2012年04月09日 (月)
こんにちは。
「目標・PinPinKorori」
http://bbs11.aimix-z.com/mtpt.cgi?room=ppkorori&mode=view&no=371
というサイトのtsunco さんのブログ記事を拝見して、久しぶりに、灰本先生の日本ローカーボ食研究会のサイトを見てきました。
http://low-carbo-diet.com/voice/my-opinion/contribution-of-fat-to-total-death/
すると、「低炭水化物に伴う脂肪摂取は総死亡にどう影響するか?」という見出しで記事が書いてあり、結論からいうと『飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない』という内容でした。
今まで、灰本先生は、
「動物性脂肪の主成分の飽和脂肪酸が脳心血管イベントに良くないので、植物性脂肪を中心に不飽和脂肪酸を摂取するのがよい」
という従来の定説を信奉しておられたので、意外でした。
2010年のAm J Clin Nutrという臨床栄養学雑誌に発表された、メタアナリシスと総説が根拠となっています。
21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生しました。
そして飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが明らかとなりました。(☆)
Am J Clin Nutr はインパクトファクター:6.6 くらいなので、ニューイングランド・ジャーナルやランセットには及びませんが、しっかりした臨床栄養学雑誌です。
ともあれ、2010年のAm J Clin Nutrのこの論文により、牛肉・豚肉など動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量は、少なくとも脳心血管イベント発生とは無関係の可能性が高くなりましたのでスーパー糖質制限食推進派の私としては、大きな追い風ですね。
スーパー糖質制限食では、総摂取カロリーに占める割合は、脂質56%、タンパク質32%、糖質12%であり、動物性脂肪など飽和脂肪酸の摂取が多くなるのですが、脳心血管の安全性に関してかなり安心ですね。
この件に関しては、灰本先生に感謝です。
今まで医学界で
『動物性脂肪を主とした飽和脂肪酸摂取が脳心血管イベント発生のリスクとなる』
とさんざん言われてきたのは何だったのでしょうね?
まあ、灰本先生の方針変更も見事です。
なお日本脂質栄養学会は、以前から、「動物性脂肪は植物性脂肪より安全性が高い」という見解であり、この論文よりさらに先を進んでますね。
(☆)
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
http://www.ajcn.org/content/91/3/535.long このサイトで全文(英文)が見れます。
江部康二
「目標・PinPinKorori」
http://bbs11.aimix-z.com/mtpt.cgi?room=ppkorori&mode=view&no=371
というサイトのtsunco さんのブログ記事を拝見して、久しぶりに、灰本先生の日本ローカーボ食研究会のサイトを見てきました。
http://low-carbo-diet.com/voice/my-opinion/contribution-of-fat-to-total-death/
すると、「低炭水化物に伴う脂肪摂取は総死亡にどう影響するか?」という見出しで記事が書いてあり、結論からいうと『飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない』という内容でした。
今まで、灰本先生は、
「動物性脂肪の主成分の飽和脂肪酸が脳心血管イベントに良くないので、植物性脂肪を中心に不飽和脂肪酸を摂取するのがよい」
という従来の定説を信奉しておられたので、意外でした。
2010年のAm J Clin Nutrという臨床栄養学雑誌に発表された、メタアナリシスと総説が根拠となっています。
21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生しました。
そして飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが明らかとなりました。(☆)
Am J Clin Nutr はインパクトファクター:6.6 くらいなので、ニューイングランド・ジャーナルやランセットには及びませんが、しっかりした臨床栄養学雑誌です。
ともあれ、2010年のAm J Clin Nutrのこの論文により、牛肉・豚肉など動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量は、少なくとも脳心血管イベント発生とは無関係の可能性が高くなりましたのでスーパー糖質制限食推進派の私としては、大きな追い風ですね。
スーパー糖質制限食では、総摂取カロリーに占める割合は、脂質56%、タンパク質32%、糖質12%であり、動物性脂肪など飽和脂肪酸の摂取が多くなるのですが、脳心血管の安全性に関してかなり安心ですね。
この件に関しては、灰本先生に感謝です。
今まで医学界で
『動物性脂肪を主とした飽和脂肪酸摂取が脳心血管イベント発生のリスクとなる』
とさんざん言われてきたのは何だったのでしょうね?
まあ、灰本先生の方針変更も見事です。
なお日本脂質栄養学会は、以前から、「動物性脂肪は植物性脂肪より安全性が高い」という見解であり、この論文よりさらに先を進んでますね。
(☆)
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
http://www.ajcn.org/content/91/3/535.long このサイトで全文(英文)が見れます。
江部康二
初めまして。
いつも先生のブログはありがたく読ませていただいてます。
本も買わせていただきました(^^)
みなさん糖質制限をなさったら、血糖値がすごく改善されるのに
私の場合は、あまり改善されないのです。
例えば昨日は夜にハンバーガーの中身だけを食べただけです。
ケチャップが少しついてましたが、取り除きました。
ほんの少し口に入っただけなんです。
食べる前が122、ハンバーガの中身を食べて二時間後が245でした・・・
先生のブログにも
「1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます」と書かれてましたが
私のような身長が150センチくらいで体重が50kgくらいの
50代後半の人間だと、糖質1gでもっと上がるのでしょうか?
こんなに炭水化物を食べてないのに、なんで血糖値があがるのかがわかりません。
2型から1型になっているってこともあるんでしょうか?
昨日のハンバーガーの中身だけを食べる前の122というのは
ここ2年では珍しく低い数値なんです。
いつも、空腹でも180くらいあります。
ケチャップをペロッ!で123も上がるものなんでしょうか?
おかしいな~と思って測定は3回しましたが
ほぼ、一緒でした・・・
今日は、お昼に久しぶりに玄米を食べてみました。
それは、お茶碗に8分くらいです。
炭水化物は毎日ほとんど食べませんが
久しぶりに食べたものですから、その後20分ウォーキングしました。
そして2時間後の血糖値が376でした。
なんだか悲しくなってしまう数値でした。
お薬は全然飲んでいません。
お忙しいのに、変な質問で申し訳ございません・・・。
いつも先生のブログはありがたく読ませていただいてます。
本も買わせていただきました(^^)
みなさん糖質制限をなさったら、血糖値がすごく改善されるのに
私の場合は、あまり改善されないのです。
例えば昨日は夜にハンバーガーの中身だけを食べただけです。
ケチャップが少しついてましたが、取り除きました。
ほんの少し口に入っただけなんです。
食べる前が122、ハンバーガの中身を食べて二時間後が245でした・・・
先生のブログにも
「1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます」と書かれてましたが
私のような身長が150センチくらいで体重が50kgくらいの
50代後半の人間だと、糖質1gでもっと上がるのでしょうか?
こんなに炭水化物を食べてないのに、なんで血糖値があがるのかがわかりません。
2型から1型になっているってこともあるんでしょうか?
昨日のハンバーガーの中身だけを食べる前の122というのは
ここ2年では珍しく低い数値なんです。
いつも、空腹でも180くらいあります。
ケチャップをペロッ!で123も上がるものなんでしょうか?
おかしいな~と思って測定は3回しましたが
ほぼ、一緒でした・・・
今日は、お昼に久しぶりに玄米を食べてみました。
それは、お茶碗に8分くらいです。
炭水化物は毎日ほとんど食べませんが
久しぶりに食べたものですから、その後20分ウォーキングしました。
そして2時間後の血糖値が376でした。
なんだか悲しくなってしまう数値でした。
お薬は全然飲んでいません。
お忙しいのに、変な質問で申し訳ございません・・・。
2012/04/09(Mon) 18:13 | URL | さくらさくら | 【編集】
さくらさくら さん。
拙著のご購入ありがとうございます。
確かに血糖値の上昇が多いですね。
体重50kgですので、個人差を考慮すれば、
1mgの糖質が4~5mgくらい血糖値を上昇させるかもしれません。
ハンバーガーはケチャップと繋ぎの小麦で、20gくらいの糖質になることはあります。
お茶碗8分目の玄米なら糖質が40gありますので、
血糖値は160~200mg上昇する可能性があります。
必要なら入院も含めて十分な治療が必要と思いますので、主治医とよくご相談ください。
拙著のご購入ありがとうございます。
確かに血糖値の上昇が多いですね。
体重50kgですので、個人差を考慮すれば、
1mgの糖質が4~5mgくらい血糖値を上昇させるかもしれません。
ハンバーガーはケチャップと繋ぎの小麦で、20gくらいの糖質になることはあります。
お茶碗8分目の玄米なら糖質が40gありますので、
血糖値は160~200mg上昇する可能性があります。
必要なら入院も含めて十分な治療が必要と思いますので、主治医とよくご相談ください。
2012/04/09(Mon) 19:07 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生殿
いつも先生のブログを楽しく、拝見させていただいています。
表題の件ですが、
小生の勉強不足もあり、思うように理解できないのですが、高蛋白・高脂肪食では肝臓へ負担がかかるように思うのですがいかがでしょうか?
初歩的な質問で申し訳ありません。よろしくご回答ください。
いつも先生のブログを楽しく、拝見させていただいています。
表題の件ですが、
小生の勉強不足もあり、思うように理解できないのですが、高蛋白・高脂肪食では肝臓へ負担がかかるように思うのですがいかがでしょうか?
初歩的な質問で申し訳ありません。よろしくご回答ください。
2012/04/09(Mon) 19:58 | URL | マエアツ | 【編集】
マエアツ さん。
糖質制限食は、農耕以前の人類本来の食性活ですので、一番内臓のシステムにも優しいと考えられます。
勿論一番自然な食事なので肝臓にもよろしいです。
逆に高糖質食が、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の元凶と考えられ危険です。
高糖質食による食後のグルコースミニスパイクと高インスリン血症が、様々な生活習慣病の根本要因の
可能性が高いのです。
唯一、肝硬変になっているときは、肝臓での糖新生が上手くいかないので
糖質制限食は適応となりません。
糖質制限食は、農耕以前の人類本来の食性活ですので、一番内臓のシステムにも優しいと考えられます。
勿論一番自然な食事なので肝臓にもよろしいです。
逆に高糖質食が、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の元凶と考えられ危険です。
高糖質食による食後のグルコースミニスパイクと高インスリン血症が、様々な生活習慣病の根本要因の
可能性が高いのです。
唯一、肝硬変になっているときは、肝臓での糖新生が上手くいかないので
糖質制限食は適応となりません。
2012/04/09(Mon) 21:51 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、読者の皆様おはようございます!
桜満開ですね(-^〇^-)
今年も見る事が出来て幸せ☆&先生にまたまた感謝ですm(_ _)m
足の裏の痛さに辟易していて(神経障害の認定してくれない)、サプリメントをあれこれ探したり、購入したりしていましたら、ある興味深い本を知りました。
「がんの特効薬は発見済みだ!」岡崎公彦先生著
脂溶性ビタミンB1・ベンフォチアミン・ビオタミン
が、糖とたんぱく質を結びつける(私の最大の敵AGEになる)のを防ぎ?(だったかな?)、結果糖尿病合併症や、めちゃくちゃになる代謝の改善にいいということで、サプリだし、飲んでみようと思ったのですが( ̄∀ ̄)V
こちらの本にぶつかり、アマゾンを見て(すみません購入していません)、オ~ッ!?とビックリ!
もしかしたら、江部先生が本でも書かれている、海外でも実例がある、「がん細胞は糖質をエネルギーにしていて、それを断つ事でがん細胞は生きていけない」(ちょっと表現が違うかもしれません)という事とつながりがあるのかもッ(;`皿´)スゴイかもッ
あー、血圧&血糖値があがります(^_^;)
この著者の岡崎公彦先生は京都で小さな小さな医院を開いていらっしゃるとの事で、伏魔殿(業界)を敵に回すかもしれないのを覚悟でお書きになったみたいで。
岡崎先生に、糖質制限の事をお聞きしてみたい気持ちになりました。
サプリでお腹一杯になりそうなもんたろよりw
桜満開ですね(-^〇^-)
今年も見る事が出来て幸せ☆&先生にまたまた感謝ですm(_ _)m
足の裏の痛さに辟易していて(神経障害の認定してくれない)、サプリメントをあれこれ探したり、購入したりしていましたら、ある興味深い本を知りました。
「がんの特効薬は発見済みだ!」岡崎公彦先生著
脂溶性ビタミンB1・ベンフォチアミン・ビオタミン
が、糖とたんぱく質を結びつける(私の最大の敵AGEになる)のを防ぎ?(だったかな?)、結果糖尿病合併症や、めちゃくちゃになる代謝の改善にいいということで、サプリだし、飲んでみようと思ったのですが( ̄∀ ̄)V
こちらの本にぶつかり、アマゾンを見て(すみません購入していません)、オ~ッ!?とビックリ!
もしかしたら、江部先生が本でも書かれている、海外でも実例がある、「がん細胞は糖質をエネルギーにしていて、それを断つ事でがん細胞は生きていけない」(ちょっと表現が違うかもしれません)という事とつながりがあるのかもッ(;`皿´)スゴイかもッ
あー、血圧&血糖値があがります(^_^;)
この著者の岡崎公彦先生は京都で小さな小さな医院を開いていらっしゃるとの事で、伏魔殿(業界)を敵に回すかもしれないのを覚悟でお書きになったみたいで。
岡崎先生に、糖質制限の事をお聞きしてみたい気持ちになりました。
サプリでお腹一杯になりそうなもんたろよりw
2012/04/10(Tue) 06:26 | URL | もんたろ | 【編集】
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