2007年09月28日 (金)
こんばんは。
今日は、江部診療所の外来が終わった後、午後3時前に「高雄病院京都駅前診療所」に着きました。
10月1日の開院に向けて、模擬患者さんにて電子カルテ操作のリハーサルでした。
いやはや、電子カルテ・・・。
40名の予約患者さん・・・、ほんまに大丈夫かいな???
一抹いや、三抹くらいの不安はありますが、きっと何とかなるでしょう・・・。
さて、ピマインディアンシリーズのの続きです。
ピマインディアンには、アメリカのアリゾナ州とメキシコのシェラマドレ山脈に定住した2つのグループがあります。元来は同じ種族ですので、遺伝的素因は共通です。
アリゾナ州のピマインディアンは、今や人口の50%が2型糖尿病で肥満も多数です。
ところが、今も農業と酪農という伝統的な生活様式を維持している、メキシコ・メイコバのピマインディアンは、肥満にも糖尿病にもなっていません。
彼等は険しい山岳に居住し、主食は豆、芋、トウモロコシなど、たまに鶏肉といった食生活です。糖質は結構摂っていますが、運動量が半端じゃないです。
厳しい生活環境で、週20時間くらい重労働、あるいは中等度の労働をこなしています。
アリゾナのピマインディアンも、かつては同様の運動量で糖尿病もほとんど無かったのですが、米国政府の食料援助に頼るようになってからは、週2時間ていどの運動しかしていません。(平均的な米国人は週3回30分程度の運動していません。)
このように、アリゾナとメキシコのピマインディアンを比較してみると、倹約遺伝子(肥満遺伝子)を持っているので、高GI食や運動不足などの環境因子が加わると糖尿病・肥満になりやすいけれども、従来の伝統的な食生活や肉体労働を維持していれば、ならずにすむということがわかります。
私達日本人も3人に1人が、この『脂肪をためやすく燃えにくいようにする倹約遺伝子』を持っているので、ピマインディアン同様に糖尿病・肥満にはなりやすいので、油断は禁物です。
日本人も明治・大正・戦前までは、結構糖質を総摂取カロリーの60%以上食べているのに、糖尿病・肥満が少なかったのは、メキシコのピマインディアンに近いライフスタイルだったからなのでしょう。
このことを思えば、現在糖尿病・肥満のない方々は、高雄病院の「食生活十箇条」と適切な運動で将来そんな病気にならずにすむということですね。
江部康二
☆☆☆
アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の患者さんに、
そして糖尿病や高脂血症などの生活習慣病予防に、
高雄病院
『食生活十箇条』
一、主食は未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は極力減らし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで
☆☆☆
既に糖尿病になっている人、肥満・メタボの人には
『糖質制限食十箇条』
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食 べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控え る。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶も OK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は 控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルー ツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
今日は、江部診療所の外来が終わった後、午後3時前に「高雄病院京都駅前診療所」に着きました。
10月1日の開院に向けて、模擬患者さんにて電子カルテ操作のリハーサルでした。
いやはや、電子カルテ・・・。
40名の予約患者さん・・・、ほんまに大丈夫かいな???
一抹いや、三抹くらいの不安はありますが、きっと何とかなるでしょう・・・。
さて、ピマインディアンシリーズのの続きです。
ピマインディアンには、アメリカのアリゾナ州とメキシコのシェラマドレ山脈に定住した2つのグループがあります。元来は同じ種族ですので、遺伝的素因は共通です。
アリゾナ州のピマインディアンは、今や人口の50%が2型糖尿病で肥満も多数です。
ところが、今も農業と酪農という伝統的な生活様式を維持している、メキシコ・メイコバのピマインディアンは、肥満にも糖尿病にもなっていません。
彼等は険しい山岳に居住し、主食は豆、芋、トウモロコシなど、たまに鶏肉といった食生活です。糖質は結構摂っていますが、運動量が半端じゃないです。
厳しい生活環境で、週20時間くらい重労働、あるいは中等度の労働をこなしています。
アリゾナのピマインディアンも、かつては同様の運動量で糖尿病もほとんど無かったのですが、米国政府の食料援助に頼るようになってからは、週2時間ていどの運動しかしていません。(平均的な米国人は週3回30分程度の運動していません。)
このように、アリゾナとメキシコのピマインディアンを比較してみると、倹約遺伝子(肥満遺伝子)を持っているので、高GI食や運動不足などの環境因子が加わると糖尿病・肥満になりやすいけれども、従来の伝統的な食生活や肉体労働を維持していれば、ならずにすむということがわかります。
私達日本人も3人に1人が、この『脂肪をためやすく燃えにくいようにする倹約遺伝子』を持っているので、ピマインディアン同様に糖尿病・肥満にはなりやすいので、油断は禁物です。
日本人も明治・大正・戦前までは、結構糖質を総摂取カロリーの60%以上食べているのに、糖尿病・肥満が少なかったのは、メキシコのピマインディアンに近いライフスタイルだったからなのでしょう。
このことを思えば、現在糖尿病・肥満のない方々は、高雄病院の「食生活十箇条」と適切な運動で将来そんな病気にならずにすむということですね。
江部康二
☆☆☆
アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の患者さんに、
そして糖尿病や高脂血症などの生活習慣病予防に、
高雄病院
『食生活十箇条』
一、主食は未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は極力減らし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで
☆☆☆
既に糖尿病になっている人、肥満・メタボの人には
『糖質制限食十箇条』
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食 べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控え る。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶も OK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は 控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルー ツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
ピマインディアンのお話、興味深く読ませて頂きました。
そして、十箇条。ついつい忘れてしまっていることろでしたので、気持ちが引き締まりました。
母の話ですが、当初のヘモ8.6%から先日の検査結果では6.2%に改善しました。2年くらいかかっていますが。油断せず先生のブログで気持ちを引き締めつつ、勉強していきたいと思います。
そして、十箇条。ついつい忘れてしまっていることろでしたので、気持ちが引き締まりました。
母の話ですが、当初のヘモ8.6%から先日の検査結果では6.2%に改善しました。2年くらいかかっていますが。油断せず先生のブログで気持ちを引き締めつつ、勉強していきたいと思います。
2007/09/29(Sat) 23:49 | URL | ite | 【編集】
最近の悩みなんですが、スーパー糖質制限をしていても血糖値が今ひとつ改善しません。
わたしは毎日朝と夕食後に血糖値を測ってるのですが、食事の糖質を計算して10gいかないようなときでも食後血糖値が200越えてしまったりします。
朝も糖新生などのためかあまり下がらず、一度も100を切ったことがありません。
逆に夜より上がっていることも多いです。
毎日ぎりぎりまで糖質をカットした食事をしていても下がり幅があまりないんです。
これは食事以外のところの要因(ストレスなど)が大きな原因を占めていると考えたほうが良いのでしょうか・・・?
正直、お手上げ状態です。。。
わたしは毎日朝と夕食後に血糖値を測ってるのですが、食事の糖質を計算して10gいかないようなときでも食後血糖値が200越えてしまったりします。
朝も糖新生などのためかあまり下がらず、一度も100を切ったことがありません。
逆に夜より上がっていることも多いです。
毎日ぎりぎりまで糖質をカットした食事をしていても下がり幅があまりないんです。
これは食事以外のところの要因(ストレスなど)が大きな原因を占めていると考えたほうが良いのでしょうか・・・?
正直、お手上げ状態です。。。
2007/09/30(Sun) 04:04 | URL | ミント | 【編集】
ちなみに最近多い食事内容としては焼いた肉・魚もしくは目玉焼き、たまに野菜少し、チーズ、海藻サラダ、冷奴、おからマフィンなどです。
味付けはほとんど塩こしょうかしょうゆのみですがドレッシング梅づくしはお気に入りなのでたまに使います。
味付けはほとんど塩こしょうかしょうゆのみですがドレッシング梅づくしはお気に入りなのでたまに使います。
2007/09/30(Sun) 04:07 | URL | ミント | 【編集】
はじめまして。
私は30代女性で、糖尿病の診断はされておりませんが、最近ここ3ヶ月で食べている総量はかわらず、運動も週3回1回1時間を行っているにもかかわらず、大幅な体重増加(5kg)があり、色々と調べていったとこと、江部先生の糖質制限食にたどりつき、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を購入させていただきました。
仕事などのストレスからか甘い物や炭水化物の摂取量の比率が増えたことが急激な増加の原因ではないかと考えています。
早速、大豆全粒パン等購入し、糖質制限を始めていますが、ひとつ気になることがあります。
血糖値があがりにくいせいでしょうか。
炭水化物を摂取したときのような満腹感が得られず、そのため、チーズやナッツ、高カロリー製品を食べ過ぎてしまう傾向があります。
これは、次第に慣れて適量食べられるようになるものなのでしょうか?それとも自分できちんと量をコントロールすることが必要なのでしょうか。
お忙しいところ、すみません。
お手すきのときにで結構です。
アドバイスを頂ければ幸いです。
私は30代女性で、糖尿病の診断はされておりませんが、最近ここ3ヶ月で食べている総量はかわらず、運動も週3回1回1時間を行っているにもかかわらず、大幅な体重増加(5kg)があり、色々と調べていったとこと、江部先生の糖質制限食にたどりつき、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を購入させていただきました。
仕事などのストレスからか甘い物や炭水化物の摂取量の比率が増えたことが急激な増加の原因ではないかと考えています。
早速、大豆全粒パン等購入し、糖質制限を始めていますが、ひとつ気になることがあります。
血糖値があがりにくいせいでしょうか。
炭水化物を摂取したときのような満腹感が得られず、そのため、チーズやナッツ、高カロリー製品を食べ過ぎてしまう傾向があります。
これは、次第に慣れて適量食べられるようになるものなのでしょうか?それとも自分できちんと量をコントロールすることが必要なのでしょうか。
お忙しいところ、すみません。
お手すきのときにで結構です。
アドバイスを頂ければ幸いです。
2007/09/30(Sun) 10:11 | URL | ユキコム | 【編集】
ミントさん。いつもコメントありがとうございます。
『食事内容としては焼いた肉・魚もしくは目玉焼き、たまに野菜少し、チーズ、海藻サラダ、冷奴、おからマフィン』
確かにスーパー糖質制限食ですね。
朝の空腹時血糖は100を切れば理想的ですが、境界領域の125以下でもいいですよ。
私もストレスが多い時は早朝空腹時血糖値が上昇します。
ところで、HbA1cはどのくらいでしょうか?
『食事内容としては焼いた肉・魚もしくは目玉焼き、たまに野菜少し、チーズ、海藻サラダ、冷奴、おからマフィン』
確かにスーパー糖質制限食ですね。
朝の空腹時血糖は100を切れば理想的ですが、境界領域の125以下でもいいですよ。
私もストレスが多い時は早朝空腹時血糖値が上昇します。
ところで、HbA1cはどのくらいでしょうか?
2007/09/30(Sun) 19:33 | URL | 江部康二 | 【編集】
江部先生。早速お返事ありがとうございます。
HbA1cは、糖尿病宣告を受けたときは13.5だったんですが一ヵ月後に11になりました。
(その次の検診はまだです)
確かに下がってはいるのですが、気になるのがスーパー糖質制限を始めた直後と比べて全体的に50くらい血糖値が下がってはいるのですがそれからあまり下がらないんです。
大体朝は150前後で、日によっては130くらいのときもありますが180くらいのときもあります。
その日高めになってしまうと夕食後は200を超えることも結構あります。
もしかして、血糖値に一喜一憂して早く下げないとっていつも考えていることがストレスになってたりするんでしょうか・・・
それか、もしかしたら自分の気づいていないところで糖質を摂ってしまってるかもしれないので一度高雄病院に入院させていただこうかと思ったりもしてます。。。
(それで下がったらどこかで摂取してた可能性も大きいですよね)
HbA1cは、糖尿病宣告を受けたときは13.5だったんですが一ヵ月後に11になりました。
(その次の検診はまだです)
確かに下がってはいるのですが、気になるのがスーパー糖質制限を始めた直後と比べて全体的に50くらい血糖値が下がってはいるのですがそれからあまり下がらないんです。
大体朝は150前後で、日によっては130くらいのときもありますが180くらいのときもあります。
その日高めになってしまうと夕食後は200を超えることも結構あります。
もしかして、血糖値に一喜一憂して早く下げないとっていつも考えていることがストレスになってたりするんでしょうか・・・
それか、もしかしたら自分の気づいていないところで糖質を摂ってしまってるかもしれないので一度高雄病院に入院させていただこうかと思ったりもしてます。。。
(それで下がったらどこかで摂取してた可能性も大きいですよね)
2007/09/30(Sun) 23:29 | URL | ミント | 【編集】
横レスすみません。
ユキコムさん、実はわたしも同じ悩みを持ってました。
わたしの経験から言うと、両方だと思います。
炭水化物を摂らないために満腹感が少ないことについてはそのうち慣れてきますが、それに伴ってチーズなどの摂取も多少は落ち着いてくる(コントロールできるようになってくる)気がします。
最初は胃が一杯になっていても満腹感を得られにくいためについ高カロリー食品を大量に食べてしまうのでは?と思いました。(わたしもそうでした)
何とかして体が満腹感を得ようとするのかもしれません。
でも最初に比べるとその量は減ってきた気がします。
ただ、大量に食べてしまうのがしばらく止められそうにないならナッツよりチーズのほうが糖質が少ないのでいいと思います。
わたしもピーナツなどは食べ始めると止まらなくなってしまうのですが血糖値の上昇がこわいのでそれが抑制力になってる感じですね、、、
ちなみにわたしは毎日チーズなどをかなり食べており料理にも油やマヨネーズ普通に使ってますがやせました。
体重には効果ありますよ^^
ユキコムさん、実はわたしも同じ悩みを持ってました。
わたしの経験から言うと、両方だと思います。
炭水化物を摂らないために満腹感が少ないことについてはそのうち慣れてきますが、それに伴ってチーズなどの摂取も多少は落ち着いてくる(コントロールできるようになってくる)気がします。
最初は胃が一杯になっていても満腹感を得られにくいためについ高カロリー食品を大量に食べてしまうのでは?と思いました。(わたしもそうでした)
何とかして体が満腹感を得ようとするのかもしれません。
でも最初に比べるとその量は減ってきた気がします。
ただ、大量に食べてしまうのがしばらく止められそうにないならナッツよりチーズのほうが糖質が少ないのでいいと思います。
わたしもピーナツなどは食べ始めると止まらなくなってしまうのですが血糖値の上昇がこわいのでそれが抑制力になってる感じですね、、、
ちなみにわたしは毎日チーズなどをかなり食べており料理にも油やマヨネーズ普通に使ってますがやせました。
体重には効果ありますよ^^
2007/10/01(Mon) 00:26 | URL | ミント | 【編集】
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