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糖質制限食でデータ改善・・・しかし普及への壁、常識の壁、追加
こんばんは

2012年11月16日 (金)のブログ記事

糖質制限食でデータ改善・・・しかし普及への壁、常識の壁

で登場していただいたtagashuu さんから、追加コメントを頂きました。

tagashuu さんは、プライマリケア医を目指す大学病院勤務の30代神経内科医です。

tagashuu さん、拙著の御購入、ありがとうございます。

tagashuu さんのご意見に、私も全く同感です。

「三大栄養素のうち、血糖値を上げるのは糖質のみ」
「食後高血糖、平均血糖変動幅増大は動脈硬化の明確なリスク」
「炭水化物が50-60%含まれるカロリー制限・高糖質食では食後高血糖が必発する」


少なくともこれらの生理学的事実を、糖尿病専門医は患者さんに説明する義務があると思います。

その上で、糖尿病患者さんが、

1)糖質制限食
2)糖質管理食
3)従来のカロリー制限食

のどれかを自己責任で選んでいただけは良いと思います。

他の皆さんのコメントにもありますように、しばらくの間は周囲の理解がなくても、患者さんは確実によくなるのでついてきてくれると思います。

大学病院は一般病院より、常識の壁、因習の壁が厚いので大変だと思いますが、地道に活動を続けいただけば幸いです。


江部康二



【12/11/16 tagashuu
違和感の正体
江部先生、コメント記事に取り上げて頂き本当に有難うございます。

糖質制限食について同意書をとるということにすごく違和感を感じていながら、それをうまく説明することができずにいたのですが、

先生のご返事を読んで、その違和感の正体がわかったように思います。

まさに先生のおっしゃるように、同意書が必要なのはむしろカロリー制限・高糖質食の方なんですよね。

同意書って、「これから行う治療はこういうものです。これを行うことによってこんなメリットがあります。一方、こんなデメリットもあります。それらを理解した上で治療を行うことに同意されますか」ってことを確認するものですよね。

なぜ同意書を作らなければならないかと言うと、それを取っていないと、実際にその治療を行ったて、万が一健康被害をこうむった時に、訴えられてしまうからだ、と私の上司は言います。

しかし、従来のカロリー制限・高糖質食を指導している人でそのデメリットなど一体誰が説明しているでしょうか。

 「三大栄養素のうち、血糖値を上げるのは糖質のみ」
 「食後高血糖、平均血糖変動幅増大は動脈硬化の明確なリスク」
 「炭水化物が50-60%含まれるカロリー制限・高糖質食では食後高血糖が必発する」

勉強してこれらの事実を知った今、カロリー制限食で様子をみることはもはや私には許容できません。

「糖質制限食は、カロリー制限食でうまく行かなかった人に対する選択肢の一つだ」とおっしゃる先生もいますが、

それにも私は同意できません。むしろ逆だと思います。

糖質制限食こそ食事療法の第一選択であり、嗜好や体質などの理由でどうしても実践できない人に対して、カロリー制限食はやむなく選択されるべきだと思います。

基礎的事実やすでに世に出ている質の高い疫学研究のエビデンスなどから、糖質制限食がカロリー制限・高糖質食に多くの点で勝っていることはもはや明らかです。

それなのに、糖質制限食にだけ同意書が要求され、カロリー制限・高糖質食は何のメリット・デメリットの説明もなく、さもこれが唯一の正しい食事治療だと言われんばかりに無条件で勧められるというのはいかがなものでしょう。

個人的には糖質制限を始めて1年が経とうというのに、残念ながら心底私の活動に同意してくれる人はまだ一人もいないのが現状です。

孤軍奮闘は辛いですが、正しい事を続けていればいつか必ずわかってくれる人が出てくることを信じて地道に普及活動を続けていきたいと思います。

そんな中、このブログは本当に心の支えです。こうして江部先生にブログに取り上げて頂くだけでも本当に心が救われる思いです。

江部先生やこのブログ読者さんをはじめ、糖質制限食に理解を示される方はちゃんと患者の立場をわかっている人だと思います。

私自身も糖質制限食に人生を救われた人間の一人です。これからも確信をもって少しずつでも常識の壁、普及への壁を壊していくように努力を続けたいと思います。

余談ですが、私は外来の患者さんに糖質制限食を説明する時には、できるだけ長く時間をとって説明し、かつ家に帰って忘れないように紙に簡単なメモを書いて渡していたりしています。

が、より多くの人へ説明していくにつれなかなか時間がとれなくなってきたため、

最近は江部先生の本をたくさん購入しておいて、ここぞという患者さんには本をお貸しして「今私が説明しきれなかったたくさんの事はこの中に書いてあるのであとでゆっくり読んで下さい。」というスタイルをとるようにしています。

口や簡単なメモだけで説明していた頃と比べると結構良い手応えです。

その中でも最近出された「食品別糖質量ハンドブック」は視覚的に説明しやすく、値段もリーズナブルなので患者さんに配って説明するのに最適です。

もちろん全員に本を配っていたら私の財布がパンクするので(笑)、この方法はここぞという人にしぼって行うことにしていますが。

なので、また何冊か購入させて頂きます。

ともあれ、今後ともよろしくお願い申し上げます。】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
はじめまして
はじめまして

江部先生、はじめまして
私も糖質制限を実践している52歳の医師です。

低糖質食がダイエットに効果があるよと別の医師から聞いて、なにげに自己流ではじめてみたらあまりにも効果が劇的でした。
肝機能や中性脂肪は2か月後には正常化、半年でBMIが29から25に改善して、血圧もメタボ境界値だったのが20代前半のころの数値にまで戻りました。

その頃に江部先生の存在を知り、本もブログも、実践していただけにものすごく納得の内容で感激しました。

今年の4月から糖質制限に関するブログを開始しています。
できるだけ江部先生の切り口と違う角度で糖質制限や糖尿病のことを話題にサイトを作って行けたらと考えています。

勝手に江部先生や夏井先生のサイトへのリンクを貼り、著書の紹介などさせていただいていましたが、ブログ読者の長谷川さんに江部先生にご紹介いただいた旨を伺ったので、初コメントに伺いました。

また足しげく読みに来させていただきます、どうぞよろしくお願いいたします。


女子栄養大学での講演が好感触でよかったですね、徐々に「反糖質制限」の牙城が突き崩されていくとよいですね。
私も微力ながら、自分のブログで協力させていただきます。
2012/11/18(Sun) 19:47 | URL | Dr.カルピンチョ | 【編集
Re: はじめまして
Dr.カルピンチョ さん。

コメントありがとうございます。

BMI、メタボ改善、良かったですね。

Dr.カルピンチョ のブログも覗かせて貰います。
よろしくお願い申し上げます。
2012/11/18(Sun) 21:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ご相談
watanabe akio さん

拙著のご購入ありがとうございます。

① 今後も完全3食炭水化物抜きの食事を続ける方が良いとは思いますが、
2時間値が140(または130)程度なら、パンやご飯を毎日少量でも食べて良いものでしょうか。

OKです。

② 糖値の急激な上昇がどうしても避けられない場合
ジャヌビアと共に、グルコバイやベイスン(α-GI剤)を食直前30秒に内服がいいです。

2013/01/20(Sun) 10:32 | URL | ドクター江部 | 【編集
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