、近所のリカマンで、霧島山麓とれとれ村「赤どり炭火焼き」を買って食べてますが、これも半端な固さではありません。余程歯が丈夫な人でないと、到底食べれないと思います。
豚肉や羊の肉も、やはり咀嚼回数は多いです。魚介類の中ではイカやタコや貝類は結構噛みますよね。
結局、咀嚼回数に関しては和食も洋食も関係なく、食材によるということでしょうね。
そして、動物性タンパク質が一番咀嚼回数は多くなるので、必然的に「 糖質制限食」ならしっかり噛むことになりますね。
斎藤滋・神奈川歯科大学教授のグループの再現メニューによる研究では、卑弥呼の時代は、1回の食事(ハマグリの潮汁、アユの塩焼き、ナガイモの煮物、カワハギの干し物、ノビル、クルミ、クリ、もち玄米のおこわ)でかむ回数が3990回、時間は51分だったのが、時代とともに減少していき、戦前の食事(大豆のみそ炒め、たくあん、野菜のみそ汁、ニンジンとダイコンなどの煮物、麦飯)では回数が1420回、時間は22分になり、現代の食事(コーンスープ、ハンバーグ、スパゲッティ、ポテトサラダ、プリン、パン)では回数で620回、時間はたったの11分という結果になったそうです。
糖質制限食実践者の縄文人は、もっと咀嚼回数は多かったでしょうね。
斉藤先生によれば
*噛むと満腹中枢を働かせる信号が速やかに伝わる→ダイエット効果
*噛むと食べ物を効率よく消化吸収できる
*噛むと頭の働きがよくなる
*噛むと痴呆が予防できる
*噛むとあごの骨が強くなる
*噛むと顔の筋肉と骨が鍛えられ、しわの予防になる
*噛むと虫歯が予防できる
*噛むと味覚神経が敏感になる
*噛むとがんが予防できる
など様々な効果が期待できるそうです。
http://www.natureinterface.com/j/ni01/P054-057/" target="_blank">【咀嚼とヘルスケア/運動能力を左右する噛む力】 -- 斎藤 滋
http://www.natureinterface.com/j/ni01/P054-057/
やはり咀嚼回数が多いことはとても良いことのようですね。
「嚼むことによって、甘味が増す食材もありますが、糖分はその時点で増しているのでしょうか? それとも味は変わっても性質は変わらないのでしょうか?」
確かに玄米など噛めば噛むほど甘みがでてきて、100回噛めなどど言われてますよね。
しかし、その玄米中に含まれる糖質の量は一緒です。咀嚼することで出てくる糖質以外の何らかの成分で甘く感じるのでしょうかね?
結論です。
和食でも洋食でも中華でも何でもいいので、 糖質制限食なら咀嚼回数はばっちり確保ですね。
江部康二
江部先生
大阪・豊田歯科・豊田です。
いつも、著書・資料・ブログなどでいろいろなことを教えていただきまことにありがとうございます。
これだけ充実した内容で毎日更新され、いつも感服しています。
さて、今回の咀嚼回数について、シープシペッタさんに私見をのべさせていただきたくコメントにメールいたしました。
今回、シープシペッタさんの見られたデータは、和洋女子大学柳沢幸江助教授のもので、私は日経ヘルス2001年3月号の記事で知ったのですが、そこの解説では、欧米型食のファストフードは、典型的な和食に比べ、脂質比率が高く、咀嚼回数や食事時間が短い、となっており、脂質と咀嚼回数の関係
には言及していません。このプリントの解説は確かに変だと思います。
「ごはん&一汁三菜型の和食」は、ハンバーガーショップのセットメニューよりは、よくかむ食事である、とでもするべきでしょうね。
肉のたん白は草とちがって消化が良いので、あまりかみつぶす必要がないので、肉食動物は肉を引き裂き、のどを通る大きさになれば飲み込みます。
肉食動物の歯は大きくとがっていて(裂肉歯)、歯と歯の間があいていて、肉を引き裂くのに都合がよいのですが、ヒトの歯は、犬歯以外はとがっておらず
歯と歯の間も詰まっているので、肉を引き裂くのには不都合で、硬い肉などは、いつまでもかみ続けることになりがちで、当然かむ回数も多くなります。
歯科医師で料理研究家の田沼敦子先生は、かむ回数を増やすために
1、かみごたえのある食材を使う に加えて
2、乾物や海藻を使う 3、食材は大きく、乱切りにする 4、漬け物や空揚げなどにして、食材の水分を減らす 5、かみごたえの違う食材を組み合わせて食べる 6、薄味にする 7、食べるときに、一口の量を少なくする、
ことを提唱されています。
食べ物をよくかむことは食材に特有の味を味わったり、さまざまな栄養成分をうまくとりいれることと深く関わっています。
食べ物は咀嚼されるとその成分が唾液や水に溶けて、分子やイオンの形で舌などの味細胞表面膜の受容体に結合します。ただし、でんぷんやたんぱく質のようにあまりに分子が大きすぎると、受容体に結合できませんので味がしません。
ご飯の場合は、よくかんでいくと、唾液中の消化酵素アミラーゼが働いて、でんぷんが一部、麦芽糖に分解されて甘さが出ておいしく感じます。糖質の量が変わらず、形態が変わります。麦芽糖はブドウ糖が2個つながったものです。
なお、砂糖の甘さを100とした場合、ブドウ糖は74、果糖は175、乳糖は16の甘さとなります。
参考図書
ようこそ!歯のふしぎ博物館へ 岡崎好秀著 大修館書店
味のなんでも小事典(P152-153) 日本味と匂学会編
講談社ブルーバックス
以上、少しでも参考になれば、幸いです。
江部先生、長いメールになってすみません。
今後ともよろしくご指導お願いいたします。
大阪・豊田歯科・豊田です。
いつも、著書・資料・ブログなどでいろいろなことを教えていただきまことにありがとうございます。
これだけ充実した内容で毎日更新され、いつも感服しています。
さて、今回の咀嚼回数について、シープシペッタさんに私見をのべさせていただきたくコメントにメールいたしました。
今回、シープシペッタさんの見られたデータは、和洋女子大学柳沢幸江助教授のもので、私は日経ヘルス2001年3月号の記事で知ったのですが、そこの解説では、欧米型食のファストフードは、典型的な和食に比べ、脂質比率が高く、咀嚼回数や食事時間が短い、となっており、脂質と咀嚼回数の関係
には言及していません。このプリントの解説は確かに変だと思います。
「ごはん&一汁三菜型の和食」は、ハンバーガーショップのセットメニューよりは、よくかむ食事である、とでもするべきでしょうね。
肉のたん白は草とちがって消化が良いので、あまりかみつぶす必要がないので、肉食動物は肉を引き裂き、のどを通る大きさになれば飲み込みます。
肉食動物の歯は大きくとがっていて(裂肉歯)、歯と歯の間があいていて、肉を引き裂くのに都合がよいのですが、ヒトの歯は、犬歯以外はとがっておらず
歯と歯の間も詰まっているので、肉を引き裂くのには不都合で、硬い肉などは、いつまでもかみ続けることになりがちで、当然かむ回数も多くなります。
歯科医師で料理研究家の田沼敦子先生は、かむ回数を増やすために
1、かみごたえのある食材を使う に加えて
2、乾物や海藻を使う 3、食材は大きく、乱切りにする 4、漬け物や空揚げなどにして、食材の水分を減らす 5、かみごたえの違う食材を組み合わせて食べる 6、薄味にする 7、食べるときに、一口の量を少なくする、
ことを提唱されています。
食べ物をよくかむことは食材に特有の味を味わったり、さまざまな栄養成分をうまくとりいれることと深く関わっています。
食べ物は咀嚼されるとその成分が唾液や水に溶けて、分子やイオンの形で舌などの味細胞表面膜の受容体に結合します。ただし、でんぷんやたんぱく質のようにあまりに分子が大きすぎると、受容体に結合できませんので味がしません。
ご飯の場合は、よくかんでいくと、唾液中の消化酵素アミラーゼが働いて、でんぷんが一部、麦芽糖に分解されて甘さが出ておいしく感じます。糖質の量が変わらず、形態が変わります。麦芽糖はブドウ糖が2個つながったものです。
なお、砂糖の甘さを100とした場合、ブドウ糖は74、果糖は175、乳糖は16の甘さとなります。
参考図書
ようこそ!歯のふしぎ博物館へ 岡崎好秀著 大修館書店
味のなんでも小事典(P152-153) 日本味と匂学会編
講談社ブルーバックス
以上、少しでも参考になれば、幸いです。
江部先生、長いメールになってすみません。
今後ともよろしくご指導お願いいたします。
2007/10/30(Tue) 05:34 | URL | 豊田歯科 豊田裕章 | 【編集】
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