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糖質制限食で耐糖能改善
こんばんは。

ざとさんから、糖質制限食で耐糖能改善という、嬉しいコメントをいただきました。

【11/12/25 ざと
自己流負荷試験
江部先生いつも有用な情報を発信して下さいまして誠にありがとうございます。
とても勉強になっています。

さて、最近皆さんが色々と改善報告をコメント欄に上げてきているので、
それに触発され私も自己流負荷試験を行いました。

確か、糖質制限食を始めるとどんどん改善するが、半年程度経過するとそれ以降の改善は余りないと、何かで読んだ記憶がありました。
ですので、糖質制限食を始めてから1年程度経過したのを記念(笑)に、現状認識という事でスーパーに売っているブドウ糖で血糖値の上がり具合を調べてみました。

1年目以降はあまり値が変わらないと思っていたので、特に行う予定も無かったのですが、1年経過後も少しずつ改善している人もいるので、
本日計ってみました(約2年2ヶ月経過)。
45gでの結果です(75gは危険だと思い、勝手に減らして自己流です)。

日付   2010/10/24        2011/12/24
空腹時   107            91
30分    206            175
60分    225            204
90分    230            183
120分    171            159

誤差や体調や運動の成果などもあるとは思いますが、ピークが90分から60分に変わっている事より、膵臓が回復していると実感出来ました。

何かのご参考になれば幸いです。】



ざとさん。
コメントありがとうございます。

糖質制限食を始めるとどんどん改善するが、半年程度経過するとそれ以降の改善は余りない】

糖質制限食実践で、食後高血糖はリアルタイムに改善して、HbA1cは1~2%/月、改善します。

空腹時血糖値は、基礎分泌インスリンがあるていど残っている段階だと1~4週間で正常値に改善することが多いです。

一方、基礎分泌インスリンが一定以上障害されていると、糖質制限食実践でも空腹時血糖値が110mg/dl未満にならないことがあります。

いずれにせよ、早ければ2~3ヶ月、HbA1cが10%を超えていても半年くらいで順調なら5.8%未満に改善します。

この時点で、データ的に全て基準値内ですので、「それ以上の改善はない」というか、「それ以上の改善が必要ない」データレベルになったということです。

糖尿病で見られる血糖異常は、

1)空腹時血糖
2)食後血糖
3)1日を通しての血糖変動

の3つの要因で構成されています。

糖質制限食なら、薬に頼ることなく、1)2)3)全ての改善が期待でき、その結果HbA1cも改善します。

一方、糖質制限食を続けて、膵臓のβ細胞を休養させ、なおかつ食後高血糖がない状態を1年、2年と長期間保てば、耐糖能が改善することはあります。

ざとさんの場合も、糖質制限食実践1年目と2年2ヶ月目で、「45g経口ブドウ糖負荷試験」をされて、ピークが90分から60分に変わって、血糖値も低下して、耐糖能が改善している可能性が高いですね。

他にも、2年間の糖質制限食で耐糖能が正常化した方などおられますよ。

例えば、2011年11月27日 (日)のブログ記事「糖質制限食で耐糖能正常化」もご参照いただけば幸いです。

なお75gは危険なので45gで、負荷試験をされたのは賢明な判断と思います。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとうございます。
ブログに取り上げて頂いてありがとうございます。
とても参考になりました。
勘違いしておりました。半年以上経過しても糖質制限食を続けていれば少しずつでも改善する事もあるのですね。
最近モチベーションが下がってきていたので、今回の結果と先生の解説でモチベーションが上がってきました。今後とも頑張って行きます。

ちなみに今回使ったブドウ糖は5gスティック粉末タイプです。
http://www.pearlace.co.jp/kojin/k10_02.html
余談ですが、最初は怖々30gで行ったのですがレッドゾーンに入っている時間が短かったのでデータとして面白くなくて(笑)、1.5倍の45gにして試していました。
2011/12/25(Sun) 23:45 | URL | ざと | 【編集
いつも為になる話をありがとうございます。
ちょっと疑問が出てきました。
自己測定を、空腹時、60分後、90分後、120分後として ここ数日実施しています。
よく「食後2時間後」というので、ピークがくるのは その辺りなのかと思っていたらいつも違います。
例えば昨日の夕食時はこんな感じです。
空腹101、60分158、90分147、120分125
これだともし食後2時間後の測定だけだとセーフですよね。
その前に大きなピークがあるのは悪いんですか?
日によってピークは変わります。
ピークは前にあるのと後ろにあるのではどちらが
良いものなのでしょうか?
2011/12/26(Mon) 00:30 | URL | プリン | 【編集
糖質制限でpHが酸性に?
江部先生 お陰さまで数か月で血糖値大改善(A1C7.8から5.3)、死の4重奏からの脱出も果たしましたが、最近の検査結果や、医師との会話で気になる点がありますのでご相談させていただきます。pHが5.5で酸性です。検査結果に書いてある正常範囲は4.5-8.0となっていますが、先生の最近の著作では、糖質制限患者でも7.4付近が一般的?なような記載があったと思います。
pHは血液を調べているのか尿を調べているのか分かりませんが、糖質制限に懐疑的な主治医は、ケトン体3+の私に「ケトン体で体が酸性になる。人間の体の酵素は弱アルカリで最適に働くようになっているので、糖質制限では血糖値は下がっても他の病気になる危険性がある」とのことでした。もしかして、糖質制限でpH5.5にまでなっているのは私くらいのものなのでしょうか。何か対策はありますでしょうか(黒酢を飲むとか。。。)?昔のメタボ時代はpHを計測してなかったので、昔は弱アルカリだったのか、昔から酸性だったのかは分かりません。
2011/12/26(Mon) 12:11 | URL | ゆきだるま | 【編集
お騒がせいたしました。私のpHは尿pHのようです。血液pHが5.5だと多分もう生きていません。尿pHは恒常性を維持する必要がないため、変動が大きいようですが、一般人は6-6.5で、弱酸性ですが、糖尿人は酸性に傾きやすいようです。穀物回避・肉食過多でもそうなるようですが、あまり気にしなくてもいいのかもしれません。
2011/12/26(Mon) 21:48 | URL | ゆきだるま | 【編集
Re: タイトルなし
ゆきだるま さん。

尿のpHは、5~8の間で、食べ物や運動などで、変化するようですね。
2011/12/27(Tue) 08:56 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限でpHが酸性に?
ゆきだるま さん。

HbA1cの改善、良かったですね。
糖質制限食で血中ケトン体が基準値より高値になっても、インスリン作用があるていど保たれているときは
生理的なもので、心配いりません。
尿中ケトン体は糖質制限食開始3ヶ月~半年で陰性になることが多いです。
心筋や骨格筋などの体細胞が効率良くケトン体を利用するようになり、腎臓のケトン体再吸収もよくなる
からです。また血中ケトン体が基準値より高くても、それは農耕前の狩猟・採集時代の基準値と考えられ、
血液も緩衝作用により、補正され酸性にはなりません。
2011/12/27(Tue) 09:02 | URL | ドクター江部 | 【編集
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