2012年05月07日 (月)
こんばんは。
本日は、ケトン体シリーズの第3段です。
血中ケトン体が基準値より高くても、インスリンの作用があるていど保たれていれば、生理的な上昇であり安全なものです。
例えば、断食療法中とかスーパー糖質制限食中のケトン値が高いのは、この生理的なものです。
しかし、糖尿人において血中ケトン体が高値であったり、尿中ケトン体が陽性となると、9割以上の医師が危険と考えます。
血中ケトン体高値や尿中ケトン体陽性を、そのまま、糖尿病ケトアシドーシスとイコールであると短絡して考えてしまうからです。
この短絡した考えは大変困ったことです。
例えば糖尿人江部康二は、血中ケトン体は基準値よりはるかに高値ですが、アシドーシス(酸性血症)はありませんし、人体として全く正常です。
つまり、インスリン作用が保たれている生理的ケトーシスは、血液の緩衝作用や呼吸や腎臓の調節作用でアシドーシスにはならず、正常のpHを保っており、人体として全く正常なのです。
これに対して、糖尿病ケトアシドーシスは、まず最初にインスリン作用の欠落が前提にあり、「結果としての病理的ケトーシス+アシドーシス」を合併した病態です。
このように生理的ケトーシスと糖尿病ケトアシドーシスは、全く異なる状態であることをしっかり認識する必要があります。
糖尿病ケトアシドーシスの場合は緊急入院が必要となる重症で、血中ケトン体の病理的な上昇が認められます。
糖尿病はインスリンの作用不足によって細胞内にうまくブドウ糖が取り込めなくなる病気で、そのため慢性的な高血糖になります。
高血糖にもさまざまなレベルがありますが、きわめて重症の糖尿病を考えてみましょう。
血糖値が300〜500mg/dl以上もあり、口渇・多飲・多尿・腹痛・悪心・嘔吐・脱水・意識レベル低下、尿中ケトン体が強陽性などの症状・所見があれば、糖尿病ケトアシドーシスと診断できます。
もちろん血中ケトン体も高値で、生理的食塩水の点滴・速効型インスリンの静注などの緊急治療が必要となります。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度な代謝失調です。
強調しますが、インスリン作用の欠乏がすべての出発点ですから、それがなければ絶対に起こらない病態です。
つまり、インスリン作用の欠乏から始まる一連の流れ、
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用の低下・脂肪分解の亢進→高血糖・高遊離脂肪酸血症→ケトン体の産生亢進」
があり、結果としてケトン体が高くなるわけです。
ケトン体の高値は、始まりではなくて、あくまでも結果なのです。
結果としてのケトン体高値が、まるで始まりであり原因であるかのように本末転倒して受けとめられ、誤解が生じたものと考えられます。
インスリン作用が確保されていて緩衝作用も働いている限りは、ケトン体はきわめて安全な物質です。
しかし、インスリン作用が欠落していて、緩衝作用もうまく働かない病態においては、ケトン体そのものに毒性はなくても、酸性の物質なので結果としてアシドーシスになるということです。
すなわち現実には「糖尿病ケトアシドーシス時のケトン体産生の亢進」は、インスリン作用の欠乏が前提にある病態であり、1型糖尿病患者さんのシックデイや、インスリン注射を中断したときに起こることがほとんどです。
2型糖尿病では、清涼飲料水の飲みすぎによる、いわゆる「ペットボトル症候群」で生じることがあります。
断食や糖質制限食にともなう「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はなく、血液の緩衝作用も有効に作用していますから、何の問題もありません。
例えば断食の初期は一時的にアシドーシスになりますが、緩衝作用で徐々に補正されていきます。
また、正常人が激しい運動をしたときにも血中ケトン体は一時的に増加しますが、これももちろん生理的な現象です。
江部康二
本日は、ケトン体シリーズの第3段です。
血中ケトン体が基準値より高くても、インスリンの作用があるていど保たれていれば、生理的な上昇であり安全なものです。
例えば、断食療法中とかスーパー糖質制限食中のケトン値が高いのは、この生理的なものです。
しかし、糖尿人において血中ケトン体が高値であったり、尿中ケトン体が陽性となると、9割以上の医師が危険と考えます。
血中ケトン体高値や尿中ケトン体陽性を、そのまま、糖尿病ケトアシドーシスとイコールであると短絡して考えてしまうからです。
この短絡した考えは大変困ったことです。
例えば糖尿人江部康二は、血中ケトン体は基準値よりはるかに高値ですが、アシドーシス(酸性血症)はありませんし、人体として全く正常です。
つまり、インスリン作用が保たれている生理的ケトーシスは、血液の緩衝作用や呼吸や腎臓の調節作用でアシドーシスにはならず、正常のpHを保っており、人体として全く正常なのです。
これに対して、糖尿病ケトアシドーシスは、まず最初にインスリン作用の欠落が前提にあり、「結果としての病理的ケトーシス+アシドーシス」を合併した病態です。
このように生理的ケトーシスと糖尿病ケトアシドーシスは、全く異なる状態であることをしっかり認識する必要があります。
糖尿病ケトアシドーシスの場合は緊急入院が必要となる重症で、血中ケトン体の病理的な上昇が認められます。
糖尿病はインスリンの作用不足によって細胞内にうまくブドウ糖が取り込めなくなる病気で、そのため慢性的な高血糖になります。
高血糖にもさまざまなレベルがありますが、きわめて重症の糖尿病を考えてみましょう。
血糖値が300〜500mg/dl以上もあり、口渇・多飲・多尿・腹痛・悪心・嘔吐・脱水・意識レベル低下、尿中ケトン体が強陽性などの症状・所見があれば、糖尿病ケトアシドーシスと診断できます。
もちろん血中ケトン体も高値で、生理的食塩水の点滴・速効型インスリンの静注などの緊急治療が必要となります。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度な代謝失調です。
強調しますが、インスリン作用の欠乏がすべての出発点ですから、それがなければ絶対に起こらない病態です。
つまり、インスリン作用の欠乏から始まる一連の流れ、
「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用の低下・脂肪分解の亢進→高血糖・高遊離脂肪酸血症→ケトン体の産生亢進」
があり、結果としてケトン体が高くなるわけです。
ケトン体の高値は、始まりではなくて、あくまでも結果なのです。
結果としてのケトン体高値が、まるで始まりであり原因であるかのように本末転倒して受けとめられ、誤解が生じたものと考えられます。
インスリン作用が確保されていて緩衝作用も働いている限りは、ケトン体はきわめて安全な物質です。
しかし、インスリン作用が欠落していて、緩衝作用もうまく働かない病態においては、ケトン体そのものに毒性はなくても、酸性の物質なので結果としてアシドーシスになるということです。
すなわち現実には「糖尿病ケトアシドーシス時のケトン体産生の亢進」は、インスリン作用の欠乏が前提にある病態であり、1型糖尿病患者さんのシックデイや、インスリン注射を中断したときに起こることがほとんどです。
2型糖尿病では、清涼飲料水の飲みすぎによる、いわゆる「ペットボトル症候群」で生じることがあります。
断食や糖質制限食にともなう「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はなく、血液の緩衝作用も有効に作用していますから、何の問題もありません。
例えば断食の初期は一時的にアシドーシスになりますが、緩衝作用で徐々に補正されていきます。
また、正常人が激しい運動をしたときにも血中ケトン体は一時的に増加しますが、これももちろん生理的な現象です。
江部康二
江部先生メールで失礼します。
地元の通院先で 貧血で a1cが低いと言われたのですが、a1cと貧血の関係はあるのでしょうか?
3月末が3.8で今月1日が4.0でした。新基準だと4.3だそうです。
地元の通院先で 貧血で a1cが低いと言われたのですが、a1cと貧血の関係はあるのでしょうか?
3月末が3.8で今月1日が4.0でした。新基準だと4.3だそうです。
2012/05/07(Mon) 19:24 | URL | たこやき頭:茨城の先生の患者 | 【編集】
たこやき頭 さん
確かに、貧血があるとHbA1cが実際より低く出ることがあります。
2008年01月29日 (火)の本ブログ記事「貧血とHbA1c(ヘモグロビンA1c)」
をご参照ください。
確かに、貧血があるとHbA1cが実際より低く出ることがあります。
2008年01月29日 (火)の本ブログ記事「貧血とHbA1c(ヘモグロビンA1c)」
をご参照ください。
2012/05/07(Mon) 21:56 | URL | ドクター江部 | 【編集】
初めまして、糖質制限食を始めて2日目のものです。過去記事<尋常性乾癬と糖質制限食2010年10月>を読みましたが、15年来の乾癬がよくなればいいなあと思っております。そこで、質問なのですが、体重はどんな感じで減るのでしょうか?太り気味なので、体重も減らしたいのと乾癬も日常生活に困らない程度に治したいのです。やはり、治療は先生のとこに行かないとだめでしょうか?入院すべきですか?
2012/05/07(Mon) 22:29 | URL | chie | 【編集】
江部先生、お返事をありがとうございます。2008年01月29日 (火)のブログ記事「貧血とHbA1c(ヘモグロビンA1c)」を読ませていただき、勉強になりました。貧血を治しつつ、a1cの変化に期待をおきながら 次の検査(6月初旬)をみていきます。またその際も結果を報告します。以上
2012/05/07(Mon) 22:41 | URL | たこやき頭:茨城の先生の患者 | 【編集】
関係のない質問で申し訳ありません。
私の妻が重度のアトピーで悩んでいて皮膚科で診ていただいてもらってもロクに皮膚も診ない、話も聞かないで薬を強くする一方で治る気配もなく困っています。
そんな時に先生のアトピー学校の本を拝見させて頂き妻は感銘を受け、是非治療を受けたく思ったようです。
しかしながら残念ながら遠方のため、現段階では行くことが困難なため、県内(長野)で先生の治療方や考え方にご理解がある病院があれば教えていただけないでしょうか?
身勝手な質問で申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
私の妻が重度のアトピーで悩んでいて皮膚科で診ていただいてもらってもロクに皮膚も診ない、話も聞かないで薬を強くする一方で治る気配もなく困っています。
そんな時に先生のアトピー学校の本を拝見させて頂き妻は感銘を受け、是非治療を受けたく思ったようです。
しかしながら残念ながら遠方のため、現段階では行くことが困難なため、県内(長野)で先生の治療方や考え方にご理解がある病院があれば教えていただけないでしょうか?
身勝手な質問で申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
2012/05/08(Tue) 00:08 | URL | DIL | 【編集】
江部先生。いつも楽しくブログを読ませてもらっています。1つ質問なんですが、最近小食にするとサーチュイン遺伝子が働いて若返るというのが流行っていますが、それは結局小食にする事によって糖質が制限されるのが原因ではないかと思ってしまいました。糖質制限食とサーチュイン遺伝子は、何か関係性は無いものでしょうか?長文ですみません。
2012/05/08(Tue) 06:50 | URL | 気まぐれ猫ちゃん | 【編集】
江部先生、いつもお世話になっております。糖質制限により血糖値HbA1c共に改善したほたるです。
今回のご相談は睡眠についてです。
炭水化物や糖分を取り放題だった頃は、五時間でも六時間でも昼寝してしまうほどのぐうたら生活でした。
ところが、糖質制限始めたところ目がさえて眠くありません。
昼間はそれで活動時間が増えて嬉しいのですが、夜まで寝つきが悪く、しかも三時間ぐらいで必ず目が覚めトイレにいきます。一回だけだし主治医は糖尿病による頻尿ではないと申します。
運動もエアロビクスやストレッチ、ヨガを週3ほどでしているので、疲れてむしろ眠くなるはずなのに眠れない…。
二週間に一度ほど炭水化物解禁日をもうけていますが、この日だけぐっすりと眠れてどうも糖分と睡眠に関連があるとしか思えません。
合併症の様々なリスクを考えたらこのぐらい我慢できることですが、こういう悩みは私だけなのかと思いまして、書かせて頂きました。
今回のご相談は睡眠についてです。
炭水化物や糖分を取り放題だった頃は、五時間でも六時間でも昼寝してしまうほどのぐうたら生活でした。
ところが、糖質制限始めたところ目がさえて眠くありません。
昼間はそれで活動時間が増えて嬉しいのですが、夜まで寝つきが悪く、しかも三時間ぐらいで必ず目が覚めトイレにいきます。一回だけだし主治医は糖尿病による頻尿ではないと申します。
運動もエアロビクスやストレッチ、ヨガを週3ほどでしているので、疲れてむしろ眠くなるはずなのに眠れない…。
二週間に一度ほど炭水化物解禁日をもうけていますが、この日だけぐっすりと眠れてどうも糖分と睡眠に関連があるとしか思えません。
合併症の様々なリスクを考えたらこのぐらい我慢できることですが、こういう悩みは私だけなのかと思いまして、書かせて頂きました。
2012/05/08(Tue) 08:20 | URL | ほたる | 【編集】
chie さん。
体重減少は個人差がありますが、他の食事療法に比べれば
5つの利点があります。
2011年12月12日 (月)の本ブログ記事「糖質制限食による体重減少効果、4つの利点から5つの利点へ」
をご参照ください。
まずはスーパー糖質制限食で試してみられては如何でしょう。
京都近郊でしたら、江部診療所に電話してみてください。
http://ebe-clinic.jp/
体重減少は個人差がありますが、他の食事療法に比べれば
5つの利点があります。
2011年12月12日 (月)の本ブログ記事「糖質制限食による体重減少効果、4つの利点から5つの利点へ」
をご参照ください。
まずはスーパー糖質制限食で試してみられては如何でしょう。
京都近郊でしたら、江部診療所に電話してみてください。
http://ebe-clinic.jp/
2012/05/08(Tue) 11:03 | URL | ドクター江部 | 【編集】
DIL さん。
長野には心あたりがありません。
すいません。
遠方の場合は、高雄病院に入院されて、症状のコントロールとアトピー自己管理の技を
会得されるのがおすすめです。
2010年06月20日 (日)の本ブログ「高雄病院アトピー学校」をご参照ください。
なお現在は殺菌電解水は、どうしても必要な場合以外は、使用していません。
長野には心あたりがありません。
すいません。
遠方の場合は、高雄病院に入院されて、症状のコントロールとアトピー自己管理の技を
会得されるのがおすすめです。
2010年06月20日 (日)の本ブログ「高雄病院アトピー学校」をご参照ください。
なお現在は殺菌電解水は、どうしても必要な場合以外は、使用していません。
2012/05/08(Tue) 11:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
気まぐれ猫ちゃん
糖質制限食でインスリン分泌が必要最低限ですみますので、アンチエイジング作用が期待できます。
サーチュイン遺伝子、私も、あくまでも仮説ですが、そのような可能性があると思っています。
糖質制限食でインスリン分泌が必要最低限ですみますので、アンチエイジング作用が期待できます。
サーチュイン遺伝子、私も、あくまでも仮説ですが、そのような可能性があると思っています。
2012/05/08(Tue) 11:11 | URL | ドクター江部 | 【編集】
文恵 さん。
摂取糖質量と注射するインスリン量のマッチングが大切ですね。
具体的なことは主治医とご相談ください。
摂取糖質量と注射するインスリン量のマッチングが大切ですね。
具体的なことは主治医とご相談ください。
2012/05/08(Tue) 11:13 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ほたる さん。
糖質制限食で眠れるようになった人は多いですが、
逆はあまり聞いたことがありません。
葉野菜など、糖質量の少ない野菜はしっかり摂取してよいですし、
脂質・タンパク質はしっかり摂取して低エネルギーになりすぎないようにしましょう。
糖質制限食で眠れるようになった人は多いですが、
逆はあまり聞いたことがありません。
葉野菜など、糖質量の少ない野菜はしっかり摂取してよいですし、
脂質・タンパク質はしっかり摂取して低エネルギーになりすぎないようにしましょう。
2012/05/08(Tue) 11:17 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ジル さん
糖質制限ですので、脂質・タンパク質はOKです。
チーズはOKです。
長芋もデンプンですので、糖質制限的にはNGです。
糖質制限ですので、脂質・タンパク質はOKです。
チーズはOKです。
長芋もデンプンですので、糖質制限的にはNGです。
2012/05/08(Tue) 11:19 | URL | ドクター江部 | 【編集】
もも さん。
いろんな考えがあると思いますが、
私は、動物性タンパク質・動物性脂質を積極的に摂取してよいと考えています。
およそ、魚:肉を1:1くらいで、しっかり食べればよいと思います。
動物性脂肪に関しては、日本脂質栄養学会は安全という見解です。
私も日本脂質栄養学会と同じように考えています。
http://jsln.umin.jp/
2012年04月09日 (月)の本ブログ「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」
もご参照いただけば幸いです。
いろんな考えがあると思いますが、
私は、動物性タンパク質・動物性脂質を積極的に摂取してよいと考えています。
およそ、魚:肉を1:1くらいで、しっかり食べればよいと思います。
動物性脂肪に関しては、日本脂質栄養学会は安全という見解です。
私も日本脂質栄養学会と同じように考えています。
http://jsln.umin.jp/
2012年04月09日 (月)の本ブログ「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」
もご参照いただけば幸いです。
2012/05/09(Wed) 08:14 | URL | ドクター江部 | 【編集】
初めまして。
昨年11月に1型糖尿病発症しました。50歳です。
ケトアシドーシスで入院し、当日は嘔吐、昏睡手前だったそうです。
甘いジュースは全く飲まないので原因は分かりません。
現在、ノボラピッド、ランタス、それぞれ4単位を基本にしています。
人はインスリンが1日30単位必要と聞いたことあるのですが、そういうものなのでしょうか?
多いと体に負担になると先生のブログで拝見しましたが、逆に少ない場合、1型はマイナスな点はありますでしょうか?
昨年11月に1型糖尿病発症しました。50歳です。
ケトアシドーシスで入院し、当日は嘔吐、昏睡手前だったそうです。
甘いジュースは全く飲まないので原因は分かりません。
現在、ノボラピッド、ランタス、それぞれ4単位を基本にしています。
人はインスリンが1日30単位必要と聞いたことあるのですが、そういうものなのでしょうか?
多いと体に負担になると先生のブログで拝見しましたが、逆に少ない場合、1型はマイナスな点はありますでしょうか?
ふー さん。
「ノボラピッド、ランタス、それぞれ4単位を基本」
それで、血糖コントロールができているなら、
問題ないと思います。
30単位必要ということは、ないと思います。
「ノボラピッド、ランタス、それぞれ4単位を基本」
それで、血糖コントロールができているなら、
問題ないと思います。
30単位必要ということは、ないと思います。
2012/05/09(Wed) 14:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
かず さん。
多型滲出性紅斑と糖質制限食に関しては、
経験がないので、私にはよくわかりません。
「また、元々卵を継続して食べると指の皮がむけたり、最近は大豆製品を多くとるとかゆみが出たりします。体調によっては青魚でじんましんが出ます。」
食物アレルギーに関しても、糖質制限食がどのように関連するか、現時点ではよくわかりません。
すいません。
多型滲出性紅斑と糖質制限食に関しては、
経験がないので、私にはよくわかりません。
「また、元々卵を継続して食べると指の皮がむけたり、最近は大豆製品を多くとるとかゆみが出たりします。体調によっては青魚でじんましんが出ます。」
食物アレルギーに関しても、糖質制限食がどのように関連するか、現時点ではよくわかりません。
すいません。
2012/05/09(Wed) 22:58 | URL | ドクター江部 | 【編集】
はじめまして、9月1日糖尿人診断され即日こちらのブログで勉強し本を3冊購入、一か月のスーパー糖質制限をやってみました。結果は当然、投薬される事のない人生を送れそうで感謝しております。
しかも!!!インプラントしても消えなかった長年の歯茎の臭いが全くしなくなったのです!!皆さん心あたりないでしょうか?歯周病の治療中に、糖尿病と深い関わりがあると学びましたが、ここまではっきりとした結果が出た事にびっくりしています。
本当に糖質制限を知ってよかったです。ありがとうございます。
しかも!!!インプラントしても消えなかった長年の歯茎の臭いが全くしなくなったのです!!皆さん心あたりないでしょうか?歯周病の治療中に、糖尿病と深い関わりがあると学びましたが、ここまではっきりとした結果が出た事にびっくりしています。
本当に糖質制限を知ってよかったです。ありがとうございます。
きょん さん。
拙著のご購入ありがとうございます。
歯周症の改善良かったですね。
糖質が虫歯菌の餌ですので、糖質制限食で歯垢(プラーク)が減ります。
そのため、歯周症の改善が期待できます。
拙著のご購入ありがとうございます。
歯周症の改善良かったですね。
糖質が虫歯菌の餌ですので、糖質制限食で歯垢(プラーク)が減ります。
そのため、歯周症の改善が期待できます。
2012/10/05(Fri) 16:34 | URL | ドクター江部 | 【編集】
プチ糖質制限を行っている者です。
江部先生の著書やブログ記事を読ませていただいてどうしても納得の行かない論理展開があります。
生理的ケトーシスと糖尿病ケトアシドーシスの差異として、糖尿病ケトアシドーシスは
>結果としての病理的ケトーシス
であると記載されており、著書などでも同内容のことをおっしゃてますが強調すべき論点が違うのではないでしょうか。
生理的ケトーシスも糖尿病ケトアシドーシスも同様に
「糖利用の低下→ケトン体の産生亢進→ケトーシス」
というカスケードの”結果としての病理的ケトーシス”であるというのが理由です。
糖質制限では低血糖が起点ですし、糖尿病ではインスリン作用の欠落が起点となります。
むしろその先の緩衝されるかどうかの部分が重要だと思われるのですが、その点については
>インスリン作用が欠落していて、緩衝作用もうまく働かない病態
>「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はなく、血液の緩衝作用も有効に作用しています
インスリン作用が十分であれば緩衝作用が有効に作用し、欠落すると緩衝されないという記述となっておりますが、糖尿病ケトアシドーシスの資料などでは酸性物質である一部のケトン体が増えることによってアシドーシスとなるという点に触れられているのみで、インスリンと酸塩基平衡についての記載というのを見つけることができませんでした。
インスリンは酸塩基平衡にも寄与しているのでしょうか。それともインスリン欠乏となるような全身状態はホメオスタシスを維持できないような状態ということなのでしょうか。
江部先生の著書やブログ記事を読ませていただいてどうしても納得の行かない論理展開があります。
生理的ケトーシスと糖尿病ケトアシドーシスの差異として、糖尿病ケトアシドーシスは
>結果としての病理的ケトーシス
であると記載されており、著書などでも同内容のことをおっしゃてますが強調すべき論点が違うのではないでしょうか。
生理的ケトーシスも糖尿病ケトアシドーシスも同様に
「糖利用の低下→ケトン体の産生亢進→ケトーシス」
というカスケードの”結果としての病理的ケトーシス”であるというのが理由です。
糖質制限では低血糖が起点ですし、糖尿病ではインスリン作用の欠落が起点となります。
むしろその先の緩衝されるかどうかの部分が重要だと思われるのですが、その点については
>インスリン作用が欠落していて、緩衝作用もうまく働かない病態
>「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はなく、血液の緩衝作用も有効に作用しています
インスリン作用が十分であれば緩衝作用が有効に作用し、欠落すると緩衝されないという記述となっておりますが、糖尿病ケトアシドーシスの資料などでは酸性物質である一部のケトン体が増えることによってアシドーシスとなるという点に触れられているのみで、インスリンと酸塩基平衡についての記載というのを見つけることができませんでした。
インスリンは酸塩基平衡にも寄与しているのでしょうか。それともインスリン欠乏となるような全身状態はホメオスタシスを維持できないような状態ということなのでしょうか。
2013/08/31(Sat) 01:18 | URL | しんじ | 【編集】
しんじ さん
1)糖質制限食で高血糖は正常になりますが、肝臓で糖新生するので低血糖にはなりません。
2)普通に糖質を摂取している人でも、空腹時や睡眠時は、心筋・骨格筋など体細胞のほとんどはケトン体・脂肪酸を主たるエネルギー源としています。
3)空腹時、睡眠時にブドウ糖を主たるエネルギー源としているのは、赤血球・脳・網膜などです。
4)スーパー糖質制限食では、血糖値は正常ですが、食事中にも筋肉などの主たるエネルギー源は脂肪酸・ケトン体です。
5)断食中も血糖値は正常ですが、筋肉などの主たるエネルギー源は脂肪酸・ケトン体です。
6) 4)5)の場合ケトン体は基準値より高値となりますが、アシドーシスにはなりません。
仰る通り緩衝作用が働くからです。
7)農耕前の人類のご先祖も、食事と断食の繰り返しが日常だったと考えられます。
8)糖尿病ケトアシドーシスの場合インスリン作用が欠落のレベルですので、緩衝作用を含め体内のホメオスターシス機構は破綻していると思います。
9)インスリンが発見されるまでは、1型糖尿病でインスリンゼロの場合数ヶ月~1.2年で死亡でした。
10)インスリンが直接、酸塩基平衡に関与しているのではなく、インスリン基礎分泌がなければ、
筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓において、糖質・脂質・タンパク質代謝が破綻しますので、ホメオスタシス機構も破綻すると考えられます。インスリン拮抗ホルモンもインスリンがないので暴走します。
2013年08月22日 (木)の本ブログ記事
「インスリンの必要性」
もご参照いただけば幸いです。
1)糖質制限食で高血糖は正常になりますが、肝臓で糖新生するので低血糖にはなりません。
2)普通に糖質を摂取している人でも、空腹時や睡眠時は、心筋・骨格筋など体細胞のほとんどはケトン体・脂肪酸を主たるエネルギー源としています。
3)空腹時、睡眠時にブドウ糖を主たるエネルギー源としているのは、赤血球・脳・網膜などです。
4)スーパー糖質制限食では、血糖値は正常ですが、食事中にも筋肉などの主たるエネルギー源は脂肪酸・ケトン体です。
5)断食中も血糖値は正常ですが、筋肉などの主たるエネルギー源は脂肪酸・ケトン体です。
6) 4)5)の場合ケトン体は基準値より高値となりますが、アシドーシスにはなりません。
仰る通り緩衝作用が働くからです。
7)農耕前の人類のご先祖も、食事と断食の繰り返しが日常だったと考えられます。
8)糖尿病ケトアシドーシスの場合インスリン作用が欠落のレベルですので、緩衝作用を含め体内のホメオスターシス機構は破綻していると思います。
9)インスリンが発見されるまでは、1型糖尿病でインスリンゼロの場合数ヶ月~1.2年で死亡でした。
10)インスリンが直接、酸塩基平衡に関与しているのではなく、インスリン基礎分泌がなければ、
筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓において、糖質・脂質・タンパク質代謝が破綻しますので、ホメオスタシス機構も破綻すると考えられます。インスリン拮抗ホルモンもインスリンがないので暴走します。
2013年08月22日 (木)の本ブログ記事
「インスリンの必要性」
もご参照いただけば幸いです。
2013/08/31(Sat) 10:00 | URL | ドクター江部 | 【編集】
>江部先生
丁寧な御返事ありがとうございます。
糖質制限で低血糖というのは誤りでした。ケトン体が増えている状態というのはある程度糖が欠乏している状態だと思っていたため前投稿のような表現をしてしまいました。
とすると逆に、血糖値は正常、つまりある程度糖新生が起こっているはずなのになぜケトン体が増えるのかという疑問が生じています。
少し自分の中で考えてみたいと思います。
>筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓において、糖質・脂質・タンパク質代謝が破綻しますので、ホメオスタシス機構も破綻する
ケトーシスからケトアシドーシスにならない理由というのはまさにこの一点だと思うのですが、この部分について疑問に思っています。
代謝異常による不揮発酸の排泄は腎臓で行っており、腎機能が落ちない限りはある程度の代謝は保たれるはずです。
ホメオスタシス機構も破綻というと仕組み自体が破綻するような捉え方をされかねないと思うのですが、むしろ緩衝作用の限界を超えてしまうというのが正しい表現なのではないでしょうか。
ケトアシドーシスのような糖利用がほぼ0の状態を考えると、そもそも人体は生存に必要なエネルギーを全てケトン体で補うには人体の緩衝作用は不十分である。
インスリンや糖新生が正常に働いている状態では、糖とケトン体が両方使われるため一定以上にはケトーシスが進まない。
自然界の糖質の量から考えても、生物の構造として、糖自体は主なエネルギー源としてではなく、ある意味ケトン体の緩衝作用を担っているのではないかと考えました。
同様のことは言われてるかもしれませんし、全く見当違いの妄想かもしれません。江部先生はいかがお考えでしょうか?
通常食の人: 正常血糖 正常ケトン値 正常インスリン
セイゲニスト:正常血糖 高ケトン値 低インスリン?
DKA:高血糖 高ケトン値 高インスリン
丁寧な御返事ありがとうございます。
糖質制限で低血糖というのは誤りでした。ケトン体が増えている状態というのはある程度糖が欠乏している状態だと思っていたため前投稿のような表現をしてしまいました。
とすると逆に、血糖値は正常、つまりある程度糖新生が起こっているはずなのになぜケトン体が増えるのかという疑問が生じています。
少し自分の中で考えてみたいと思います。
>筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓において、糖質・脂質・タンパク質代謝が破綻しますので、ホメオスタシス機構も破綻する
ケトーシスからケトアシドーシスにならない理由というのはまさにこの一点だと思うのですが、この部分について疑問に思っています。
代謝異常による不揮発酸の排泄は腎臓で行っており、腎機能が落ちない限りはある程度の代謝は保たれるはずです。
ホメオスタシス機構も破綻というと仕組み自体が破綻するような捉え方をされかねないと思うのですが、むしろ緩衝作用の限界を超えてしまうというのが正しい表現なのではないでしょうか。
ケトアシドーシスのような糖利用がほぼ0の状態を考えると、そもそも人体は生存に必要なエネルギーを全てケトン体で補うには人体の緩衝作用は不十分である。
インスリンや糖新生が正常に働いている状態では、糖とケトン体が両方使われるため一定以上にはケトーシスが進まない。
自然界の糖質の量から考えても、生物の構造として、糖自体は主なエネルギー源としてではなく、ある意味ケトン体の緩衝作用を担っているのではないかと考えました。
同様のことは言われてるかもしれませんし、全く見当違いの妄想かもしれません。江部先生はいかがお考えでしょうか?
通常食の人: 正常血糖 正常ケトン値 正常インスリン
セイゲニスト:正常血糖 高ケトン値 低インスリン?
DKA:高血糖 高ケトン値 高インスリン
2013/08/31(Sat) 13:18 | URL | しんじ | 【編集】
しんじ さん
「血糖値は正常、つまりある程度糖新生が起こっているはずなのになぜケトン体が増えるのかという疑問」
糖質制限食やケトン食では、血糖値は正常ですが、
糖質を摂取しない分、「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が活性化すると思います。
そうすると、脂肪が分解されてケトン体も増えると思います。
糖質を摂取するとその間は「ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム」が主となります。
ブドウ糖-グリコーゲンシステムが稼働しているときは、脂肪酸-ケトン体システムはぐんと減ります。
「ホメオスタシス機構も破綻というと仕組み自体が破綻するような捉え方をされかねないと思うのですが、むしろ緩衝作用の限界を超えてしまうというのが正しい表現なのではないでしょうか。」
その通りと思います。
一方、緩衝作用も複合的システムなので、インスリン作用が欠落して高度の代謝失調がある病態だと
本来の力を発揮しにくい側面もあると思います。
(*)緩衝作用
血液の緩衝機構として、重炭酸緩衝系、ヘモグロビン系、血漿蛋白系、リン酸系がある。
そのうち約65%を重炭酸緩衝系が、約30%をヘモグロビン系が担っている。
重炭酸緩衝系は、炭酸(H2CO3)と、重炭酸(HCO3-)との混合系である。
(**)酸塩基平衡
生体内では、代謝に伴ない酸が産生されるが、細胞の活動が正常に営まれるには酸塩基平衡を維持する必要がある。
体内のpHを一定に保つため、血液や体液の緩衝作用(緩衝機構)、呼吸による調節作用、腎臓による調節機構がある。
腎臓が主な産生部位であるHCO3-濃度と呼吸機能で調節されCO2の分圧によってpHは調整される。
「血糖値は正常、つまりある程度糖新生が起こっているはずなのになぜケトン体が増えるのかという疑問」
糖質制限食やケトン食では、血糖値は正常ですが、
糖質を摂取しない分、「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が活性化すると思います。
そうすると、脂肪が分解されてケトン体も増えると思います。
糖質を摂取するとその間は「ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム」が主となります。
ブドウ糖-グリコーゲンシステムが稼働しているときは、脂肪酸-ケトン体システムはぐんと減ります。
「ホメオスタシス機構も破綻というと仕組み自体が破綻するような捉え方をされかねないと思うのですが、むしろ緩衝作用の限界を超えてしまうというのが正しい表現なのではないでしょうか。」
その通りと思います。
一方、緩衝作用も複合的システムなので、インスリン作用が欠落して高度の代謝失調がある病態だと
本来の力を発揮しにくい側面もあると思います。
(*)緩衝作用
血液の緩衝機構として、重炭酸緩衝系、ヘモグロビン系、血漿蛋白系、リン酸系がある。
そのうち約65%を重炭酸緩衝系が、約30%をヘモグロビン系が担っている。
重炭酸緩衝系は、炭酸(H2CO3)と、重炭酸(HCO3-)との混合系である。
(**)酸塩基平衡
生体内では、代謝に伴ない酸が産生されるが、細胞の活動が正常に営まれるには酸塩基平衡を維持する必要がある。
体内のpHを一定に保つため、血液や体液の緩衝作用(緩衝機構)、呼吸による調節作用、腎臓による調節機構がある。
腎臓が主な産生部位であるHCO3-濃度と呼吸機能で調節されCO2の分圧によってpHは調整される。
2013/09/01(Sun) 10:35 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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