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山田悟医師のケトーシスに対する懸念への私の見解、追加
こんばんは

山田悟医師のケトーシスに対する懸念への私の追加見解を述べます。

<Bernstein氏の特殊性を考慮に入れるべき>

バーンスタイン氏の特殊性とは、まぬーかさんのコメントのように

「最低限度のインスリン注射で、1型糖尿病でHbA1c4%台で維持されているところ」

と、私も思います。

バーンスタイン氏は、35才で顕性腎症前期(第3期A)を発症してから、糖質制限食で改善されて、78才の現在までお元気で過ごされています。

合併症を一度経験されているので、1時間に1回の血糖測定を行い、かなり神経質に血糖コントロールを優秀に保つよう努力されているのでしょう。

そのため、インスリンの量は少ないとはいえ、糖質摂取量も少ないので、低血糖を生じるぎりぎりくらいまで、タイトにコントロールされているのでしょう。

1型でも、HbA1c6.2%未満くらいを目指すなら、そこまでの血糖測定はいらないと思います。

2型でもHbA1c6.2%未満を目指せばいいのですが、例えば足かけ11年間スーパー糖質制限食を実践中の私のHbA1cは5.5~5.7%くらいです。

血糖測定も早朝空腹時血糖値を週に5~6回、食後血糖値は、何か糖質の多いものを摂取したときだけチェックです。

<緩やかな糖質制限食でも臨床的効果は期待できる>

そもそも同じHbA1cでコントロール良好(6.9%未満)でも、スーパー糖質制限食なら、

「食後血糖値の上昇と一日平均血糖幅の増加」

という酸化ストレスリスクはほとんどないのに比べて、カロリー制限食(高糖質食)の場合は、

「食後血糖値の上昇と一日平均血糖幅の増加」

という酸化ストレスリスクは1日3回以上、必ず上昇しています。

すなわち、HbA1cの質が上質なのは、圧倒的に糖質制限食の方であり、カロリー制限食の場合は、質の悪いHbA1cと言えます。

山田悟医師の提唱する「緩やかな糖質制限食」の場合は、「食後血糖値の上昇と一日平均血糖幅の増加」は、スーパー糖質制限食とカロリー制限食(高糖質食)の中間となります。

食後1時間血糖値180mg未満、食後2時間血糖値140mg未満を達成することが、酸化ストレスを減少させる上で重要です。

1回の食事における糖質量が10~20g以下のスーパー糖質制限食なら、多くの2型糖尿人において上記目標のクリアが可能です。

1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。

1回の食事における糖質量が40gという山田流の緩やかな糖質制限食では、120mgほど血糖値が上昇します。

はたしてそれで食後1時間血糖値180mg未満、食後2時間血糖値140mg未満を達成できるのかが、大きな問題となると思います。


江部康二



山田悟医師の
ケトーシスを来すレベルの極端な糖質制限食に対する4つの懸念事項 抜粋



Bernstein氏の特殊性を考慮に入れるべき

第三に,Bernstein氏が特殊だということである。私たちが面談していた数時間の間に,同氏はタイマーを用いて正確に1時間ごとに1回自己血糖測定をし,そのたびに数gのブドウ糖を低血糖対策もしくは低血糖予防のために摂取していた。このことは,同氏は覚醒中に必ず1時間ごとに血糖測定をしていることを意味するし,また1日に30gの食事からの糖質以外に,1回に数gの低血糖対策のためのブドウ糖摂取を1日に数回以上を行っていて,彼の糖質摂取量が1日に50g近くなるであろうことを示している。

ちなみに,1日50gというのは,Westman氏が提唱する糖質制限食においてケトーシスを避けるために設定された最低糖質摂取量である(ウェストマン氏の提唱する糖質制限食は1日50~150gという糖質摂取である;Am J Clin Nutr 2007; 86: 276-284)。私が見るに,Bernstein氏はケトーシスが生じるか生じないかギリギリのレベルの糖質制限食を,極端に頻度の高い自己血糖測定をすることにより,初めて安全に実施できているのである〔なぜ,Bernstein氏がリアルタイムの持続血糖モニター(CGM)を使用しないのかは聞くことができなかった〕。

緩やかな糖質制限食でも臨床的効果は期待できる

第四に,極端な糖質制限でなく,緩い糖質制限食であっても臨床的な効果は十分生じるということである。Kirk氏らのレビューでは,糖質が制限される度合いにより糖質制限の有効性は直線相関で強くなることが示唆されている(J Am Diet Assoc 2008; 108: 91-100)。極端な糖質制限でなければ有効性が出ないというものではない。さればこそ,Accurso氏の総説論文でも極端な糖質制限食を推奨しないで済むわけである。

40年の経験を持つBernstein氏ご自身のなさってきた糖質制限食に対する熱い思いは受け止めつつも,安全性の観点,生活の質の観点,有効性の観点からは,ケトン体産生を伴う極端な糖質制限を広く勧めることは難しいと確信した数時間であった。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
スーパー糖質制限に飽和脂肪を追加するとき
江部先生

脂肪増量カロリーアップ作戦計画中で、脂肪の種類について復習しています。

アーモンドはオレイン酸が68%だったので、アーモンドバターは良さそうに思いました。ビタミンEなど他の栄養分も期待できそうです。

ココナッツオイルは、生のエクストラバージンを買ってみる予定なのですが、ラウリン酸47%、ミリスチン酸18%、パルミチン酸9%、ステアリン酸3%の飽和脂肪だそうです。

2011年11月18日 (金) [塩分と脂質について]
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1885.html
こちらを拝見すると、
>厚生労働省は
>飽和脂肪酸(S):一価不飽和脂肪酸(M):多価不飽和脂肪酸(P)
>の比率「S:M:P=3:4:3」を推奨しています。

とのことですが、
スーパー糖質制限のときは、肉と魚と、オレイン酸豊富なオリーブオイル等の植物油を摂ると、自然と、飽和脂肪酸の枠は一杯一杯でしょうか?

もしかすると、肉を食べない時に、ココナッツオイルを食べる習慣にしたほうが良さそうですか?

それとも、飽和脂肪の量をそこまで(例えばリノール酸をなるべく控えるようには)気にしなくても良いと思われますか? 例えばココナッツオイルで肉の炒め物を作るのは、バランス的には大丈夫でしょうか。

何か使用上のアドバイスいただけると嬉しいです。
よろしくお願い致します。

各脂質の使用に際しては、カロリー過剰にならないように気をつけます。
2012/12/21(Fri) 20:32 | URL | ロバート・ダウっ子 | 【編集
問題は、食後高血糖
 私個人は、江部先生のケトン体についての解説で納得していますし、また、ポイントは食後高血糖を避けられる糖質制限を行うことだと考えています。
 バーンスタイン先生が、『糖尿病の解決―正常血糖値を得るためのガイド』の結語で「私は長い間、糖尿病患者も非糖尿病者と同じ血糖値を持つ権利があると主張してきた。しかし、この目標に確実に到達するかどうかはわれわれ自身にかかっている」と述べています。ストイックとも思える目標ですが、私は、いたくこの言葉に感銘しています。
 したがって、食後血糖が140を超えないことを私の目標とし、糖質制限したいと考えています。
 今日、職場の忘年会(中華料理店)でしたが、私の他にも糖質制限している職員がおり、二人で「餃子食べるの半年振り。1個だけいいか。ラーメンもう半年食べてないね」とか盛り上がりました。奥さんが、ふすまパンを手づくりしているそうです。今度食べさせてもらう約束をしました。糖質制限食は、確実に広がりつつあるなと思いました。
 焼酎お湯割り4杯。紹興酒1杯。酢豚など・・。帰宅後、血糖測定。少し心配でしたが、2間40分後で、97。えっと思うぐらい低かったです。

12/14の定期通院、5週間服薬なしでHbA1c5.1(JDS)でした。
半年前に、14.0もあったのがうそのようです。
 油断せずに、糖質制限します。
2012/12/21(Fri) 22:22 | URL | わんわんこと長谷川 | 【編集
プリン体、DHA、EPAについて
江部先生こんにちは。
糖質制限を始めてしばらくは肉、チーズを多く摂ってしまったためか、便秘気味になってしまいました。それから豆腐と魚を多く摂り始めたところ、海藻類や青汁でも効果がなかったのに、毎日調子よく便秘が解消され、蕁麻疹も完治しました。
ただ朝に鮭の切り身1切れ、昼食でサバの水煮190g、夕食でサンマの水煮150g、納豆1パックを食べているのですが、これはさすがにプリン体やDHA、EPAの摂りすぎでしょうか?
調子がいいので肉類やチーズを少なめにして、魚をこのくらい食べるようにしたいのですが、アドバイスお願いします。
2012/12/21(Fri) 23:15 | URL | ジュン | 【編集
糖質制限食
こんばんは

私は「糖質制限食」とは江部先生が仰られている、食後1時間血糖値180mg未満、2時間血糖値140mg未満を達成するのが糖質制限食だと思っています。

山田先生の1回の食事の糖質量40gではとてもこの数値をクリアする事は無理でしょう。
糖質制限食を実践している者としては、この食事法で「糖質制限食」の名前は使って欲しくないですね。
この食事では、セレブ病にならないように予防する為、又は境界型の方なら少しは効果が期待できるかもしれませんが、セレブ病の方には江部先生が仰られるように、効果はあまり期待できないと思います。
それよりも、「糖質制限食」をしていたのに合併症になってしまったと云われかねませんね。

名前は別のいい方、例えば欧米で使われている「糖質管理食」若しくは山田先生ご自身が責任を持って推奨されるのであれば、オリジナルの名前をつけるべきでだと思います。
2012/12/21(Fri) 23:46 | URL | モン吉 | 【編集
ジュンさんへ
糖質制限をすると、肉:魚=1:1、間食にチーズ・ナッツ、果物もリンゴ3分の一など。そして、葉物はたっぷり、根菜類は適量で行きますネ。
しかし、根菜類が糖質が多いので、つい敬遠しがちになり、軟便の末、お通じが悪くなります。
それでは、根菜類の許容範囲はどれだけか?
たとえば、ニンジン30gで糖質2g、牛蒡も30gで糖質2.9gということで、
意外に怖くないのです。
そして、”つなぎ”ができれば、快便になります。
ハンドブック片手に、許容範囲を計算して、常食の糖質を覚えてしまいましょう。
2012/12/22(Sat) 11:14 | URL | 北九州 三島 | 【編集
ロバート・ダウっ子さんへ
昨年、12月、南山さんのセミナーにいらっしゃいましたか?
まちがっていたらごめんなさい。

コメントの内容からして、よく勉強されていますね。
このサイトもご覧になっているかもしれませんね。
それで、ココナッツオイル・・・。
http://tamekiyo.com/documents/mercola/coconutoil.php

熱を加えてはいけない油が多いので、赤みのお肉をココナッツオイルで焼く、
理にかなっていますね。

2012/12/22(Sat) 11:42 | URL | 北九州 三島 | 【編集
Re: スーパー糖質制限に飽和脂肪を追加するとき
ロバート・ダウっ子 さん。

牛肉には、飽和脂肪酸もありますがオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)が一番多いです。
魚は、例えばマグロはオレイン酸が多くて、EPA・DHA、飽和脂肪酸もあります。
ココナッツオイル(やし油)は、確かに飽和脂肪酸が多いですね。

私は自分で料理しないので、ここら辺は、全く詳しくありません。
感覚的には
「肉と魚とを1:1くらいで、油脂はオレイン酸豊富なオリーブオイルを中心に」
くらいのアバウトなもので、よいように思いますが・・・・。
2012/12/22(Sat) 16:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 問題は、食後高血糖
わんわんこと長谷川 さん

「半年前に、14.0→12/14の定期通院、5週間服薬なしでHbA1c5.1(JDS)」

主治医は、びっくりしてますか?
素晴らしい改善ですね。

糖質制限している人がもう一人いたとは、心強いです。
2012/12/22(Sat) 17:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: プリン体、DHA、EPAについて
ジュン さん

魚が多いのは大丈夫と思います。
2012/12/22(Sat) 17:05 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限食
モン吉 さん。

同感です。

糖尿病の人は、選択肢はスーパー糖質制限食しかないと思います。

ダイエット目的なら、スタンダードやプチ糖質制限食もありです。

山田式も、仰有る通り、境界型レベルがギリギリですね。
糖尿人に山田式だと、180mg以上の食後高血糖が出現すると思います。
2012/12/22(Sat) 17:10 | URL | ドクター江部 | 【編集
ココナッツオイル情報でしたら、こちらもどうぞ
ココナッツオイル大好きです。エネルギー不足を感じる時にはそのまま食べてます。
http://www.mendosa.com/blog/?p=1239
2012/12/22(Sat) 17:45 | URL | ルバーブ | 【編集
Re; ロバート・ダウっ子さんへ
北九州 三島さん

コメントありがとうございました。
南山さんのセミナーについては人違いのようです。

オイルは持っている手作り石けんの本に、様々な種類が載っていて以前読んだときに興味を持ちました。

ココナッツオイルのページ、私も拝見していました。加熱に強いとのこと、面白いですよね。オリーブオイルの注意点も「そうなのか?!」とちょっと驚きでした。

オイルにも色々な性質や背景があって、面白いです。

石けんもオイルによって色々な効能を持たせることができるようです。化粧品に使うなら、個人的にはパルミトン酸が多いマカダミアナッツオイルがお気に入りです。
2012/12/22(Sat) 22:09 | URL | ロバート・ダウっ子 | 【編集
Re: スーパー糖質制限に飽和脂肪を追加するとき
江部先生

お忙しい中お返事いただきありがとうございました。

すみません! 牛肉の脂質こと、江部先生の記事を拝見して調べてみたのに、すっかり忘れていました、、、肉というとすぐ飽和脂肪との思い込みが出来上がってしまっているようです。

バターも、勝手に飽和脂肪の固まりだと思っていたら、違うんですよね! 案外バランスの良いオイルで、心底意外でした。


動物性脂肪は、こうやって何かと濡れ衣を着せられる仕組みが、できあがっているような気がしてきました。


オリーブオイル、実は、糖質制限をはじめるずっと前から使い続けて、最近オリーブオイルの味付けに飽きがきてしまっています・・またこの味か、みたいな・・

それで、糖質制限をはじめた頃は、甘いものが食べたくて生クリームを1日50〜100ccほど食べていたのを思い出した。最近は甘いものナシでもへっちゃらになってきたので、せっかくだからと生クリームを辞めたら、カロリーが不足して来たのだと思います。それで何か新しく美味しい脂を追加できたらなと思ってい試行錯誤しています。


面白そうなのでココナッツオイル、少し試してみます。

そしてよ〜く考えてみると、天然のビタミンEは高値の華なので、ここはアーモンドオイルを使ったオヤツを作るなどして、上手く使いこなせたらいいなと思い始めました。新たなオヤツ、開発してみます。


あとは。。
私は最近まったくお酒を飲まなくなったので、これでスイーツも食べなくなると、口元が寂しいのだと思います。

お酒(コーヒーもです)は、私は糖質制限をはじめたらぴたっと飲まなくなりました。いつ飲んでも食後に飲んだみたいにマズいです。350mlの糖質ゼロビールをあけても、朝半分残っています。

血糖値安定にはこういう効果もあるのか?!と思いました。個人的には禁酒したい方に試しに如何が?と思ってしまいます。
2012/12/22(Sat) 22:31 | URL | ロバート・ダウっ子 | 【編集
Re; ココナッツオイル情報でしたら、こちらもどうぞ
ルバーブさん

情報ありがとうございます! ページ早速読んで参考にさせていただきます。
初購入なので、届くのが楽しみです。
2012/12/22(Sat) 23:02 | URL | ロバート・ダウっ子 | 【編集
Re: オリーブの品種と酸化のしやすさについて
ロバート・ダウっ子 さん

オリーブオイルの件、
あらてつさんに確認してみます。
2012/12/24(Mon) 12:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
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