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3大栄養素と血糖、ADAの見解と意味、1997→2004→2009年版
こんにちは。


3大栄養素と血糖値に関して、知り合いの栄養士さんから、長年

「糖質が100%、タンパク質が50%、脂質が10%未満、血糖値に変わる」

と教育されてきたがどうなのでしょうか?

と質問されました。

結論ですが、2004年版のLife With Diabetes(米国糖尿病協会・ADA)によれば(☆☆)、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わり、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。

「Carbohydrate,protein,and fat contain calories.
Only Carbohydrates directly affect blood glucose levels. 」 3rd Ed,2004

直訳すると、

「炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが、血糖値に直接作用する。」

1997年版のLife With Diabetesでは、(☆)

「糖質は100%、タンパク質は約50%、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありますが、2004年版では削除されています。

上記以外にも1997版で記載されていた、脂質とタンパク質と血糖に関する記載が 2004年版では全て削除されています。

2009年版もそれを継続していると思われます。( ☆☆☆)

1997年から2004年の間に、研究論文が蓄積されて、米国糖尿病学会の見解が、「血糖値を上げるのは3大栄養素の内、糖質だけである。」と変化したものと考えられます。

なおアミノ酸からの糖新生や脂肪の分解物であるグリセロールからの糖新生は、肝臓で日常的に行われています。

スーパー糖質制限食実践中はステーキを食べている最中にも糖新生は行われていますし、糖質を摂取している場合は、食後2時間は糖質由来の血糖値の上昇があり、その後は肝臓のグリコーゲン分解により血糖値を保ち、さらに4~5時間後からは肝臓の糖新生で血糖値を保ちます。

ADAの2004年版「血糖に変わるのは糖質だけ」という記載は、食事から消化吸収されて、そのまま直接血糖に変わるのは糖質だけであり、タンパク質と脂質は直接は変わらないという意味です。




Life With Diabetes:A Series of Teaching Outlines 
by the Michigan Diabetes Research and Training Center,
American Diabetes Assoiation ,2nd Ed,1997

☆☆
Life With Diabetes:A Series of Teaching Outlines 
by the Michigan Diabetes Research and Training Center,
American Diabetes Assoiation ,3rd Ed,2004

☆☆☆
Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines 
by the Michigan Diabetes Research and Training Center ,
American Diabetes Assoiation ,4th Edition,2009



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ずっと以前にとある病院でダイエット指導をうけたことがあり、そのときに糖質排除、肉などのたんぱく質をとるという糖質制限食をすすめられました
たしかに減量効果はすごいものがあったのですが、米を食べることを我慢できず、半年ぐらいしてから普通食に戻しました

すると、リバウンドしてしまい、ダイエットする前よりもかなり増えてしまいました。そんなに食べていないと思うのに

結果的に、すごく太りやすい体質になっただけでした。

先生のすすめる糖質制限食はそのような危険はないのでしょうか
2012/02/28(Tue) 08:58 | URL | みかん | 【編集
こんな基本的なことが
定説とされていたことが覆ることは決してまれではありませんが、このように基本的なことが確認できたのが極く最近であることに驚きます。
事実の裏づけによって実証することが非常に難しいというケースでもないように思われますし。
”カロリー制限”ではだめで”糖質制限”でなければならないということのまさにポイントですよね。

長年の糖尿人であり、大食の習慣から来る食欲との格闘に疲れ果てていた私にとって、糖質制限食は救いの神様でした。
江部先生のブログを拝読することと、血糖値の自己測定によって糖質制限食の効果を実感することとで、2年間継続してきましたし、これからも楽々できそうに思えます。もしグルコヘモグロビンa1cの自己測定が簡単にできるようになれば内科の診断は1年一回でも十分ではないかと、そして健康保険の収支改善にも貢献できるのではないかと夢想しています。
2012/02/28(Tue) 09:49 | URL | やまちゃん | 【編集
Re: はじめまして
あささ さん。

佐藤彰夫先生は、臨床医学はしておられず、基礎医学の医師と思います。
糖尿病患者さんを診察された経験も、ほとんど無いと思います。

2010年07月18日 (日)の本ブログ記事
「佐藤彰夫先生の説への反論、テーラーメードダイエットの立場から」
をご参照ください。
2012/02/28(Tue) 10:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
みかん さん。

米が大好きな人には、糖質制限食は向かないと思います。
2012/02/28(Tue) 10:52 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: こんな基本的なことが
やまちゃん

血糖自己測定器による測定で、
糖尿人の目標をクリアしておられたら、HbA1cも必ずコントロール良好です。
従って、年に1回、健康診断を受けるくらいでOKと思います。

糖尿病合併症予防のためには

① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値140mg/dl未満
③ 食後1時間血糖値180mg/dl未満

①②③の糖尿人の目標達成を目指してくださいね。
2012/02/28(Tue) 10:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
早速の返信ありがとうございました。
 今朝送信しました「こんな基本的なことが」というコメントにたいして、早速の返信をいただき感謝をし、また恐縮しています。
 糖質制限食開始後の血糖値自己測定結果によりますと、起床直後については97~105です。ただし、朝食直前は96~110であり、目標達成とはいえません。
 また、食後2時間血糖値は99~141に、食後1時間血糖値は95~172の間に分布しておりボーダーラインということになります。
 糖質制限食開始後、2ヶ月ごとのa1cは. 6.5, 5.8, 5.8, 5,9, 6.1, 5.9, 6.0, 6.3, 6.0, 5,8, 5.6, 5,7という経過です。
 この間、食後30分で215という血糖値になったことがありましたが、食事の記録からスイカを
食べたことが原因と推測されたため、果物の摂取をさらに厳しく制限する等の工夫をして、徐々にではありますが、改善の方向にあります。
 2ヵ月毎の受診はもうしばらく続けることにしますが、どういう食事をすればどういう結果を招くかということをしっかりと把握したうえで、年1回の健康診断で置き換えるようにしたいと思います。
2012/02/28(Tue) 17:09 | URL | やまちゃん | 【編集
Re: 早速の返信ありがとうございました。
やまちゃん へ

「朝食直前は96~110」

目標は110mg未満ですが、たまに110mgのことがあるのですね。
たまに早朝空腹時血糖値が110~125mgの境界型になるくらいは
リスクは、ほとんどありませんので、ほぼ目標達成と思いますよ。
私もそんなものです。
HbA1c5.6、5.7%なら、コントロール優秀ですね。
2012/02/29(Wed) 08:19 | URL | ドクター江部 | 【編集
おかしな論文
南江堂『内科』2011年6月号, 107(6)1192-1198,
「1型糖尿病の食事療法はカーボカウントだけなのか? 」
新潟大学医歯学総合病院小児科 小川洋平
東京女子医科大学糖尿病センター 内潟安子

(P1196)
また,体には1日最低必要なカロリーがあるが、摂取カーボ数を下げるために力ーポカウントを利用すると、結果として蛋白質・脂質摂取カロリーが増加する。高蛋白・高脂肪食により、動脈硬化を進展させるとの報告があり、このようなカーボカウントの誤った使用は慎むべきである

【批判】
根拠となる文献は一切示されていない。何を根拠にこのようなことを言うのか。おまけに池田義雄(2001)の旧作の図を丸写ししている
2012/02/29(Wed) 22:22 | URL | 精神科医師A | 【編集
 私を長年の見当違いの悪戦苦闘から開放してくれた「糖質制限食」がもっと広まることを願っております。
そのような気持ちから「佐藤章夫先生」などという人はとんでもない先生であり、はやいとこ恥じて医学的な発言は止めてもらいたいと思っていました。
 しかし今は、誰でも間違うう事はあるし、時間の経過によって正しいことは必ず認められるという少し余裕のある気持ちになってきました。(江部先生はとっくにその心境になっておられるのですね。)それというのも、”糖質制限食”が普及するのは遠い将来では無いという確信が持てたからだと思います。

 普及するといっても既に糖尿人である人やインシュリン抵抗性が高い傾向の人には一刻も早く気づいて貰いたいけれど、十分に痩せている人がダイエットのためにというのは邪道のように感じていますが、これは言いすぎでしょうか。
2012/03/01(Thu) 10:38 | URL | やまちゃん | 【編集
Re: おかしな論文
精神科医師A さん。

コメントありがとうございます。

先生のご批判に同感です。
2012/03/02(Fri) 18:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
やまちゃん へ

糖質制限食は人類本来の食事ですので、
しっかり摂取すれば痩せすぎている人は適正体重に増加すると思います。

すでに適正体重の人は、勿論それ以上痩せる必要はありません。
2012/03/02(Fri) 19:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
夏井医師のホームページ
糖質制限についてのメールです。
 「血糖値を上げる唯一の原因は糖質(炭水化物)である」
 これが正いか、まちがっているか、激論が続きます
     ⇒【Facebook】
(この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new.htm#1128-06:00-10
2014/11/28(Fri) 11:16 | URL | 管理栄養士D | 【編集
Re: 夏井医師のホームページ
管理栄養士D さん

【Facebook】

の激論。
本日の記事にしました。
2014/11/29(Sat) 13:22 | URL | ドクター江部 | 【編集
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