2012年04月11日 (水)
こんにちは。
厚生労働省によれば、人口10万人あたりの死因は、ガンがもっとも多く250人を超え、脳血管疾患が約100人、心臓疾患も約100人、肺炎は70人強ていどです。
スーパー糖質制限食は、相対的に高脂質・高タンパク食となります。
ブログ読者の皆さんにおいて、
「高脂質食を長年続けることで、死因のほとんどを占める動脈硬化疾患やガンのリスクにはならないか?」
という、従来の定説に基づく質問が時々あります。
高脂質食と動脈硬化疾患に関しては、2012年04月09日 (月)の本ブログ記事において
「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」
という論文を紹介しました。
もう一つの質問ですが、「高脂質食とガンのリスクについて」ですね。
スーパー糖質制限食(高脂質食)に発ガンのリスクはありや無しや?
復習を兼ねて、この問題を考察してみましょう。
総摂取カロリーに対して
「脂質56%、タンパク質32%、糖質12%」
という構成比が高雄病院のスーパー糖質制限食です。
当然、従来の一般的な食生活に比べれば、高脂質・高タンパク食となります。
ブログ読者の皆さんが一番心配なのは、従来の定説にあるように、高脂質・高タンパク食を長年続けたら、何らかのガンになり易くなるのではないかという懸念でしょう。何と言っても日本人の死因の圧倒的一位はガンですからね。
これに対しては、
「スーパー糖質制限食と発ガンのリスクに関するエビデンスはない」
というのが、結論です。
すなわち、
「スーパー糖質制限食で発ガンのリスクが増えるというエビデンスはない。」
ですし、一方
「スーパー糖質制限食で発ガンのリスクが減るというエビデンスもない。」
ということです。
これは、糖質摂取比率12%の集団と通常食の集団におけるガンの発生を、10年.20年経過を追ったような臨床研究は、現時点で存在しないので、当然の結論です。
【低炭水化物食と全死亡率および死因別死亡率:二つのコホート研究
「Annals of Internal medicine
September 7 2010 vol.153 Issue5 p289-298
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause and Cause-Specific Mortality:Two Cohort Studies
Teresa T. Fung, Rob M. van Dam, Susan E. Hankinson, Meir Stampfer, Walter C. Willett, and Frank B. Hu」
要旨
「低炭水化物食と死亡率の関連を長期にわたって調べたデータはほとんどない。今回,前向きコホート研究で,Nurses' Health Study(訳注:看護師の健康調査)に参加した85,168人の女性とHealth Professionals' Follow-up Study(訳注:医療従事者追跡研究)に参加した44,548人の男性を最大26年間追跡した。動物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率,心血管死亡率,がん死亡率が高かった。一方,植物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率と心血管死亡率が低かった。」】
この論文の、
「糖質制限食(低炭水化物食)で、動物性脂肪および蛋白質を重視した食事では、全死亡率、心血管死亡率、がん死亡率が高かった。」
を根拠にして、糖質制限食は発ガンのリスクが懸念されると言う人もいますが、これは根本的な誤解です。
この論文はあくまでも、総摂取エネルギーの35.2%(男性)と37.2%(女性)を、炭水化物から摂取しているグループにおける話です。
総摂取エネルギーの12%を糖質から摂取しているグループは、この論文のどこにも登場しないので、比較不能です。
つまり、高雄病院流のスーパー糖質制限食を実践している人においては、この論文は全く参考になりません。
炭水化物を総摂取エネルギーの60%食べているグループに比べれば、炭水化物35.2%、37.2%のグループのほうが、確かに低糖質食です。それで低炭水化物食のコホート研究としたのでしょう。
一方、糖質を総摂取エネルギーの12%しか食べていないグループに比べれば、炭水化物35.2%、37.2%のグループは3倍の高糖質食であり、到底、低糖質食とは言えません。
ちなみに、ADAは130g/日以下、2000kcal/日で26%以下を糖質制限の定義としており、バーンスイタイン医師ら糖質制限食派の医師もこれを認めています。
これまで多くの研究で、高インスリン血症による腫瘍増殖・発ガン促進作用が示されています。
糖質を総摂取エネルギーの12%とする、スーパー糖質制限食なら食事1回分の糖質は10~20gで、追加分泌インスリンは、せいぜい基礎分泌の約2倍ていどです。
一方、炭水化物摂取比率35.2%、37.2%のグループは、1回の食事の糖質は50g以上であり、食事の度に血糖値が上昇し、約10~20倍の追加分泌インスリンが分泌されます。
すなわち、炭水化物摂取比率35.2%、37.2%のグループでは、明白な発ガンリスクとなるインスリン分泌が改善できていません。
これだけのインスリン分泌量は、糖質60%のグループとさほど変わらないと思います。
スーパー糖質制限食なら、発ガンリスクのインスリン分泌は極少量で済みます。
これらのことは生理学的な事実です。
また国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」2007年、によれば、食後高血糖そのものが、ある種のガンのリスクとなります。
糖質を総摂取エネルギーの12%とするスーパー糖質制限食なら、食後高血糖は生じませんが、炭水化物摂取比率35.2%、37.2%のグループは、1日3回以上食後高血糖を生じガンのリスクとなります。
さらに、糖質制限食により、HDLコレステロールが増加することには、RCT研究論文によるエビデンスがあります。HDLコレステロールが上昇すると発ガンリスクが減少することにも、RCT研究論文によるエビデンスがあります。
「インスリン分泌が極少量」「食後高血糖がない」「HDLコレステロールが上昇」という、発ガンリスクを減少させる3つの利点とエビデンスがあるスーパー糖質制限食において、長年続けることでそれらを上回る何らかの発ガンリスクが、存在するのかしないのかということは、今後長期にわたり検討していく必要はあるでしょう。
幸い、現在までそのような謎の発ガンリスクは知られていませんが・・・。
結論です。
「スーパー糖質制限食と発ガンのリスクに関するエビデンスはない」
のですが、発ガンリスクが明白に確認されているインスリンの分泌が、スーパー糖質制限食なら、極少量に抑えられることは、生理学的事実です。
また、発ガンリスクの一つの食後高血糖も、スーパー糖質制限食なら生じません。
さらにスーパー糖質制限食なら、発ガンリスクを減少させるHDLコレステロールが上昇するのも大きなアドバンテージです。
そしてスーパー糖質制限食は高脂質食になりますが、「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」というエビデンスがあります。
江部康二
厚生労働省によれば、人口10万人あたりの死因は、ガンがもっとも多く250人を超え、脳血管疾患が約100人、心臓疾患も約100人、肺炎は70人強ていどです。
スーパー糖質制限食は、相対的に高脂質・高タンパク食となります。
ブログ読者の皆さんにおいて、
「高脂質食を長年続けることで、死因のほとんどを占める動脈硬化疾患やガンのリスクにはならないか?」
という、従来の定説に基づく質問が時々あります。
高脂質食と動脈硬化疾患に関しては、2012年04月09日 (月)の本ブログ記事において
「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」
という論文を紹介しました。
もう一つの質問ですが、「高脂質食とガンのリスクについて」ですね。
スーパー糖質制限食(高脂質食)に発ガンのリスクはありや無しや?
復習を兼ねて、この問題を考察してみましょう。
総摂取カロリーに対して
「脂質56%、タンパク質32%、糖質12%」
という構成比が高雄病院のスーパー糖質制限食です。
当然、従来の一般的な食生活に比べれば、高脂質・高タンパク食となります。
ブログ読者の皆さんが一番心配なのは、従来の定説にあるように、高脂質・高タンパク食を長年続けたら、何らかのガンになり易くなるのではないかという懸念でしょう。何と言っても日本人の死因の圧倒的一位はガンですからね。
これに対しては、
「スーパー糖質制限食と発ガンのリスクに関するエビデンスはない」
というのが、結論です。
すなわち、
「スーパー糖質制限食で発ガンのリスクが増えるというエビデンスはない。」
ですし、一方
「スーパー糖質制限食で発ガンのリスクが減るというエビデンスもない。」
ということです。
これは、糖質摂取比率12%の集団と通常食の集団におけるガンの発生を、10年.20年経過を追ったような臨床研究は、現時点で存在しないので、当然の結論です。
【低炭水化物食と全死亡率および死因別死亡率:二つのコホート研究
「Annals of Internal medicine
September 7 2010 vol.153 Issue5 p289-298
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause and Cause-Specific Mortality:Two Cohort Studies
Teresa T. Fung, Rob M. van Dam, Susan E. Hankinson, Meir Stampfer, Walter C. Willett, and Frank B. Hu」
要旨
「低炭水化物食と死亡率の関連を長期にわたって調べたデータはほとんどない。今回,前向きコホート研究で,Nurses' Health Study(訳注:看護師の健康調査)に参加した85,168人の女性とHealth Professionals' Follow-up Study(訳注:医療従事者追跡研究)に参加した44,548人の男性を最大26年間追跡した。動物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率,心血管死亡率,がん死亡率が高かった。一方,植物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率と心血管死亡率が低かった。」】
この論文の、
「糖質制限食(低炭水化物食)で、動物性脂肪および蛋白質を重視した食事では、全死亡率、心血管死亡率、がん死亡率が高かった。」
を根拠にして、糖質制限食は発ガンのリスクが懸念されると言う人もいますが、これは根本的な誤解です。
この論文はあくまでも、総摂取エネルギーの35.2%(男性)と37.2%(女性)を、炭水化物から摂取しているグループにおける話です。
総摂取エネルギーの12%を糖質から摂取しているグループは、この論文のどこにも登場しないので、比較不能です。
つまり、高雄病院流のスーパー糖質制限食を実践している人においては、この論文は全く参考になりません。
炭水化物を総摂取エネルギーの60%食べているグループに比べれば、炭水化物35.2%、37.2%のグループのほうが、確かに低糖質食です。それで低炭水化物食のコホート研究としたのでしょう。
一方、糖質を総摂取エネルギーの12%しか食べていないグループに比べれば、炭水化物35.2%、37.2%のグループは3倍の高糖質食であり、到底、低糖質食とは言えません。
ちなみに、ADAは130g/日以下、2000kcal/日で26%以下を糖質制限の定義としており、バーンスイタイン医師ら糖質制限食派の医師もこれを認めています。
これまで多くの研究で、高インスリン血症による腫瘍増殖・発ガン促進作用が示されています。
糖質を総摂取エネルギーの12%とする、スーパー糖質制限食なら食事1回分の糖質は10~20gで、追加分泌インスリンは、せいぜい基礎分泌の約2倍ていどです。
一方、炭水化物摂取比率35.2%、37.2%のグループは、1回の食事の糖質は50g以上であり、食事の度に血糖値が上昇し、約10~20倍の追加分泌インスリンが分泌されます。
すなわち、炭水化物摂取比率35.2%、37.2%のグループでは、明白な発ガンリスクとなるインスリン分泌が改善できていません。
これだけのインスリン分泌量は、糖質60%のグループとさほど変わらないと思います。
スーパー糖質制限食なら、発ガンリスクのインスリン分泌は極少量で済みます。
これらのことは生理学的な事実です。
また国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」2007年、によれば、食後高血糖そのものが、ある種のガンのリスクとなります。
糖質を総摂取エネルギーの12%とするスーパー糖質制限食なら、食後高血糖は生じませんが、炭水化物摂取比率35.2%、37.2%のグループは、1日3回以上食後高血糖を生じガンのリスクとなります。
さらに、糖質制限食により、HDLコレステロールが増加することには、RCT研究論文によるエビデンスがあります。HDLコレステロールが上昇すると発ガンリスクが減少することにも、RCT研究論文によるエビデンスがあります。
「インスリン分泌が極少量」「食後高血糖がない」「HDLコレステロールが上昇」という、発ガンリスクを減少させる3つの利点とエビデンスがあるスーパー糖質制限食において、長年続けることでそれらを上回る何らかの発ガンリスクが、存在するのかしないのかということは、今後長期にわたり検討していく必要はあるでしょう。
幸い、現在までそのような謎の発ガンリスクは知られていませんが・・・。
結論です。
「スーパー糖質制限食と発ガンのリスクに関するエビデンスはない」
のですが、発ガンリスクが明白に確認されているインスリンの分泌が、スーパー糖質制限食なら、極少量に抑えられることは、生理学的事実です。
また、発ガンリスクの一つの食後高血糖も、スーパー糖質制限食なら生じません。
さらにスーパー糖質制限食なら、発ガンリスクを減少させるHDLコレステロールが上昇するのも大きなアドバンテージです。
そしてスーパー糖質制限食は高脂質食になりますが、「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない」というエビデンスがあります。
江部康二
江部先生
毎日のブログ更新、本当に有り難く拝見しています。
自分自身の食後高血糖と、知り合いの医師が数人糖質制限食を実行しているため、すっかり長年正しいと信じられたこと(全粒穀物と野菜中心の食事が健康に良いとか、飽和脂肪は動脈硬化の原因とか)に、疑問を持つようになりました。
先生のご著書とブログで納得しながら、糖質制限を実践するつもりなのに、こんなに動物性食品ばかり食べて良いのかと、つい昔の思考がよみがえり、野菜中心の食事になってしまい、BMI17
きってしまう状況です。
でも、今日のブログを読み、気持ち新たに、穀物の頼らない人間本来の食にチャレンジします。
先生、これからも宜しくお願いします。
毎日のブログ更新、本当に有り難く拝見しています。
自分自身の食後高血糖と、知り合いの医師が数人糖質制限食を実行しているため、すっかり長年正しいと信じられたこと(全粒穀物と野菜中心の食事が健康に良いとか、飽和脂肪は動脈硬化の原因とか)に、疑問を持つようになりました。
先生のご著書とブログで納得しながら、糖質制限を実践するつもりなのに、こんなに動物性食品ばかり食べて良いのかと、つい昔の思考がよみがえり、野菜中心の食事になってしまい、BMI17
きってしまう状況です。
でも、今日のブログを読み、気持ち新たに、穀物の頼らない人間本来の食にチャレンジします。
先生、これからも宜しくお願いします。
2012/04/11(Wed) 15:31 | URL | 薬剤師 | 【編集】
江部先生、はじめまして。
夏井先生のHPで知って、先生の著書を購入して1月からダイエット目的で糖質制限を始めましたが、すぐに痩せて体調が良くなり気分も明るく仕事に集中できるようになり驚きました。
ダイエット手段で始めたはずが健康目的に変わり今も続けております。私も3ヶ月間スーパー糖質制限食を続けていますが、もし今後、スタンダード/プチに落として実践し続けると発ガンリスクが懸念されるのでしょうか?
p.s.
江部先生の糖質制限食のおかげで、人生観が前向きになりました。ありがとうございます。
夏井先生のHPで知って、先生の著書を購入して1月からダイエット目的で糖質制限を始めましたが、すぐに痩せて体調が良くなり気分も明るく仕事に集中できるようになり驚きました。
ダイエット手段で始めたはずが健康目的に変わり今も続けております。私も3ヶ月間スーパー糖質制限食を続けていますが、もし今後、スタンダード/プチに落として実践し続けると発ガンリスクが懸念されるのでしょうか?
p.s.
江部先生の糖質制限食のおかげで、人生観が前向きになりました。ありがとうございます。
2012/04/11(Wed) 15:56 | URL | かっちゃん | 【編集】
たびたび失礼いたします。
塞王司馬欣です。
前回は糖質制限食と運動について質問させていただきました。それからは少々制限を緩めてやはり食後に運動していましたが、肝臓の機能が上がったのか糖質制限食を摂った直後に運動しても体調が悪くなりにくくなりました。
しかし、なぜか体重及び体脂肪率が少しずつ増え続けているのです(T_T)食後に運動すれば、普通に考えて余分な栄養が脂肪としてため込まれる前に消費してしまえると思うのですが・・・。ちなみに、運動の種類はあくまでも有酸素運動のみで、速歩、軽いジョギング、エアロバイク(心拍数120回/分前後)などを20分程度、ほぼ毎食後に行っています。そして食事の量は増やしておらず、良く噛んで食べております。それから追加ですが、朝にヨーグルト180g程度にリンゴ一切れを混ぜて食べています。そして脂肪分の多いものもそれなりに食べていますが、これも関係あるのでしょうか?どうも自分の身体は使いにくいようです<`ヘ´>
お時間がおありのときにでも御回答いただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
塞王司馬欣です。
前回は糖質制限食と運動について質問させていただきました。それからは少々制限を緩めてやはり食後に運動していましたが、肝臓の機能が上がったのか糖質制限食を摂った直後に運動しても体調が悪くなりにくくなりました。
しかし、なぜか体重及び体脂肪率が少しずつ増え続けているのです(T_T)食後に運動すれば、普通に考えて余分な栄養が脂肪としてため込まれる前に消費してしまえると思うのですが・・・。ちなみに、運動の種類はあくまでも有酸素運動のみで、速歩、軽いジョギング、エアロバイク(心拍数120回/分前後)などを20分程度、ほぼ毎食後に行っています。そして食事の量は増やしておらず、良く噛んで食べております。それから追加ですが、朝にヨーグルト180g程度にリンゴ一切れを混ぜて食べています。そして脂肪分の多いものもそれなりに食べていますが、これも関係あるのでしょうか?どうも自分の身体は使いにくいようです<`ヘ´>
お時間がおありのときにでも御回答いただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
2012/04/11(Wed) 17:35 | URL | 塞王司馬欣 | 【編集】
江部先生、こんにちは!
私は5年ほど前に健康診断でHbA1cが8.0以上あることが発覚した
40代の糖尿人です。
先生の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」に出会い、
糖質制限が血糖コントロールに有効であることを知ってから、
糖質制限が難しい昼食以外の朝・夕は基本的に主食なしの
スタンダード糖質制限食を行なっています。
おかげさまで現在はHbA1cは6.0前後に落ち着いています。
ここからが表題に書いた質問になります。
先生の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」の21ページに、
・糖質制限食→糖質30%前後、脂質45%前後、たんぱく質25%前後
(朝夕のみ主食抜きの場合)
とありますが、これはスタンダード糖質制限食のことですよね?
そして、渦中の論文が示している37.2%と35.2%は「炭水化物」の
割合ですから、糖質の割合はもう少し低い数字だと思いますので、
スタンダード糖質制限食と、この論文の低炭水化物食とでは、
1日に摂取する「糖質の割合」は大きく離れていないのでは
ないかと。
つまり、スタンダード糖質制限食のやり方として、
主食の代わりに動物ベースの脂質摂取を増やしてしまうと、
論文のような、発ガンリスクの増加する恐れがあると、
言うことになってしまいませんか?
一方、この論文の結論は、
「動物食をベースとする低炭水化物食では,男女ともに全死亡が
高かった.一方,植物食をベースとする低炭水化物食では,
全死亡率と心血管死亡率が低下した」となっています。
これは、もしかすると、植物食をベースとする低炭水化物には、
動物食をベースとする低炭水化物食よりも、
繊維質が多く含まれている可能性が高く、
炭水化物の割合は同程度でも糖質量は植物ベースの低炭水化物食の
方が少ないからと言うことは言えるでしょうか?
長々と書いてしまいましたが、
先生の見解を伺えれば幸いです。
私は5年ほど前に健康診断でHbA1cが8.0以上あることが発覚した
40代の糖尿人です。
先生の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」に出会い、
糖質制限が血糖コントロールに有効であることを知ってから、
糖質制限が難しい昼食以外の朝・夕は基本的に主食なしの
スタンダード糖質制限食を行なっています。
おかげさまで現在はHbA1cは6.0前後に落ち着いています。
ここからが表題に書いた質問になります。
先生の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」の21ページに、
・糖質制限食→糖質30%前後、脂質45%前後、たんぱく質25%前後
(朝夕のみ主食抜きの場合)
とありますが、これはスタンダード糖質制限食のことですよね?
そして、渦中の論文が示している37.2%と35.2%は「炭水化物」の
割合ですから、糖質の割合はもう少し低い数字だと思いますので、
スタンダード糖質制限食と、この論文の低炭水化物食とでは、
1日に摂取する「糖質の割合」は大きく離れていないのでは
ないかと。
つまり、スタンダード糖質制限食のやり方として、
主食の代わりに動物ベースの脂質摂取を増やしてしまうと、
論文のような、発ガンリスクの増加する恐れがあると、
言うことになってしまいませんか?
一方、この論文の結論は、
「動物食をベースとする低炭水化物食では,男女ともに全死亡が
高かった.一方,植物食をベースとする低炭水化物食では,
全死亡率と心血管死亡率が低下した」となっています。
これは、もしかすると、植物食をベースとする低炭水化物には、
動物食をベースとする低炭水化物食よりも、
繊維質が多く含まれている可能性が高く、
炭水化物の割合は同程度でも糖質量は植物ベースの低炭水化物食の
方が少ないからと言うことは言えるでしょうか?
長々と書いてしまいましたが、
先生の見解を伺えれば幸いです。
2012/04/11(Wed) 19:45 | URL | (け) | 【編集】
先日、妊娠糖尿病の事をご相談させていただいた者です。その際は丁寧に回答していただき本当にありがとうございました。
さて、2週間前、ブドウ糖負荷75gで1時間後のみギリギリ引っ掛かり、内科を受診しました。
その際の空腹時血糖68・hbA1C4.4でした。食事指導を受け、また2週間後に…と言うことだったので、今日まで食事管理と適度な運動を頑張ってきました。そして本日、2週間ぶりに内科にかかったところ、hbA1C4.6、血糖値81(食後3時間くらい)でした。検査の結果には何の問題もないので、引き続き食事管理を頑張って、また1ヶ月後、臨月入る少し前に様子を見せに来てください、とのことで、ひとまずホッとしました。
ただ…、私は通常よりCペプチドと言う数値がかなり高いとの事…。また不安要素が出てきてしまいました…。この数値が高いと何か問題があるのでしょうか?改善策等はありますか?
お忙しい中すみません。お時間があるときで構いません。教えていただければ嬉しく思います。
さて、2週間前、ブドウ糖負荷75gで1時間後のみギリギリ引っ掛かり、内科を受診しました。
その際の空腹時血糖68・hbA1C4.4でした。食事指導を受け、また2週間後に…と言うことだったので、今日まで食事管理と適度な運動を頑張ってきました。そして本日、2週間ぶりに内科にかかったところ、hbA1C4.6、血糖値81(食後3時間くらい)でした。検査の結果には何の問題もないので、引き続き食事管理を頑張って、また1ヶ月後、臨月入る少し前に様子を見せに来てください、とのことで、ひとまずホッとしました。
ただ…、私は通常よりCペプチドと言う数値がかなり高いとの事…。また不安要素が出てきてしまいました…。この数値が高いと何か問題があるのでしょうか?改善策等はありますか?
お忙しい中すみません。お時間があるときで構いません。教えていただければ嬉しく思います。
2012/04/11(Wed) 20:25 | URL | るみ | 【編集】
参加希望者が順調に伸びています。
昨日今日で、あっという間に、30を超えました。
医師、看護師の方。
他県からの方。
反響が大きいことを実感しています。
昨日今日で、あっという間に、30を超えました。
医師、看護師の方。
他県からの方。
反響が大きいことを実感しています。
2012/04/11(Wed) 22:01 | URL | 北九州 三島 | 【編集】
こんばんは。
私は重度の二つのタイプをもつ低血糖症なため
糖質制限の指導をうけました。
もともと大食なため必要以上に食べてしまい肥満数値に達してしまいましたが
低血糖症の症状が食後30分ぐらいから出始め空腹感におそわれ
糖質制限をなげだし糖質へと逃げ込んでしまいます。
私が通う病院は
それなら通う意味がない。と厳しくおっしゃられ自分でもコントロール出来ない日々が嫌になってしまいます。
先生との相性も考え病院をかえようと思いましたが低血糖や糖質制限に理解がある先生が県内にはおらず
今はただ糖質制限への成功をおさめたいと、強く願っています。
私のような症状がある人間は意思のみで糖質制限を行えるものなのでしょうか。
またなにかアドバイスがありましたら
ご指導くださいませ。
よろしくお願いいたします。
私は重度の二つのタイプをもつ低血糖症なため
糖質制限の指導をうけました。
もともと大食なため必要以上に食べてしまい肥満数値に達してしまいましたが
低血糖症の症状が食後30分ぐらいから出始め空腹感におそわれ
糖質制限をなげだし糖質へと逃げ込んでしまいます。
私が通う病院は
それなら通う意味がない。と厳しくおっしゃられ自分でもコントロール出来ない日々が嫌になってしまいます。
先生との相性も考え病院をかえようと思いましたが低血糖や糖質制限に理解がある先生が県内にはおらず
今はただ糖質制限への成功をおさめたいと、強く願っています。
私のような症状がある人間は意思のみで糖質制限を行えるものなのでしょうか。
またなにかアドバイスがありましたら
ご指導くださいませ。
よろしくお願いいたします。
2012/04/11(Wed) 23:15 | URL | オリーブ | 【編集】
かっちゃん 様
スーパーなら、発ガンりすくである食後高血糖と高インスリン血症は1日に1回もありません。
スタンダードは1回、、プチは2回、グルコースミニスパイクと高インスリン血症が生じるので
スーパー糖質制限食に比べると少しリスクは増えます。
しかし1日3回主食を摂取して、3時のおやつでケーキ、午后10時の夜食にラーメンとかの
人に比べるとはるかにましですね。
スーパーなら、発ガンりすくである食後高血糖と高インスリン血症は1日に1回もありません。
スタンダードは1回、、プチは2回、グルコースミニスパイクと高インスリン血症が生じるので
スーパー糖質制限食に比べると少しリスクは増えます。
しかし1日3回主食を摂取して、3時のおやつでケーキ、午后10時の夜食にラーメンとかの
人に比べるとはるかにましですね。
2012/04/12(Thu) 21:25 | URL | ドクター江部 | 【編集】
塞王司馬欣 さん。
糖質制限食実践により
BMI:20~25の間で
その個人の適正体重になると思います。
糖質制限食実践により
BMI:20~25の間で
その個人の適正体重になると思います。
2012/04/12(Thu) 21:29 | URL | ドクター江部 | 【編集】
(け) さん。
スタンダード糖質制限食は、1日1回、グルコースミニスパイクと高インスリン血症となります。
この論文は、1回50~55gていどの糖質を1日3回食べている集団です。
1日3回、発ガンリスクとなるグルコースミニスパイクと高インスリン血症を生じています。
「植物食をベースとする低炭水化物には、
動物食をベースとする低炭水化物食よりも、
繊維質が多く含まれている可能性が高く、
炭水化物の割合は同程度でも糖質量は植物ベースの低炭水化物食の
方が少ないからと言うことは言えるでしょうか? 」
可能性はありえると思いますが、断定は困難です。
スタンダード糖質制限食は、1日1回、グルコースミニスパイクと高インスリン血症となります。
この論文は、1回50~55gていどの糖質を1日3回食べている集団です。
1日3回、発ガンリスクとなるグルコースミニスパイクと高インスリン血症を生じています。
「植物食をベースとする低炭水化物には、
動物食をベースとする低炭水化物食よりも、
繊維質が多く含まれている可能性が高く、
炭水化物の割合は同程度でも糖質量は植物ベースの低炭水化物食の
方が少ないからと言うことは言えるでしょうか? 」
可能性はありえると思いますが、断定は困難です。
2012/04/12(Thu) 21:39 | URL | ドクター江部 | 【編集】
るみ さん。
妊娠中はとくに、6ヶ月以降は胎盤も大きくなり
インスリン抵抗性が増加します。
それに伴い
妊娠していないときに比べて、インスリンの分泌量やCペプチドは高値となりますが
正常な適応ですので心配ないと思います。
妊娠中はとくに、6ヶ月以降は胎盤も大きくなり
インスリン抵抗性が増加します。
それに伴い
妊娠していないときに比べて、インスリンの分泌量やCペプチドは高値となりますが
正常な適応ですので心配ないと思います。
2012/04/12(Thu) 21:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
北九州 三島 さん。
ありがとうございます。
順調ですね。
ご苦労様です。
ありがとうございます。
順調ですね。
ご苦労様です。
2012/04/12(Thu) 21:48 | URL | ドクター江部 | 【編集】
オリーブ さん。
重度の二つのタイプをもつ低血糖症ならば、あせらずに
ごく緩やかな糖質制限食からボチボチ始められては如何でしょう。
普通の食事は1回の糖質量が、70~100gくらいあります。
緩やかに、1回の糖質量が40~50gくらいから、慣らしていって徐々に減らせばいいと思います。
重度の二つのタイプをもつ低血糖症ならば、あせらずに
ごく緩やかな糖質制限食からボチボチ始められては如何でしょう。
普通の食事は1回の糖質量が、70~100gくらいあります。
緩やかに、1回の糖質量が40~50gくらいから、慣らしていって徐々に減らせばいいと思います。
2012/04/12(Thu) 21:55 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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