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糖質制限食(低炭水化物食)の長期的安全性
おはようございます。
京都漢方シンポジウム、活発な論議を経て無事終了しました。

シンポジウムに出席されていたお医者さんに以下の論文のことを教えていただき、早速調べてみました。

『米国の女性看護師82,802人を20年間追跡したところ、炭水化物が少なく脂肪とたんぱく質が多い食事でも、冠動脈疾患のリスクは上昇しなかった』

このような内容の研究が、New England Journal of Medicine、2006年11月9日号にハーバード大学のグループにより報告されました。

今まで、 糖質制限食(即ち高脂肪・高タンパク食)の長期的な予後に関する本格的な研究がなかったのですが、とうとう出たという感じですね。

論文を要約すると

『1980年、米国の女性看護師82,802人に対して、質問票を使った食事調査を行い、研究を開始した。
1980年から1998年までのあいだに、2~4年間隔で食事調査を6回実施し、一人一人の低炭水化物食の度合を得点化。
2000年まで20年間の追跡調査を行ったところ、1994人が心筋梗塞などの冠動脈疾患に罹患した。
解析の結果、「低炭水化物食得点」が上位10%のグループの冠動脈疾患の発生率は、下位10%のグループの0.94倍で有意差なし。
つまり、脂肪とたんぱく質が多く炭水化物が少ない食事をしているグループでも、心臓病のリスクは上昇しなかった。』
**Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.

低炭水化物食を長期に続けた場合、心臓病リスクの上昇などの害が生じるのではないかという批判が、従来の医学界おいてありました。

今回の研究は、低炭水化物食の長期的な安全性を調べる目的で、20年間、82,802人の女性の分析が行われました。

その結果、少なくとも心臓病に関しては、高タンパク・高脂肪食の長期的安全性があるていど保証されたということになります。

6.28のブログ
『米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において、脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して心血管疾患乳がん大腸がんリスクを下げないことがアメリカ医学会雑誌2006年2月8日号で報告』

のように、低脂肪食が心血管疾患乳がん大腸がんリスクを下げないことも合わせて、とても興味深い研究報告でした。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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