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糖質制限食と血清尿酸値と腸からの尿酸排泄
こんにちは。

尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。

結局、持って生まれた体質が、一番関係するのだと思います。

2012年4月4日の毎日新聞の記事(☆)によれば、

『激しい関節痛を起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、腸から排出する機能が低下することも一因』

とのことです。

『尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出される』

とは、初めて知りました。

この腸からの排泄機能も、個人差に関係しているのでしょうね。

体内で尿酸をつくり過ぎるか尿からの排泄が悪いため、高尿酸血症になると考えられてきましたが、これらに腸からの排泄障害も加わることとなりました。

あくまでも私見ですが、この腸からの尿酸排泄は、生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がしますね。

ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇することがあるので注意が必要です。

例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。

さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。

高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。

例えば、江部康二は、2002年以来10年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。

この間、尿酸値は10年間、一貫して2.4~3.1mg/dl(3.4~7.0)ていどと低いほうです。

兄も糖質制限食ですが、尿酸値は、私と同じていどです。

通常、糖質制限食でいったん尿酸値が上昇した人も、数ヶ月~1年で元の値に戻ることが多いので経過をみることが多いです。

ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服も考慮する必要があります。

過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8~9mg/dlとかでも、経過をみてよいと思います。

尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。

自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。

尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に

1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ

だそうです。

納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。

例えば、納先生が学会の会頭をされたときに尿酸値が一番上昇して、学会が終了したら下がったそうです。

学会会頭という精神的ストレスで、腸からの尿酸排泄が減少した可能性がありますね。

これらに特殊例として肉体的ストレスである「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」というのが、一番上にくる感じですね。


**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著



江部康二


(☆)


以下毎日新聞の2012年4月4日(水)朝刊から転載

激しい関節痛を起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、腸から排出する機能が低下することも一因との新見解を、東京薬科大や防衛医大などのチームが3日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。

痛風は、尿酸が体内で作られすぎたり、体外にうまく排出されなくなったりして、血液中の尿酸の濃度が高くなる「高尿酸血症」が続くと発症する。これまで、排出は腎臓だけが調整していると考えられてきた。

チームの市田公美東京薬科大教授は、「腸からの排出も重要だと判明したことで、腸からの排出を促す生活習慣の検討や、原因遺伝子を対象にする新しい治療法の開発につながる可能性がある」と話している。

チームの市田公美東京薬科大教授は、「腸からの排出も重要だと判明したことで、腸からの排出を促す生活習慣の検討や、原因遺伝子を対象にする新しい治療法の開発につながる可能性がある」と話している。

チームは尿酸を排出するポンプの役割をするタンパク質「ABCG2」は腎臓や小腸、大腸で働いており、高尿酸血症の患者644人の約8割で、このたんぱく質を作る遺伝子の変異により働きが低下していることを確認した。

またマウスの実験でABCG2の機能が低下すると、腸管での排出が減る一方、別の仕組みが働き、腎臓から尿中に出る尿酸の量は増えることが分かった。

このようなケースはこれまで、尿酸が体内で過剰に作られることで病気になったと考えられていた。しかしチームによるとabcg2の機能低下と、それに伴う腸での排出減少が主な原因だった可能性が高い。

尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出されるとみられるという。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ストレスが最上位!?
尿酸を確実に上昇させる順を拝見して、思いました。プリン体摂取の回避に血眼になるあまり、ストレスをかけすぎては、元も子もないって事ですよね。これって、二十数年前のアトピー治療の苦い経験を思い起こさせます。(Dr.江部ではない)医師から、原因物質の除去を指導されて、あの頃はまだ新米ママで迷える子羊だった私は、そのことに一点集中するあまり、少々バランスを欠いた、食生活や精神状態だったなぁと、今振り返って笑えます。ストレスが身体に与える影響は計り知れないものがあるのでしょうね。糖質制限食を実践して4ヶ月ですが、自分がご機嫌で続けられるってあたりの無理のなさ加減が大事な気がします。そういう意味でも、ルンルン気分で、毎日肉は旨いし、身体は軽いし、いつも燃えてるって感じで楽しいです! そもそもアトピー患者なのに、糖質制限食に出会わせて頂き感謝してます。改めて先生ありがとう!
2012/04/24(Tue) 17:43 | URL | oyasam | 【編集
Re: ストレスが最上位!?
oyasam さん。

「糖質制限食を実践して4ヶ月ですが、自分がご機嫌で続けられるってあたりの無理のなさ加減が大事な気がします。」

そうでせすね。
長く続けるには無理のないのが一番ですね。
2012/04/24(Tue) 21:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
腸からの排出
いつもブログを楽しみに拝見しております。ありがとうございます。
腸からの排出ということですが、
便秘を解消することが重要!というわけではないのですね?
もちろん便秘解消も大事だと思いますが、腸内は体外ですものね?
細胞から体外に排出させる代謝機能の問題、なのでしょうか。
2012/04/25(Wed) 12:40 | URL |  | 【編集
Re: 腸からの排出
林さん

タンパク質「ABCG2」が、内部である腸の細胞から、外部である腸内に
尿酸を排泄させるということでしょうね。
2012/04/25(Wed) 12:57 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 快挙を支えるのは・・・何?
Cb.oyasam さん。

ありがとうございます。

確かにアマチュアバンドが、
1/月の定例第三金曜ライブを18年間継続というのは、
なかなかの快挙ですよね。

バンド「ターニングポイント」は1994年の創立時メンバーが
ドラムス、キーボード、私と3人残っています。

あと10年以上の女性ボーカル2名、第二ステージ担当ベースが2人目で数年目、
ギターが入れ替わりで3人目です。
アルトサックスは23才の女性が3年目です。
第一ステージを担当するプロベーシストも創立から18年続いてます。

今は、7人メンバーです。
コンスタントに、20~30名お客さんがきてくれるので
ありがたいです。

長く続いたのは、レパートリーが何でもありで、煮詰まることがなかったのと、
バンド内の人間関係が比較的うまくいっているからでしょうか。

なお、ライブハウスは、廃業などがあり、今の「瞳夢」が5つ目です。
2012/04/25(Wed) 13:13 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ガキのしつこい質問
oyasam さん。

①先生は人前で歌うのが好きなのですか?(憧夢では、もの凄く気持ちよさそうに熱唱されてます!)
好きです。

②カラオケで歌うのは嫌いですか?
カラオケも好きですが、ライブを始めてカラオケは激減しました。

③もしかしたら歌い手になりたかった時期がありますか?
あります。

④いつからそんなによく歌うようになったのですか?
学生時代は、フォークバンドを組んでいました。
1974年医学部卒業後は、バンドはなしで、自分でギターを弾いてたまーに歌うていど。
ターニングポイントは1987年結成。 当初年1回のライブ活動。 1992年から年3回のライブ。
1994年11月からマンスリーライブを開始。

⑤先生にとって歌うことはストレス発散ですか?
⑥むしろ歌って元気倍増、明日への活力源になっているのですか?
バンドで歌うストレスは、練習・時間拘束などそれなりにありますが、
ライブを終えたら達成感があり、ストレス発散、兼活力増強です。

2012/04/25(Wed) 23:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
痛風、15年になります。
江部先生はじめまして。

38才男性。痛風で23才頃発作を起こし、それ以後1年に1、2度発作を起こし続けてきた者です。

今年3月末頃、アマゾンの書評で江部先生、釜池先生の存在を知り、糖質制限食を始めました。

3月当時、身長183cm 体重119kg。
朝は抜き、昼はチーズや焼鳥、ゆで卵等コンビニで、夜は肉・魚・野菜・お酒で1ヶ月程過ごしてみたところ、初めてたった1ヶ月ほどで大して運動せずに10kg減量することができました。

疲労も以前より少なく生活・仕事もし易くなり、本当に感謝しております。

痛風は、昨年、特に発作後、ある程度の鈍痛が3週と今までないくらい長く続いた事もあって、処方されたザイロリック等の薬を毎日服すようにしています(今まで喉元過ぎると飲まなくなってた事が多かったのです)。

以前は最高で尿酸値14。1月は6、3月は7で血液検査では特に腎臓に疾患は見られないとの事で、糖質制限を始めました。

ただ、3週経った時に軽い痛みが生じましたが、1日で軽快しております。痛風はストレスが大きく影響するのは自覚してますが、カロリーの摂り過ぎにも気をつけながら糖質制限に励みたいと思います。

また、20歳の頃発症した尋常性乾癬でも、特にここ5年ほど頭だけだったのが、随分背中や腕に広がっていたのですが、オキサロールの薬の効きがよくなっているので、これも、また時期が経ったらぜひ報告させていただきたいと思います。
2012/04/29(Sun) 12:14 | URL | TAKI | 【編集
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