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ピマインディアンと糖尿病・肥満①
こんばんは。
今夜は満月が見れると思ったら、残念ながら曇りです。

さて、

8.13、肥満と倹約遺伝子のブログに登場してもらった、米国アリゾナ州に居住するピマインディアン、また興味深いことがわかったので、取りあげてみます。

民族的に見ると、倹約遺伝子(肥満遺伝子)を多く保有している民族は、イヌイット、ピマインディアン、日本人の順だそうです。

これらの民族は、最後の氷河期(7万年前~1万年前のウルム氷河期)にユーラシア大陸から、海位が百数十m下がって陸続きになっていたベーリング海峡や日本海を渡って、アメリカ大陸、日本列島に渡ったモンゴロイドです。

氷河期の過酷な飢餓環境に順応すべく、摂取したエネルギーを少しでも脂肪として蓄えようとする体質(倹約遺伝子→基礎代謝量低下)を獲得したと考えられます。

少量の食料で得たエネルギー(ブドウ糖)を、少量のインスリンで中性脂肪に変えるので、インスリン分泌能力の少ない体質となったようです。

アリゾナ州のピマインディアンは、現在、世界的に最も2型糖尿病が多い民族とされています。

かつては狩猟や農業などを営み、ギラ河に灌漑設備を構築するなど極めて運動量豊富で、食事は低GI食品中心の伝統的な生活をおくっており、痩身で糖尿病などほとんど見られない民族でした。

しかし、白人が西部に移住しギラ河の水を自分たちの農業のために利用し始めたため、ピマインディアンの伝統的生活様式は破綻し、1970年代までには、米国政府の食物供給を受けることを余儀なくされました。

その結果、米国型の高GI食品の摂取と運動不足のため、今や人口の50%が糖尿病で、成人の90%が高度肥満という非常事態に陥ってしまいました。

氷河期を乗り越えた飢餓に有利な遺伝的形質は、言い換えれば飽食と運動不足の現代に置いては、糖尿病や肥満になりやすい体質といえ、それがアリゾナのピマインディアンの悲劇に繋がったということができます。

<続く>

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
インシュリンはでているのですが・・
わたしは、24日に投稿したものですが、2型糖尿病で、主治医の説明によると、インシュリンは多量に出ているインシュリン抵抗性らしいのです。
糖質制限食でとにかく体重をおとしたほうが、よいのでしょうか。
ちなみに、母も2型糖尿病なのですが、生まれつき左の腎臓がよくありません。糖質制限食をすすめてもよいでしょうか。
2007/09/28(Fri) 11:56 | URL | maru | 【編集
なるほど・・・ 確か以前の講演会でもそのようなお話があったと思いますが日本人って世界的に見ても糖尿病になりやすい民族なのですね。

インスリンの出や働きが悪い上に倹約遺伝子・・・ まさに糖尿病になりやすい要素満載。

こうなると日本で糖尿病が急増してる理由も納得できてしまう気がします。

ところで先日、糖尿病とはぜんぜん関係ないクリニックに行ったら置いてあった雑誌で、「糖尿病になる原因は炭水化物の取りすぎではなくカロリー過多であるので、カロリーは抑え目にするように」と書かれてあり、そこに紹介されていた参考献立では炭水化物や果物もしっかり摂取するようになってました。

違うのにー、と心の中で叫んでみたのですが今でも日本の糖尿病治療ではこのような考え方が主流なんですよね。。。

ちなみにうちの母も糖尿病なのですが、おそらく一般的な糖尿病の治療方法(カロリー制限)で、毎食前に薬を飲んでいます。
今度帰省したら糖質制限の話をしてみようと思います。
2007/09/29(Sat) 04:04 | URL | ミント | 【編集
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