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母乳と糖質、脂質
こんにちは。

母乳について、ミクママ さんから、コメント質問をいただきました。

【12/10/17 ミクママ

人の乳

いつも興味深く拝読しています。

人の乳の糖質は7.2gと、結構多いと思うのですが、これはどうお考えになりますか?

例えば、700万年前、ヒトの主食は骨(骨髄)だったとしても、赤ちゃんは乳を飲んでいたでしょうから、その期間だけは結構糖質を摂ってもよい、ということでしょうか? 】

ミクママ さん。

五訂日本食品標準成分表を見てみました。

人乳は100gで、65kcal、糖質が7.3くらい、脂質が3.5gくらいです。

糖質が総カロリーの44.9%
脂質が総カロリーの48.46%

です。

すなわち、糖質もそこそこ含まれていますが、かなりの高脂質食でもありますね。

母乳が高脂質食なので、母乳育児中の乳児の血中ケトン体値は、成人基準値よりはかなり高値となります。

一方、ご指摘のように糖質も、日本糖尿病学会推奨の50~60%には及ばないものの、そこそこの含有量です。

ヒトが吸収できる単糖には、ブドウ糖、果糖、ガラクトースがあります。

人乳あるいは哺乳類のお乳に、乳糖が含まれていることの意味は何か考えてみました。

乳糖は「ガラクトース+ブドウ糖」で構成されています。

エネルギー補給だけならブドウ糖だけでもいいようなものなのに、ガラクトースが必要なのには、理由があるようです。

乳糖が母乳の糖質の 80% 以上で、全エネルギーの 約38%を占めます。

乳糖以外には微量のグルコース、ガラクトース、種々のオリゴ糖などを含有しています。

獣医さんのサイトで以前みたのですが、乳糖(ガラクトース+ブドウ糖)の中のガラクトースが、免疫物質を
母乳から乳児に移行させるのに有用とされていますので、その分でしょうかね。

また、ガラクトースが急速に発達する乳児の中枢神経系の完成に必要という説もあります。

ガラクトースの役割、まだまだ仮説段階と思いますのでより詳しい検討が必要です。

医学書にはあまり記述がないのでガラクトースに関して、獣医さんで、ご存知のかたがおられたら、是非ご教示ください。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
体重
炭水化物を摂取すれば、楽に体重を増やせますが、やはり体調が悪くなり、制限食に戻すと体重も元に戻ってしまいます。
体重は一定まで下がったら止まり、あとはここからどれだけ増やせるかと言うところです。
やはり多めに食事をとるのが一番良いでしょうか。
2012/10/18(Thu) 16:35 | URL | キノシタ | 【編集
HDL結果報告
江部先生 こんにちは。
大酒のみのリハ医、ヘルミです。
母乳と糖質の関係、おもしろそうですね。
ヒトという動物の本来の主食はなにか、常に探っている私にとっても興味深いです。

さて、私事ですが、東日本大震災のためにスーパー糖質制限をやむなく中断(プチは続行)し1年2ヶ月、今年5月からスーパーを再開し、約半年が経過しました。
前回のスーパー施行時、毎月血液検査を行っていたとき、HDLが最高値191をたたき出したのが6ヶ月目でしたので、本日採血してみました。
医師の指導の下(自分だ・・・笑)糖質制限を行い、頻繁にデータを取っている非糖尿人もめずらしいかな、とご報告させていただきます。
GOT 20 GPT 15 LDH 160 γ-GTP 15
T-Cho 267 TG 76 HDL 161 LDL 91

あれ、前回よりHDLあがっていませんね(充分異常ですが)。
きっと前回はよほど体がびっくりしたのでしょうね。
そういえばBMIも20.0→18.9に低下するのに、前回は2ヶ月足らずでしたが、今回は5ヶ月近くかかりました。そういうものなのでしょうか。

ヘルミの場合アルコール摂取量が半端でないのであまりお役に立たないとは思いますが、ご参考まで。
(しかし、ついこの間も二日酔いで一日寝ていたというのにγ-GTP 15とは・・・我ながらあっぱれだなぁ)
2012/10/18(Thu) 17:24 | URL | ヘルミ | 【編集
Re: 体重
キノシタ さん。

糖質制限食を実践しながら
ナッツ類、オリーブオイルでの料理、1/3個程度の果物などで
エネルギー補給して、体重を増やしてください。
2012/10/18(Thu) 18:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
猫のハッチ さん。

貴重な情報をありがとうございます。

昭和初期の糖尿病食は糖質制限食だったのですね。
漠然とそのような話を聞いたことがあったのですが、
雑誌の文章の証拠ありですので、確信が持てました。
2012/10/18(Thu) 22:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: HDL結果報告
ヘルミ さん。


γ-GTP 15 とは立派ですね。

最近、LDL/HDL比
が注目されていて、

「2.0以下の患者は心筋梗塞が少なく、2.5以上ではリスクが高くなることが分かった。また別の報告で、血管のプラーク(動脈硬化病変)を調べてみると、LH比が2.5を超えるとプラーク形成が進行し、2.0以下では縮小する」

とのことなので、ヘルミさんのLDL/HDL比、は0.57で抜群の成績ですね。
2012/10/19(Fri) 16:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
レオ さん。

インスリンは身体に絶対に必要ですが、少なくてすめばそれにこしたことはありません。

インスリン注射の量が多いと、ガンのリスクが1.9倍、アルツハイマーのリスクが4倍になります。

Cペプチドが0.1~0.3でも、必要最低限単位のランタス注射で、
HbA1cが5.4%で空腹時血糖値もコントロール良好なら、問題ありません。

正常型の人でも、少量のインスリンで血糖コントロールができる人ほど身体には優しいです。
私はインスリン及びCペプチドの本当に健康な人の基準値は、現行より少ないのではと思っています。
現実に基準値を下回るインスリンの量で、血糖値は全く正常な人がいます。
少ないインスリンの量で良く折り合いがついているわけで、大変好ましいです。

インスリンは肥満ホルモン、癌化ホルモン、老化ホルモンの可能性があるので
少なくてすむほど良いのです。

なお、0.1~0.3 はさすがにやや少ないのですが、
このままコントロール良好を保つことで、β細胞が回復すれば少し増える可能性はあります。

2012/10/19(Fri) 17:10 | URL | ドクター江部 | 【編集
こんにちは。

ご丁寧に検討下さりどうも有り難うございます。

単に”糖質”という枠で考えるのではなく、より分析的にみる必要があるのですね。
母乳にガラクトースが含まれている意味・・・
興味深いですね。

いずれにせよ、800万年(最新の研究ではヒトの誕生は800万年前だそうですね)の間、ヒトは産まれて1年程は母乳を飲み、その後は骨髄や肉・魚を中心に食べていたことは事実でしょうから、現代でも、乳幼児を含め、それに倣い、スーパー糖質制限食の実践で問題なしですね。
2012/10/19(Fri) 17:58 | URL | ミクママ | 【編集
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