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血中ケトン体とケトン食と糖質制限食の安全性
こんにちは。


2012年2月5日(日)、
糖質制限食ネット・リボーン、医療関係者・研究者向け講演会
満員御礼となりましたので、受付をしめきらせていただきます。
多くのご参加ありがとうございます。


さて、
Ketogenic Diet(ケトン食)が、2010年版The Cochrane Library(コクラン ライブラリー)と、2011年版NICE(英国立医療技術評価機構)において、難治性小児てんかん治療に採用されたことを、以前本ブログで紹介しました。

ケトン食の総摂取エネルギーに占める脂質の割合は75~80%であり、高雄病院のスーパー糖質制限食(脂質の割合56%)を上回る、究極の糖質制限食であり、血中ケトン体は4000μM/Lていどとなります。

ちなみに、普通に糖質を摂取している人の血中ケトン体基準値は、「26~122μM/L 」くらいです。

そして10年間スーパー糖質制限食を実践している江部康二の血中ケトン体は、2011年11月4日、1187μM/Lでした。


医学・生化学の世界において、β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの3者を、ケトン体として総称してきました。

このうちβ-ヒドロキシ酪酸は、化学構造上は実はケトンではないのですが、ケトンであるアセト酢酸に可逆的に変換されるので、過去習慣的にケトン体と呼ばれてきました。

アセトンは揮発しやすく、アセト酢酸は不安定なため、血中ケトン体の評価には、比較的安定しているβ-ヒドロキシ酪酸を測定します。

文献によると、βヒドロキシ酪酸の血中濃度が4000μM/L以上あると、有意にてんかん発作を減少させます。

逆に4000μM/L未満だと、有効性が減少します。

脳はブドウ糖だけでなく、ケトン体をいくらでも利用するのは、生理学的事実です。

ケトン食を実践している最中は、脳細胞のエネルギー源はほとんどがケトン体であり、ブドウ糖利用は少ないです。

「コクラン ライブラリー」と「NICE」という、世界の医学界で高い評価を受けているガイドラインにおいて、ケトン食が採用され、生理的血中ケトン体高値の安全性が確認されたということは、糖質制限食を実践・推進している私達にとって、大きな追い風と言えます。

さらに、動物実験では、血中ケトン体にがん細胞抑制作用があることが確認されています。

ケトン体に内在するポテンシャルは、想像を超えるものがあるようです。


(*)The Cochrane Library2010;Issue1:1-9
  (コクラン ライブラリー 2010年版)
(**)NICE (National Institute for Health and Clinical Excellence・2011)
  (英国立医療技術評価機構・2011年版)



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
空腹時血糖値
空腹時血糖値というのは、起床してから何時間後に測るのが正しいのでしょうか。私の場合、起床してすぐに測ると高く、時間が経つと下がっているのですが。

2012/01/31(Tue) 05:56 | URL | ダルメシアン | 【編集
調剤薬局
江部先生
これまで地元病院と高雄病院京都駅前診療所の二本立て通院でしたが、状態が良く通院回数を減らして負担を軽くするため、京都駅前診療所のみの通院にする予定です。
眼科は、奈良へ通院していますので、通院回数減り楽になります。
眼科へ通院している関係と、血糖測定器消耗品の割引販売の事もあり、地元調剤薬局でもらっています。

地元調剤薬局の薬剤師さんなんですが、糖質制限を始める前からお世話になっています。その薬剤師さんは「こんなに短期間に糖尿病の数値が改善した人を見た事ないです。しかも糖尿病経口薬無しで。大変勉強になります。」と言ってくれました。
こんな風に少しずつ糖質制限食を理解する医療関係の方が、増えたらと思います。
ちなみにこの日A1cは4.8%でした(^_^)v
2012/01/31(Tue) 06:40 | URL | 摂津のエクレア | 【編集
博士
江部先生、おはようございます。

先生のブログ、ご著書を拝見し、糖質制限食を始めたいと思っているのに、なかなか踏み込むことが出来ません。何故か、考えてみました。
一つ気になることがあります。

糖質制限とほぼ同じアトキンス食の創始者=アトキンス博士は、うっ血性心不全と高血圧症を患い、72歳で心臓発作でなくなっています。
食べる量に問題があったのかとは素人ながら考えていますが・・・いかがなのでしょうか?
糖質制限食を始めたいと思っているのに、マイナスな文章を見つけてしまうと、ついつい実施に躊躇していまいます。
私は空腹時血糖値は80ぐらいですが、1時間値が190と高いので、今のうちにケアしたいと思っている糖質大好き人間です。
宜しくお願いします。
2012/01/31(Tue) 08:01 | URL | エルザ | 【編集
Re: 空腹時血糖値
ダルメシアン さん。

空腹時血糖値は、絶食10時間以上を、いいます。

ダルメシアンさんの起床時の高血糖は、暁現象と思われます。

2011年12月23日 (金)の本ブログ「糖質制限食でHbA1c改善、暁現象への対応は?」
をご参照ください。
2012/01/31(Tue) 13:19 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 調剤薬局
摂津のエクレア さん。

その薬剤師さんも、糖質制限食の理解者となっていただけそうですね。

A1c4.8%とは素晴らしいです。
2012/01/31(Tue) 13:21 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 博士
エルザ さん。

アトキンス博士は、転倒して頭部打撲で、亡くなられたと思います。

糖質制限食は、狩猟・採集時代のご先祖の食生活にもどるだけです。
すなわち、人類本来の食生活・人類の健康食です。

カロリー制限食で、心筋梗塞、脳梗塞、人工透析、失明、下肢切断・・・
糖尿病合併症で苦しんでおられる方は、多数であることをお忘れなく。
2012/01/31(Tue) 13:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: MT Pro削除されました
kon さん。

削除されたとはビックリです。
圧力がかかったのでしょうか?
貴重な情報を提示していただいてありがとうございます。
2012/01/31(Tue) 15:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: また載りました。
kon さん。

良かったです。
安心しました。
2012/01/31(Tue) 22:02 | URL | ドクター江部 | 【編集
妊娠糖尿病とケトン体
切迫早産で入院して40日が過ぎました。年末まで5%TZにウテメリンを持続点滴、今年に入り内服に切り換え状態は安定しました。
74gブドウ糖負荷試験で食後2時間血糖値で153、妊娠糖尿病と診断。
どんぶり飯200gでお粗末なおかずの病院食であること、妊娠9ヶ月ということもあり食べられない状態が続き、尿中ケトン体が2+…。血中ケトン体を調べて高ければ、インスリンをうつと言われました。ケトン体が高ければ、なぜインスリンを打たないといけないのですか?
病院の糖尿病食は、炭水化物ばかりで、分割食の選択肢がありません。
本来なら、糖質制限食にしたいところですが徳島の病院で、糖質制限食に否定的です。
炭水化物を食べても血糖値が落ち着くのが一番だと言われました。
運動も全くできない状況で、血糖値は安定していないとダメと矛盾したことを言われ、インスリンを打てばいいと簡単に言われることに怒りも感じます。納得がいかないので、炭水化物は極力控えて、持ち込み食を補食とし、食後2時間血糖値は高くて125までに抑えています。
あと数日で35週となり、出産可能、自宅で糖質制限食を購入したので実践する予定です。
ケトン体を低下させる方法はあるのでしょうか。糖質制限食では低下させることは難しいですか?
2012/02/01(Wed) 12:23 | URL | 妊婦 | 【編集
Re: 妊娠糖尿病とケトン体
妊婦 さん。

インスリン作用があるていど保たれていて、
絶食や糖質制限食で血中ケトン体が基準値より高いのは
生理的で正常なので、全く問題はありません。
その場合、血糖値は正常範囲に保たれています。

しかし、主治医はそのことをご存知ない可能性が高いです。
インスリン作用が欠落して高血糖で糖尿病のコントロールが悪いとき、結果として血中ケトン体が高値になるのでそれと錯覚しておられるかもしれません。

2010年12月13日 (月)の本ブログ「生理的ケトン体上昇は安全、病理的ケトアシドーシスは危険」
をご参照ください。

2012/02/01(Wed) 14:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございました
江部先生

ブログ拝見しました!!安心しています。
妊娠糖尿病と診断されて、ショックでしたが、その際HbA1cは5,4(非妊娠時は4,7~4,8)と高めも正常範囲内を保っているので、出産後は大丈夫だろうと言われています。
今は、出産に備えて退院後は購入した糖質制限食を実践します!!
でも、将来的に糖尿病発症率が高まったことは間違いありません。今後に備えて健康を維持することが子どものためであり、自分のためでもあります。
先生のブログや本に出会えて本当によかったです。
まだまだ出会ったばかりで、勉強不足ですので、少しずつ身に付けて出産後も継続していきたいと思います。

アメリカのブロ友も妊娠糖尿病でローカーボを実践しながら妊娠継続、頑張っています。日本の糖尿病治療が発展していくことを祈るばかりです。特に住んでいる徳島県医師会に。ワースト1位なのにルチンワークでなんの施策もないですから。

ちなみに
妊娠した場合、ホルモンの影響でインスリン分泌が左右され妊娠糖尿病となると聞きました。
妊娠糖尿病患者の比率として高度不妊治療をしていた者の方が自然妊娠した者より妊娠糖尿病になる確率は高いんでしょうか?
私は、高度不妊治療(顕微受精)で授かりました。妊娠継続のためにホルモン剤をバンバン使いました。
2012/02/01(Wed) 17:03 | URL | 妊婦 | 【編集
ケトン食療法レビュー
Journal of Neurochemistry, 2012/Jan/23 PDF無料公開

" Ketone Bodies in Epilepsy "
Johns Hopkins University School of Medicine

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1471-4159.2012.07670.x/abstract
2012/02/01(Wed) 21:00 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: ありがとうございました
妊婦さん。

胎盤から産生される、妊娠維持のためのホルモンが、インスリン抵抗性を増加させます。
正常妊婦はこれに、インスリンを多めに分泌することで対応します。
インスリン分泌能力がやや弱い人が妊娠糖尿病になりやすいです。

「妊娠糖尿病患者の比率として高度不妊治療をしていた者の方が自然妊娠した者より妊娠糖尿病になる確率は高いんでしょうか? 」

これは、婦人科の先生に聞いてください。
2012/02/02(Thu) 08:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ケトン食療法レビュー
精神科医師A さん。

PDFで、FULL TEXT ゲットできました。
ありがとうございます。
2012/02/02(Thu) 08:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
有難うございます。
毎回、質問に、迅速にお答えくださいして、ありがとうございます。
節分を境に、糖質制限食スタートします。
2012/02/02(Thu) 10:01 | URL | エルザ | 【編集
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