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スーパー糖質制限食とエビデンスと理論

【12/08/25 山西

脂肪摂取と大腸がん

開業医ですがいつも興味をもってブログを拝読させていただいています。糖質制限について大腸がんなどの発生率は個人的には最も関心のあるテーマです。

以前に同じ質問をさせていただきましたがまだ十分納得出来るとは正直申し上げれない心境です。

疫学や栄養学の分野では薬剤効果を検討する論文のように比較条件をマッチングさせて明快に結論がでるようなデザインでまとめることは困難のように思えます。

今回先生が紹介されたJAMAの文献は先生の著書でも取り上げられていますが脂肪制限と糖質制限の結果生じる脂肪過剰摂取とでは同列には比較検討できないように思えます。

スパー糖質制限していたイヌイット人の話でも彼らの平均寿命、死亡原因疾患内容にもし大きな違いがあれば母集団として比較することは困難と思います。

たとえばイヌイットの平均寿命がとても短いならそれだけで癌発生率は低くなってしまいます。 癌や動脈硬化疾患への影響についてすっきりしたデータが出ることを切望しています 

多くのブログ読書がそうであるのと同様に糖質制限食が糖尿病治療に革命を起こしていると思っており心から今後の普及発展を期待して止みません。】



こんにちは。

山西先生から、糖質制限食の長期安全性についてコメントをいただきました。

山西 先生、ありがとうございます。

2012.8.25の記事のJAMAの論文は、

「脂肪摂取比率30数%のグループと20%のグループの比較で優位差なし」です。

大腸ガン・乳ガン・心血管疾患全て優位差なしです。

スーパー糖質制限食なら、脂肪摂取比率50~60%ですから、そのような集団を長期に追跡した論文は存在しませんので、ご指摘どおり、スーパー糖質制限食の長期的安全性に関するエビデンスはありません。

一方、脂肪を20%まで厳格に制限しても、少なくとも大腸ガン・乳ガン・心血管疾患に関しては無意味というエビデンスはあると言えます。

またカロリー制限食(高糖質食)の長期的安全性・有効性に関しても、エビデンスはありません。

「癌や動脈硬化疾患への影響についてすっきりしたデータが出ることを切望しています。」

ご指摘のように、食事療法の長期間のRCT研究論文は極めて困難です。

また、コホート研究は参考になりますが、一定のバイアスが入ることは否めません。

従いまして、エビデンス的にすっきりは、今後も極めて困難と思います。

論文による信頼できるエビデンスが期待できない以上は、理論的に考えることが最善と思います。

私自身は、

1)過去エビデンスがある血液検査の動脈硬化のリスク要因が、スーパー糖質制限食で全て改善する。

2)発ガンの大きな要因としてエビデンスがある高血糖と高インスリン血症が、スーパー糖質制限食で改善する。

3)発ガン予防のエビデンスがあるHDL-コレステロールが、スーパー糖質制限食で上昇する。

スーパー糖質制限食実践により、1)2)3)の利点があります。

他の、どのような食事療法も1)2)3)の利点をクリアすることは不可能です。

例えば糖質を摂取すれば、高血糖と高インスリン血症を生じ、HDL-コレステロールは減少し、中性脂肪は増加します。

理論的にこれほど明白な利点があるので、私は迷うことなく、2002年から2012年まで足かけ11年
スーパー糖質制限食を実践していますし、患者さんにも勧めています。

私は医師であり糖尿人でもありますが、食後高血糖を必ず生じるカロリー制限食(高糖質食)を糖尿病患者さんに勧めることは、倫理的な観点から見てもとてもできません。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
Re: こんにちは
こる さん。

糖質制限食を実践すれば、食後高血糖は改善します。
産婦人科の先生とは相談されるのがよいと思います。
2012/08/26(Sun) 18:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントありがとうございます
やや単刀直入な失礼な質問に対してご丁寧に且つ明快なご回答をいただき誠に有難うございます。先生の糖質制限食の治療法と出会ってまだ半年足らずの浅学者ですが僭越ながら先生と全く同様に考えるに至っています。詳細な議論は尽きませんのでまた機会がありましたらよろしくお願いいたします。実は外来に先生の本を掲示しておりまして興味のある方や従来の治療で改善しにくい患者さんに先生の著書に沿って自ら制限方法説明しています。多くはプチか標準の制限食ですがそれなりに効果が出ますし10kg以上減量できて投薬が不要になった方もいます。またスパー制限食を独学で実施して検査だけしてほしいと突然来られた方が3名おられますが全員投薬不要になっていました。糖質制限が普及して来ている証拠ですね。糖尿病への効果について議論の余地はないように思っていますがやはり保守的な一部学会や行政機関からの副作用、安全性などに対して中傷、批判は今後もなくならないと思います。今後も先生の惜しみない啓蒙活動が発展し結実されることを祈念しております
遅ればせながらも先生の革命的な治療方法に出会ったことに大変感謝しております。今後も時々質問させていただくかもしれませんが是非よろしくお願いいたします
2012/08/26(Sun) 21:17 | URL | 山西 | 【編集
電光掲示板
塾は、大きな通りに面していて、交通量が多いです。
最近、信号待ちで、後続車から、クラクションを鳴らされて、発進を迫られる車が多くなっています。
その心は、電光掲示板で、江部先生の出演される番組や、著書を紹介しているからです。
塾そのものは、ミニミニで40人定員、満員御礼なので、募集広告をしなくてもよいので、糖質制限の紹介ができるというわけです。(笑)
2012/08/26(Sun) 22:40 | URL | 北九州 三島 | 【編集
読売新聞に先生の記事が載りました。
高尾病院で2週間の試験入院させていただいてから、ずっとスーパー糖質制限を続けています。
今日の読売新聞に糖質制限と江部先生のことが載りました。「糖質制限ブーム 原料に高い効果・極端は危険」という見出しです。ところが、ケトン体が血中に増えすぎて危険な状態に陥ったとする報告が海外で相次いだ。最近では長く続けると脳卒中や心筋梗塞の危険性が高まるとの研究も相次いでいる。米国糖尿病学会は2年を限度とし、国内では主食も多少取る方法を勧める専門医もいる。さらに糖尿病学会の門脇理事長は7月「極端な糖質制限は生命の危険性さえあり、勧められない」という異例の発表を行い,注意を喚起した。という前回の記事と大差ない内容になってしまっています。
2012/08/26(Sun) 23:26 | URL | 長沢 | 【編集
Re:読売新聞に先生の記事が載りました
私も読みました.

この記者は,糖質制限について賛否両論を掲載したのだから,これで『公平中立』と強弁するのでしょうね.

しかしこの記事は定性論ばかりで,あるいは東大病院長が言ったから,という権威主義ばかりであって,科学であるべき医療において最も重要な定量的観点が皆無ですね. この記事を読んだ人は,糖質制限を長期間行えば『必ず』何らかの障害が出る,という印象を受けるでしょうね.  しかし,糖質制限を行った場合は目に見えて症状が改善する実例がほとんどであるのに対して,多分百万人は下らないアトキンスイダイエット実行者中,たった2例見られたケースとを同列に掲載するのがはたして公平中立なのでしょうか.
2012/08/27(Mon) 11:46 | URL | しらねのぞるば | 【編集
読売新聞を読みました
糖尿病学会の門脇理事長とやら明らかに勉強不足です。この人は今からどうなっていくのか見定めていきましょう。
2012/08/27(Mon) 12:10 | URL | ちえ | 【編集
塾生も保護者も講師も…
糖質制限のおかげで、

保護者のメタボ改善、
塾生の居眠り防止、成績UP、
バイトの医学生も、食事の支度が楽と、
女性講師は、水着が着られるように・・・。(汗;)

読売さんに、実態を見てほしい。(笑)

月例会には、NHKや、桐山秀樹さんの取材もありました。

いま、自ら、糖質制限をやられて、10k減の糖尿病専門医、整形外科医、栄養士、薬剤師、・・・と
20数名のin糖質セイゲニストが、北九州で啓蒙活動を続けています。

そうそう、メンバーの30kg減量に成功のY女史が、30日、NHKクローズアップ現代に出演します。
2012/08/27(Mon) 13:53 | URL | 北九州 三島 | 【編集
Re: 初めまして
影の総長 さん。

BMI:20.8

と基準値内であり、
体脂肪率も19%なら、基準値内です。

糖質制限食実践でも、そんなに変化はないと思います。
2012/08/27(Mon) 15:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: コメントありがとうございます
山西 先生

第一線の臨床の医師が糖質制限食を理解・推奨して頂き、嬉しい限りです。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

山西先生は、2012年5月20日のNPOリボーン主催・糖質制限食医療関係社セミナーにご参加頂いた
神戸市 山西内科の山西淳司先生という認識でよろしいでしょうか?
2012/08/27(Mon) 15:47 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 電光掲示板
北九州 三島 さん。

拙著のご紹介、糖質制限食普及活動、
いつもありがとうございます。

北九州の糖質セイゲニストの皆さん、活発な例会活動を毎月開催で、とってもお元気ですね。
2012/08/27(Mon) 15:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 合併症のある患者としては
摂津のエクレア さん。

今ここにある危機を、放置して20年・30年後の心配をするという糖尿病学会の考え方
たしかに不思議ですね。
2012/08/27(Mon) 15:52 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 読売新聞に先生の記事が載りました。
長沢 さん。

読売新聞の記事、私も見ました。
糖質制限食の認知が進むということに関しては、意味があったと思います。

読売新聞の言う3つの問題点には、以前の記事と重複することもありますが、それぞれ反論したいと思います。
2012/08/27(Mon) 15:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 今夜のNHK
菜花 さん。

今日のNHK総合「ゆうどきネット」
私も録画で出演します。

生出演の予定でしたが、そちらは諸般の事情で没になりました。

関西では放映されませんので残念です。
2012/08/27(Mon) 15:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: Re:読売新聞に先生の記事が載りました
しらねのぞるば さん。

同感です。
2012/08/27(Mon) 16:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 塾生も保護者も講師も…
北九州 三島 さん。

20数名のin糖質セイゲニスト(in北九州)素晴らしい実績ですね。

本日の
「ゆうどきネットワーク」

30日の
「クローズアップ現代」

NHKの番組に糖質制限食が取り上げられるのは、時代の流れでしょうね。

日本糖尿病学会さん、ゆるやかな糖質制限食はOKとのことですが、
スーパー糖質制限食を認知させるまで、論議をしっかり進めたいと思います。
2012/08/27(Mon) 16:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
ゆうどきネットワーク
ゆうどきネットワーク NHKが、よくここまで肯定的に糖質制限食をすすめる番組に持っていったか、さぞかし番組制作者への、糖尿病学会の圧力もあったことでしょうに。東大病院 門脇氏、読売新聞等が、根拠のない否定をしても大きく流れが変わった感じですね。
江部先生が、長年地道に啓蒙活動を進めてこられたご努力が、ついに「スーパー糖質制限食」のように速攻で、効いてきそうなに感じます。
2012/08/27(Mon) 19:50 | URL | 千石温泉 植村 | 【編集
Re: Re: Re:コメントありがとうございます
山西 先生

今後、患者さんを紹介させて頂くこともあると思いますが、
よろしくお願い申し上げます。
2012/08/28(Tue) 09:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ゆうどきネットワーク
千石温泉 植村 さん。

ゆうどきネットワーク、関西は放映されないのですが、まあまあ良かったようですね。

クローズアップ現代、どうなるでしょうね?
2012/08/28(Tue) 10:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
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