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スーパー糖質制限食VSカロリー制限食(高糖質食)、有効性と安全性
こんばんは。

今回は、スーパー糖質制限食とカロリー制限食(高糖質食)の有効性と安全性を検証してみます。

まずは、現在の医学界の土俵に則って、EBMの観点から考察です。

evidence based medhicine(根拠に基づいた医学)→略してEBM

EBMにおいて最も信頼度が高いとされているのが、RCT研究(無作為割り付け臨床試験)論文です。


1)EBMの視点からは、糖質制限食の有効性において肯定的な信頼度の高いRCT研究論文が、
  少なくとも3つあります。

・ニューイングランドジャーナル(DIRECTという論文)
 Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241
 糖質制限食が最も体重を減少させ、HDL-Cを増加させ、HbA1cを改善させた。
 2年間の研究。

・米国医師会雑誌、JAMA(AtoZ studyという論文)
 Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
 The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977
 糖質制限食が最も体重を減少させ、HDL-Cを増加させ、中性脂肪を改善させた。
 1年間の研究。

・「低炭水化物食」と「低脂質・低カロリー食」を比較したRCT論文のメタアナリシス
 Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
 Obesity Reviews Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は糖質制限食が低脂質・低カロリー食に比し有効。

いずれもインパクト・ファクターは高いです。

2)糖質制限食に否定的なRCT研究論文は、1つだけです。

米国糖尿病協会の医学雑誌Diabetesに載った論文です。

2012.1.15の日本病態栄養学会でも、非側の久保先生が提示されたRCT研究論文はこの1つだけでした。

『Una Bradley1, Michelle Spence2, C. Hamish Courtney1, Michelle C. McKinley2, Cieran N. Ennis1, David R. McCance1, Jane McEneny2, Patrick M. Bell1, Ian S. Young2 and Steven J. Hunter1
Low-Fat Versus Low-Carbohydrate Weight Reduction Diets
Effects on Weight Loss, Insulin Resistance, and Cardiovascular Risk: A Randomized Control Trial
Diabetes 58:2741-2748』

この論文、典型的な歪曲論文です。

冒頭の「結果」や「結論」では意図的に、糖質制限食に不利に見える記載(Aortic augumentation index悪化を意味するかもしれない)がありますが、本文をみると実は有意差なしです。

つまり動脈硬化のリスクとはなりません。

さらに、英文原著の本文を読むと、低炭水化物食群において中性脂肪値とHbA1cが有意差をもって改善していますが、低脂肪高炭水化物食群では改善なしです。

このことを冒頭の「結果」や「結論」では意図的に隠しています。

そして英国砂糖局がスポンサーの一つです。

杏林大教授・石田均先生もこの論文を引用して糖質制限食批判をしておられます。

現在まで、RCT研究論文で糖質制限食に否定的なものは、このDiabetesの歪曲論文のみで、久保先生も石田先生も引用しておられるのですが、是非本文をしっかり読みなおして頂きたいと思います。

このようにまずRCT研究論文の、短期的・中期的有効性のエビデンスレベルでは、糖質制限食が圧勝です。

一方、長期的安全性に関しては、スーパー糖質制限食にもカロリー制限食にも、共にエビデンスと呼べる論文報告は、ありません。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
1日の食事量♪
毎日暑い日が続きますが、夏バテしないように食事管理はしっかりやっています。ただウェイターとして常に動きまわっているので、1日二食の時はカロリー制限で糖質を70㌘以上取っています。しかし、スーパー糖質制限で1日三食がっちり食べた時の方が体重が2~3㌔落ちているので、糖質制限恐るべしといったところです!
さて、先生に質問なのですが、糖質制限だと少量の食事でも10時間近く持つのですが、これはどうういうことなのでしょうか?参考までに豆腐干絲のパスタ仕立てと麻婆茄子を昼飯にしてます。
2012/08/07(Tue) 00:43 | URL | DJニューエラ | 【編集
Re: 1日の食事量♪
DJニューエラ さん。

糖質制限食実践中は、常に「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムが活発に稼働しています。

従いまして、自分の体に備蓄してある体脂肪が有る限り、少々食べなくても動き回ることが可能です。

糖質を摂取すると4時間後くらいに血糖値が下降して、急速に空腹になり活動しがたくなります。
2012/08/07(Tue) 10:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ご無沙汰しています。
ジル さん。

コントロール良好ですね。
今のパーターンでいいと思います。

スタンダードでも糖質は少ないほどいいです。
おなかが空けば、脂質・タンパク質をしっかり食べてください。

婦人科の主治医には糖尿病であることを、伝えるのがよいです。
2012/08/07(Tue) 10:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限と過食症について
村上 さん。

20:30でも、糖質制限食と焼酎なら大丈夫です。

過食症の治療経験はありませんのでよくわかりませんが、
糖質制限食を続けていると、糖質を摂取していたときの激しい空腹感はなくなります。
2012/08/07(Tue) 10:57 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限韓国料理
韓国料理「金泉」 さん。

糖質制限食コース、いいですね。
8月17日(金)ライブもありがとうございます。
2012/08/07(Tue) 12:27 | URL | ドクター江部 | 【編集
ダイエット成功しました♪
40過ぎから代謝が悪くなり脂肪がお腹周りについてきました。元々 昼食時しか白米は食べず 小食でそんなに太ってはいなかったのですが糖質制限をして1週間でスカートがゆるくなり2か月で3キロ減りました。諦めかけていた所にこんな素晴らしい先生のダイエットに出逢えて本当に幸せです。ありがとうございます!これからも益々、ご活躍をお祈りしています。
2012/08/07(Tue) 19:15 | URL | 真由美 | 【編集
Re: ダイエット成功しました♪
真由美 さん。

ダイエット成功、良かったですね。
これからも美味しく楽しく糖質制限食、お続けくださいね。
2012/08/07(Tue) 20:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
驚異的改善!!
2012/6月健康診断で「糖尿病」と宣告あり。ここ数年「予備軍」でしたが遂に「昇格」
私は59歳男、これはヤバイということで改善方法をネット検索、見つけました「スーパー糖質制限食」。
カロリー計算が面倒なので「スーパー・・」にしました。3か月徹底的にチャレンジ・・
検査結果・・食後2時間血糖値240→190
A1C10.4→6.1
行きつけのドクターがびっくり・・「何をしたんだ?」って・・
ありがとうございました、もうしばらく生きられそうです。嬉しくてご報告させて頂きました。
それと、「スーパー糖質・・」勝手にパクリました。スミマセン。
2012/08/31(Fri) 14:17 | URL | 糖病生活(匿名) | 【編集
Re: 驚異的改善!!
糖病生活(匿名)さん。

著明改善、良かったですね。
ドクターのびっくりする顔が、目に浮かびます。
2012/08/31(Fri) 14:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ケトン尿とコレステロールLDL
太郎 さん。

ケトン尿は、厳しくスーパー糖質制限すると、2年でも3年でも、出ることがあります。

例えば、小児てんかんの「ケトン食(脂肪80%)」なら、ずっとケトン体が尿にでます。

LDLコレステロールは、2年くらいまでで基準値になる人がほとんどですが、
気になれば、主治医と相談されて、スタチン系の薬物ではなく、「ゼチーア」という
食物からのコレステロールの吸収を抑制する薬を飲むのも選択肢の一つと思います。
2012/09/01(Sat) 19:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
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