2012年12月27日 (木)
こんにちは。
糖質制限食 さんから、興味深いコメントをいただきました。
【12/12/26 糖質制限食
<清涼飲料水>毎日飲む女性、脳梗塞の危険1.8倍
江部先生
先日はケトン尿の件、回答頂きどうもありがとうございました。
情報提供です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121226-00000029-mai-soci
<清涼飲料水>毎日飲む女性、脳梗塞の危険1.8倍
毎日新聞 12月26日(水)11時36分配信
コーラやジュースなどの清涼飲料水をほぼ毎日飲む女性は、ほとんど飲まない女性と比べて脳梗塞(こうそく)になる危険性が1.8倍高いとの研究結果を、国立がん研究センターが26日、発表。論文が米専門誌12月号に掲載された。清涼飲料水に多く含まれる糖分の取りすぎが、脳梗塞の危険を高めているとみられる。
調査は、90年に40~59歳だった男女3万9786人を平均18年間追跡。うち1047人(女性は377人)が脳梗塞になった。食事内容を聞き取って、甘味料を加えたカロリーのある市販の飲み物250ミリリットル程度を「ほぼ毎日飲む」「週に3、4回」「週に1、2回」「ほとんど飲まない」の4グループに分類。女性でほぼ毎日飲むグループは、ほとんど飲まないグループより、脳梗塞を発症するリスクが1.8倍高かった。男性には明らかな差がなかった。また、心筋梗塞などの虚血性心疾患、出血性脳卒中についても調べたが、男女とも関連はなかった。
脳梗塞は、動脈硬化などにより脳の血管が詰まって起こる。研究チームの磯博康・大阪大教授(公衆衛生学)は、清涼飲料水の糖分が血液中の糖や中性脂肪の濃度を上げて動脈硬化につながったと分析。男性は女性より運動量が多く、エネルギーとして代謝されやすいため、影響が出にくかったとみている。磯教授は「自分なりに清涼飲料水の飲み過ぎにブレーキをかけて、賢く付き合ってほしい」と話している。】
糖質制限食さん。
コメント・情報をありがとうざいます。
「女性でほぼ毎日飲むグループは、ほとんど飲まないグループより、脳梗塞を発症するリスクが1.8倍高かった。」
糖尿人が、糖質を摂取した時の180mg/dlを超える食後高血糖(グルコーススパイク)は、活性酸素を発生させ、酸化ストレスを亢進させ、動脈硬化のリスクとなります。そして1日の平均血糖変動幅が大きいほど酸化ストレスが亢進します。
糖尿人でない耐糖能正常の人では、清涼飲料水250mlを飲んでも、血糖値が180mg/dlを超えることは、ほとんどありませんが、血糖変動幅は大きくなります。
清涼飲料水は液体の糖質で、最も急峻に血糖値を上昇させます。
耐糖能正常の人でも、グルコースミニスパイクを生じて、追加分泌インスリンが大量に出ます。
これらのことが、動脈硬化のリスクとなり、脳梗塞を増加させたのだと思います。
また、磯博康・大阪大教授が指摘しておられるように、清涼飲料水を飲むと中性脂肪が上昇して、やはり動脈硬化のリスクとなると思います。
液体の糖質(清涼飲料水)は、ほとんど毒に近いと考えた方がよいと思っています。
江部康二
糖質制限食 さんから、興味深いコメントをいただきました。
【12/12/26 糖質制限食
<清涼飲料水>毎日飲む女性、脳梗塞の危険1.8倍
江部先生
先日はケトン尿の件、回答頂きどうもありがとうございました。
情報提供です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121226-00000029-mai-soci
<清涼飲料水>毎日飲む女性、脳梗塞の危険1.8倍
毎日新聞 12月26日(水)11時36分配信
コーラやジュースなどの清涼飲料水をほぼ毎日飲む女性は、ほとんど飲まない女性と比べて脳梗塞(こうそく)になる危険性が1.8倍高いとの研究結果を、国立がん研究センターが26日、発表。論文が米専門誌12月号に掲載された。清涼飲料水に多く含まれる糖分の取りすぎが、脳梗塞の危険を高めているとみられる。
調査は、90年に40~59歳だった男女3万9786人を平均18年間追跡。うち1047人(女性は377人)が脳梗塞になった。食事内容を聞き取って、甘味料を加えたカロリーのある市販の飲み物250ミリリットル程度を「ほぼ毎日飲む」「週に3、4回」「週に1、2回」「ほとんど飲まない」の4グループに分類。女性でほぼ毎日飲むグループは、ほとんど飲まないグループより、脳梗塞を発症するリスクが1.8倍高かった。男性には明らかな差がなかった。また、心筋梗塞などの虚血性心疾患、出血性脳卒中についても調べたが、男女とも関連はなかった。
脳梗塞は、動脈硬化などにより脳の血管が詰まって起こる。研究チームの磯博康・大阪大教授(公衆衛生学)は、清涼飲料水の糖分が血液中の糖や中性脂肪の濃度を上げて動脈硬化につながったと分析。男性は女性より運動量が多く、エネルギーとして代謝されやすいため、影響が出にくかったとみている。磯教授は「自分なりに清涼飲料水の飲み過ぎにブレーキをかけて、賢く付き合ってほしい」と話している。】
糖質制限食さん。
コメント・情報をありがとうざいます。
「女性でほぼ毎日飲むグループは、ほとんど飲まないグループより、脳梗塞を発症するリスクが1.8倍高かった。」
糖尿人が、糖質を摂取した時の180mg/dlを超える食後高血糖(グルコーススパイク)は、活性酸素を発生させ、酸化ストレスを亢進させ、動脈硬化のリスクとなります。そして1日の平均血糖変動幅が大きいほど酸化ストレスが亢進します。
糖尿人でない耐糖能正常の人では、清涼飲料水250mlを飲んでも、血糖値が180mg/dlを超えることは、ほとんどありませんが、血糖変動幅は大きくなります。
清涼飲料水は液体の糖質で、最も急峻に血糖値を上昇させます。
耐糖能正常の人でも、グルコースミニスパイクを生じて、追加分泌インスリンが大量に出ます。
これらのことが、動脈硬化のリスクとなり、脳梗塞を増加させたのだと思います。
また、磯博康・大阪大教授が指摘しておられるように、清涼飲料水を飲むと中性脂肪が上昇して、やはり動脈硬化のリスクとなると思います。
液体の糖質(清涼飲料水)は、ほとんど毒に近いと考えた方がよいと思っています。
江部康二
芸能人が人間ドックを受けるテレビ番組を見た時に
漫画家(65歳)の男性が非喫煙者で血管年齢90歳でした。
この方は1日5~6回糖質中心の食事やおやつを食べてました。
でも検査結果は「糖質のとりすぎで将来糖尿病になるかも」と言われただけで
まだ糖尿病を発症していない段階でした。
その割には血管年齢が高いなと思っていたのですが
糖尿病になっていない人でもすい臓が強いからHbA1cは正常を保てるというだけで
血管はしっかり傷つけてしまっているのですね。
謎が解けました。
あと基礎分泌について質問があります。
教育入院で早期にインスリン注射をしたり、
糖質制限を始めることで空腹時血糖値は
2週間もすればみるみる下がっていきますが
基礎分泌というのは肥満によるインスリン抵抗性は
影響しないのでしょうか?
私も糖質制限でおかげさまで基礎分泌が
回復したようで食事前は105前後です。
でもまだ肥満が解消されたわけではなく
ダイエットは続けています。
(10kg以上痩せないといけないです)
ということは、脂肪肝で血糖値をあげるのは
食後だけということですか?
漫画家(65歳)の男性が非喫煙者で血管年齢90歳でした。
この方は1日5~6回糖質中心の食事やおやつを食べてました。
でも検査結果は「糖質のとりすぎで将来糖尿病になるかも」と言われただけで
まだ糖尿病を発症していない段階でした。
その割には血管年齢が高いなと思っていたのですが
糖尿病になっていない人でもすい臓が強いからHbA1cは正常を保てるというだけで
血管はしっかり傷つけてしまっているのですね。
謎が解けました。
あと基礎分泌について質問があります。
教育入院で早期にインスリン注射をしたり、
糖質制限を始めることで空腹時血糖値は
2週間もすればみるみる下がっていきますが
基礎分泌というのは肥満によるインスリン抵抗性は
影響しないのでしょうか?
私も糖質制限でおかげさまで基礎分泌が
回復したようで食事前は105前後です。
でもまだ肥満が解消されたわけではなく
ダイエットは続けています。
(10kg以上痩せないといけないです)
ということは、脂肪肝で血糖値をあげるのは
食後だけということですか?
2012/12/27(Thu) 14:43 | URL | みさ | 【編集】
江部先生
解説頂き、どうもありがとうございました。
この記事にも、「功罪」があると思います。
「功」は、
通常の(糖質含む)清涼飲料水が体に害であることの注意喚起をしていること。
「罪」は、
1、 男性にはあまり関係ないかのように書いていることと、
2、 我々が認識しているように、原因が「過剰な糖質の摂取」である事、まで読みとれるようにはなっていないこと
※過剰な糖質の摂取の元が、「清涼飲料水」であるか、「穀物」であるか、等はあまり重要ではなく、
「過剰な糖質の摂取」が健康を害する可能性を高くする、という事が重要だと考えます。
解説頂き、どうもありがとうございました。
この記事にも、「功罪」があると思います。
「功」は、
通常の(糖質含む)清涼飲料水が体に害であることの注意喚起をしていること。
「罪」は、
1、 男性にはあまり関係ないかのように書いていることと、
2、 我々が認識しているように、原因が「過剰な糖質の摂取」である事、まで読みとれるようにはなっていないこと
※過剰な糖質の摂取の元が、「清涼飲料水」であるか、「穀物」であるか、等はあまり重要ではなく、
「過剰な糖質の摂取」が健康を害する可能性を高くする、という事が重要だと考えます。
2012/12/27(Thu) 15:38 | URL | 糖質制限食 | 【編集】
みさ さん。
インスリン抵抗性があれば、早朝空腹時の基礎分泌インスリンの量が増えてきます。
インスリン抵抗性があって、インスリンの効きが悪くなっているので、その分量を増やしてカバーするのです。
カバーできなくなるとインスリンがでていても、空腹時血糖値が高値となってきます。
インスリン抵抗性があれば、早朝空腹時の基礎分泌インスリンの量が増えてきます。
インスリン抵抗性があって、インスリンの効きが悪くなっているので、その分量を増やしてカバーするのです。
カバーできなくなるとインスリンがでていても、空腹時血糖値が高値となってきます。
2012/12/27(Thu) 17:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生 2012年ありがとうございました=最後の血液検査値を見て愕然となりましたが、不安な思いを持っての新年もしゃくなので超多忙な先生への相談の機会がこれだけなのでご容赦ください 12/25(HbA1c6.3 Cr3.35 eGFR15.1)*12/26 Oクリニック(HbA1c6.6 Cr3.46 eGFR14.6/腎臓内科で透析の相談を勧められる)=1:1月に低蛋白食(0.96g→0.6g)の実験をやってみる=78歳の友人がCr6.8ながら、0.5g食で未だに、透析を拒否している事実があります/肉魚卵乳製品豆腐納豆を12月までの1/2にする 不足分はMCTを増やしたり、炭水化物10gなどで1690kcal(1.6X1.6X22X30) 2:1/8、1/15、1/22の京都大学病院の腎臓病教室へ参加して、CKD~透析の情報を集める 3:私見ではCKDから教育入院(民医連が12泊13日)して、全身管理をしてもらえる医療機関を探すのはどうか 4:今のスタンダード糖質制限食と養腎降濁湯煎じ薬+Oクリニックの降圧薬・利尿薬などをどうするのか 先生の見解はいかがでしょうか
2012/12/28(Fri) 12:48 | URL | 柚木信也 | 【編集】
柚木信也 さん。
0.5g食で、試してみる価値はあると思います。
血圧コントロールも、必用です。
超低タンパク食で、クレアチニンの進行が止まるか否か、論争がある段階です。
信頼できる私の知り合いの医師(清洲市)は超低タンパク食で、進行が止まると言っています。
0.5g食で、試してみる価値はあると思います。
血圧コントロールも、必用です。
超低タンパク食で、クレアチニンの進行が止まるか否か、論争がある段階です。
信頼できる私の知り合いの医師(清洲市)は超低タンパク食で、進行が止まると言っています。
2012/12/28(Fri) 16:29 | URL | ドクター江部 | 【編集】
mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1212/1212083.html
ソフトドリンク飲用で日本人女性は虚血性脳卒中リスク上昇、男性とは異なる結果、JPHC研究
厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者:津金昌一郎氏・国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部部長)はこのほど,日本人約4万人を対象に,ソフトドリンクの摂取による心血管疾患(CVD)への影響を検討した解析結果をAm J Clin Nutr (2012; 96: 1390-1397)に報告した。女性ではソフトドリンクの摂取量が多いほど虚血性脳卒中の発症リスクが上昇した一方,男性ではリスクの低下が認められた。
摂取頻度別に4つに分類
ソフトドリンクの摂取量が多い欧米では,過度な摂取と虚血性心疾患の発症リスクの関連が指摘されているが,摂取量が低いわが国でどうなのかは明らかでなかった。
1990年に始まったJPHC研究は,岩手県二戸市,秋田県横手市,長野県佐久市,東京都葛飾区の一般住民4万3,149人(男性2万655人,40~59歳)のCVDおよびがんの発症を追跡したコホート研究である。
対象者には登録時に,生活習慣,本人や家族の既往歴の他,食物摂取頻度調査票(FFQ,44項目)による調査を行い, 5年後および10年後も調査(147項目)を実施した。FFQの結果に基づいて,ソフトドリンク※の摂取状況を「ほとんど摂取しない」「週(コップ)1~2杯」「週3~4杯」「ほぼ毎日摂取」の4つに分けた。
調査票の不備やCVD,がんの既往例を除く3万9,786例について,平均18年間追跡した結果,虚血性心疾患は453人(男性360人,女性93人),出血性脳卒中は859人(同454人,405人),虚血性脳卒中は1,047人(同670人,377人)にそれぞれ認められた。
追跡期間初期に発症した者を除外しても…
そこで,CVDリスクを性およびソフトドリンクの摂取量別に解析したところ,「ほとんど摂取しない」女性に対し,「ほぼ毎日摂取する」女性の虚血性脳卒中の補正後ハザード比(HR;BMIおよび総エネルギー量で補正)は, 1.83(95%CI 1.22~2.75)であり,摂取量が多いほどリスクが高くなる傾向にあった(P for trend=0.001)。
しかし,出血性脳卒中および虚血性心疾患の発症リスクへの影響については,男女ともに認められなかった(女性;各P for trend=0.94,P for trend=0.52,男性;各P for trend=0.30,P for trend=0.37)。
さらに,登録時に疾病があった人を除外して,冠動脈疾患の危険因子,食事,BMI,総エネルギーなどの交絡因子で補正した上で,虚血性脳卒中の発症リスクを解析。
女性では,ソフトドリンクの摂取が多いほど依然として虚血性脳卒中の発症リスクが上昇していた一方〔「ほとんどない」に対する「ほぼ毎日摂取」のHR 1.93(95%CI 1.16~3.21),P for trend=0.004〕,男性では有意ではないが,むしろリスクが低くなる傾向にあった〔同HR 0.77(同0.51~1.08),P for trend=0.015〕。
そのため,追跡開始から9年目までの虚血性脳卒中発症例を除外し再解析したところ,男性ではリスクの低下効果は減弱したが〔同0.93(同0.62~1.38),P for trend=0.50〕,女性ではリスクは高いままであった〔同2.35(同1.44~3.84),P for trend=0.001〕。
男女差は健康意識の差か
ではなぜ,男女でソフトドリンク摂取による虚血性脳卒中発症への影響が異なったのか。
同研究班は,男性では脂質低下薬服用中で糖尿病,高血圧を合併している者が,炭水化物が多く含まれているソフトドリンクの摂取を控える傾向にあり,これが虚血性脳卒中のリスク低下に寄与していた可能性を指摘している。
追跡開始から9年目までに虚血性脳卒中を発症していた例を除外すると,男性ではリスクの低下効果が減弱したのはこのためのようだ。
女性では摂取を控えるケースはなかったというが,欧米でも女性の方がソフトドリンク摂取によるCVDへの影響を受けやすいことが,これまでにも報告されている。
※ コーラや果汁飲料などのカロリーのある甘味料が添加された飲料と定義された。100%果汁ジュースは含まれない
ソフトドリンク飲用で日本人女性は虚血性脳卒中リスク上昇、男性とは異なる結果、JPHC研究
厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者:津金昌一郎氏・国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部部長)はこのほど,日本人約4万人を対象に,ソフトドリンクの摂取による心血管疾患(CVD)への影響を検討した解析結果をAm J Clin Nutr (2012; 96: 1390-1397)に報告した。女性ではソフトドリンクの摂取量が多いほど虚血性脳卒中の発症リスクが上昇した一方,男性ではリスクの低下が認められた。
摂取頻度別に4つに分類
ソフトドリンクの摂取量が多い欧米では,過度な摂取と虚血性心疾患の発症リスクの関連が指摘されているが,摂取量が低いわが国でどうなのかは明らかでなかった。
1990年に始まったJPHC研究は,岩手県二戸市,秋田県横手市,長野県佐久市,東京都葛飾区の一般住民4万3,149人(男性2万655人,40~59歳)のCVDおよびがんの発症を追跡したコホート研究である。
対象者には登録時に,生活習慣,本人や家族の既往歴の他,食物摂取頻度調査票(FFQ,44項目)による調査を行い, 5年後および10年後も調査(147項目)を実施した。FFQの結果に基づいて,ソフトドリンク※の摂取状況を「ほとんど摂取しない」「週(コップ)1~2杯」「週3~4杯」「ほぼ毎日摂取」の4つに分けた。
調査票の不備やCVD,がんの既往例を除く3万9,786例について,平均18年間追跡した結果,虚血性心疾患は453人(男性360人,女性93人),出血性脳卒中は859人(同454人,405人),虚血性脳卒中は1,047人(同670人,377人)にそれぞれ認められた。
追跡期間初期に発症した者を除外しても…
そこで,CVDリスクを性およびソフトドリンクの摂取量別に解析したところ,「ほとんど摂取しない」女性に対し,「ほぼ毎日摂取する」女性の虚血性脳卒中の補正後ハザード比(HR;BMIおよび総エネルギー量で補正)は, 1.83(95%CI 1.22~2.75)であり,摂取量が多いほどリスクが高くなる傾向にあった(P for trend=0.001)。
しかし,出血性脳卒中および虚血性心疾患の発症リスクへの影響については,男女ともに認められなかった(女性;各P for trend=0.94,P for trend=0.52,男性;各P for trend=0.30,P for trend=0.37)。
さらに,登録時に疾病があった人を除外して,冠動脈疾患の危険因子,食事,BMI,総エネルギーなどの交絡因子で補正した上で,虚血性脳卒中の発症リスクを解析。
女性では,ソフトドリンクの摂取が多いほど依然として虚血性脳卒中の発症リスクが上昇していた一方〔「ほとんどない」に対する「ほぼ毎日摂取」のHR 1.93(95%CI 1.16~3.21),P for trend=0.004〕,男性では有意ではないが,むしろリスクが低くなる傾向にあった〔同HR 0.77(同0.51~1.08),P for trend=0.015〕。
そのため,追跡開始から9年目までの虚血性脳卒中発症例を除外し再解析したところ,男性ではリスクの低下効果は減弱したが〔同0.93(同0.62~1.38),P for trend=0.50〕,女性ではリスクは高いままであった〔同2.35(同1.44~3.84),P for trend=0.001〕。
男女差は健康意識の差か
ではなぜ,男女でソフトドリンク摂取による虚血性脳卒中発症への影響が異なったのか。
同研究班は,男性では脂質低下薬服用中で糖尿病,高血圧を合併している者が,炭水化物が多く含まれているソフトドリンクの摂取を控える傾向にあり,これが虚血性脳卒中のリスク低下に寄与していた可能性を指摘している。
追跡開始から9年目までに虚血性脳卒中を発症していた例を除外すると,男性ではリスクの低下効果が減弱したのはこのためのようだ。
女性では摂取を控えるケースはなかったというが,欧米でも女性の方がソフトドリンク摂取によるCVDへの影響を受けやすいことが,これまでにも報告されている。
※ コーラや果汁飲料などのカロリーのある甘味料が添加された飲料と定義された。100%果汁ジュースは含まれない
2012/12/28(Fri) 17:05 | URL | 精神科医師A | 【編集】
精神科医師A さん。
詳しい情報をありがとうございます。
詳しい情報をありがとうございます。
2012/12/28(Fri) 19:18 | URL | ドクター江部 | 【編集】
清涼飲料水(ソフトドリンク)と循環器疾患発症との関連について
-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果報告-
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3175.html
-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果報告-
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3175.html
2012/12/28(Fri) 21:45 | URL | 精神科医師A | 【編集】
精神科医師A さん
独立行政法人 国立がん研究センター
がん予防・検診研究センター予防研究部
-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果報告-
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3175.html
の研究、大変参考になります。
ありがとうございます。
独立行政法人 国立がん研究センター
がん予防・検診研究センター予防研究部
-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果報告-
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3175.html
の研究、大変参考になります。
ありがとうございます。
2012/12/29(Sat) 10:11 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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