2007年09月30日 (日)
こんばんは。
昨日の土曜日は、江部診療所の外来が終わった後、神戸の三宮に出かけました。同級生のS先生が開業5周年記念のパーティーを開いたので私も参加したわけです。
アカペラあり、ピアノあり、トランペットあり・・・さらには大道芸のジャグリングありで賑やかで楽しいパーティーを堪能しました。
私はといえば、声帯ポリープでいよいよ声が出なくなり、もっぱら聞き役に専念してました。 (~∧~)
神戸ポートピアホテルの講演会に来てくれた人もたくさんいて、糖質制限食の話題で盛り上がりました。
こういう時、医療関係の方からは、たいてい長期予後の質問があります。
それで今日は、糖質制限食の効果と長期予後のお話です。
糖質制限食実践者においては、血糖値・HbA1c・中性脂肪は速やかに改善します。HDL-コレステロールは個人差があり、しっかり上昇する人と軽度に上昇する人がいます。
糖質制限食実践者の総コレステロール、LDLコレステロール値に関しては、個人差があり一定しません。
しかし、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少するので、真の悪玉である、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは減ります。
糖質制限食の短期的効果に関しては、このように全ての指標が良い方に向かいます。
高雄病院でも、1999年から糖質制限食による糖尿病治療を開始して、実践する限りにおいては、99%の人が著明に改善をすることを確認しています。
基本的に体重も減少し肥満が改善しますので、血圧も下がることが多いです。
それでは10年、20年後の長期的予後はどうなのでしょう?
同級生の糖尿病専門医にいつも相談しているのですが、必ずこの話題がでてきます。
一つの答えは、イヌイットさんです。 生肉と生魚が主食という完全無欠の糖質制限食を数千年以上続けてきた民族ですが、有名なダイアベルグ博士の研究によると、心筋梗塞や脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。
二つ目の答えは最近流行の代謝症候群(メタボリック シンドローム)です。
一つ一つは些細な所見でも二重・三重に重なってくると危険という警鐘です。
*腹囲基準:男性85cm、女性90cm以上、
①高血圧:130/85以上、
②空腹時血糖:110mg以上、
③中性脂肪高値:150mg以上 HDL-コレステロール:40mg未満
具体的には、腹囲基準を満たしていて、①②③の三項目中二項目を満たせば、何もない人に比べて、将来冠動脈疾患になる確率が、約31倍にもなるとされています。
糖質制限食の実践により、代謝症候群の指標が全て改善します。逆に言えば糖質の過剰摂取こそが代謝症候群の根本要因といえます。
ともあれ西洋医学的に現在まで明らかにされている動脈硬化の危険因子が 糖質制限食の実践により全て改善するので、長期的予後も悪かろうはずがありません。
近年の米国の5万人、8年間の閉経女性の疫学的研究で、低脂肪食(従来のヘルシー食)が心筋梗塞や乳ガン、大腸ガンのリスクを減らさないことが確認されました。
また20年間、82,802人の女性の追跡で高タンパク・高脂肪食が、心筋梗塞を増やさないことも証明されました。
このように、理論的にも短期データ的にも、長期の疫学的データでも 糖質制限食(高タンパク・高脂肪食)の有効性と安全性が確立されつつあるといえるでしょう。
江部康二
昨日の土曜日は、江部診療所の外来が終わった後、神戸の三宮に出かけました。同級生のS先生が開業5周年記念のパーティーを開いたので私も参加したわけです。
アカペラあり、ピアノあり、トランペットあり・・・さらには大道芸のジャグリングありで賑やかで楽しいパーティーを堪能しました。
私はといえば、声帯ポリープでいよいよ声が出なくなり、もっぱら聞き役に専念してました。 (~∧~)
神戸ポートピアホテルの講演会に来てくれた人もたくさんいて、糖質制限食の話題で盛り上がりました。
こういう時、医療関係の方からは、たいてい長期予後の質問があります。
それで今日は、糖質制限食の効果と長期予後のお話です。
糖質制限食実践者においては、血糖値・HbA1c・中性脂肪は速やかに改善します。HDL-コレステロールは個人差があり、しっかり上昇する人と軽度に上昇する人がいます。
糖質制限食実践者の総コレステロール、LDLコレステロール値に関しては、個人差があり一定しません。
しかし、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少するので、真の悪玉である、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは減ります。
糖質制限食の短期的効果に関しては、このように全ての指標が良い方に向かいます。
高雄病院でも、1999年から糖質制限食による糖尿病治療を開始して、実践する限りにおいては、99%の人が著明に改善をすることを確認しています。
基本的に体重も減少し肥満が改善しますので、血圧も下がることが多いです。
それでは10年、20年後の長期的予後はどうなのでしょう?
同級生の糖尿病専門医にいつも相談しているのですが、必ずこの話題がでてきます。
一つの答えは、イヌイットさんです。 生肉と生魚が主食という完全無欠の糖質制限食を数千年以上続けてきた民族ですが、有名なダイアベルグ博士の研究によると、心筋梗塞や脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。
二つ目の答えは最近流行の代謝症候群(メタボリック シンドローム)です。
一つ一つは些細な所見でも二重・三重に重なってくると危険という警鐘です。
*腹囲基準:男性85cm、女性90cm以上、
①高血圧:130/85以上、
②空腹時血糖:110mg以上、
③中性脂肪高値:150mg以上 HDL-コレステロール:40mg未満
具体的には、腹囲基準を満たしていて、①②③の三項目中二項目を満たせば、何もない人に比べて、将来冠動脈疾患になる確率が、約31倍にもなるとされています。
糖質制限食の実践により、代謝症候群の指標が全て改善します。逆に言えば糖質の過剰摂取こそが代謝症候群の根本要因といえます。
ともあれ西洋医学的に現在まで明らかにされている動脈硬化の危険因子が 糖質制限食の実践により全て改善するので、長期的予後も悪かろうはずがありません。
近年の米国の5万人、8年間の閉経女性の疫学的研究で、低脂肪食(従来のヘルシー食)が心筋梗塞や乳ガン、大腸ガンのリスクを減らさないことが確認されました。
また20年間、82,802人の女性の追跡で高タンパク・高脂肪食が、心筋梗塞を増やさないことも証明されました。
このように、理論的にも短期データ的にも、長期の疫学的データでも 糖質制限食(高タンパク・高脂肪食)の有効性と安全性が確立されつつあるといえるでしょう。
江部康二
中南米在住で管理人のみ閲覧可能のコメントいただいた方、
ブログ上で回答すると他のブログ読者の皆さんも内容を見ることができます。
従いまして、もし個人情報保護ということでしたら、高雄病院のホームページのほうで、「お問い合わせ」に電子メールで質問を入れて頂けば幸いです。
高雄病院
http://takao-hospital.jp/
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従いまして、もし個人情報保護ということでしたら、高雄病院のホームページのほうで、「お問い合わせ」に電子メールで質問を入れて頂けば幸いです。
高雄病院
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2007/10/02(Tue) 10:53 | URL | 江部康二 | 【編集】
東山さん。
開院祝いのお言葉、ありがとうございました。
おかげさまで無事、初日を乗り切ることができました。
患者さんの評判も「綺麗で、交通の便も良くて来やすい。」と上々でした。
開院祝いのお言葉、ありがとうございました。
おかげさまで無事、初日を乗り切ることができました。
患者さんの評判も「綺麗で、交通の便も良くて来やすい。」と上々でした。
2007/10/02(Tue) 11:15 | URL | 江部康二 | 【編集】
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