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糖質は、本来人類にとって、脂肪を蓄えるためのラッキー食材だった。
こんばんは。

人類がチンパンジーと分かれて誕生したのが約700万年前です。

農耕が始まるまでは人類の生業は狩猟・採集であり、全ての人類が糖質制限食でした。

約10000年前に農耕が始まり、主食が穀物へと変化し、現在まで続いています。

即ち人類が穀物を主食としたのは、長い歴史の中でわずか1/700の期間に過ぎません。

歴史的に進化の過程をみると「糖質制限食」と「穀物を主食とする高糖質食」、どちらが人類にとって自然な食事なのかはいうまでもありません。

農耕以前の人類にとって糖質は言わばラッキー食材でした。

すなわち、時々手に入る果物やナッツ、そして山芋や百合根などの根茎類くらいが比較的糖質の多い食材でした。

運良く手に入った果物を食べて血糖値が上昇すると、インスリンが分泌され筋肉に取り込まれますが、余った血糖は中性脂肪に変わり脂肪組織に蓄えられます。

このように、ラッキー食材から得た糖質は、消化吸収されたあとインスリンにより脂肪に変わり、来るべき飢餓に備える唯一のセーフティーネットとなっていたと考えられます。

インスリンは今でこそ肥満ホルモンというありがたくない別称をもっていますが、狩猟・採集時代はその脂肪を蓄える能力は、とても重要な意味をもっていたわけです。

本来、脂肪を蓄えるためのラッキー食材だったはずの糖質を、農耕開始後は日常的に毎日食べるようになりました。

さらにこの200~300年間は精製された炭水化物を食べるようになりました。現在先進国では、精製された炭水化物であるご飯やパンや麺、そして砂糖水のような清涼飲料水を日常的に大量に摂取しています。

このことが肥満や糖尿病や様々な生活習慣病の元凶となっていると私は思います。

人類の身体の消化・吸収・栄養・代謝システムは、700万年間の糖質制限食の過程を経て、突然変異を繰り返して完成されたものであり、糖質制限食に適合しています。

すなわち総摂取カロリーの50~60%が糖質という現代の穀物ベースの食生活は、人体にとってはとんでもなくバランスの悪いものなのです。

上述の如く糖質制限食は、人類本来の食事、いわば人類の健康食ですので、糖尿病や肥満をはじめとして様々な生活習慣病が改善していくのです。


江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
神経科医ブレイロック氏の講演【Nutrition & Behavior(栄養と行動)】
【Nutrition & Behavior(栄養と行動)】動画48分/日本語字幕付き
http://www.youtube.com/watch?v=ZUsC1h06OJ0&feature=player_embedded

脳外科医で神経科医のラッセル・ブレイロック氏の講演。
A famous neurologist and brain surgeon, Russell Blaylock gives a lecture titled, "Nutrition & Behaviour."
2012/10/02(Tue) 20:18 | URL | ロバート・ダウっ子 | 【編集
【Nutrition & Behavior(栄養と行動)】その2 /内容について
上記<糖分が脳に与える害>について、長い時間を割き丁寧かつ分かり易く解説されています。

糖分に関係するところは、ざっと以下のような内容でした・・

・糖分→インスリン過剰分泌→アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール、グルタミン酸塩分泌
→異常興奮状態が起き、犯罪率が増加、また修復不能な損傷を脳に与える。
・糖分を多く摂取する脳内で多くのフリーラジカルが発生し、蛋白質の交差結合が作り出され、
脳の老化を劇的に速める。
・糖分でカロリーの多くを摂る人がアルツハイマーになる可能性は6倍
知られていないが、アルツハイマーは糖分を常習的に摂ることと一番関係が深い。
・アル中の97%は低血糖症、低血糖症を治すと71%がお酒を辞める。
アメリカの大半の暴力行為は飲酒と関係がある(糖分摂取と同じ関係)。

(その3へ続く)
2012/10/02(Tue) 20:44 | URL | ロバート・ダウっ子 | 【編集
講演内容について その4
その3の続きです。

・低着色料、低炭水化物の食事で82%の注意散漫の子供が改善、28%が完治。
・110万人のNY市の生徒の給食から糖分と合成着色料を減らすのに比例して、
成績が向上し続けた。知力は食べ物に大きく左右される。
・特定のアレルゲン(小麦、牛乳、コーン、グルテン、グリアジンなど)が神経症状を引き起こしている
ことも多い。しかもアレルギーがあるものを余計に食べたくなる傾向あり。

・・先日の「ためしてガッテン アルツハイマー予防」の内容と合わせて、
糖質の害に関わる大変興味深い内容です。

江部先生はご多忙と思いますが、お時間のあるときにでもご覧下さいませ。

私にはところどころ難しい箇所があり、何度か観なおしてみる予定です。
もし面白いトピックがあれば、解説していただけたら嬉しく思います。
2012/10/02(Tue) 21:07 | URL | ロバート・ダウっ子 | 【編集
Re: 講演内容について その4
ロバート・ダウっ子 さん。

情報、ありがとうございます。
2012/10/03(Wed) 08:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生

はじめまして、東京でパワーリフティングをやっている学生です。とにかく、パワーをつけたくてトレーニングをしているのですが、体脂肪も落としたいと思い、日々試行錯誤やっています。先日発売された雑誌Tarzanで先生のことを存じ上げました。とても興味深く拝読させて頂きました。突然で失礼だとは存じますが二、三質問させて頂いてもよろしいでしょうか?

①糖質制限すると「速筋が遅筋化する」
とありましが、やはりパワーをつけたい人にとっては糖質制限食はむいていないのでしょうか?

②また、エネルギーが糖からケトン体に変わるとミトコンドリアが比較的多く必要になるとのことですが、それは同じエネルギーを放出するのにケトン体の方が糖よりたくさんいるからということでしょうか?

③私は、かなり高強度のウエイトトレーニングを週に3回ほど行っておりますが、糖質制限食でもトレーニング前後は糖質摂取が必要とありましたが、具体的に摂取量や摂取時間はトレーニング前後どれくらいが目安なのでしょうか?

④糖質制限食を開始して1カ月ほどでケトジェニックになるとありましが、結局、ケトジェニックになっても、トレーニングでは糖が必要だというところが少し理解できなかったのですが、トレーニングではケトン体はエネルギーにならないということなのでしょうか?

⑤先生の執筆された書籍の中で、トレーニングに関するものなどがあれば是非購入させて頂きたいと思っています。ご紹介頂けますでしょうか?

以上。かなり長くなってしまいましたが、お忙しいとは思いますが、ご教授頂ければ本当にありがたく思います。

何卒、よろしくお願い申し上げます。

木崎伸也
2012/10/03(Wed) 12:12 | URL | 木崎 | 【編集
Re: タイトルなし
木崎 さん。

Tarzanのご購入、ありがとうございます。

①糖質制限すると「速筋が遅筋化する」
とありましが、やはりパワーをつけたい人にとっては糖質制限食はむいていないのでしょうか?


「速筋が遅筋化する」というのは、記憶にないのですが、何ページにあるでしょう?
糖質制限食で野生動物のしなやかな筋肉はつくと思いますが、ムキムキのマッチョな筋肉作成には向かないと思います。

②また、エネルギーが糖からケトン体に変わるとミトコンドリアが比較的多く必要になるとのことですが、それは同じエネルギーを放出するのにケトン体の方が糖よりたくさんいるからということでしょうか?

肝細胞のミトコンドリア内で、脂肪酸由来のアセチルCoAから、ケトン体が作られます。
また筋肉細胞などが、脂肪酸やケトン体をエネルギー源とするときはミトコンドリア内のTCAサイクルで
行われます。このように脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化するということは、体内のミトコンドリアも活性化することとなります。

③私は、かなり高強度のウエイトトレーニングを週に3回ほど行っておりますが、糖質制限食でもトレーニング前後は糖質摂取が必要とありましたが、具体的に摂取量や摂取時間はトレーニング前後どれくらいが目安なのでしょうか?
これは、私自身は筋トレしてないので、よくわかりません。
筋トレを高強度でしたら、筋肉中のグリコーゲンは枯渇しますのでGLUT4は細胞表面に移動しています。このとき一定量の糖質を摂取してもインスリンに非依存的に筋肉細胞は血糖を取り込みます。
それにより筋肉中のグリコーゲンは速やかに回復します。

④糖質制限食を開始して1カ月ほどでケトジェニックになるとありましが、結局、ケトジェニックになっても、トレーニングでは糖が必要だというところが少し理解できなかったのですが、トレーニングではケトン体はエネルギーにならないということなのでしょうか?
高強度の運動では、筋肉はブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムを使います。
そして高強度の運動をあるていど続けると筋肉中のグリコーゲンが枯渇して動けなくなります。
持久走などでは、ほとんどを脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムで賄い、最後のラストスパートのみが
ブドウ糖-グリコーゲンです。

⑤先生の執筆された書籍の中で、トレーニングに関するものなどがあれば是非購入させて頂きたいと思っています。ご紹介頂けますでしょうか?
トレーニングに関する本は、自分がしてないので、執筆もしていません。
2012/10/03(Wed) 13:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
ご教授ありがとうございます。
江部先生

さっそくの、ご教授本当にありがとうございます。
筋肉の性質が変わるという記事は83ページの左側にありました。

糖質制限食に限らず、TCAサイクルが活性化すればミトコンドリアも活性化するということですね。また、高強度トレーニングだと糖輸送担体が表面に移動してるのでインスリンがわざわざ作用する必要がないのでトレーニング前後では糖摂取をしても大丈夫だということ、また、運動強度によって機能するエネルギーシステムが違うので脂肪酸ケトン体システムだけではどうしてもだめな場合もあるということですね!

いろいろ勉強になりました!本当に早速のご教授ありがとうございました!

自身の肉体改造に励み、また結果をご報告させて頂きます!

今のところ、糖質制限食の方が体は調子がいいです!糖質をとっているときより、体が軽いし、やる気がでてきたような気がしています!

引き続き経過を観察します!

ありがとうございました!

2012/10/03(Wed) 16:26 | URL | 木崎 | 【編集
Re: ご教授ありがとうございます。
木崎  さん。

速筋細胞の内部でミトコンドリアが増えて活性化すると、遅筋的な性質も持つようになる
ということのようです。
ここら辺は私よりライターの井上さん(マラソンランナー)のほうが詳しいです。

糖質制限食に限らず、TCAサイクルが活性化すればミトコンドリアも活性化するということですね。また、高強度トレーニングだと糖輸送担体が表面に移動してるのでインスリンがわざわざ作用する必要がないのでトレーニング前後では糖摂取をしても大丈夫だということ、また、運動強度によって機能するエネルギーシステムが違うので脂肪酸ケトン体システムだけではどうしてもだめな場合もあるということですね!

その通りです。
2012/10/04(Thu) 08:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます!
江部先生ありがとうございます!
いろいろ勉強し続けていきます!
2012/10/04(Thu) 16:49 | URL | 木崎 | 【編集
子供の場合
江部先生、こんにちは。
いつも楽しくブログ拝見しております。
健康増進のため、緩やかに糖質制限食を実施しています。
だから、家族のリクエストがなければ、ご飯を炊きません。大人はそれで良いと思いますが、小学生はいかがでしょうか?
息子は、肉好きで、おかずを先に食べてしまい、いつもご飯が残ってしまいます。ご飯も食べなさいと叱ってしまいますが、先生のブログを読んでいると、糖質制限食が元来人間の食事ならば、乳児期をすぎた8歳の子供は、糖質制限食にしても成長するのでしょうか?
もし、OKなら家族そろって糖質制限食は楽しいであろうと思い質問させていただきました。
2012/10/06(Sat) 09:59 | URL | ずぼら母 | 【編集
Re: 子供の場合
ずぼら母 さん。

仰有り通り、人類は農耕前の700万年間は、
大人も子供も妊婦も穀物なしの糖質制限食でした。
穀物摂取は、最近の1万年間だけです。

従いまして、子供が糖質制限食をしても何の問題もありません。
ご家族で糖質制限食をお楽しみください。
2012/10/06(Sat) 17:13 | URL | ドクター江部 | 【編集
有難うございます
ありがとうございます。
これでご飯も食べなさい!と言う小言を減れせます。
2012/10/07(Sun) 12:50 | URL | ずぼら母 | 【編集
こんばんは。毎日楽しみに拝見しています。
さて、ロバート・ダウっ子さんの投稿された「ブレイロック氏の講演」について、信憑性といいますか論理的な妥当性について先生の見解をお聞きしたくコメントさせて頂きました。コメントを頂けると幸いです。

件の動画で説明されていた、糖質過多→インスリン分泌→低血糖→興奮ホルモン分泌→脳にダメージという話は分かり易く、筋が通っていると感じました。
しかし、氏が別途やり玉に挙げていたグルタミン酸ナトリウム(MSG)やアスパルテーム、大豆、これらに問題があるとするロジックの妥当性が今一分かりません。結果として、氏の話全体の信憑性が如何ほどのものかも、疑問に思う次第です。
引っかかりを感じるのは主に次の点です。

・MSGやアスパルテームがインスリン分泌を促す ( 結果糖質摂取と似た効果をもたらす ) としている点
…アミノ酸でインスリン分泌を促すのはLeuのみという話を見たことがあります。すると、Glu, Asp, Pheといったアミノ酸を構成要素とするこれらの物質に当てはまらないのではないでしょうか。
※もし当てはまるとすると、糖質制限のみならず、糖質・Glu・Asp・Phe制限などとしなければ…

・MSGが持つ脳に対する毒性
… Gluは、吸収された小腸でほとんど使われてしまうこと、また脳関門の働きにより血液から脳へはほとんど運ばれないこと、この2点の性質を持っているという話を見たことがあります。すると、いかにMSGが脳に対する毒性を持っていようと、食品からの摂取とは関係ないのではないでしょうか。

・大豆
動画の28:50あたりから、Eggar&Carter(1985)の調査の件が紹介され、大豆がHighest Reactionな食品とされています。これは大豆の何が原因でどのような問題が出ているのか、良く分かりませんが、どうなのでしょうか。大豆の摂取に問題があるとされてしまうと、米の制限以上に和食の組み立てが崩壊しそうですし、糖質制限メニューを(リーズナブルに)組む上でも困ってしまうので、個人的に気になっています。

以上、長くなりましたがよろしくお願いいたします。
2012/10/08(Mon) 00:54 | URL | angel | 【編集
Re: タイトルなし
angel さん。

「ブレイロック氏の講演」まだ見てないので、正確なことは言えないのですが、アミノ酸の中で
ロイシンとアルギニンはインスリンを分泌させますが、グルカゴンも分泌させますので、
相殺されて低血糖にはなりません。

アスパルテームに関しては、インスリン分泌はないと思います。
1日の総量規制はありますが、少量ならFDAも厚生労働省も安全としています。
私も同意見です。
グルタミン酸ナトリウムに関しても、同様に思います。

大豆も、厚生労働省は、食品として摂取する限りは、OKとしています。
つまり豆腐や納豆はいくら食べてもOKなのですが、
サプリとしてイソフラボンとか単体でとるのは安全保障できないというスタンスです。
私も同様に思います。
2012/10/08(Mon) 11:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
回答ありがとうございます
早速ご回答頂きありがとうございます。
そうすると、講演の動画にあった説明はちょっと脅しが過ぎるような感じですね。
大豆やおからは良く食べるので、安心しました。
2012/10/09(Tue) 01:09 | URL | angel | 【編集
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