2011年12月26日 (月)
こんばんは。
朝は雪がちらついていて、とっても寒い京都です。
今回はプリンさんから、食後血糖値のピークについてコメント・質問をいただきました。
【11/12/26 プリン
いつも為になる話をありがとうございます。
ちょっと疑問が出てきました。
自己測定を、空腹時、60分後、90分後、120分後として ここ数日実施しています。
よく「食後2時間後」というので、ピークがくるのは その辺りなのかと思っていたらいつも違います。
例えば昨日の夕食時はこんな感じです。
空腹101、60分158、90分147、120分125
これだともし食後2時間後の測定だけだとセーフですよね。
その前に大きなピークがあるのは悪いんですか?
日によってピークは変わります。
ピークは前にあるのと後ろにあるのではどちらが良いものなのでしょうか?】
プリンさん。
まず正常人と糖尿人で食後血糖値のピークは違ってきます。
正常人では、食後血糖値のピークは30~60分です。
糖尿人だと、食後血糖値のピークは60分~120分で、個人差があります。
同じ糖尿人でも、ピーク60分のほうが、ピーク120分よりは好ましい状態です。
「食後2時間値」というのは、75g経口ブドウ糖負荷試験で、
食後2時間血糖値140mg/dl未満が正常、
140mg~199mg/dlまでが境界型、
200mg/dl以上が糖尿病型と
診断基準で決まっているので、その意味で流布しているのでしょう。
75g経口ブドウ糖負荷試験で、2時間値が140mg未満で正常型であっても、1時間値が180mgを超えている場合は将来、糖尿病になりやすいので注意が必要です。
一般に、体重64kgとして、1gの糖質が正常人の血糖値を0.8~0.9mg上昇させ、2型糖尿人なら3mg、1型糖尿人なら5mg上昇させます。
摂取糖質50gくらいまでは上記計算が、およそですが成り立ちます。
完全正常人で若い人は、1gの糖質で0.4~0.5mgのこともあります。
それから、糖質でも種類や一緒に食べるものによって、ピークが異なることがあります。
ブドウ糖負荷試験のような液体の糖質は速やかに吸収されて、少なくとも正常人ならピークは早くなりやすいです。
糖尿人の場合、高血糖になってもインスリン作用が不足しているので、ピークがずれて2時間後になることもあるのです。
パスタのようにGIが低いものは、吸収がゆっくりで血糖値の上昇速度もゆっくりとなり、ピークも食パンや白米よりやや後ろにずれると思います。
また、バターライス(脂質+糖質)は、単純な白米よりは吸収がゆっくりになり、やはりピークはやや後ろにずれてくると思います。
江部康二
朝は雪がちらついていて、とっても寒い京都です。
今回はプリンさんから、食後血糖値のピークについてコメント・質問をいただきました。
【11/12/26 プリン
いつも為になる話をありがとうございます。
ちょっと疑問が出てきました。
自己測定を、空腹時、60分後、90分後、120分後として ここ数日実施しています。
よく「食後2時間後」というので、ピークがくるのは その辺りなのかと思っていたらいつも違います。
例えば昨日の夕食時はこんな感じです。
空腹101、60分158、90分147、120分125
これだともし食後2時間後の測定だけだとセーフですよね。
その前に大きなピークがあるのは悪いんですか?
日によってピークは変わります。
ピークは前にあるのと後ろにあるのではどちらが良いものなのでしょうか?】
プリンさん。
まず正常人と糖尿人で食後血糖値のピークは違ってきます。
正常人では、食後血糖値のピークは30~60分です。
糖尿人だと、食後血糖値のピークは60分~120分で、個人差があります。
同じ糖尿人でも、ピーク60分のほうが、ピーク120分よりは好ましい状態です。
「食後2時間値」というのは、75g経口ブドウ糖負荷試験で、
食後2時間血糖値140mg/dl未満が正常、
140mg~199mg/dlまでが境界型、
200mg/dl以上が糖尿病型と
診断基準で決まっているので、その意味で流布しているのでしょう。
75g経口ブドウ糖負荷試験で、2時間値が140mg未満で正常型であっても、1時間値が180mgを超えている場合は将来、糖尿病になりやすいので注意が必要です。
一般に、体重64kgとして、1gの糖質が正常人の血糖値を0.8~0.9mg上昇させ、2型糖尿人なら3mg、1型糖尿人なら5mg上昇させます。
摂取糖質50gくらいまでは上記計算が、およそですが成り立ちます。
完全正常人で若い人は、1gの糖質で0.4~0.5mgのこともあります。
それから、糖質でも種類や一緒に食べるものによって、ピークが異なることがあります。
ブドウ糖負荷試験のような液体の糖質は速やかに吸収されて、少なくとも正常人ならピークは早くなりやすいです。
糖尿人の場合、高血糖になってもインスリン作用が不足しているので、ピークがずれて2時間後になることもあるのです。
パスタのようにGIが低いものは、吸収がゆっくりで血糖値の上昇速度もゆっくりとなり、ピークも食パンや白米よりやや後ろにずれると思います。
また、バターライス(脂質+糖質)は、単純な白米よりは吸収がゆっくりになり、やはりピークはやや後ろにずれてくると思います。
江部康二
また質問させて下さい。
市販のブドウ糖75gで経口負荷試験を自分で行うと、一応病院での負荷試験と同じになりますか?
市販のブドウ糖75gで経口負荷試験を自分で行うと、一応病院での負荷試験と同じになりますか?
2011/12/27(Tue) 10:36 | URL | さちこ | 【編集】
さちこ さん。
血糖自己測定器には、約10~20%の誤差がありえます。
そのことを考慮する必要はありますが、およその目安には充分なると思います。
血糖自己測定器には、約10~20%の誤差がありえます。
そのことを考慮する必要はありますが、およその目安には充分なると思います。
2011/12/27(Tue) 10:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
よし さん。
基本的に、経口ブドウ糖負荷試験では、食べ始めてからの時間です。
例えば、午前9時に空腹時採血して、液体のブドウ糖75gを飲んで、
30分後血糖は午前9:30です。
60分後血糖は午前10:00です。
基本的に、経口ブドウ糖負荷試験では、食べ始めてからの時間です。
例えば、午前9時に空腹時採血して、液体のブドウ糖75gを飲んで、
30分後血糖は午前9:30です。
60分後血糖は午前10:00です。
2011/12/27(Tue) 14:25 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、こんにちは。
この間はむくみについての質問に御回答いただき、ありがとうございました。
あれから夫に相談した所、
「今は痩せてずいぶん血圧も下がっているから、アルダクトンとルプラックで良いだろう」
と言われ、朝各1錠分1で服用して様子を見ています。
それでも、毎朝起床時に何となく顔が腫れぼったく、手が握りづらい(特に左手)状態です。
現在、大体10グラム以内/1食当たりの糖質制限を継続中で、
お付き合いで糖質を摂る時だけボグリボースODフィルムを服用します。
体重は半年間で84~85キロ→56~57キロ・体脂肪率41パーセント→27パーセントまで落ち、
食後血糖値も140を超えることはありません。
体調も肥満していた時に比べれば天と地ほど違い、良好です。
ただ、糖質制限開始から4ヶ月頃から次第に体水分量が増え(タニタ体組成計を使用)
冬に入ってからは凄く寒がりになり、手足の先も冷え切って手の爪の際にヒビが入ったりします。
糖質制限では代謝が上がるはずですが、
私の場合は代謝が下がって冷え症や朝のむくみが出ているのでしょうか?
年明けに採血をするとしたら、一般生化学の他に何の項目を調べて貰えば良いでしょうか?
御多忙の所大変恐縮ですが、アドバイスをいただければ幸いです。
何卒宜しくお願い申し上げます。
この間はむくみについての質問に御回答いただき、ありがとうございました。
あれから夫に相談した所、
「今は痩せてずいぶん血圧も下がっているから、アルダクトンとルプラックで良いだろう」
と言われ、朝各1錠分1で服用して様子を見ています。
それでも、毎朝起床時に何となく顔が腫れぼったく、手が握りづらい(特に左手)状態です。
現在、大体10グラム以内/1食当たりの糖質制限を継続中で、
お付き合いで糖質を摂る時だけボグリボースODフィルムを服用します。
体重は半年間で84~85キロ→56~57キロ・体脂肪率41パーセント→27パーセントまで落ち、
食後血糖値も140を超えることはありません。
体調も肥満していた時に比べれば天と地ほど違い、良好です。
ただ、糖質制限開始から4ヶ月頃から次第に体水分量が増え(タニタ体組成計を使用)
冬に入ってからは凄く寒がりになり、手足の先も冷え切って手の爪の際にヒビが入ったりします。
糖質制限では代謝が上がるはずですが、
私の場合は代謝が下がって冷え症や朝のむくみが出ているのでしょうか?
年明けに採血をするとしたら、一般生化学の他に何の項目を調べて貰えば良いでしょうか?
御多忙の所大変恐縮ですが、アドバイスをいただければ幸いです。
何卒宜しくお願い申し上げます。
2011/12/27(Tue) 14:40 | URL | こきち | 【編集】
こきち さん。
脂肪が確実に燃えて体重減少しておられますので、基礎代謝も上昇している可能性が高いのですが、
タニタの体組成計で、基礎代謝とか筋肉量は如何でしょう。
ともあれ体重が急速に減少することで、しばらくは寒がりで冷え性になることが多いですが、
1~2年で寒がりもなくなることが多いです。
漢方薬が冷え性やむくみには効きますよ。
冷え性とむくみなら、念のために甲状腺機能を調べては如何でしょう。
TSH、F-T4、F-T3です。
脂肪が確実に燃えて体重減少しておられますので、基礎代謝も上昇している可能性が高いのですが、
タニタの体組成計で、基礎代謝とか筋肉量は如何でしょう。
ともあれ体重が急速に減少することで、しばらくは寒がりで冷え性になることが多いですが、
1~2年で寒がりもなくなることが多いです。
漢方薬が冷え性やむくみには効きますよ。
冷え性とむくみなら、念のために甲状腺機能を調べては如何でしょう。
TSH、F-T4、F-T3です。
2011/12/27(Tue) 16:12 | URL | ドクター江部 | 【編集】
①月検診の推移(抜粋)
測定日 BMI 体重 血圧 空腹時 HbA1c
<糖尿病専門医院、通院開始>
2010.09.27/26.7/64.0/130~80/173/7.5
2011.05.26/28.1/64.2/120~80/155/7.1
<「江部式・糖質制限食」
*(スーパー)スタート、現在、家族3人、生徒、知人に浸透中…。>
2011.06.24/23.7/63.0/130~90/111/6.7
<3か月経過>
*目に見える改善に驚き。
2011.08.22/23.0/62.4/130~80/123/5.5
<6か月経過>
*従来の生活を続けたら5年後はベッドの上、現在の状態が維持できたら、10年後も現役で働けます。(主治医の糖尿病専門医)
2011.11.28/20.9/59.2/120~80/116/5.2
<直近、12月>
*とにかく、身体が軽い。9~23(24)、休日ほとんどなしの仕事が苦にならない。
2011.12.26/22.2/58.8/120~80/115/5.2
②「北九州市国民健康保険 特定検診審査受診結果通知表①」より
2010.12.24 2011.11.28
身長 165.7 165.2
体重 64.4 59.2
胸囲 86.5 82.2
BMI 23.5 21.7
血圧 120-90 120-80
心電図 異常なし 異常なし
クレアチニン 0.74 0.61
eGFR 83.3 102.9
eGFRステージ 0または1
AST 18 19
ALT 20 13
γ―GT 49 26
中性脂肪 115 441
HDL 45 48
LDL 139 112
尿酸 6.6
空腹時 146
随時血糖 116
HbA1c 6.4 5.2
赤血球数 531 468
ヘモグロビン 15.8 13.9
ヘマトクリット 46.3 42.3
蛋白定性 ± ±
糖定性 - -
潜血 - ±
血清尿酸 5.2 6.6
所見;糖尿病、脂質異常症
③反省・感想
当初、お肉は1食当たり200gで開始、のち、体操のインストラクターである妻の要望に応え、300gに増量(汗;)。
仕事柄、8時起床、血糖値を計測後、<トマトジュース+オリーブオイル、珈琲>を飲んで、仕事に入る。お昼は、<糸こんにゃく+グリコのラーメンスープ+有り合わせの野菜+卵、納豆>。夜は、ブログで公開中のルクエ(レンジ調理器)一品(逸品?)料理。仕事が終わった24時前後に、<焼酎1合、ナッツ、卵、チーズ料理>。12月27日現在、96種目。
塾のプレイングマネージャーで、身体を動かすのは、塾の清掃飲み(汗;)
もっと、お魚を食べよう。せっかく海に囲まれて美味しいお魚が手に入るのだから。
また、運動も少しずつ(汗;)。例えば、塾はエレベーターがないので、4階までの階段昇りなど。(笑)
PS 主治医の先生「以前は糖尿病だったのだが…、今の数値は、…糖尿病とは言いにくい…。とても良好です。この調子でいきましょう。中性脂肪が高いのは、お肉の食べ過ぎ。もっと運動も。」
測定日 BMI 体重 血圧 空腹時 HbA1c
<糖尿病専門医院、通院開始>
2010.09.27/26.7/64.0/130~80/173/7.5
2011.05.26/28.1/64.2/120~80/155/7.1
<「江部式・糖質制限食」
*(スーパー)スタート、現在、家族3人、生徒、知人に浸透中…。>
2011.06.24/23.7/63.0/130~90/111/6.7
<3か月経過>
*目に見える改善に驚き。
2011.08.22/23.0/62.4/130~80/123/5.5
<6か月経過>
*従来の生活を続けたら5年後はベッドの上、現在の状態が維持できたら、10年後も現役で働けます。(主治医の糖尿病専門医)
2011.11.28/20.9/59.2/120~80/116/5.2
<直近、12月>
*とにかく、身体が軽い。9~23(24)、休日ほとんどなしの仕事が苦にならない。
2011.12.26/22.2/58.8/120~80/115/5.2
②「北九州市国民健康保険 特定検診審査受診結果通知表①」より
2010.12.24 2011.11.28
身長 165.7 165.2
体重 64.4 59.2
胸囲 86.5 82.2
BMI 23.5 21.7
血圧 120-90 120-80
心電図 異常なし 異常なし
クレアチニン 0.74 0.61
eGFR 83.3 102.9
eGFRステージ 0または1
AST 18 19
ALT 20 13
γ―GT 49 26
中性脂肪 115 441
HDL 45 48
LDL 139 112
尿酸 6.6
空腹時 146
随時血糖 116
HbA1c 6.4 5.2
赤血球数 531 468
ヘモグロビン 15.8 13.9
ヘマトクリット 46.3 42.3
蛋白定性 ± ±
糖定性 - -
潜血 - ±
血清尿酸 5.2 6.6
所見;糖尿病、脂質異常症
③反省・感想
当初、お肉は1食当たり200gで開始、のち、体操のインストラクターである妻の要望に応え、300gに増量(汗;)。
仕事柄、8時起床、血糖値を計測後、<トマトジュース+オリーブオイル、珈琲>を飲んで、仕事に入る。お昼は、<糸こんにゃく+グリコのラーメンスープ+有り合わせの野菜+卵、納豆>。夜は、ブログで公開中のルクエ(レンジ調理器)一品(逸品?)料理。仕事が終わった24時前後に、<焼酎1合、ナッツ、卵、チーズ料理>。12月27日現在、96種目。
塾のプレイングマネージャーで、身体を動かすのは、塾の清掃飲み(汗;)
もっと、お魚を食べよう。せっかく海に囲まれて美味しいお魚が手に入るのだから。
また、運動も少しずつ(汗;)。例えば、塾はエレベーターがないので、4階までの階段昇りなど。(笑)
PS 主治医の先生「以前は糖尿病だったのだが…、今の数値は、…糖尿病とは言いにくい…。とても良好です。この調子でいきましょう。中性脂肪が高いのは、お肉の食べ過ぎ。もっと運動も。」
2011/12/28(Wed) 11:28 | URL | 北九州 三島 | 【編集】
糖負荷試験の結果で、負荷後60分ガ一度下がった後、再度120分の値がまた高くなることがありますか?
例えば30分後:174、60分後:122、120分後:174 のように・・・
例えば30分後:174、60分後:122、120分後:174 のように・・・
2012/08/16(Thu) 15:15 | URL | マーブル | 【編集】
マーブル さん。
私には経験がありませんので、よくわかりません。
私には経験がありませんので、よくわかりません。
2012/08/17(Fri) 17:35 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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