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読売新聞記事への反論② 米国糖尿病学会が糖質制限食を推奨
こんにちは。

2012.8.26の読売新聞朝刊記事への反論②です。

2012.8.26の読売新聞記事

『糖質制限食の考え方・・・・・米国糖尿病学会は08年、食事療法の一つとして認めている。
・・・・・・米国糖尿病学会も2年を限度とし、・・・・・・』


2007年までの米国糖尿病学会の栄養勧告では、炭水化物を1日130g以下に制限することは推奨できないと、明確に糖質制限食に対して否定的な見解でした。

その後2008年の栄養勧告で、

「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」

と、糖質制限食に対して、初の肯定的な見解が出されました。

2011年には有益性の保証期間が1年から2年に延びました。

そして2012年の最終最新の勧告でもこれを継承しています。

2008年に、ニューイングランドジャーナルに報告されたRCT研究論文(2年間の研究)DIRECT(*)などにより、2011年には、有益性の保証期間が1から2年に延長されたものと思います。

読売新聞の『米国糖尿病学会も2年を限度とし、・・・』という文言は、まるで糖質制限食を3年以上続けたら危険であるかのような誤解を新聞読者にもたらしますので、アンフェアです。

米国糖尿病学会2011年の栄養勧告は、有益性の保証期間を2年としていますが、それ以上は危険と言っているわけではありません。

過去の論文の考察により、2年間までは保証しますが、それ以上はデータがないのでわかりませんという姿勢です。

実はカロリー制限食(高糖質食)に関しても、2~3年以上経過観察したRCT研究論文のデータはほとんどないので、
長期安全性がわからないという意味では、糖質制限食とカロリー制限食(高糖質食)は同等です。

読売新聞の、糖質制限食だけが長期安全性が確立していないという印象をもたらす文言は、明らかにフェアではありません。

ジャーナリストとしての自負がおありなら、もう少しニュートラルに記事を書いてほしいものです。


(*)ニューイングランドジャーナル(DIRECTという論文)
 Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet.
 NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241
 糖質制限食が最も体重を減少させ、HDL-Cを増加させ、HbA1cを改善させた。
 2年間の研究。




江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
江部先生good jobです
読売新聞への反論はすごくわかりやすく論理的でした。おかげさまで胸につっかえてたものがスッキリとれました。お疲れ様です。
2012/08/29(Wed) 15:19 | URL | ちえ | 【編集
こんにちは
いつもブログを拝見させていただいております。
我が家は読売新聞を読んでいます。日曜日の糖質制限のページを見て、2年間しか糖質制限をしてはいけないんだと思ってしまいました。でも今日のブログを読ませていただいて、ホッと安堵いたしました。ありがとうございます。
2012/08/29(Wed) 16:19 | URL | rakko | 【編集
該当記事を読みました。
はじめまして。
当日該当記事を読みました。江部先生の危惧どおり、糖質制限を知ったばかりの私は「2年以上続けると危険なのかなあ・・」と素直に(笑)受けとってしまいました。
あいだに入る人によって第三者に伝わる情報は如何様にもなる。
ホントにこわいですね・・

まあ結果その記事を読んだことで、その足で江部先生の著書をすぐネット注文することになったのですから、私にとってはよかったのかもしれませんが(笑)

私事になりますが、実母のガンの闘病生活、長年の実父の糖尿病の闘病生活をみてきて、玄米菜食はもとよりいろいろ我が身をもって試しつづけ、(私はそのおかげで?プラス酒たばこ一切やらず、メタボ知らずの健康体・・のはず)食事の節制の仕方や通説の理論、お医者の指示など、そのことに少し入り込んで勉強するといろいろ腑に落ちない点が出てきて、なんかおかしいなあ、と常々思い続けてきました。

それが江部先生の著書を読んでホントにスッキリ納得!
いろいろ考えてきたことがまさしくテトリスのように組みあわさって、自分の中で積み上げてきた理論がキレイに統合された気がします。
とりあえず自分で試さないと気が済まないたちなので、昨日からスーパーではじめています。元々脂肪が殆ど無い体質なので、脂質を少し多めに取らないと、ですかね。

とりあえず、
先ずはありがとうございました。

これからブログ読ませていただきます。
よろしくお願い致します。
2012/08/29(Wed) 18:05 | URL | R・パーカー | 【編集
Shai (2008) をめぐって
2008年のNEJMに掲載されたShai論文、多くの医学文献に引用されているが、評価の仕方はさまざまである。ここにまとめて紹介する

①内科105(1)100-103, 2010
低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義
高雄病院理事長 江部康二
(P102)
疫学研究として322人の成人を、低脂肪食(カロリー制限あり)、地中海食(カロリー制限あり)、低炭水化物食(カロリー制限なしのAtkins式ダイエット)の3群に分けて2年間観察した結果、低炭水化物食群がもっとも体重を減少させ、HDL-Cも増加したという「N Eng J Med」の報告がある。

②日本臨床68(Suppl.2)613-617, 2010
低炭水化物ダイエットの是非
京都大学医学部附属病院疾患栄養治療部 幣 憲―郎
(P614)
すなわち、種々のダイエット法が存在するが、実践―継続の観点が最も重要な管理ポイントとなり、各種ダイエットプログラムを比較して、2年間の体重変動を確認した研究報告によると、どのダイエットプログラムにおいても同様な体重変動経過をたどっている。

③ 糖尿病診療マスター8(3)301-308, 2010
低炭水化物食か低脂肪食か? どちらを指導する?
京都大学大学院人間環境学研究科 津田謹輔
(P306)
炭水化物が多いと食後血糖値が上昇し、インスリン分泌への負担が大きい 高脂肪食はインスリン抵抗性を増強する。そのジレンマに対して、ひとつのヒントは地中海食にある。地中海食が、低脂肪食や低炭水化物食と同程度の体重減少をもたらしたという報告がある。地中海食は和食とも共通点がある すなわち、地中海食では炭水化物としてパスタを食べ、また、魚介類が多いのでn-3系不飽和脂肪酸をとることができる。肉は仔牛や仔羊を用いるのでインスリン抵抗性を増強する飽和脂肪酸が比較的少ない。豆類、きのこ、緑責色野菜も多い。
 地中海食が和食と大きく異なるのは「あぶら」の違いである 地中海食はオリーブ油に代表される一価不飽和脂肪酸が多い。糖尿病食事療法における一価不飽和脂肪酸の利点としては、インスリン抵抗性を悪化しないし、インスリン分泌に負担増とならない またHDLコレステロールに影響を与えず、LDLコレステロールや中性脂肪を低下させる。

④内分泌・糖尿病・代謝内科32(4)346-354, 2011
糖尿病の食事療法で何を制限すべきか? (低炭水化物食vs低脂肪食)
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科 羽田裕亮、門脇孝
(P352)
 また、低炭水化物食と低脂肪食を地中海食と比較して行われた研究もある。ここでいう地中海食とは炭水化物としてパスタを取り、豆類、キノコ、緑黄色野菜、赤身、鶏肉が多く、牛肉や羊肉はあまりとらないタイプの食生活である。脂質に関してはオリーブオイルなどの一価不飽和脂肪酸の摂取が多く、飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸は控えられている。
 いわゆる「和食」と似ているが一価不飽和脂肪酸の摂取が多い点が異なる。一価不飽和脂肪酸はインスリン抵抗性を悪化せず、インスリン分泌に負担にならないと考えられており、LDLコレステロールや中性脂肪を下げる効果が期待されている。
 この研究では低炭水化物食が最も体重を減らしたものの、その後リバウンドしている。低脂肪食も軽度に体重を減らした後にリバウンドをしているが、地中海食では当初の体重減少は低脂肪食程度であるがその後のリバウンドが少なく最終的には低炭水化物食と同等の体重減少を示している。継続可能な減量効果やインスリン抵抗性に対する一価不飽和脂肪酸の影響を考えるとこのような食事療法も考慮する必要があるかもしれない
2012/08/29(Wed) 20:37 | URL | 精神科医師A | 【編集
⑤Diabetes Frontier 22(1)35-39, 2011
低炭水化物食と癌
東京医科大学内科学第三講座糖尿病・代謝・内分泌内科 野田絵美子、小田原雅人
(P35)
Dietary Intervention Randomized Controned Trial (DIRECT) Groupによると、322名の肥満者、2型糖尿病患者、あるいは冠動脈疾患患者を、低炭水化物食(カロリー制限なし)、地中海食(カロリー制限あり)、低脂質食(カロリー制限あり)の3つの食事療法に割り付け、 2年間検討した。その結果、いずれの食事療法も体重減少を示したが、低炭水化物食が最も体重を減少させた。また、低炭水化物食は脂質を改善、地中海食は血糖値を改善するという代謝効果をもち、低炭水化物食の有用性が示唆された。

⑥治療94(増刊)742-748, 2012
糖質制限食の効果は、いまどのように認められているのでしようか?
江部康二 高雄病院理事長
(P743)
322人の肥満者・2型糖尿病患者・冠動脈疾患患者を糖質制限食・地中海食・脂肪制限食の3グループに分けて、2年間比較したイスラエルのShaiらのRCT研究論文によれば、36人の糖尿病患者において糖質制限食群だけがHbAlcを有意に低下させた。空腹時血糖値については地中海食グループだけが有意に低下していたので、糖質制限食グループでHbA1cが改善したのは、食後高血糖を予防したことが寄与したと考えられる。


⑦Diabetes Strategy 2(2)62-77, 2012
治療ターゲットを考えた食事療法はどうするのか
北里研究所病院 山田悟
(P67)
実際ShaiらのDIRECT試験では、過体重でBMI>27の人を低脂質・低カロリー食、地中海式低カロリー食、糖質制限・カロリー無制限食の3群に分け比較しています。糖質制限群は初期を除き最大120g/日とケトン体産生を回避しています。糖質制限群は体重の減量の維持、脂質レベルでも 最も成績がよいとされました。さらに糖尿病患者に限定すると HbA1cの低下が最も得られていたのも糖質制限群でした。

⑧アンチ・エイジング医学8(3)412-416, 2012
糖質制限
慶応大学腎臓内分泌代謝内科 入江潤一郎、伊藤裕
(P413)
 そのなかで 達成率が高く継続できる治療食という観点から、2008年に発表されたDIRECT試験は注目を集めた。肥満者に対して脂肪制限カロリー制限食(脂質30%以下)、糖質制限カロリー非制限食(糖質120g/日以下)および地中海式カロリー制限食(脂質35%以下)のいずれかの介入を行い、試験2年目でのアドヒアランスが85%と高い達成率のなか、体重減少に関して糖質制限食が最も効果が大きく 糖尿病を有する患者における検討ではHbA1cの改善は糖質制限食でのみ有意に認められた(図2)。本研究の結果はADAのstatementに反映された。

⑨アンチ・エイジング医学8(3)417-421, 2012
脂質制限
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科 羽田 裕亮、山内 敏正、門脇孝
(P417)
 また 日本人対象ではないが 低炭水化物食と低脂肪食に加えて地中海食も比較した研究もある。地中海食とは、炭水化物としてパスタを摂り、豆類、キノコ、緑黄色野菜、赤身、鶏肉を多く摂り牛肉や羊肉はあまり摂らないタイプの食生活である。脂質に関しては、オリーブオイルなどの一価不飽和脂肪酸の摂取が多いが、飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸は控えられている。一価不飽和脂肪産の摂取が多い点以外はいわゆる「和食」と似ている。
 一価不飽和脂肪酸はインスリン抵抗性を悪化せず。インスリン分泌に負担にならないと考えられており、LDLコレステロールや中性脂肪を下げる効果が期待されている。この研究では低炭水化物食が最も体量を減らしたものの その後リバウンドしている。低脂肪食も軽度に体重を減らしたのちにリバウンドをしているが、地中海食では当初の体重減少は低脂肪食程度であるがその後のリバウンドが少なく、最終的には低炭水化物食と同等の体重減少を示している。継続可能な減量効果やインスリン抵抗性に対する一価不飽和脂肪酸の影響を考えると、このような食事療法も考慮する必要があるかもしれない
2012/08/29(Wed) 20:41 | URL | 精神科医師A | 【編集
今日のクローズアップ現代
今日のクローズアップ現代、半々ですね。

 カロリー制限派、糖質制限派

いずれの立場を取るか。

取材を受けたディレクターは、ニュートラルと言っていたので、

糖質制限ブームを放っておけないが、エビデンスがないので…、強力に押すわけにもいかない。しかし、現実に、市民が先行して効果をあげている。不勉強な医師が遅れを取っている現状で、そうした混とんを整理しておきたいくらいでしょうか。

まさに、クローズアップ現代ですね。

江部先生は11年、in北九州には20年という猛者がいて、私が15カ月、みなさん絶好調の毎日に、”反”糖質制限派の見解がなんともばかばかしいと思える今日この頃です。

清野先生が、門脇、河盛両先生と一線を画しているとすれば、スタジオが、江部、山田先生でないことを考え合わせて、ふ~ん。それで、ニュートラルか。

あと10時間もすれば分かります。

HPの写真は、山田先生の患者会。in北九州の月例会の様子はボツ(汗;)

糖質制限の成功例と失敗例がでて、糖質さえ外せば、こんなにおいしいものが食べられるという資料映像に、in北九州のマドンナが登場。in北九州の7月のレシピの豆腐干糸麺使用冷やし中華を作ります。

しかし、腎臓病など、既往症によっては適応しないケースがある。主治医に相談してとお定まりの結論でしょう。

主治医に相談と言っても、もりぞの先生の前の糖尿病専門医は、15ヶ月間、その月のレシピと血糖値を持参しても、馬耳東風でした。叱られないだけ良かったのですが・・・。

新小倉病院、済生会…に少し、動きがあるようですが。義父の主治医の内科医は、義父がトイレで気分が悪くなった時、周期性四肢まひの診断、素人でも、糖尿病性脳こうそくを思うのに。さらに、1週間後立ち上がれなくなっても、救急車を呼ぼうっとしない。家族でお願いしてようやく紹介状を書いてくれた。

そんな現状ですから、全国に糖質制限を指導してくれるお医者さんを望む声は多いのです。

夏井睦先生の湿潤治療は、全国に、賛同派のお医者さんが広がっているので、糖質制限もそうなってほしい。

今日のクローズアップ現代は、そのまさに”ターニングポイント”(江部先生率いるバンドの名)かも。

2012/08/30(Thu) 11:40 | URL | 北九州 三島 | 【編集
Re: 江部先生good jobです
ちえ さん。

そう言っていただけると嬉しいです。
ありがとうございます。
2012/08/30(Thu) 14:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
精神科医師A さん。

情報をありがとうございます。

いろんな、解釈がりますね。

しかしRCT研究論文で優位差がでているところを、同じくらいという論調は如何なものでしょうね。
2012/08/30(Thu) 14:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 御礼
ぱんち さん。

拙著のご購入、ありがとうございます。
データ改善も良かったです。
これからも美味しく楽しく末永く糖質制限食をお続け下さいね。
2012/08/31(Fri) 14:38 | URL | ドクター江部 | 【編集
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