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糖質制限食で血糖値、HbA1c改善。蒸留酒や赤ワインはOK食品。
こんばんは。

ワイン大好きさんから、糖質制限食で血糖値、HbA1c改善という嬉しいコメントをいただきました。


2012年1月
血糖値:120、HbA1C:5.7   体重:66~67kg(身長173、年齢60)

2012年6月
血糖値:102、HbA1C:5.2  体重:60~61kg
尿酸値、中性脂肪他劇的に改善!



素晴らしい改善ですね。
糖尿の内服薬も全く必要ないです。

このデータなら適量のお酒(赤ワインなど)は問題ありません。

アルコールそのものは血糖値を上昇させませんので、糖質含有量がないか少ないお酒適量は糖質制限食OK食品です。

糖質制限食では、糖質の含まれていない蒸留酒(焼酎、ウィスキー、ブランデーなど)や糖質ゼロ発泡酒はOKですが、糖質の含まれている醸造酒(ビール、日本酒、ワインなど)は原則禁止です。

醸造酒の中で辛口赤ワインは血糖値をほとんど上昇させないのでOKです。

また白ワインでも、きっちり辛口のものなら血糖値をほとんど上げないのでOKです。

日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、一定の条件下で許可されることもあります。

その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。

1良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3脂質代謝異常(特に高トリグリセリド血症)がない
4肝・膵疾患がない
5決められた上限量を守る患者である

この5項目、糖質制限食実践している糖尿人なら、多くの人は1~4はクリアですね。

私も、1~4は完璧にクリアですが、5が微妙ですね。

5が微妙ですが、私の場合血液検査では、肝機能は常に正常です。

ワイン大好きさんも肝機能は定期的にチェックしてくださいね。

決められた上限量って本人が決めるの?
主治医が決めるの?
WIfeが決めるの?・・・ (*_*)

まあ、自己管理のうえで、自己責任で肝臓にもやさしく、個々の適量を飲むということでしょうか。 (^_^)

アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。

エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。

またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、empty calory と言われています。

それから、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。

従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。

一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。

また、空腹時にアルコールを飲んだりすれば、糖新生が抑制される分、インスリン注射やスルフォニル尿素剤を内服している人は、低血糖を起しやすくなるので、充分な注意が必要です。

なお、欧米では、「適量」を守れば飲酒OKとしています。

例えば、米国糖尿病協会では、アルコール24g(30ml)/日を食事と共にとるていどなら適量としています。

ビール350ml缶を2本、ワイン150ml×2杯、ウイスキー45ml×2杯です。

しかし、米国糖尿病協会にも禁酒の指針があるそうです。

糖尿病患者でアルコール依存症の前歴がある人と妊婦は禁酒です。

膵炎、中性脂肪の高い脂質異常症、神経障害のある人達もイエローorレッドカードです。


江部康二

【12/07/07 ワイン大好き
★数値改善ありがとうございます
血糖値、HbA1Cとも大きく改善しましたので報告します。
1)数値の推移
 ・今年1月
  血糖値:120、HbA1C:5.7
  体重:66~67K(身長173、年齢60)
  3月中旬から糖質制限開始(ミニ?レベル)
  尚、高血圧で投薬中、月1回受診。
  血管年齢80歳といわれています。

 ・6月
 血糖値:102、HbA1C:5.2
  体重:60~61K
 その他、尿酸値、中性脂肪他劇的に改善!

2)糖質制限開始のきっかけ
 血糖値が120(2回連続)をみて、医師がこのままではいずれ糖尿病になる。まずは、酒大幅に
減らして下さいとの指示。

 私は、HbA1Cが問題ないのでこのままでダメかと聞いたところ、食後高血糖は問題化しているのでダメですの回答。(このときは意味不明)

 赤ワイン大好きで、なんとか赤ワインを飲みたいの一心で、ネット検索。先生のブログにたどりつきました。 理論的なことにひかれ、即日開始しました。
  
 これで、一番心配していた動脈硬化も少し進行が遅れてくれるかも。これも先生のおかげと喜んでいます。(まだ早いか!)

 最後に、書き忘れましたが 45歳ころに境界型糖尿病の宣告を受けています。HbA1Cの数値はズット気にしていました。

以 上 】


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
NHK総合:Bizプラス
NHK総合のBizプラスという番組で「糖尿病ビジネス最前線」
という内容をするようですが、副題が「糖質カット食品続々
登場、注目集める糖尿病ビジネス最前線を追う」でした。
どういう内容かはわかりませんが、NHK総合のお堅い番組で
放送すると言う事は着実に普及して来ていますね。
嬉しい事です。

NHK総合「Bizプラス」
日時:2012年7月9日(月) 午後11:35~午後11:50(15分)
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2012-07-09&ch=21&eid=23935

糖質制限まとめサイト公開中
http://sites.google.com/site/tsmatome/
2012/07/07(Sat) 19:47 | URL | ざと | 【編集
醤油
いつもブログを拝見させて頂き、日々精進しております!一つ質問です。減塩醤油って糖質制限食的には、NGなのでしょうか?成分表を見ると、100ml当たり炭水化物14.3gと表記・・・。
2012/07/07(Sat) 21:42 | URL | なぽりたんじん | 【編集
糖質制限ブッフェレストラン♪
江部先生や山田悟先生の著書をバイブルに、糖質制限を極めるプロのウェイターです。おととい3ヶ月に一度の定期検査に行ってきましたが、HbA1c値5.8%(NGSP)で空腹時血糖値78と正常で、主治医は何の問題もないとの事でした。このまま順調に数値が下がる様に頑張ります。
さて山田悟先生の新刊本に触発され、自らも手軽な値段で美味しい料理が楽しめるブッフェレストランを探していますが、各種レストランを運営するニラックスという会社のブッフェレストランがかなり糖質制限しやすいので、ご報告致します。僕が利用しているのは、この会社の「グランブッフェ」というお店なのですが、夏季メニューを見るだけでも、レタスやブロッコリー、パプリカや海藻類がサラダブースを陣取り、菜の花やモロヘイヤのお浸し、おぼろ豆腐、鶏肉の塩味風味のソテーや唐揚げ、こんにゃくパスタ等々数えたらキリがありません。これ等の料理が2000円以下で食べられるので、かなりお得です。江部先生のお住まいの近くであれば店舗名が変わりますが、僕が食べているものよりも更に美味しい料理が楽しめるそうなので、お店のアドレスをお伝え致します。
「ザ・ブッフェスタイル サラ」(京都市下京区烏丸通四条下ル水銀座町620 CONCON烏丸三階)腕利きのシェフ達が、和洋のあらゆるメニューを提供してくれる素敵な空間だそうです。休日のひとときにいかがでしょうか?
2012/07/08(Sun) 01:40 | URL | DJニューエラ | 【編集
Re: 醤油
なぽりたんじん さん。

減塩醤油全てがどうなのかはわかりません。

しかし、なぽりたんじん さん が持っておられる減塩醤油は100mlあたり炭水化物14.3gです。
食物繊維はないと思いますので、糖質が14.3gです。

通常の醤油は、濃い口で100ml中、10.1g
薄口で100ml中、7.8g
です。

従って、なぽりたんじん さん が持っておられる減塩醤油は、糖質が多いので使用量に注意が必要ですね。
2012/07/08(Sun) 09:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限ブッフェレストラン♪
DJニューエラ  さん。

「HbA1c値5.8%(NGSP)で空腹時血糖値78」

コントロール優秀です。
素晴らしいですね。

ブッフェスタイルは、自分で料理を選べるので、糖質制限食でも安心です。
「ザ・ブッフェスタイル サラ」一度行ってみたいです。
2012/07/08(Sun) 10:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
7/7読売新聞の夕刊の記事に
7月7日読売新聞の夕刊の社会面(15面)に

夕刊15面に「低炭水化物ダイエットにご用心」
「心筋梗塞、脳卒中の危険」

こんな見出しとサブ見出しで以下のような内容の記事が載っていました。

炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中にいなる危険性が高まるとの研究を、ハーバード大などのグループが英医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル」に葉発表した。
炭水化物を減らすダイエットが日本でも広まっているが、慎重に取り組む必要がありそうだ。
同研究グループは1991~1992年、スエーデンの30~49歳の女性4万3396人の食生活を
調査し、その後平均約16年間、心筋梗塞や脳卒中などの発症を追跡調査した。
12270例の発症例を、炭水化物とたんぱく質の摂取量のよって10段階に分けて分析。
炭水化物の摂取量が1段階減り、たんぱく質の摂取量が1段階増えるごとに、それぞれ発症の危険が4%づつ増えた。
一般的に炭水化物を制限する食事では高たんぱく質になる傾向がある。
低炭水化物・高たんぱく質のグループでは、そうでないグループに比べて危険性が最大1.6倍高まった。
同誌に掲載された論評では、低炭水化物の食事は、植物繊維やビタミン、ミネラルを減らすとともに、高たんぱく質だとコレステロ^ル、飽和脂肪酸などが増え、危険性が高まるのは不思議ではないとしている。
国立国際医療研究センター(東京)の野田光彦糖尿病研究連携部長は「低炭水化物食事の体重減少効果は、長期的な健康影響についてはあまり立証されておらず、注目すべき研究だ。日本人でも、健康への長期影響を検証することが必要だ」と話している。
2012/07/08(Sun) 10:09 | URL | 浅井 功 | 【編集
Re: 7/7読売新聞の夕刊の記事に
浅井 功 さん。

この論文は、デザインに問題があります。

2012年07月03日 (火)の本ブログ記事
「低糖質・高蛋白質摂取で心血管イベントが上昇!?という論文を検討。」

をご参照ください。
2012/07/08(Sun) 10:22 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: スーパー糖質制限
あれれれ  さん。

「H157cm W53kg」

既に理想体重で、BMI21.5 です。

中性脂肪は糖質制限食で正常値になると思いますが、
体重は変化ないと思います。

糖質制限食で適正体重になるので、肥満している場合は体重が減少しますが、
もともと適正体重なら、変化はないのです。

BMI20~25が、総死亡率など考慮すると一番健康な数値です。
2012/07/08(Sun) 18:00 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質
163センチ、53キロ。過去10年でヘモグロビンの最高値6,3が一回、ここ数年は5,8か5,9。糖尿病の家系なので気をつけていてもこの値。医師は「このくらいは」といってくれるのですが。それが糖質制限食で5,6になりました。うれしい!
2012/12/09(Sun) 07:14 | URL | 樋口 君雄 | 【編集
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