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久山町研究50周年記念講演会と糖尿病増加
こんにちは。

本ブログでも時々記事にしている「久山町研究」

2011年10月29日(土)に九州大学医学部百年講堂 大ホールにて

「久山町研究50周年記念講演会」http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/50th/

が開催されます。

よしさんから、情報をいただきました。
入場無料だそうです。

【11/09/20 よし
久山町研究50周年

江部先生、おはようございます。
糖尿人が多いのは、久山町も同じでしょう。
大学の研究者と町民が一丸となって、定期検診と疾病の予防と早期発見と治療に取り組んだ結果、
糖尿人が激増したというのは、悲劇としかいいようがありません。
町の公式サイトでも、ちゃんとデータが公表されていますね。
http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/toukei/05.html

清原先生は、40年の成果について、
「1988年に初めて糖負荷試験を行って糖尿病対策に力を入れ始めたのちは、
肥満、耐糖能異常、高脂血症など代謝異常の増加傾向に歯止めがかかってきました。」
とコメントしています。
http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/kurashi/hoken/kenshin40-04.html

しかし、データを見る限り、全町民の約半数が糖尿人になったことの衝撃のほうが大きいです。

久山町研究50周年で記念講演会があるそうです。
http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/50th/

是非とも、清原先生のお話を伺ってみたいのですが、残念ながら、私は、遠すぎて行けそうもありません。
久山町町民に、糖質制限食を導入するのは無理なんでしょうか?】



よしさん。

久山町の公式ページ http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/toukei/05.html

には、2002年(H14年)の糖尿病と予備軍激増の、データが掲載してありますが、

清原先生のページ http://www.town.hisayama.fukuoka.jp/kurashi/hoken/kenshin40-04.html

は、1998年のデータまでしか載せてありませんので、少し古い原稿のようです。

そして

「1988年に初めて糖負荷試験を行って糖尿病対策に力を入れ始めたのちは、 肥満、耐糖能異常、高脂血症など代謝異常の増加傾向に歯止めがかかってきました。」

というのは、2002年(H14年)の糖尿病と予備軍激増のデータがでる前段階での、清原先生のコメントですね。

1988年の久山町検診で、今まで考えられていた以上に糖尿病が多いことが判明したので、厚生労働省糖尿病疫学班がこれを受けて各地で9年間にわたり調査を行いました。

その結果は、各地で久山町と同程度の糖尿病有病率であることがわかりました。

厚生労働省調査における日本人の推定糖尿病患者数
調査対象は20歳以上の成人
1990年(H2年):560万人
1997年(H9年):690万人
2002年(H14年):740万人
2007年(H19年):890万人

この間1997年からは、日本人の総摂取カロリー比率において、脂肪は減り始めて、糖質は増え始めています。

この傾向は2008年の最新統計まで、続いています。

そして、糖尿病は順調?に増え続けています。

しかしよくみると

1997年から2002年の5年間で、50万人の増加で少しなのに対して、
2002年から2007年の5年間は、150万人増加で加速しています。

下記は厚生労働省の調査データで、1997→2002年の5年間の差を比較したものですが、確かにあまり増えていません。

日本全体男性糖尿病有病率     1997      2002     
        40才代           5.4       4.4%
        50才代          14.2      14.0%  
        60才代           17.5      17.9%
        70才代           11.3      21.3%

日本全体女性糖尿病有病率    1997        2002     
        40才代          5.3       3.6%
        50才代          7.1       4.6%     
         60才代         10.6       11.5%
         70才代          15.5      11.6%


久山町研究においては、1988年と2002年に40~79才の年齢層の80%近い住民を対象とした、75g経口血糖負荷試験を用いた糖尿病の有病率調査を実施しています。

この時、1988年からは、糖尿病対策として、食事指導と運動療法を開始しています。

しかしこの14年間の努力にも関わらず、糖尿病の確定診断がついた人が

    1988年      2002年
男性: 15.0% →  23.6% 
女性: 9.9%  →  13.4%

と大幅に増加しています。


2002年(H14年)の久山町検診で、糖尿病と予備軍激増のデータがでたあと、 2007年7月27日(金)の毎日新聞朝刊では、インタビューに答えて清原先生は、

「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。 どうすれば減るのか、最初からやり直したい」

とのコメントを述べておられます。

指導された食事療法は勿論、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)です。

1988年から実施された厚生労働省の調査では、当時の日本各地の糖尿病有病率は、久山町の男性15.0%、女性9.9%と大差なかったということです。

しかし、2002年の厚生労働省の調査では、日本全体の40代以上の糖尿病有病率は、久山町の40代以上の有病率、男性23.6%、女性13.4%に比べると、上述のデータのように、大幅に少ないのです。

「88年以後、運動や食事指導など手を尽くした」 久山町の40才以上の住民において、何も指導していない日本全体の40才以上の住民と比較して、糖尿病有病率がかえって大幅に増加したという、パラドックスが生じています。

まとめると、1988年の出発地点では、40才以上の日本全体の糖尿病有病率と久山町の有病率と同じだったのが、14年後の2002年には、食事指導を受けた久山町の方が、大幅に増加してしまったのです。

久山町の40才以上において、糖尿病と予備軍を併せたら

男性、1988年は42.2%→2002年は59.9%
女性、1988年は33.6%→2002年は41.3%

というとんでもない数字となっています。

【大学の研究者と町民が一丸となって、定期検診と疾病の予防と早期発見と治療に取り組んだ結果、糖尿人が激増したというのは、悲劇としかいいようがありません。】

まさに、よしさんの仰有る通りです。
私はこれを「久山町の悲劇」と呼んでいます。

50周年記念講演会で、清原先生はどのように総括されるのでしょうか?



江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
こんにちわ。
先生こんにちわ。毎日ブログ拝見させていただいてます。
とても為になる事ばかりで勉強になります。
自分もまだ正常型とはいえ、糖尿に移行しやすいとの事で
現在糖質制限をしています。
まだ正常だからと高をくくって主食のみなくしておかずは普通の味付けに
してそこそこ肉魚と野菜が多めなんですがそれでも大丈夫
でしょうか?おやつにアーモンドとチーズも良く食べます。体重の減りは
ありません。
ただ、炭水化物が好きだったのでいくら食べても物足りなさがありついつい
ガムを噛んでしまいます。

そこで、質問なのですが私はキシリトールガムを良く口にします。半端ない量
なんですが(それこそ1日一袋(炭水化物全部で70g位)とかざらです(^^;)
これを頻繁に摂取しているともちろん血糖値は上がると思います。
成分は糖アルコールと人口甘味料ですが、エリスリトールは入ってないです。

このガムの味の無くなったものをずっと噛んでいても血糖値は上がっちゃう
のでしょうか???よくないと思ってるんですが満腹感が得られなく・・・
辞められません(>_<)・。・

満足感がなぜ得られないのでしょうか?どうすれば満足感が得られますか?
2011/09/23(Fri) 22:58 | URL | シュガーライフ | 【編集
Re: こんにちわ。
シュガーライフ さん。

キシリトールは糖アルコールに属する甘味料で、安全性は高いです。
しかし砂糖の半分くらいは血糖値を上昇させますので大量はNGです。

それ以外は今のパターンでよいと思います。
肉・魚・豆腐・野菜で満腹してください。
徐々に慣れると思います。

口寂しい時、ラカントカロリーゼロ飴なら、OKです。
2011/09/24(Sat) 16:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
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