2012年01月22日 (日)
おはようございます。
石田均先生が「月刊糖尿病2012年1月号」で糖質制限食批判の根拠として引用されているDiabetesの論文について、精神科医師Aさんから、貴重なご意見をいただきました。
このDiabetesの論文(*)は、2012年1月14日(土)に開催された
第15回日本病態栄養学会年次学術集会のワークショップⅡ「食品交換表とカーボカウント」
でも、演者により糖質制限食批判の根拠として引用されていました。
この論文は、英国砂糖局がスポンサーの一つです。
(*)Bradley U et al., Diabetes. 2009:58(12):2741-8
【12/01/21 精神科医師A
杏林大教授・石田均氏の批判
月刊糖尿病2012年1月号
「糖尿病の食事療法の新たな展開」石田均
P116 <極端な糖質制限食への警鐘>
さて、上述の一般的な利点や欠点に十分留意しながら、日常生活のなかでカーボカウントの考え方を食事療法に活用するとしても、実際のところ最も注意すべき問題点として、現状においてもいまだ炭水化物の摂取下限に関するコンセンサスが得られていないことが挙げられる。したがって、この方法の一種の悪用によって極端な糖質制限に走ることのないよう留意すべきと考えられる。
実際に、最近のFooらの動物実験による成績[5]から、極端な糖質制限食(炭水化物12%,蛋白質45%,脂質43%)を長期間摂取すると、“いわゆる西洋食"(炭水化物43%,蛋自質15%,脂質42%)と比較して、血糖値は予想通りに低下した。なお、ここで興味深いのは、脂質の合量については両者間に差がない点である。このように、みかけ上は“いわゆる西洋食"に比べて血糖コントロールの改善を示すものの、一方で大動脈の動脈硬化をさらに促進することが明らかにされている。
また、ごく最近のBradleyらの肥満2型糖尿病症例を対象としたRCT[6]においても、低脂肪食(炭水化物60%,脂質20%)と低炭水化物食(炭水化物20%,脂質60%)を比較すると、予想に反して全身の動脈の硬化度が、低炭水化物食においてむしろ悪化するとの成績が示されている。
これらの事実は、従来からの日本食の基本となる低脂肪食が、長期にわたる心血管系の保護に大いに寄与していることを改めて明らかにした。それとともに、昨今、糖尿病症例に対する民間療法として、雑誌などを通して一種のブームのように流布されている極端な糖質制限に対して、強い警鐘を鳴らしている。
[5] Foo SY et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2009:106(36):15418-23
[6] Bradley U et al., Diabetes. 2009:58(12):2741-8 】
【12/01/21 精神科医師A
Diabetesの論文
論文のAbstractにはこう明記されています
<RESULTS>
a significant decrease in augmentation index following the low-fat diet,
compared with a nonsignificant increase within the low-carbohydrate group.
低炭水化物群は「非有意な増加」ですから、『むしろ悪化する』とはいえません。
明白な誤りです
<CONCLUSIONS>
"may imply"が使われています。「意味するかも知れない」と訳すべきでしょう
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/58/12/2741.abstract 】
精神科医師A さん。
いつも貴重な情報をありがとうございます。
また今回は、「石田均先生のDiabetesの論文への誤解釈」を、指摘していただき、大変参考になりました。
【<RESULTS> で、低炭水化物群は「非有意な増加」ですから、『むしろ悪化する』とはいえません。】
その通りですね。
「非有意な増加」ということは、統計学的には変化なしで、即ち「悪化なし」です。
石田均先生は、<RESULTS> に関して、明白な誤解釈をしておられます。
【<CONCLUSIONS>では"may imply"が使われています。「意味するかも知れない」と訳すべきでしょう 】
これも、精神科医師A さんの仰有る通りと思います。
Diabetesの論文の著者は、本文の成績と違うことを要約に書くことに、さすがに気がひけたのか、<CONCLUSIONS>では、とても曖昧な表現を使って、断定を避けています。
石田均先生の論文解釈:
「全身の動脈の硬化度が、低炭水化物食においてむしろ悪化するとの成績が示されている」(∵)?
Diabetesの論文には石田解釈のような、成績はどこにも示されていません。
さらに、論文の本文を読むと、低炭水化物食群においては、HbA1cと中性脂肪値が統計的に有意に改善していて、低脂肪食群では改善なしということが、明記されています。
この、低炭水化物食群での動脈硬化への有利な成績は、冒頭の<RESULTS><CONCLUSIONS>では、意図的に省かれています。
極めてアンフェアな論文です。(`´)
冒頭の要約だけ読んで、本文を読まなければ、このようなことはわかりません。
このようなアンフェアな論文を引用すること自体が、勉強不足を露呈しているとしか言いようがありません。
他に信頼度の高い(糖質制限食批判の根拠となる)RCT研究論文がなかった事の証明とも言えますね。
「Bradley U et al., Diabetes. 2009:58(12):2741-8」
この論文を引用して糖質制限食批判の根拠というなら、せめて本文を読んで頂きたいと思います。
そうすれば、この論文には、「低炭水化物食で動脈硬化度が悪化する」という成績は、どこにも書いてないことが明白となります。
江部康二
<Bradley U et al., Diabetes. 2009:58(12):2741-8>
Low-Fat Versus Low-Carbohydrate Weight Reduction Diets
Effects on Weight Loss, Insulin Resistance, and Cardiovascular Risk: A Randomized Control Trial
Una Bradley1, Michelle Spence2, C. Hamish Courtney1, Michelle C. McKinley2, Cieran N. Ennis1, David R. McCance1, Jane McEneny2, Patrick M. Bell1, Ian S. Young2 and Steven J. Hunter1
Abstract
OBJECTIVE Low-fat hypocaloric diets reduce insulin resistance and prevent type 2 diabetes in those at risk. Low-carbohydrate, high-fat diets are advocated as an alternative, but reciprocal increases in dietary fat may have detrimental effects on insulin resistance and offset the benefits of weight reduction.
RESEARCH DESIGN AND METHODS We investigated a low-fat (20% fat, 60% carbohydrate) versus a low-carbohydrate (60% fat, 20% carbohydrate) weight reduction diet in 24 overweight/obese subjects ([mean ± SD] BMI 33.6 ± 3.7 kg/m2, aged 39 ± 10 years) in an 8-week randomized controlled trial. All food was weighed and distributed, and intake was calculated to produce a 500 kcal/day energy deficit. Insulin action was assessed by the euglycemic clamp and insulin secretion by meal tolerance test. Body composition, adipokine levels, and vascular compliance by pulse-wave analysis were also measured.
RESULTS Significant weight loss occurred in both groups (P < 0.01), with no difference between groups (P = 0.40). Peripheral glucose uptake increased, but there was no difference between groups (P = 0.28), and suppression of endogenous glucose production was also similar between groups. Meal tolerance–related insulin secretion decreased with weight loss with no difference between groups (P = 0.71). The change in overall systemic arterial stiffness was, however, significantly different between diets (P = 0.04); this reflected a significant decrease in augmentation index following the low-fat diet, compared with a nonsignificant increase within the low-carbohydrate group.
CONCLUSIONS This study demonstrates comparable effects on insulin resistance of low-fat and low-carbohydrate diets independent of macronutrient content. The difference in augmentation index may imply a negative effect of low-carbohydrate diets on vascular risk.
石田均先生が「月刊糖尿病2012年1月号」で糖質制限食批判の根拠として引用されているDiabetesの論文について、精神科医師Aさんから、貴重なご意見をいただきました。
このDiabetesの論文(*)は、2012年1月14日(土)に開催された
第15回日本病態栄養学会年次学術集会のワークショップⅡ「食品交換表とカーボカウント」
でも、演者により糖質制限食批判の根拠として引用されていました。
この論文は、英国砂糖局がスポンサーの一つです。
(*)Bradley U et al., Diabetes. 2009:58(12):2741-8
【12/01/21 精神科医師A
杏林大教授・石田均氏の批判
月刊糖尿病2012年1月号
「糖尿病の食事療法の新たな展開」石田均
P116 <極端な糖質制限食への警鐘>
さて、上述の一般的な利点や欠点に十分留意しながら、日常生活のなかでカーボカウントの考え方を食事療法に活用するとしても、実際のところ最も注意すべき問題点として、現状においてもいまだ炭水化物の摂取下限に関するコンセンサスが得られていないことが挙げられる。したがって、この方法の一種の悪用によって極端な糖質制限に走ることのないよう留意すべきと考えられる。
実際に、最近のFooらの動物実験による成績[5]から、極端な糖質制限食(炭水化物12%,蛋白質45%,脂質43%)を長期間摂取すると、“いわゆる西洋食"(炭水化物43%,蛋自質15%,脂質42%)と比較して、血糖値は予想通りに低下した。なお、ここで興味深いのは、脂質の合量については両者間に差がない点である。このように、みかけ上は“いわゆる西洋食"に比べて血糖コントロールの改善を示すものの、一方で大動脈の動脈硬化をさらに促進することが明らかにされている。
また、ごく最近のBradleyらの肥満2型糖尿病症例を対象としたRCT[6]においても、低脂肪食(炭水化物60%,脂質20%)と低炭水化物食(炭水化物20%,脂質60%)を比較すると、予想に反して全身の動脈の硬化度が、低炭水化物食においてむしろ悪化するとの成績が示されている。
これらの事実は、従来からの日本食の基本となる低脂肪食が、長期にわたる心血管系の保護に大いに寄与していることを改めて明らかにした。それとともに、昨今、糖尿病症例に対する民間療法として、雑誌などを通して一種のブームのように流布されている極端な糖質制限に対して、強い警鐘を鳴らしている。
[5] Foo SY et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2009:106(36):15418-23
[6] Bradley U et al., Diabetes. 2009:58(12):2741-8 】
【12/01/21 精神科医師A
Diabetesの論文
論文のAbstractにはこう明記されています
<RESULTS>
a significant decrease in augmentation index following the low-fat diet,
compared with a nonsignificant increase within the low-carbohydrate group.
低炭水化物群は「非有意な増加」ですから、『むしろ悪化する』とはいえません。
明白な誤りです
<CONCLUSIONS>
"may imply"が使われています。「意味するかも知れない」と訳すべきでしょう
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/58/12/2741.abstract 】
精神科医師A さん。
いつも貴重な情報をありがとうございます。
また今回は、「石田均先生のDiabetesの論文への誤解釈」を、指摘していただき、大変参考になりました。
【<RESULTS> で、低炭水化物群は「非有意な増加」ですから、『むしろ悪化する』とはいえません。】
その通りですね。
「非有意な増加」ということは、統計学的には変化なしで、即ち「悪化なし」です。
石田均先生は、<RESULTS> に関して、明白な誤解釈をしておられます。
【<CONCLUSIONS>では"may imply"が使われています。「意味するかも知れない」と訳すべきでしょう 】
これも、精神科医師A さんの仰有る通りと思います。
Diabetesの論文の著者は、本文の成績と違うことを要約に書くことに、さすがに気がひけたのか、<CONCLUSIONS>では、とても曖昧な表現を使って、断定を避けています。
石田均先生の論文解釈:
「全身の動脈の硬化度が、低炭水化物食においてむしろ悪化するとの成績が示されている」(∵)?
Diabetesの論文には石田解釈のような、成績はどこにも示されていません。
さらに、論文の本文を読むと、低炭水化物食群においては、HbA1cと中性脂肪値が統計的に有意に改善していて、低脂肪食群では改善なしということが、明記されています。
この、低炭水化物食群での動脈硬化への有利な成績は、冒頭の<RESULTS><CONCLUSIONS>では、意図的に省かれています。
極めてアンフェアな論文です。(`´)
冒頭の要約だけ読んで、本文を読まなければ、このようなことはわかりません。
このようなアンフェアな論文を引用すること自体が、勉強不足を露呈しているとしか言いようがありません。
他に信頼度の高い(糖質制限食批判の根拠となる)RCT研究論文がなかった事の証明とも言えますね。
「Bradley U et al., Diabetes. 2009:58(12):2741-8」
この論文を引用して糖質制限食批判の根拠というなら、せめて本文を読んで頂きたいと思います。
そうすれば、この論文には、「低炭水化物食で動脈硬化度が悪化する」という成績は、どこにも書いてないことが明白となります。
江部康二
<Bradley U et al., Diabetes. 2009:58(12):2741-8>
Low-Fat Versus Low-Carbohydrate Weight Reduction Diets
Effects on Weight Loss, Insulin Resistance, and Cardiovascular Risk: A Randomized Control Trial
Una Bradley1, Michelle Spence2, C. Hamish Courtney1, Michelle C. McKinley2, Cieran N. Ennis1, David R. McCance1, Jane McEneny2, Patrick M. Bell1, Ian S. Young2 and Steven J. Hunter1
Abstract
OBJECTIVE Low-fat hypocaloric diets reduce insulin resistance and prevent type 2 diabetes in those at risk. Low-carbohydrate, high-fat diets are advocated as an alternative, but reciprocal increases in dietary fat may have detrimental effects on insulin resistance and offset the benefits of weight reduction.
RESEARCH DESIGN AND METHODS We investigated a low-fat (20% fat, 60% carbohydrate) versus a low-carbohydrate (60% fat, 20% carbohydrate) weight reduction diet in 24 overweight/obese subjects ([mean ± SD] BMI 33.6 ± 3.7 kg/m2, aged 39 ± 10 years) in an 8-week randomized controlled trial. All food was weighed and distributed, and intake was calculated to produce a 500 kcal/day energy deficit. Insulin action was assessed by the euglycemic clamp and insulin secretion by meal tolerance test. Body composition, adipokine levels, and vascular compliance by pulse-wave analysis were also measured.
RESULTS Significant weight loss occurred in both groups (P < 0.01), with no difference between groups (P = 0.40). Peripheral glucose uptake increased, but there was no difference between groups (P = 0.28), and suppression of endogenous glucose production was also similar between groups. Meal tolerance–related insulin secretion decreased with weight loss with no difference between groups (P = 0.71). The change in overall systemic arterial stiffness was, however, significantly different between diets (P = 0.04); this reflected a significant decrease in augmentation index following the low-fat diet, compared with a nonsignificant increase within the low-carbohydrate group.
CONCLUSIONS This study demonstrates comparable effects on insulin resistance of low-fat and low-carbohydrate diets independent of macronutrient content. The difference in augmentation index may imply a negative effect of low-carbohydrate diets on vascular risk.
江部先生、今日は製パン技能士としての立場で書き込みします。
準大手の製粉メーカーが、糖質制限パンを始めました。
http://www.the-torigoe.co.jp/pan/index.html
どちらかと言えば、小規模事業者の多かった糖質制限パンですが、準大手の製粉メーカーの参入の影響は小さくありません。その他、食用油脂のメーカーでも糖質制限食材の取り扱いをしてる会社があります。
糖質制限普及には、医学的な部分以外にも、食品の環境整備も不可欠だと思います。
私も微力ですが、製菓製パン業界の方(お店のオーナー)に糖質制限パン菓子への理解を深めてもらえるよう努力していきます。
準大手の製粉メーカーが、糖質制限パンを始めました。
http://www.the-torigoe.co.jp/pan/index.html
どちらかと言えば、小規模事業者の多かった糖質制限パンですが、準大手の製粉メーカーの参入の影響は小さくありません。その他、食用油脂のメーカーでも糖質制限食材の取り扱いをしてる会社があります。
糖質制限普及には、医学的な部分以外にも、食品の環境整備も不可欠だと思います。
私も微力ですが、製菓製パン業界の方(お店のオーナー)に糖質制限パン菓子への理解を深めてもらえるよう努力していきます。
2012/01/22(Sun) 14:58 | URL | 摂津のエクレア | 【編集】
江部先生こんにちは。
糖質制限を始めて2ヶ月ちょっとのミクママと申します。
いつもブログ楽しみにしています。
先生はブログの更新が頻繁ですね!読み甲斐があります。
さて、私は四つ足の肉だけで週に1500g~2000gぐらい食べています。
世界がん研究基金の2007年報告によれば、四つ足肉は週500g以下が望ましいとのことですが、先生はもう少し多くても良いのでは、とおっしゃっています。
また、先生は肉と魚はだいたい1対1で摂るのが望ましいともおっしゃっています。
このあたりのことについて、いくつか考えるところがあります。
まず、糖質制限をしている人には世界がん研究基金の報告は当てはまらないということはないでしょうか。
次に、ヒトが漁撈を始めたのは約20万年くらい前にすぎず、また、貝類などもたやすく獲れそうでありながら化石が見つかるのは、やはり20万年くらい前からということです(勿論定説・通説ではないでしょうが)。
それに対して、肉食は(死肉漁りも含めれば)ほぼ確実に数百万年の歴史があると思われます。
それから、大豆は農耕以前にはあまり(ほとんど?まったく?)食べていなかった気がしますし(ただの素人の勘なので違っていたらすいません)、豆腐・納豆などなおさらだと思います。
そんなこんなで、私は、四つ足の肉(と鶏肉)をたくさん食べ、魚をほどほどに食べ、大豆製品を時々食べる(野菜等も適宜食べます)、くらいの方が良いのではと思うのですが、あくまで素人考えなので、時々、肉食べすぎかな?と不安になります。
私の考え方は間違っていますか?
四つ足肉の上限量について、先生はいかがお考えですか?
お忙しいところ恐縮ですが、ご見解お聞かせ下さい。
糖質制限を始めて2ヶ月ちょっとのミクママと申します。
いつもブログ楽しみにしています。
先生はブログの更新が頻繁ですね!読み甲斐があります。
さて、私は四つ足の肉だけで週に1500g~2000gぐらい食べています。
世界がん研究基金の2007年報告によれば、四つ足肉は週500g以下が望ましいとのことですが、先生はもう少し多くても良いのでは、とおっしゃっています。
また、先生は肉と魚はだいたい1対1で摂るのが望ましいともおっしゃっています。
このあたりのことについて、いくつか考えるところがあります。
まず、糖質制限をしている人には世界がん研究基金の報告は当てはまらないということはないでしょうか。
次に、ヒトが漁撈を始めたのは約20万年くらい前にすぎず、また、貝類などもたやすく獲れそうでありながら化石が見つかるのは、やはり20万年くらい前からということです(勿論定説・通説ではないでしょうが)。
それに対して、肉食は(死肉漁りも含めれば)ほぼ確実に数百万年の歴史があると思われます。
それから、大豆は農耕以前にはあまり(ほとんど?まったく?)食べていなかった気がしますし(ただの素人の勘なので違っていたらすいません)、豆腐・納豆などなおさらだと思います。
そんなこんなで、私は、四つ足の肉(と鶏肉)をたくさん食べ、魚をほどほどに食べ、大豆製品を時々食べる(野菜等も適宜食べます)、くらいの方が良いのではと思うのですが、あくまで素人考えなので、時々、肉食べすぎかな?と不安になります。
私の考え方は間違っていますか?
四つ足肉の上限量について、先生はいかがお考えですか?
お忙しいところ恐縮ですが、ご見解お聞かせ下さい。
摂津のエクレア さん。
情報、ありがとうございます。
どんどん広がっていけばいいですね。
鳥越製粉は、日本の小麦ふすまのほとんどを生産している会社です。
情報、ありがとうございます。
どんどん広がっていけばいいですね。
鳥越製粉は、日本の小麦ふすまのほとんどを生産している会社です。
2012/01/22(Sun) 20:21 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ミクママ さん。
鋭いご指摘ですね。
実は私も同感です。
しかし、エビデンスがないので、断定することは不可能です。
歴史的事実として、一つ明らかなのは、ネアンデルタール人は肉食であったとされています。
ネアンデルタール人は、ヨーロッパを中心に13万年前から3万年前まで生存していました。
クロマニヨン人(現世人類)は、最後の氷河期(7万年前~1万年前のウルム氷河期)に
アフリカからユーラシア大陸へ移動したと考えられます。
ネアンデルタール人とクロマニヨン人が直接戦ったならば、短期間、
例えば数百年レベルで決着がつくと考えるのが普通です。
しかし、現実にはこの二つの種の人類は、ヨーロッパで1~2万年共存したあと、
ネアンデルタール人が徐々に衰退して滅びていきます。
これは食物が競合していて
クロマニヨン人が徐々に、道具や言語を発達させて、狩りが上手になり
ネアンデルタール人が食べるものが手に入りにくくなり衰退したものと想像できます。
従って、クロマニヨン人が肉食が主であった可能性はおおいにありますね。
鋭いご指摘ですね。
実は私も同感です。
しかし、エビデンスがないので、断定することは不可能です。
歴史的事実として、一つ明らかなのは、ネアンデルタール人は肉食であったとされています。
ネアンデルタール人は、ヨーロッパを中心に13万年前から3万年前まで生存していました。
クロマニヨン人(現世人類)は、最後の氷河期(7万年前~1万年前のウルム氷河期)に
アフリカからユーラシア大陸へ移動したと考えられます。
ネアンデルタール人とクロマニヨン人が直接戦ったならば、短期間、
例えば数百年レベルで決着がつくと考えるのが普通です。
しかし、現実にはこの二つの種の人類は、ヨーロッパで1~2万年共存したあと、
ネアンデルタール人が徐々に衰退して滅びていきます。
これは食物が競合していて
クロマニヨン人が徐々に、道具や言語を発達させて、狩りが上手になり
ネアンデルタール人が食べるものが手に入りにくくなり衰退したものと想像できます。
従って、クロマニヨン人が肉食が主であった可能性はおおいにありますね。
2012/01/22(Sun) 20:34 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、ご丁寧なお返事どうも有り難うございます。
先生に同意して頂き安心しました。
エビデンスがないこと、清く正しくより美味しく楽しくをモットーとしていらっしゃること、あまりにラディカルなやり方は現実的でないこと、などなどの理由から、江部先生は、”まあ、肉・魚・大豆製品、まんべんなく摂りましょう”という穏当な主張を、少なくとも公式にはなさっているのかな、と解釈していました。
でも是々非々で考えると、肉多め、でも良さそうですね。
それに、大豆製品って肉・魚より消化が悪い感じがします。
おなかが張るというか、いつまでもおなかに残っているというか。
肉は消化が悪い、とか、肉は負担が大きい、だとかいうのも、実は根拠のない俗説のような気もします。
むしろ悪いのは糖質の方で、糖質摂りすぎで胃がおかしくなっているのが悪いんじゃないの?などと思ってみたり。
糖質制限していると、肉・魚を食べても、驚くほどもたれないなあ、というのが実感です。
ではでは、失礼します。
先生に同意して頂き安心しました。
エビデンスがないこと、清く正しくより美味しく楽しくをモットーとしていらっしゃること、あまりにラディカルなやり方は現実的でないこと、などなどの理由から、江部先生は、”まあ、肉・魚・大豆製品、まんべんなく摂りましょう”という穏当な主張を、少なくとも公式にはなさっているのかな、と解釈していました。
でも是々非々で考えると、肉多め、でも良さそうですね。
それに、大豆製品って肉・魚より消化が悪い感じがします。
おなかが張るというか、いつまでもおなかに残っているというか。
肉は消化が悪い、とか、肉は負担が大きい、だとかいうのも、実は根拠のない俗説のような気もします。
むしろ悪いのは糖質の方で、糖質摂りすぎで胃がおかしくなっているのが悪いんじゃないの?などと思ってみたり。
糖質制限していると、肉・魚を食べても、驚くほどもたれないなあ、というのが実感です。
ではでは、失礼します。
はじめまして。
糖質制限という、へたすれば現代の地動説になりかねないものを医療者に広めた釜池先生、それを本にして広く一般に広めた江部先生の勇気には頭がさがります。
私自身は、父が糖尿病で自分もメタボということと、著しい体調不良があり、それがパン摂取と関係があったことから、
低血糖症もしくは、糖尿病を疑い糖質制限を導入しました。
一応、医療関係者です。
ここから、本題です。
糖質制限の長期予後のエビデンスがないとう指摘には特に反論しなくていいと思います。
しかし、糖質制限により、体調などQOLの著しい改善と、
細小血管病変の網膜症、神経症、腎症がなくなる可能性があることを考えるとデメリットよりメリットが上回ると考えます。
よくいわれる肉食による直腸ガンのリスクは、食物繊維をたっぷりとることとと魚、豆類の摂取により肉食を減らすことで出来るだけ回避すればいいことですし、
かりに高タンパク食による肝臓や腎臓への負担が今後あきらかになったとしても現在の標準治療による
失明、足切断、透析よりはましだろうと考えます。
QOLと長期予後のメリット、デメリットのバランスを考えると糖質制限には大きな可能性があると感じています。
糖質制限という、へたすれば現代の地動説になりかねないものを医療者に広めた釜池先生、それを本にして広く一般に広めた江部先生の勇気には頭がさがります。
私自身は、父が糖尿病で自分もメタボということと、著しい体調不良があり、それがパン摂取と関係があったことから、
低血糖症もしくは、糖尿病を疑い糖質制限を導入しました。
一応、医療関係者です。
ここから、本題です。
糖質制限の長期予後のエビデンスがないとう指摘には特に反論しなくていいと思います。
しかし、糖質制限により、体調などQOLの著しい改善と、
細小血管病変の網膜症、神経症、腎症がなくなる可能性があることを考えるとデメリットよりメリットが上回ると考えます。
よくいわれる肉食による直腸ガンのリスクは、食物繊維をたっぷりとることとと魚、豆類の摂取により肉食を減らすことで出来るだけ回避すればいいことですし、
かりに高タンパク食による肝臓や腎臓への負担が今後あきらかになったとしても現在の標準治療による
失明、足切断、透析よりはましだろうと考えます。
QOLと長期予後のメリット、デメリットのバランスを考えると糖質制限には大きな可能性があると感じています。
2012/01/23(Mon) 15:47 | URL | ぱ | 【編集】
kon さん。
情報、ありがとうございます。
山田悟先生は、私の信頼する医師のお一人で、
今回のディベートセッション前にも、いろいろアドバイスを頂きました。
ディベート成功は山田悟先生のおかげもおおいにあり、感謝しております。
情報、ありがとうございます。
山田悟先生は、私の信頼する医師のお一人で、
今回のディベートセッション前にも、いろいろアドバイスを頂きました。
ディベート成功は山田悟先生のおかげもおおいにあり、感謝しております。
2012/02/01(Wed) 08:37 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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