FC2ブログ
3大栄養素と血糖、ADA見解の変化の根拠
おはようございます。

精神科医師A さんから

「3大栄養素と血糖、ADA(米国糖尿病学会)見解の変化の根拠」

となった文献をご教示いただきました。

精神科医師A さん、いつも貴重な情報をありがとうございます。

おかげでスッキリしました。

1)
American Diabetes Association: Nutrition Principlesand Recommendations in Diabetes.
Diabetes Care, 27: S36~S46, 2004
http://care.diabetesjournals.org/content/27/suppl_1/s36.full#sec-15

2004年のこの文献(ADAの学会誌・ディアベテスケア)で、

「健常者やコントロールされた2型糖尿病者での多くの研究で、摂取されたタンパク質からの糖質は、通常の循環系に現れぬことが判明した。それゆえそれゆえ蛋白質は血糖値を上昇させないといえる。」

と明示されています。

2)
Diabetes Care January 2002 vol. 25 no. 1 148-198
http://care.diabetesjournals.org/content/25/1/148.full?sid=d92eb750-09a7-4a91-a4ca-ea4a621a8e71
Evidence-Based Nutrition Principles and Recommendations for the Treatment and Prevention of Diabetes and Related Complications

1)の根拠となった元論文はDiabetes Care 2002年1月号掲載のreviewです。

「数多くの研究が、健常者や2型糖尿病において、摂取されたタンパク質は血漿ブドウ糖濃度を増加させないことを示した。Gannon らは、2型糖尿病患者において50gのタンパク質(脂肪の極めて少ない牛肉)を摂取させ8時間観察した。定説では、20~23 g のタンパク質が脱アミノ化して11~13gのブドウ糖になるとされていた。しかし、循環中に出現したブドウ糖はわずか2g以下で、摂取したタンパク質はブドウ糖濃度に意味ある増加をもたらさなかった。」

このようなプロセスを経て

1997年版の米国糖尿病学会(ADA)出版の「Life With Diabetes」においては、

「タンパク質は約50%が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載があったのが、

2004年版「Life With Diabetes」からは

「血糖に変わるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は変わらない」

という記載に変更になったのですね。

何だか歴史の重みを感じます。


☆☆☆

【12/03/07 精神科医師A
プラクティス2011年9月号
 黒田氏の論文の引用文献に注目してみてください

4)American Diabetes Association: Nutrition Principlesand Recommendations in Diabetes. Diabetes Care, 27: S36~S46, 2004
http://care.diabetesjournals.org/content/27/suppl_1/s36.full#sec-15

PROTEIN AND DIABETES
A number of studies in healthy subjects and in persons with controlled type 2 diabetes have demonstrated that glucose from ingested protein does not appear in the general circulation, and therefore protein does not increase plasma glucose concentrations.

健常正常体重者やコントロールされた2型糖尿病者での多くの研究で、摂取されたタンパク質からの糖質は、通常の循環系に現れぬことが判明した。それゆえそれゆえ蛋白質は血糖値を上昇させないといえる。


このように、Diabetes Care 2004年1月増刊号に「蛋白質は血糖値を上げぬ」と明記されていたわけです。これの元となった論文はDiabetes Care 2002年1月号掲載のreviewです。

Diabetes Care January 2002 vol. 25 no. 1 148-198
http://care.diabetesjournals.org/content/25/1/148.full?sid=d92eb750-09a7-4a91-a4ca-ea4a621a8e71

Evidence-Based Nutrition Principles and Recommendations for the Treatment and Prevention of Diabetes and Related Complications

(pp155) Glucose responses to protein.
A number of studies in healthy, normal-weight subjects (197) and subjects with controlled type 2 diabetes (blood glucose <200 mg/dl) (198,199,200) have demonstrated that ingested protein does not increase plasma glucose concentration. Gannon et al. (200) reported that during the 8-h period after subjects with type 2 diabetes ingested 50 g protein in the form of very lean beef, ~20~23 g of protein were deaminated, which in theory could yield ~11~13 g glucose. However, the amount of glucose appearing in the circulation was only ~2 g, confirming that ingested protein does not result in a significant increase in glucose concentration.】




江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
いつも参考にさせていただいています。
ありがとうございます。

いろいろなお医者様がおられるようですね。

私の前の主治医は糖尿病学会の方でした。

糖質のみが血糖値を上げることは知っておられました。
江部先生のことも知っておられましたし、牧田善二先生のことも知っておられました。
著書も読まれていたみたいです。

しかし、脂質の摂取量が増える、ケトーシスの問題があると糖質制限食には賛成していただけませんでした。
私はごく初期の糖尿病または境界型なのですが。
ケトーシスの問題が起きることは考えられないのですが。

糖質制限食を続ける限り何の保証もできない、と言われたので、主治医を変えました。
(糖尿病学会推奨の食事療法をしても健康になることは保証できないだろうに)

糖尿病学会の標準の治療しかできないそうです。
エビテンスの話もしました、糖尿病学会の推奨の食事療法にエビテンスがないコンセンサスしかないということも認識しておられました。

医者としてまたは科学を扱うものとして、どういう行動基準があるというのでしょう?彼に。
2012/03/08(Thu) 12:29 | URL | しん | 【編集
助けてくださ~い(^^;
3ヶ月ほど前から顔のたるみを改善したくて、江部先生の本を見て糖質制限しています。

なんだかどんどんガリガリになっていきます。どうしたらよいでしょうか。
開始時の体重44キロ→現在40キロです。(身長153)

1日二食、毎日お腹いっぱいになるまで肉や魚やチーズを食べています。摂取カロリーは1200程度です。

「太りたい人は果物を少量食べるとよい」とのことですが、私は体はガリガリなのに顔はたるみが酷くて二重あごなので、糖質はあんまり摂りたくないのです…(TT)

けっこういっぱい食べてるつもりですが、単純に食べる量が足りないんでしょうか。

江部先生や先輩方にアドバイス頂けたら嬉しいです。

記事の内容と全然関係なくてすみませんっ。
2012/03/08(Thu) 20:47 | URL | じゅん | 【編集
こんにちは。
昨日コメント欄で先生がお尋ねの
ブログタイトルとURLです。
「ヒトは猫のペットである」
http://yandrd.exblog.jp/
よろしくお願いいたします。
2012/03/09(Fri) 00:16 | URL | y_and_r_d | 【編集
カロリー制限法を受けた人
栄養士にカロリー制限法の指導を受けた人は必ず肉や油ものや卵を食べない、魚や野菜中心にしている。ご飯やめん類パンは普通に食べていると言われます。その結果糖尿病は悪化していくのですね。
2012/03/09(Fri) 14:18 | URL | ちえ | 【編集
Re: タイトルなし
しん さん。

私も同感です。
今の日本糖尿病学会は決して科学的とは言えない側面があります。
2012/03/09(Fri) 16:38 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
じゅん さん。

摂取カロリー1200は少ないと思います。

1400~1600/日は摂取したほうが良いと思います。

間食でナッツ類やチーズ、料理にオリーブオイルを使うなど如何でしょう。
2012/03/09(Fri) 17:09 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ちょっと気になることが・・・
Toshi さん。

単純に監修が終了したので、リンクをはずしました。
2012/03/09(Fri) 17:10 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
y_and_r_d さん。

了解です。
2012/03/09(Fri) 17:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
太郎 さん。

データ改善良かったですね。
HbA1cが4.1%はやや低すぎるので、貧血などチェックしてみてください。

男性でしたら、1800~2000kcal/日摂取してよいと思います。
1600は少なすぎると思います。

体重も、BMI20~25の間で、その個人の適正体重があります。
2012/03/09(Fri) 17:21 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ありがとうございました
さくらナース さん。

仙台講演参加ありがとうございます。

糖尿病ではないので、体重が目標に達したら、
緩やかな糖質制限食(「1回の糖質量が30~40g」×3回/日)でも
よいと思います。
2012/03/09(Fri) 17:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
たろう さん。

了解です。
摂取カロリーが少なすぎるので、
体重が減って、ふらつくのだと思います。
2012/03/09(Fri) 17:26 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: カロリー制限法を受けた人
ちえ さん。

そうですね。
糖質を摂取する限り、食後高血糖は防げないので
糖尿病が悪化する可能性が極めて高くなります。
2012/03/09(Fri) 17:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
マクロの
こんばんは。質問させてください。

先生はマクロビオティックも実践されていたとのことなので御存知かと思いますが、7号食についてはどう思われますか?

体質改善はもちろん、減量にも有効であり、大変好ましい方法であると聞きましたし本でも読みました。

穀物の量の変化に応じて6号食あ5号食等々いろいろとありますが・・・。

やってみたいなと思ったりしたのですが、先生を知り、どうしたらいいものかさっぱりわからなくなってしまい。

ご教示の程、宜しくお願い致します。
2012/03/09(Fri) 18:57 | URL | kiki | 【編集
Re: マクロの
kiki さん。

穀物100%だと、ビタミンB12、EPA、DHAが不足するので注意が必要です。

2011年08月06日 (土)「マクロビオティックと糖質制限食とテーラーメードダイエット」
をご参照ください。


2012/03/09(Fri) 19:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます
江部先生、ありがとうございます。

ナッツとオリーブオイルを増やしてカロリー増加を試みてみます。

ちなみに糖質制限はじめてから不眠が嘘のように治り、髪がつやつやになりました(^^)
楽しいです~糖質制限。
2012/03/10(Sat) 17:19 | URL | じゅん | 【編集
今回の記事の質問です。
江部先生、いつも読ませて頂いております。

>摂取されたタンパク質からの糖質は、通常の循環系に現れぬことが判明、それゆえ蛋白質は血糖値を上昇させない

とありますが、通常肝臓の血流は肝静脈から肝外へと流れます。

この場合、具体的にどういった循環系が考えられるでしょうか?

タンパク質からのブドウ糖は必要な分だけが新糖生されるから血糖値は上がらないと理解していました。

通常の循環系外で血糖値が上がってる可能性もあるということでしょうか?
2012/03/11(Sun) 07:30 | URL | takayuki | 【編集
Re: ありがとうございます
じゅん さん。

「不眠が嘘のように治り、髪がつやつや」

それは素晴らしいですね。
2012/03/11(Sun) 09:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 今回の記事の質問です。
takayuki さん。

タンパク質を摂取したとき、以前の定説では「50%が直接血糖に変わる」とされていたのですが、

新たな研究結果で、「直接血糖に変わることはない」ということが判明しました。

タンパク質は消化管でアミノ酸に分解されて吸収され、体内のアミノ酸プールに入ります。
アミノ酸プールからは、糖新生の材料としてアミノ酸が提供されます。

「通常の循環系外で血糖値が上がってる可能性もあるということでしょうか?」
それはないと思います。
2012/03/11(Sun) 10:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可